シャリタツ

登録日:2022/11/30 Wed 20:58:48
更新日:2025/04/17 Thu 08:08:13
所要時間:約 8 分で読めます





体も色や模様の違いは、おびき寄せる獲物の好みに合わせて変化した結果らしい。


小型のドラゴンポケモン。ヘイラッシャの口の中に棲み外敵から身を守っている。


鳥ポケモンがおもな獲物だ。自分の弱さを知っており仲間とコンビで狩りをするぞ。



出典:ポケットモンスター、68話『新たなる空へ!ブレイブアサギ号!!』、
2023年4月14日から放送中。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon

シャリタツとは、『ポケットモンスター』シリーズで登場するポケモンの一種である。


■データ

全国図鑑No:978
分類:ぎたいポケモン
英語名:Tatsugiri
高さ:0.3m
重さ:8.0㎏
タマゴグループ:すいちゅう2
性別比率:♂50♀50


特性:しれいとう(登場したとき味方にヘイラッシャがいると口の中に入ってそこから指令を出す。)
隠れ特性:よびみず(みずタイプの技を自分に寄せ付けダメージを受けずに特攻が上がる。)

種族値
HP:68
攻撃:50
防御:60
特攻:120
特防:95
素早さ:82

合計:475

努力値:とくこう+2


■概要

スカーレット・バイオレット』で初登場したポケモン。
シャリに乗ったネタ…つまり寿司のような姿をしたポケモンだが、こう見えても立派なドラゴンタイプのポケモンである。
もちろん歴代ドラゴンタイプの中でも小さい方。
だが30cmしかない癖に体重は8.0kgと、同じ体高のアップリューの8倍もある。ホエルオーとは逆に見た目不相応の重さを持つ。
体色が赤・オレンジ・黄の三種類あり、
  • 赤は「たれたすがた」
  • オレンジは「そったすがた」
  • 黄色は「のびたすがた」
とそれぞれ色ごとに姿の名前がちゃんとある。色はそれぞれマグロ・エビ・の寿司がモチーフ。
各フォルムの名前については、主人公が近づいたときに行うリアクションの違いを表している。
色違いもたれたすがたはイカの白、そったすがたはアナゴの茶色、のびたすがたはサーモンのオレンジとしっかりと寿司ネタが意識されている。
また、鳴き声も姿によって微妙に違う。
なお、この姿はヘイラッシャの「いっちょうあがり」の追加効果に関わるのみで、単体での能力には一切影響はない。
よって単体起用するなら好きな姿を選んで問題ない。そんな物好きがいるかは別として

見た目通り非力なポケモンだが、ドラゴンタイプの中でもトップクラスのずる賢さを持っている。
自身の弱さをきちんと理解しているため、無謀な正面戦闘などはしない。
死んだふりをして相手を騙したり、自らが獲物となって主な獲物の鳥ポケモンをおびき寄せるという狩りをしながら逞しく生きているという。
また色が異なるのは獲物の好みに合わせて変化した結果らしい。それでやってることがなぜ寿司への擬態なのか…

そしてこの生き方が成立するのは、愚鈍だが巨体で力も強いヘイラッシャとコンビを組むことでお互いの弱点を補い合っているからである。
自身はヘイラッシャの口内に入って外敵から守ってもらう代わりに、持ち前の賢さを活かしてヘイラッシャの司令塔となる。
これによって互いの狩りを成功へと導くのである。

ヘイラッシャ側もそんなシャリタツのことを親分のように慕っているという。
「司令塔の小さい親分」という辺り、「ドラゴンと魚」よりも「ネズミ」の関係性を思い出す設定である。
もっともこの情報を知らない人からすれば、一見ヘイラッシャがシャリタツを捕食してるようにしか見えないが。

■ストーリーでのシャリタツ

ストーリーではオージャの湖に生息する「偽竜のヌシ」としてヘイラッシャと共に登場。
湖の東部にある小島にそれぞれ吹き出しが付いた鳴き声を上げたシャリタツが何匹か生息している。
鳴き声には「スシスシ……」スメーシー「シャリ!シャリ!」などとてもユニーク。
ヌシ以外のシャリタツに話しかけた場合は「オレスシ……」との台詞の後に戦闘となる。
しょぼくれた返しになるあたり、彼ら彼女らもヌシに囮として無理やり連れ出されているのかもしれない。(ちなみにメスでもオレと言う)
その中で一番大きく「ヌシヌシー」と鳴き声を発しているシャリタツこそがヌシシャリタツであり、話しかけると…


「オレヌシー!!」


そしてこのヌシアピールの直後に相方のヌシヘイラッシャが登場し、シャリタツを飲み込んだ上でヘイラッシャと戦闘になる。
ダメージを与えて一定ラインまでHPを減らしていくと、今度は湖の中央にある島へと泳いでいき、岩壁を破壊。
そして口からシャリタツが現れて、スパイスを食べた後に再びヘイラッシャの中に入るとパワーアップ。合流したペパーと共に決戦となる。
見事ヌシヘイラッシャに勝利するとスパイスゲット、かと思いきや…


「オ…… オ……」

「オレモヌシー!!」


と、ヘイラッシャの口内にいたヌシシャリタツが現れて三度の戦闘になる。

パワーアップしているとはいえそこまで強くはないが、物理型のヘイラッシャとは異なりシャリタツは特殊型な点には注意。
彼の執念の籠った戦いに見事勝利すれば、今度こそスパイスゲットとなる。
因みに偽竜の試練クリア後にオージャの湖に戻るとヌシシャリタツと再度バトルすることが可能。
ヌシポケモンだけが持つあかし「ヌシのあかし」を持っているので是非ともゲットしたい(倒してしまっても一定期間経過で復活する)。


■対戦でのシャリタツ

合計種族値は最終進化系のドラゴンタイプのポケモンの中では一番低い475。
なんとまあ今までドラゴン最低クラスだったバクガメスジジーロンより低い。
子分であるヘイラッシャとは対照的に、特攻・特防・素早さが高めの中速特殊アタッカー配分。

しかしその高い特攻を活かす技が少なく、一致技以外は「こごえるかぜ」と「はかいこうせん」と「テラバースト」のみと言う貧弱ぶり。
あまり関係ないが物理のバリエーションはもっと酷く、なんと「げきりん」以外は全てノーマル技?ありませんよ?
一応積み技として「わるだくみ」があるが、アタッカーにははっきり言って向いていない。

直接攻撃以外だと「カウンター」「ミラーコート」のような反撃技や「みずびたし」「おきみやげ」「バトンタッチ」と言ったサポート技を覚える。
だが、これもシャリタツならではの技とは言い難い。
「カウンター」はたぶん違う意味も込められている気がする。

キングドラの例で分かる通り、弱点は2倍のドラゴンとフェアリー(と4倍弱点のフリーズドライ)のみで耐性面は優秀。
だがそこそこの特防以外耐久関連の能力は低いため、これも今ひとつ活かせない。

特性に関してはシングルでは夢特性の「よびみず」一択。
何気にこの特性持ちのポケモンの中では随一の特攻を持つが、元々水1/4なのもありあまり活かせないのが苦しい。


この通りシングルバトルでは言葉通りネタのような微妙なポケモンだが、このポケモンが真価を発揮するのはヘイラッシャと組ませたダブルバトル。
ダブルバトルで特性「しれいとう」のシャリタツをヘイラッシャと組ませると自らが口内に入ることで合体。
ヘイラッシャの命中・回避以外の全ステータスを2段階上昇させる事ができるのである。*1

その代わり、合体だけあって1対2になってしまう。
またシャリタツは一応フィールドに存在する扱いなので、攻撃対象に選ぶことはできる。
ただし当然攻撃は失敗する。事故以外ではまずないがヘイラッシャの攻撃も届かない。
また合体したシャリタツの状態異常自体は引き継がれるので、毒や火傷でHPは勝手に減っていってしまう。
そしてこれで倒れてしまうと普通に二匹目のポケモンを繰り出すことが出来る。その場合でもヘイラッシャの能力が下がることはない。

これを利用してレベル1のシャリタツを用意したり、隣で「だいばくはつ」を起動しながらシャリタツに「こらえる」をさせて「どくどくだま」を発動。
死に出しでヘイラッシャを繰り出して合体、「まもる」等で時間を稼ぎのダメージでシャリタツが瀕死に。
そして登場時の能力の変化をコピーする特性「きょうえん」のカラミンゴを死に出しすると、全能力が2段階上昇したポケモンが並ぶ…
という外道なコンボが考案された。
4匹全て晒す上に2匹は捨て駒同然である為、実用性がどこまであるかは不明だが…。
流石にここまでパーティ単位でコンボに特化せずとも、どうにかして合体後に一刻も早くシャリタツにご退場頂く戦術自体は研究されている。

代わりにこの状態では交代が一切できなくなる。不利対面でも切り返すことが出来ず、デバフに弱いという弱点を持つ。
特に「ほろびのうた」を発動されたら解除する手段がないので大変苦しい状況になる。
また合体は任意ではなく強制。例えるならゲンシカイキに近い。
また「ものまねハーブ」を持っているポケモンや特性「びんじょう」のクエスパトラが対面にいると強力なバフを丸ごとコピーされてしまう。
などなど相手に読まれやすい点にも注意が必要。

また、シャリタツが合体時にはヘイラッシャの「いっちょうあがり」に追加効果が付与される。
詳しい内容はヘイラッシャを参照の事。

また、採用率は低いと思われるが「こうそくスピン」を覚えることが可能スシだけにネタとして覚えさせてみるのも良いかもしれない。


■余談


  • 名前の由来はおそらく寿司用語の「シャリが立つ」と「(たつ)」をかけたものと思われる。

  • 上述の通り、ダブルバトルでユニークな個性を発揮するポケモンだが、『スカーレット・バイオレット』本編ではダブルバトルを行う機会がフリッジタウンのジムテストしかない
    進行によっては捕まえてからフリッジジムに挑むことも可能ではあり、またジムリーダーのライムとは再戦の機会があるがこちらは対戦が始まるまでダブルバトルでやる確証がない状況のため、わざわざ用意して行った人は多くないであろう。気軽に活躍させる機会が少ないのが実に残念である。
    のちに配信されたDLC『ゼロの秘宝』の後編『藍の円盤』の舞台であるブルーベリー学園では、バトル形式がダブルバトル主体であり、ブルベリーグ四天王とも再戦できるシステムがあるため、前よりは気軽にダブルバトルを行えるようになった。

  • 鳴き声からして寿司という日本の言葉を発するが、海外版だと英語版だと日本語訛りの英語で表現されている。
    更にヌシのことを「Titan」と呼ぶことから「sushi」と組み合わせて「Suitan!」「Tashee!」といったこれまたユニークな鳴き声を上げている。

  • オージャの湖にいる個体はレベルが51までなら攻撃技は「だくりゅう」と「ミラーコート」しかない
    そのため「ちょすい」持ちのポケモンが苦手な物理技で攻撃すれば無傷で倒すことが出来る。その上さらに「おきみやげ」で自滅することもある。
    これらによいレベルが低い手持ちでも大量の経験値を得てレベルアップさせることが出来るという小技がある。
    ただし捕獲の際は少々苦戦を強いられる。特にせっかく色違いが出たのに「おきみやげ」を使われたら…。

  • 「寿司に擬態するって何だよ」と多くのツッコミが入った一方で、実は過去にも、それも実在の「寿司に似た水棲生物」で盛り上がった例がある。
    2021年7月~10月にアクアマリンふくしまにて展示されていたウオノシラミという甲殻類の仲間がまるでサーモン握りのようだと話題になっていた。
    シャリタツを見たプレイヤーの間でウオノシラミが再び話題になったことは言うまでもない。
    実際にシャリタツの元ネタのひとつではないかとも囁かれている。

  • また、ヘイラッシャの口の中に入るシャリタツのように「魚の口の中で過ごす」という生物も実在する。
    タイノエと呼ばれる甲殻類の仲間がそれである。
    ウオノシラミと同じ等脚目ウオノエ亜目に属する。食卓の魚の口の中に見たことがある人もいるかも。
    ただし人によっては気持ち悪さを感じるかもしれないので、画像検索は慎重に。

  • 古参ファンの中にはポケモンスタジアム2に収録されていたミニゲームベロリンガのぐるぐるずし」を想像した人も少なくなかった。
    冗談交じりで「シャリタツの天敵はベロリンガ」などと言われたりもしている。
    パルデアにベロリンガが生息していないこと、ベロリンガのいる地方でシャリタツは発見されていないことなどから案外説得力があるのが困る。

  • ストーリーではいつも通りペパーから連絡が入るものの、存在は知られているものの誰も姿を見たことがなく姿も分からないとほぼノーヒント気味。
    「『オレがヌシー!』って 自己紹介してくれたら わかりやすいのにな!」とそんなワケないやろな軽口で締められる。
    ……が、項目にある通り実はヒントでありほぼ答えなのだ
    ここが初めてでない限り「まさか高いカベにひっついてる……なーんてことはないだろうし!」等と同じ文体なのが冷静に並べてみると分かる。
    だが難易度が上がってノーヒントでもおかしくない終盤かつ場所も地図を見れば明らかなため、聞き流したトレーナーも一定数いるかもしれない。

  • 「ドラゴンタイプでもトップクラスの賢さ」という図鑑説明のせいで、大半のドラゴンタイプはシャリタツより頭が悪いだの、シャリタツ自体が男塾一のインテリくらいの頭の良さなんじゃないかだの言われてしまうことも。魁!ドラゴン塾


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最終更新:2025年04月17日 08:08
添付ファイル

*1 ヘイラッシャに「へんしん」したメタモンでは発動しない。逆も同様。