まけんき/かちき(ポケモン)

登録日:2025/03/24 Mon 22:13:19
更新日:2025/04/02 Wed 08:47:00
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相手に 能力を 下げられると 攻撃が ぐーんと 上がる。


相手に 能力を 下げられると 特攻が ぐーんと 上がる。


『まけんき』/『かちき』とは、ポケットモンスターシリーズに登場する特性の一つ。
初登場は前者はポケットモンスター ブラック・ホワイト、後者はポケットモンスター X・Yから。

概要

効果は冒頭にある説明通り。
詳細に言えば、

「相手の技や特性によって自身の能力ランクを下げられる度に、攻撃/特攻のランクが2段階上昇する」

というシンプルながらも強力な効果を持つ。
上がる能力は『まけんき』の場合は攻撃、『かちき』の場合は特攻となる。

ポケモンにおけるデバフの代表である『いかく』を食らっても『まけんき』なら「結果として」攻撃が1段階上昇し、
『かちき』であれば特攻2段階アップに加え、自身の攻撃のステータスやランクを参照してダメージを与える「イカサマ」にも強くなる。
他にも「こごえるかぜ」や「バークアウト」などに対しても強く出られるので、デバフを仕掛ける相手の動きを牽制したり、それらを逆手に取って強力な反撃をお見舞いすることができる。

複数の能力を下げる技や特性を受けた場合、下げられた能力の数だけ発動するため、2つの能力を下げる「おきみやげ」や「すてゼリフ」を受ければ特性が2回発動し「攻撃/特攻が4段階上昇」する。

勘違いされがちだが、この特性は飽くまで「能力低下をトリガーに能力上昇を発生させる」ものであり能力低下を「無効化」する訳ではない
その為、『かたやぶり』のポケモンが放つ技でステータスが下がっても影響を受けずに能力が上がる。

……と、要は相手からデバフを受ければ自動的に「つるぎのまい」か「わるだくみ」を発動する特性だが、以下の制約や欠点も存在する。


特性の制約・仕様

① 自分が使った技の反動や持ち物、味方の技や特性で能力が下がった時は発動しない

『まけんき』/『かちき』の発動条件は「相手によって能力を下げられると」である。
なので「インファイト」や「りゅうせいぐん」のような、自分の技で発生するステータスダウンの反動を打ち消すことは不可。
また、ダブルバトル味方に不要な能力を下げてもらい、引き換えに火力を上げるといった戦術は失敗する
同じ理由で『ミラーアーマー』や『わたげ』、「たこがため」も相手からだと発動するが、味方からだとステータスランクが低下するだけで終わってしまう。
そして、「トリックルーム」下だと素早さが1段階下がるアイテム「ルームサービス」による能力低下でも攻撃/特攻は上がらない。

なお、自分や味方の技の影響とはいえ能力ダウンの直接的なトリガーが相手側だった場合は特性の効果が発動する
具体的に言えば、ダブルバトルで『いかく』待ちの味方が「スキルスワップ」を行い相手の特性を『いかく』にした場合や、「アンコール」で相手に対して能力を下げる技を強制的に出させた場合などがこれに当たる。


② 特性が発動するのは能力ランクを「下げられた時」のみ

あくまで「能力を下げられると」発動なので、
「くろいきり」「クリアスモッグ」での能力変化のリセット、
ひっくりかえす」によるステータスランクの逆転、
「パワー/ガード/ハートの各種スワップ技」や「バトンタッチ」などで既に低下しているステータスを押しつけられたり引き継いだ時も発動しない。


③ 下げられた能力を元に戻す効果はない

文字通り。先述したように『まけんき』持ちが『いかく』を受けると結果として攻撃1段階上昇になるのはそのため。
なので『まけんき』持ちが攻撃2段階下げの「あまえる」「フェザーダンス」、『かちき』持ちが特攻2段階ダウンの「かいでんぱ」を受けた場合はプラマイゼロでステータスが元に戻る。
「おきみやげ」「すてゼリフ」を受ければ攻撃/特攻4段階上昇も嘘ではないのだが、正確に言うなら、特性で上がらない攻撃/特攻のもう一方は下がったまま、差し引きで最終的には2段階/3段階上昇となる。
第九世代の2025年現在の対戦環境で、攻撃と特攻の両方を使う両刀型の育成は少ないが、低威力を承知で先制技を差している場合などにはダメージ計算がずれて影響が出るだろう。

攻撃面に限れば、真っさらな状態でデバフを受けても最低でも1段階低下した状態になることはないが、問題はそれ以外の能力。
防御面や素早さといった下げられた能力次第では、相手の攻撃に打たれ弱くなったり先手を打たれるなどで、特性を活かす前に倒されてしまうなんてこともあり得る。


④ 持ち物より先に発動する特性である

例えば「じゃくてんほけん」を持っている『まけんき』/『かちき』のポケモンが、ステータスダウン付きの弱点攻撃を受けた場合、
「じゃくてんほけん」より先に特性による攻撃/特攻アップが発動し、対となる能力ともに何かしらの理由で最大になっていたならば、「じゃくてんほけん」は消費されずに持ったままになる。
「しろいハーブ」も攻撃/特攻が下降したことで特性が発動した結果、攻撃/特攻のステータスが元に戻るか数段階上がった状態になった場合は消費しない。
それ以外のランクを下げられた時は特性発動後に「しろいハーブ」を消費する。


総じて、相手の戦術や行動に大きく依存する受け身ありきの特性だが、特性の仕様を理解して使いこなせば強力な効果を発揮してくれる。
逆に言えば、対戦などでこれらの特性を持ったポケモンと対面する場合、慎重な立ち回りを求められる。


所有するポケモン

※ ★は隠れ特性

まけんき


かちき



バトルでは

シングルバトルでも相手のデバフ技を牽制でき、「シャドーボール」等の追加効果で不意に火力アップが狙えたり等するそこそこ優秀な特性。
だが、シングル以上にその真価を発揮するのがダブルバトル。
ダブルでは『いかく』や「バークアウト」による火力低下や「こごえるかぜ」による素早さ操作等、シングルバトル以上に積極的に能力低下技を絡めたサポートが飛び交っている。
当然、この特性の発動機会も多くなるため、見せ合いの時点でこれらのポケモンがいるだけでプレッシャーをかける事ができるのである。
シングルではあまり評価が高くないポケモンが一転してダブルではこの特性の有無だけで高い評価を得ている、なんて事も割りとよくある。


特性『まけんき』/『かちき』のポケモンと対面した場合は慎重な立ち回りが求められると前述したが、対戦以外にも注意しなければならない場合がある。
その代表的な状況が「マックスレイドバトル」と「テラレイドバトル」である。

マックスレイドバトルにおいて★3以上のポケモンは、一定のダメージを受けると変化技を無効&以降に受けるダメージを大幅に軽減する「ふしぎなバリア」を展開し、このバリアを剥がすと防御と特防がそれぞれ2段階下がる。
普通なら一気に攻めるチャンスとなるのだが、『まけんき』と『かちき』を持つポケモンだとトータルで攻撃/特攻が4段階上昇するため、逆にこちら側が殲滅させられるリスクが上がりピンチに陥ってしまう。

さらにバトルの中盤以降、こちら側の能力上昇を打ち消す衝撃波を発する上に1ターンに複数回行動し、★5に至ってはバリアを2回展開する(それにより場合によっては攻撃面のランクが最大まで上がる)ので、より撃破や捕獲の難易度が上昇してしまう。
それならばバリアを剥がす前に削り切る……ということもダメージ上限が設定されているためにできないので、この特性(と下降と上昇が逆転する『あまのじゃく』)持ちとのレイドバトルは非常に難易度が高い。

テラレイドバトルでは、バリアを破壊されても防御と特防が下がる代わりに1ターン行動不能に置き換わったが、『いかく』持ちのポケモンを使うNPCが登場。
ソロプレイではこれらの特性を持つポケモンと対峙する際にそのNPCを引いてしまうと、相手に塩を送る結果になってしまう。
本来ならば敵の攻撃を下げてくれてありがたいはずなのだが、ランダム選出という仕様もあってこの特性持ちとはありがた迷惑となってしまう。

これらはマルチプレイも同様で『いかく』を持ったポケモンを選んだりデバフ技を使うと、「手助けのつもりで弱らせた結果、攻撃力が上がって倒すのが難しくなった」なんて状況に陥ることもある。
特に高難易度の☆6テラレイドとなるとバフ・デバフを利用して攻略する事が基本となっているため、タイカイデンやコノヨザルの攻略が非常に困難なものになっている。ただし☆6ドドケザンは特性がプレッシャーで固定されているためこの心配はない。

対処法としては「クリアスモッグ」や「くろいきり」を使ってステータスをリセットしたり*1、「パワースワップ」で上昇した能力を横取りするという手もある。
あるいは「いえき」や「スキルスワップ」といった特性を変更・消去する技を導入する必要がある。

いずれにせよ、レイドバトルで『まけんき』/『かちき』を持つポケモンと戦うなら、使うポケモンや技の選択をどうするかなど頭を使って挑まなければならない。


余談

  • エンペルト系の隠れ特性は第八世代までは『まけんき』だったが、第九世代にて『かちき』に変更された。
    ポケモンでは新しい世代で特性が変更されることはあるが、エンペルトは御三家の隠れ特性が変更された初のケースである。*2
    攻撃よりも特攻の高いポケモンとはいえ、物理先制技のアクアジェットを持っていたので『まけんき』も決して無用な特性ではなかったが、使い勝手は大きく上昇したと言える。

  • ポケモン不思議のダンジョンシリーズの探検隊・冒険団にもステータス「かしこさ」の一つに「まけんき」が存在するが、効果は「常にカウンターじょうたい*3になるが、ぼうぎょが1段階下がっている」というものになっている。


追記・修正は能力を下げられた後で攻撃か特攻をぐーんと上げてからお願いします。

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最終更新:2025年04月02日 08:47

*1 ただし、この対策はマックスレイドバトルだと相手の防御面の下降もリセットされるのが欠点

*2 厳密にはヒスイ御三家の隠れ特性が変更されているが、変更前の特性はPokémon LEGENDS アルセウスの解析データ内で判明した物であり、LEGENDSアルセウスには特性のシステムがないので実質没データとなっている。変更前の隠れ特性は原種と同様

*3 隣接したポケモンから物理技を受けると、受けたダメージと同じダメージを相手に与える