イヤリング型携帯電話

登録日:2022/05/17(火) 17:14:00
更新日:2023/07/28 Fri 17:12:07
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あったあった!博士にもらったイヤリング型携帯電話!!

でもなんでイヤリングなんだ?


イヤリング型携帯電話とは『名探偵コナン』に登場する阿笠博士が開発した発明品の一種である。


さて、この項目を見ている人は携帯電話と聞いて何が思い浮かんだだろうか。
今や当然のように普及しているスマートフォンまたは2010年代前半まではかなり所持している人が多かったガラケーだろうか?

そんな携帯の一種であるこのイヤリング型携帯電話はコナンに登場した道具の中でも特に時代を感じさせる物となっている。


概要



見た目はイヤリングに片方のみの有線イヤホンとキーパッドが付いた物。大きさはコナンの手のひらに収まる程度で大体4~5cm位だろうか。これを使ってコナンは一時期連絡手段として活用していた。

使い方はかけたい番号を入力してからイヤホンを耳に入れて通話するというシンプルな手順。

他には蝶ネクタイ型変声機と直通で会話できるという機能が備わっているのだが1回しか使われていない。

電波関連はどうなっているかは全くもって明かされてはおらず、どのようにして通話できるようになっているかは不明。電波法とか大丈夫なんだろうか。


欠点



灰原登場以降は活躍する場面が増え、2000年~2001年には活躍のピークに達していたイヤリング型携帯電話だが技術の進歩にはついていけず、現在は使われなくなってしまった。
その要因として以下の2点が挙げられる。

  • 画面が付けられていない
入力した番号を確認する為の画面が無いのはやはり不便だろう。
仮に画面を後付けする場合、機器が大型化してしまう可能性もある。
そして画面が無いということは後述するもう1つの欠点にも繋がってしまった。

  • メール機能が使えない
イヤリング型携帯電話における最大の問題点
隠して急いで省略』などで描写されるようになったメール機能を使えないのはかなり痛手。
コナンが通常の携帯電話に移行したての頃は七つの子のメールアドレスに関する伏線を張るようになった辺りなので、止むを得ず退場するしかなかったのだろう。


単純に見ると最大の欠陥は「イヤリング型であるメリットが特に見当たらない」事だろう。
5〜6センチというのは携帯電話としてはかなりの小型だが、イヤリングとしては相当ゴツいサイズである。
こんな物をつけていると嫌でも目立つ…というかイヤリング自体が、小学生男子が付けるにはかなり違和感がある代物である。普段着からして蝶ネクタイなので今更ではあるが
そもそも携帯電話というのは変声機や麻酔銃と違って、携帯電話普及率が低かった時代でも小学一年生が持っていること自体がそこまでおかしくないアイテムなので、わざわざ日用品に偽装させる意味合い自体薄いだろう。


現在は過去の事件でもスマホが使われている世界観になったため存在意義があるものなのか疑問が残る代物となったが、発明した理由と通常の携帯電話を使うようになった理由を考察する場合、

  • 前者はコナンの状態かつ手続きが難しい段階だったので阿笠が代わりに電話だけでも使えるようにと発明。
  • 後者は灰原が加入してから時間がある程度経過して手続きが行える目途が立ったために移行した。

と考えるのが自然だろう。


主な活躍



●原作

記念すべき初登場回。阿笠に3年前に杯戸小学校で起きた事件の調査を頼む。途中でに阿笠の新一という発言を聴かれるも、直後に新たな事件が発生したのでその場はうやむやになった。事件の調査中にコナンはわざと落としたイヤリング型携帯電話を蘭が拾い、急遽探偵役として活躍させるのだが…
ここでは蘭の耳にこれを着けさせつつ、蝶ネクタイ型変声機の音声を飛ばせる機能を使って新一の声で蘭を事件の真実へと誘導した…

アニメ版はこの回が初登場。
「TWO-MIX」のボーカル担当、高山みなみが中々公衆電話が空かず電話できないのを見かねてコナンがみなみに託した。事件の最中、燃えるアジトに閉じ込められたコナン達は犯人に「とっくに逃げた」との電話をかけ、再び戻ってきた犯人を襲撃して脱出することができた。

阿笠からキッドの詳細を聞く場面で使用。阿笠が『名探偵コナン』の劇中で初めて『怪盗キッド』の名を口にして、怪盗キッド本人が舞い降りる当該場面は名場面の一つ…なのだがアニメ版では順番が前後したことで『時計じかけの摩天楼』で使っていた黒い携帯電話に改変されてしまった。残念。

阿笠の安否を確認する場面で使用。

TVアニメのみ、ロバートが武田美沙の墓参りに行く際、何かあった時の為にと同行する蘭にコナンが一時的に預けた。しかしこの時は問題なく戻ってきたので結局コナンの手元に返されて出番終了。『よみがえる死の伝言』と前後した為こういった経緯で登場したが、原作では所持はしていたものの電池切れとコナンのモロローグで説明された。

20年前の事件に関する情報を阿笠から聞いていた。そこで今回のツアー参加者にある繋がりがあることが分かり…?

ジンのポルシェのドアをこじ開けるために阿笠を呼んだり、ピスコの呑口議員暗殺を阻止するべく予め警察を会場に待機させるなど組織編だけあっていつもより使用率は高め。
何気に初の電池切れ描写があったりする。都合の良いタイミングで突然電話が切れたことやその他諸々の事情も相まって、一時期にはファンの間で阿笠の黒幕疑惑が浮上することに。

事件を調べる内に色々と分かったコナンは平次に電話をかける。そこでコナンが話した推理はコナン自身と平次にとってとても信じがたい真相であり…

服部…
不可能な物を除外していって残った物が…
たとえどんなに信じられなくても…
それが真相なんだ!!

乗っていた路線バスがジャックされたことを目暮に伝えようとするも、何故かバスジャック犯に気付かれて奪われてしまった。
その後もコナンの行動はバスジャック犯に筒抜けだったので、彼は共犯者の存在を疑い始める。

序盤で蘭に電話の相手を聞かれて阿笠に修理してもらってるというごまかしで名前のみ登場。

  • 『新幹線護送事件』
上記の回の後日談。新一の声で蘭とレイに関する話題の後、蘭が新一に自分をどう思ってるかを聞いた…が、タイミング悪く新幹線が来たので残念ながら答えは聞けず通話終了(笑)。

新一の声で高木に電話して佐藤の見合いに関するメールを確認するように指示。その流れで事件を早く解決して高木が間に合うように事件の詳細を聞き出し推理のアシストを行った。

ジェイムズをさらった誘拐犯グループを捕まえるため、高木と佐藤に検問を張るよう頼んでいた。

平次からの電話で剣道大会を行う体育館の場所などを一方的に教えられていた。2回目はコナンからかけて平次にタクシーで向かうと発言、その中で出たある用語が平次を事件解決へと導くヒントとなった。終盤では容疑者がホテルに居るかどうか確認のち警察に通報しようとしたが平次に止められた。

高木から小五郎探偵として手掛けた都内の事件の調書が盗まれたことを聞き、小五郎に連絡するも探偵事務所不在の状況で電話に出なかった。事件解決後も事務所に向かいつつ緊迫した表情で電話をかけ直すがやはり不在となっており…?

園子に暗号について聞きたいと探偵団に懇願され、蘭に電話した。TVアニメでの該当シーンではアニメ化されたのが携帯電話が普及した2005年末期の為、コナンの携帯がauの『W21S』に差し替えられている

諸事情で阿笠に灰原を連れてデパートを離れるよう指示するも、殺人事件が発生したことで足止めを食う羽目に。事件解決後すぐさま阿笠に電話し、新出&ジョディと共に阿笠の家に戻っていたことを知る。一方、近くの場所で謎の男がこの電話を盗聴して煙草を吸いつつ不敵な笑みを浮かべていた…
原作では2003年のこの回で御役御免となった。

●アニメ

アニオリ初登場。伊東玉之助の危機を察知して小五郎の声で目暮に電話をかけていた。

小五郎の声で目暮から広田雅美の住所を聞き出す場面で使用。そして終盤、コナンは電話で目暮を呼び出し…

  • 『SOS! 歩美からのメッセージ』
歩美の家の家電に阿笠の声で500万おろして近くまで来たという嘘のメッセージを入れる。これにより犯人の足止めをしつつコナンは現場に間に合うことが出来た。

謎のMOディスクの内容を阿笠から聞いたり(中身は二重帳簿)、園子がさらわれたという情報を移動中耳に入れていた。

  • 『10人目の乗客』
事件の発端である7年前のバス転落事故の詳細を阿笠から確認し、ある乗客が事故当日のバスに乗っていなかったことを知ることとなる。

牛窪の手帳に書いてあったある内容の確認を小五郎の声で行っていた。

目暮の声を使って叱咤することで高木を勇気づけ、事件解決への後押しをした。

園子が拾った携帯に届いた2件目のメール内容を聞いて蘭が捕まっている場所を突き止めることができた。
コナン「それを早く言え早く…」
その後は蘭が思い出したもう一人の犯人のことを警察に同行している小五郎に連絡するのに使われた。

  • 『愛と幽霊と地球遺産』
阿笠との電話で永倉栄治が半年前に自殺していたことを知り、村人達が口を重く閉ざしていたことに納得する。その後に民家で謎の宝石を見つけた際、阿笠から過去の宝石強盗事件で宝石と鑑定士が見つかっていないことを確認した。
エピソード“ONE”を除けばアニメ版は2004年放送のこの回が最後の登場となった。

まさかの新規作画で登場。採用された回は『そして人魚はいなくなった』と『コナンVS怪盗キッド』の2つで後者は原作通りイヤリング型携帯電話を使用した。

●劇場版

劇場版唯一の活躍回。最近どこかに電話をかけている灰原を阿笠が心配してコナンに相談していた。終盤ではコナンたち少年探偵団がツインタワービルから脱出するため、目暮に屋上へヘリを向かわせるようにと指示を出した。
ちなみにOPでの道具紹介では何故か省かれていた。

 OPのみ静止画で登場。

●その他

道中、ジンとウォッカに乗り込むところを目撃したことで追跡しようとするも、蘭に制止され仕方なく阿笠に電話して嘘のつじつま合わせを行いその場をごまかした。
その後、阿笠が闇オークション会場へ向かったコナンと連絡をとり合ったり、隣のビルにいる蘭達に避難するよう指示を仰いだりとコナン作品では一二を争うほどの活躍ぶりを見せた。

  • 青い青いこの地球に(※ED)
蘭の携帯と共に登場。

  • 『名探偵コナン 最高の相棒『老手品師とトランプの謎』』(※PlayStation用ゲーム)
修理中ということで名前のみ登場。

阿笠の道具でC(サイクル) ドーム内になんとか持ち込めたのがイヤリング型携帯電話だったので高木と連絡をとり合うなどかなり活躍していた。

余談



上記以外にも活躍回あるんじゃないの?と思うかもしれないが、特別編はともかく原作・アニメでの電話シーンは公衆電話をコナンが使う場面が意外と多いため少なくとも原作・アニメの範囲は上記の一覧でほぼ全部である。

その後のコナンはガラケー→スマホと時代に合わせて機種変していった。明確な変化の流れは以下の通り。

  • グレー色の携帯
服部平次絶体絶命!』、『ハウステンボスの花嫁』で使用。
といっても見た目は『バレンタインの真実』以降使っていた新一の携帯と同型なため、もしかしたら非通知で平次や蘭にかけていたのかもしれない。

  • 青色の携帯
黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー』~『ストラディバリウスの不協和音』で使用。
画面裏に縦向きにカメラが付いており、アンテナは正面から見て左から出ている。
コナンの携帯の中だと正直印象が薄い。

  • 赤色の携帯
『奇抜な屋敷の大冒険』~『死亡の館、赤い壁』で使用。コナンの折り畳み式といったら間違いなくこれ一択だろう。
画面裏のカメラは横向きになりサブディスプレイが追加。キーパッドと画面側は藍色が使われている。端にはサッカーボールのストラップが付けられている。
阿笠も同じ機種を所持しており、とある事情で再発した蘭のコナン=新一疑惑も阿笠の携帯を使ってなんとか乗り切った。
あの方のメールアドレス入力や『赤と黒のクラッシュ 昏睡~殉職』での指紋など色々なドラマがあった携帯でもある。メーカーはau製で機種はW21S。ちなみに同時期の劇場版では表の赤色パーツが何故か回想含めて製造されていない青色に塗られていた。
  • 赤色のガラケー
『もののけ倉でお宝バトル』~『小五郎さんはいい人』で使用。
さっきのと同じでは?と思うだろうが実際は別機種。
形が完全に長方形になり、カメラレンズが省略。画面外パーツが赤色、キーパッド外パーツが銀色に塗られている。

  • 赤色のスマートフォン
もはやお馴染みとなったコナンのスマホ。『探偵たちの夜想曲』から現在まで使用。
メーカーはONY製で機種はXPERIKAN(エクスペリカン)。劇場版ではしょっちゅう落としがち。




追記・修正は阿笠がホログラム画面とどんな状況でも圏外にならない機能を引っ提げたNEWイヤリング型携帯電話を完成させてからお願いします。

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最終更新:2023年07月28日 17:12