ホエーモン

登録日:2022/03/26 Sat 03:22:48
更新日:2025/02/12 Wed 15:13:37
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全てを流し去る!巨鯨(きょげい)が生み出す怒涛の津波!!

『ホエーモン』とは、『デジタルモンスター』に登場するキャラクター。


【基本データ】

世代 完全体
タイプ 水棲哺乳類型
属性 ワクチン種
勢力 ディープセイバーズ
必殺技 タイダルウェーブ
巨大な大津波を起こして、全てを破壊する。
得意技 ジェットアロー
頭部の後ろにある噴気孔から超高圧で水を吹き出す技。

【概要】

『ネットの海(デジモンが誕生した、ネットワークの大海)』の深海に棲む、巨大なデジモン。
眼がなく、一見するとエイリアンのようなのっぺりとした硬質な頭部を持っているが、大人しい性格をしている。
(かつては獰猛な性格と言われていた時期もある)
また、視力はないが他の感覚器官で補っているので状況判断はでき、襲い掛かる敵にはその巨体で返り討ちにする。
クジラらしく潜水能力も高く、全デジモン中1,2を争うと言われている。

その巨体はデジタルワールドでは最大クラス。
その巨大さ故に、通常のコンピュータでは処理できないほどのデータ量を持っている。

 「ワシらの先輩みたいなもんやな」
 竜帝「きっとこの先もこの手の設定もつデジモン、増えてくんだろねぇ…」


この完全体のホエーモンの初登場は『デジモンペンデュラムVer.2 ディープセイバーズ』。

あえて強調したのは、実はこのホエーモン、同じ名前と見た目だが成熟期の個体も存在するため。(成熟期のデータは後述)
成熟期では強すぎると判断されたからか、後にこちらの完全体verのホエーモンが登場し、今ではこちらの方がメジャーとなっている。

ちなみに、初登場から世代が変わったデジモンには
等がおり、彼らは設定自体が改変され、元々の世代はなかったことになっている。
しかしホエーモンの場合は、完全体ver・成熟期verの両方が現在も存在しており、公式のデジモン図鑑にきちんと載っている。
恐らく、ホエーモンの場合は成熟期の期間が長く、ゲーム等にも多く出演していたため、
急に世代を変えると逆に混乱を招くという判断があったと推測される。

現在では
  • 成熟期 …ファイル島近海に住む種。
  • 完全体 …フォルダ大陸沿岸に住む種。(見ためこそ同じだが、過酷な環境で攻撃力、生命力共に強靭化)
という整理になっている。


【派生種】

◆ホエーモン(成熟期)

世代 成熟期
タイプ 水棲型(水棲哺乳類型とされることも)
属性 ワクチン種
必殺技 ジェットアロー
完全体の個体と同じ。
得意技 タイダルウェーブ
完全体の個体と同じ。『大津波』となっていることも。
ギガントプレス
その巨体で押し潰す。
上述した、ファイル島近海に住む種。
現在では、こちらの個体の設定が使われることはほぼ無い。

初登場は『デジタルモンスターVer.2』。ガルルモンやカブテリモンと同期である。

ちなみに、必殺技のタイダルウェーブはこの頃から使用可能。
旧カードゲーム(Bo-58)などでも確認できる。


◆キングホエーモン

世代 究極体
タイプ 水棲哺乳類型
属性 ワクチン種
必殺技 (不明)
アニメ『デジモンクロスウォーズ』で初登場。

岩塊のようなその頭部には草木が生い茂り、一つの島と化している。
一方で胴体の方は白く、ボロボロのホエーモンと異なり目立った傷のない綺麗な姿。翼のような三対六枚のヒレも相まって神秘的にすら見える。

クロスウォーズ初ということで当初世代はなかったが、カードで登場した際に究極体・水棲哺乳類型であることが判明。
とはいえ、実質アニメ本編時しか登場していない(執筆時点で公式図鑑未登場)なため、詳細は不明。


【関連種】

◆フックモン

世代 成熟期
タイプ 突然変異型
属性 ウィルス種
必殺技 キャプテンキャノン
左手のキャノン砲を撃ち放つ。
得意技 リキッドバレット
片目に眼帯をかけた姿をした、荒波にも立ち向かう勇気ある海賊 デジモン。
右手がフック状のカギヅメになっており、一度獲物に引っ掛けたら意地でも離さない。
左腕はキャノン砲になっており、こちらの攻撃力も高い。

彼は 幻の白いホエーモン を追って「ネットの海」を冒険しているという。
元ネタはピーター・パンのフック船長+アメリカの小説家・ハーマン・メルヴィルの冒険小説『白鯨』の主人公・エイハブ船長辺りか。

初登場は『デジモンワールド3』で初期枠の一体、コエモンの成熟期として扱われていた。
ちなみに、現在は青基調の服装だが、当初は赤い服であった。
なお、その際の進化ルートは
コエモン → フックモン → アサルトモン → キャノンドラモン
一応は、重火器・砲撃によるルートと思われる。

ちなみに、キングホエーモンの体色が白いことから、「幻の白いホエーモン」はキングホエーモンのことではないかと言われている。
だとしたら世代レベルにかなり無謀だが……


【関連作品でのホエーモン】

アニメデジモンアドベンチャー

CV:木村雅史
「黒い歯車を取り除いてくださったお礼に、わたくしがお送りしましょう」

初登場は第14話 「出航 新大陸へ!」
デビモンを倒し、ファイル島からサーバ大陸へ向かう選ばれし子供達の前に登場。
そのイカダを飲み込んでしまう。(ピノキオオマージュであろうか)
ちなみに、この時のデジモン紹介では「成熟期」として紹介されていた。

実は、体内に侵入した黒い歯車によって狂暴化しており、歯車が破壊され正気に戻った後は太一達の協力者となる。
なお、作中でテントモンが「ホエーモンは獰猛」と解説するが、実際にはおとなしいどころか礼儀正しい性格だった。

デビモンが海底に何かを隠していたという話も知っていた。子供たちが探していたタグの居場所と判断し、その海底洞窟に立ち寄る。
無事回収してからは子供たちを無事にサーバ大陸へ送り届ける。
上陸しやすそうな陸地は敵の待ち伏せが予想されるとして避け*1、また「コロモンの村が近くにある」と彼が知る入り江に子供たちを上陸させて、出番は一旦終了。


その後、紆余曲折を経て、現実世界から再びデジタルワールドに戻ってきた選ばれし子供達。
元々はファイル島だった海岸周辺で、ダークマスターズの一角、メタルシードラモンの襲撃を受けた子供達を救ったのが、他でもない彼であった。

究極体のメタルシードラモンをその巨体で吹き飛ばしたスキに子供たちを体内に保護。
そのまま深海に潜り、一旦は逃走に成功する。

「安全な場所がこの世界にあるか分かりませんが、せめてメタルシードラモンの目が届かぬ所へ皆さんをお連れしましょう」

その後は海上に子供たちを出して涼しい海風に触れさせたり、三日月状の島に上陸して釣りをさせたりして体力や気力を回復させる。
ホエーモンの穏やかで大人な気質も、子供たちの支えになったようだ。
光子郎のパソコンとホエーモンの視覚を共有することで深海の様子を見せるという一幕も。つまり目が見えているらしい。
ウミホタルのような発光体の間を通って子供たちを感激させたりした。

しかし逃避生活も長くは続かず、ついにハンギョモン軍団に発見されるが、深海の水圧を利用し彼らのモーター(ボンベ?)を潰すことで追跡からも逃走。
だが、メタルシードラモンは深海の水圧もモノともしなかった。

何とか海面までは逃げ切るが、ディープセイバーズ暗黒軍団にも追いつかれてしまう。
しかし前回はスパイラルマウンテンからの脱出やアノマロカリモンとの連戦で疲弊していたが、今度はホエーモンの長期間逃避のおかげで体力が回復している。
近くには陸地もあり、体勢を立て直すこともできると子供たちは決意し、いよいよ全面対決に挑む。
まず、ホエーモンが「タイダルウェーブ」でハンギョモンの包囲網を崩す間に、アグモンがウォーグレイモンにワープ進化してメタルシードラモンと交戦。
子供たちは近くの陸地に移動した。
(この際「タイダルウェーブ」を主力として使用したことから、恐らく完全体になっているものと思われる。)*2
ホエーモンは子供たちに「あとは任せろ!」と離脱を促され、一度は渋るも「その巨体じゃ狙い撃ちになる!」と指摘されたこともあり、深海に姿を消した。

だが、メタルシードラモンは海中のみならず空中でも強く、一瞬の隙にウォーグレイモンを顎に捕らえて優位に立つ。
メタルシードラモン「他愛のないウォーグレイモン! これで最後だ!!」
ウォーグレイモンが嚙み砕かれる……と思われた次の瞬間、退避していたはずのホエーモンが体当たりでメタルシードラモンを弾き飛ばし、ウォーグレイモンを救出した。

しかし…
「冗談ではない!!!」
「ぐおぉぉっ!!!」
絶好の機会を妨害されたメタルシードラモンは激昂。発射したアルティメットストリームの一撃がホエーモンの頭部を貫いた。

だが、ホエーモンのおかげで窮地を脱したウォーグレイモンは、必殺技の再チャージも追いつかないメタルシードラモンを「ブレイブトルネード」で撃破することに成功する。

こうして、初のダークマスターズ撃破に成功した子供達。
だが、それはホエーモンという大きな犠牲を払った結果であった…。

「選ばれし子供達よ…この世界を頼みましたよ……」

ピッコロモンに続きホエーモンも喪った子供達…彼のは子供達の心に大きな影を残すのであった……。


PSソフト『デジモンワールド』

育成可能デジモンの1体として登場。
この時点では「成熟期」。必殺技も「ジェットアロー」


PSソフト『デジモンワールド デジタルカードバトル』

流氷岬に出現。オーガモンの一味が氷像を盗み出す様子を聞いて いた。
聞いて、というのは「自分には眼がついていないため姿を見たわけではない」からである。

戦闘カードとしても登場。レベルは「Ⅳ」(成熟期扱い)。
ただし、〇攻撃が「タイダルウェーブ」、△攻撃が「ジェットアロー」となっている。
HPが非常に高く、レベルⅣとしては全カードで最高値の1300。レベル完でもホエーモン以下の体力しかないものも多いほど。
攻撃力の数値も、平均レベルが低い氷水属性ならば平均値レベルである。
弱点は×攻撃「ギガントプレス」の特殊能力や援護能力が少し使いにくい点。
前者は「敵の△攻撃を0にする」だが、使える戦局が限定されがち。
後者は「場に出ている味方カードのHPを700にする」だが、味方が瀕死の場合は大きな効果が見込めるものの、味方が進化したばかりなどで体力が有り余っている場合、下手に使うとこちらのHPを削ってしまいかねない。
なお、一度レベル完に進化してから「退化」カードを使うと、場に出たホエーモンのHPは2600にもなる。
基本HPが最も高いムゲンドラモンでも2250なので、場に出た瞬間のHPが最も高いのはこの退化コンボのホエーモンである。


漫画『デジモンアドベンチャー Vテイマー01

ネットオーシャン(ネットの海)を守る『支援プログラム』の一体。
かなりの高齢であることがセリフからは窺い知れる。
太一に「この世界が01で構成されたデータであること」「(世界にとっての)ウィイルス、ワクチンについて」などの知識と、「デジヴァイス01(ゼロワン)」を与えてくれた。
そして、自身の任務が完了した事を悟ると同時にデジタマへと還っていった。


アニメ『デジモンアドベンチャー02

第41話「サンゴとベルサイユ大乱戦!」において、オーストラリアの選ばれし子供達がグレートバリアリーフに迷いデジモンを誘導してきた際にその姿が確認できる。
ただし、セリフ等はないので迷いデジモンなのか、誰かのパートナーなのかは不明*3


アニメ『デジモンテイマーズ

第22話にて、ヴィカラーラモンが切り裂いた空間に一瞬姿が確認できる。


アニメ『デジモンフロンティア

第14話「雷よ!岩をも砕け!ボルグモン決死のチャレンジ」にて登場。
CV:小和田貢平
大海原で光る海藻を食べていた時、グロットモンが大地のデータを吸収・消失。
それによって地下洞窟へ通じる穴が空き、近くの海水もろとも引き込まれて洞窟内の水辺に閉じ込められてしまう。

そこに子供達と、それを追ってきたグロットモン達が現れる。
ジェットアローで子供達を援護した時、海藻が光っていた原因《「雷」のビーストスピリット》が体内から出てくる。
それにより純平がボルグモンへ進化しグロットモンを撃破。
直後、洞窟内が水没したが、体内に子供達を入れて救出、海上に連れ出す。
海に戻れたことを喜びながら、一行を近くの島まで送り届けるのであった。

なお、余談だが、ホエーモンは目が退化して無いはずなのだが、
海に帰りたいのを訴えていた際に 号泣して いた。

ネーモン「どっから涙出てんだろうねぇ」


アニメ『デジモンクロスウォーズ

上述通り、キングホエーモンがアニメ初登場を果たす。
ただし作中では「ホエーモン」としか呼ばれていない。

アイランドゾーンを構成する島そのものであり、体内は入り組んだダンジョンのようになっている。
また、奥地の社にデジメモリとコードクラウンを納めており、タイキたちの心意気を認めてデジメモリとコードクラウンを譲渡した。

体内で分泌される油には解毒作用があり、シャウトモンの体内にあったフライモンのを消し去った。
また、緑色のオーラの様な物で小さなデジモンや人間を守る事もできる。

ネプトゥーンモンとの戦いでは、彼の最後っ屁『ウェーブオブデプス』からタイキたちを守る活躍も見せた。

2期ではスプラッシュモンが治めるサイバーランドに、ホエーモンを模した飛行要塞が登場。


デジモンクロスウォーズ(漫画版)

上記の飛行要塞を模した、空を飛ぶ空母ホエーモンが登場する。


アニメ『デジモンアドベンチャー:

太一とは別でデジタルワールドに来ていた光子郎&テントモンを飲み込む形で登場。
その後、サウンドバードモンに操られたティロモンの襲撃を受ける。

体内から脱出した光子郎&テントモンはカブテリモンへと進化を果たし、ティロモンらを撃退する。


第59話「電光ヘラクルカブテリモン」で久々の登場。
光子郎に知恵比べを挑むナノモン人質として捕縛されていた。
ヘラクルカブテリモンがグランクワガーモンを撃退し、ナノモンも洗脳から解放された後は、ホエーモンも解放された模様。

最終回マリンエンジェモンの海底移動要塞と一緒にいる姿が確認できた。


【余談】

実は公募デジモンの一体だったりする。(というか、Ver.2成熟期はガルルモン除いて全て公募)
…とは言うもののこの公募、ちょっと怪しいとこがあったりする。

例えばカブテリモンも公募デジモンなのだが、元イラストがなんとロックマンX3に登場するグラビティー・ビートブードそのままの絵だった。
それが採用時には、あのエイリアン顔へと大幅な改変を食らっている。
カブテリモン自体はそのまま再現したら著作権的にヤバい為、と一応の理由はつけられるものの、特に問題がないはずの他のデジモンも、別物レベルにまでデザインが変えられ更には名前まで変更と、改変が非常に激しいのである。
ぶっちゃけ、どのデジモンも元イラストとはまるで別物と言ってもいいレベルの改変ばかりであった。
おそらくはある程度デザインの方向性が決まっていて、応募してきたイラストの中から近いものを選んでいたのであろうと推測される。
更に、公募企画は週刊少年ジャンプVジャンプの両方共通で宣伝・募集されていたのだが、なぜか同じデジモンに対して採用されたイラストも各々で異なっていた。

ただ、当のホエーモンは最優秀賞作品であり、それだけは両誌共通であった。
しかし、そのイラストに描かれていたのは「目が9時を指す時計になっているクジラのデジモン」こと「くじモン」
大人の事情が絡んでいるとはいえ、最大の特徴が反映されていなかった応募者はどんな気持ちであったのだろうか…。
なお、渡辺けんじ氏はVジャンプ紙上では「ヘタなギャグが最高だね」とコメントを寄せていた。褒めてんのか?


追記・修正はネットの海の超深海にもぐってからお願いします。

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最終更新:2025年02月12日 15:13

*1 実際、次のボスであるエテモンがこの入り江に上陸すると踏んで待ち伏せをしていた

*2 そうじゃないと成熟期が究極体を怯ませたことになるし…

*3 完全体がパートナーということに疑問があるかもしれないが、同じシーンの中で完全体のハンギョモンを(ほぼ間違いなく)パートナーにしている子供がいる