GQuuuuuuX(MS)

登録日:2025/02/06 Thu 18:51:00
更新日:2025/05/14 Wed 13:04:52
所要時間:約 7 分で読めます




※本記事は『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』に関する重大なネタバレが含まれています。ご注意ください。





































「やらなきゃ…やられる!!」


GQuuuuuuX(ジークアクス)とは、TVアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』に登場するモビルスーツ(MS)である。
機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の主人公機を務める。
デザインは山下いくと。

基礎データ

型式番号:gMS-Ω
全高:18.0m → 18.2m(オメガ・サイコミュ起動時)
本体重量:42.4t

武装:頸部バルカン砲 ×2
ビーム・ライフル
ビーム・サーベル ×2
シールド
トメノスケ・ヒート・ホーク(ポメラニアンズ所属時)

搭乗者:エグザベ・オリベ、アマテ・ユズリハ(マチュ)、ニャアン

機体解説

ジオン公国一年戦争終結後に新規開発した試作MS。

なんと言っても特徴的なのはその奇抜すぎる表記の名前だろう。なお「u」の数は6つである。
GQuuuuuuXと書いてジークアクスと読むが、より正確な(と推測される)表記をすると「G(ジー) QuuuuuuX(クァックス)」。
由来はメタ変数*1だと思われる。作中においてもGQuuuuuuXは「プレースホルダ*2」と推測されており、正式な開発コードがここに入ることが示唆されている。
日本で開発されていたらGHogeHogeとかGFugaFugaとかになっていたのかもしれない

ガンダム・クァックス」とも呼ばれており立派なガンダムタイプのMS
区切り方からして、「G」の部分はやはりガンダムの略なのだろう。
正史ではなし得なかった、ジオン軍が開発したガンダムの後継機種という事になり、正史で連邦軍がジオン公国軍の象徴と言うべきモビルスーツ「ザク」の後継機を生み出したのと逆の構図となっている。

本機は「オメガ・サイコミュ」という特殊なサイコミュが搭載されたサイコミュ搭載型MSでもある。
オメガ・サイコミュを起動すると頭頂部や顔を覆っていた赤い拘束具が展開されブレードアンテナへと変形しツインアイも露出、コクピットも変形して掌のような特殊な操縦桿が展開される。
このサイコミュシステムにより適応者であれば操縦訓練を受けずとも思いのままに操縦することが可能。
なお、マグネットコーティングに相当する関節摩擦の低減技術はジオンも獲得・開発していないらしく未採用。追従性については別の方法で何とかしている模様。

マチュは歴代主人公と異なりMS操縦の素養が本当に全く無いと思われる*3ため、完全にサイコミュだけで機体を制御していた。


ただし、作中においてサイコミュは「ゼクノヴァ」という原因不明の現象を引き起こす可能性があるため禁忌扱いされており*4、強襲揚陸艦ソドンに本機が貸し出される際もサイコミュを使わないという条件が付けられていた。
だがその条件は部隊を率いるシャリア・ブルによって早々に反故にされ、しかもニュータイプだからといって初陣、しかも機種転換したばかりで機体も熟知していないエグザベ少尉に乗せて出撃させてしまったこのおじさん、作中描写された他の行動もこんな調子なので他クルーの胃が心配である
なお、マチュの搭乗というアクシデントによるオメガ・サイコミュの起動をシャリアは訝しんでいたので、エグザベがサイコミュを動かせない前提で機体を駆り出した節が見られる。

デザイン

機体デザインを手掛けたのはエヴァンゲリオンでお馴染み山下いくと氏であり、口元には歯のように見える部位が存在する。
総じてこれまでのガンダムとは異なった異質なデザインをしており中でも頭部ブレードアンテナは直線ではなく曲線で構成されている独特なV字型。
腰回りにMS定番のスカートは一切存在しない。
膝から下はスラスターユニットであり、脹脛や足先で露出している。人間の足でいう土踏まずまでスラスターノズルで、側面に取り付けられた靴状のパーツのつま先と踵だけが接地して歩行する。
肩部にはアーマーがなく球状のユニットが付属しているのみで肩の可動域は非常に広い。
また肘や膝の関節は片持ち関節になっており、平面同士を軸で接続している。
トリコロールの白部位は、真っ白と僅かに青みがかった白色の2色が使い分けられている。HGのガンプラでは再現されていないが。

コックピットはコアファイター方式。背中から接続して、本体側のハッチ下にコクピットが収まる、強いて言うならGガンダムのコアランダーに近い構造。

武装

頸部バルカン砲 ×2

首を囲う襟のような部位に銃口が隠されており、装甲を展開して発射する。
ガンダムタイプの主流と違い頭部に搭載されていない。位置的にはウイングガンダム系のマシンキャノンが近いか。

ビーム・ライフル

スタイリッシュな造形をした細長いビームライフル。
本編では赤いガンダムとの会敵一番に吹き飛ばされて紛失。その後のクランバトルではポメラニアンズの予算不足もあって射撃武器無しで挑む羽目に陥った。
いつか拾われる日が来るのだろうか…

ビーム・サーベル ×2

ナックルガードのような造形のビームサーベル。腰の後ろに懸架できる。
通常のビームサーベルとは違い大剣のように大きく、その内側は空洞という独特な刀身を描き出す。
刀身の色は緑。
本編では1基のみ装備して出撃し、赤いガンダムのひょっこりはん至近バルカンによって破壊されている。

シールド

白い小型の盾。左腕のハードポイントに接続して装備している。
Iフィールドジェネレーターを搭載しており、フィールド展開時には中央で折れ曲がり展開基部が露出する。
素の防御力もかなり頑丈で、赤いガンダムのビーム・サーベルや軍警ザク、クランバトルの対戦相手のザクのザク・マシンガンを複数回防いでいるが、損傷すらしていない。
正規武装の中では唯一紛失せずにマチュも使用している。


トメノスケ・ヒート・ホーク

コンセプトアートやガンプラのパッケージでGQuuuuuuXが手にしている、現時点における本機を象徴する武装。
本来はGQuuuuuuX自身の武装ではなく、カネバン有限公司保有のザクのものを奪い使用している。
クラン・バトルにエントリーする際は装備がないこともありカネバンから仕方なく貸し出される形で引き続き使用。

ザクのヒート・ホークを民間企業が模造したもので、オリジナルと比べるとやや大型になっている。
性能もオリジナル準拠で、ビームサーベルほどの切断力では無いがそれでも払い下げられたザク程度なら充分切断出来る。

ヒート・ホークは「(アックス)」型の武器なわけだが、これがメタ的にダブルミーニングなのかは不明。


なお、この世界は「赤いガンダム」が活躍した世界であり、その名を受け継ぎサイコミュまで搭載している割に、武装面では赤いガンダムの、特にビットのノウハウは活かされていないようにも見える。
どちらかといえば、赤く塗られる前の「白いガンダム」、ジオン製でいえばドムや正史のゲルググに近い戦い方が求められるだろう。


劇中の活躍

イズマ・コロニーにて軍警察に指名手配されている赤いガンダムを追うためにエグザベ・オリベがGQuuuuuuXに乗って出撃。
しかし赤いガンダムに先手を取られた上に、デバイス挿入後もオメガ・サイコミュが起動せず、マニュアルで応戦。苦戦の末コロニー内に突っ込み*5、赤いガンダムのビットを掴んでもう一方のビットにぶつける荒業でビットを破壊するなど善戦するも、操縦系が過負荷でダウンした上に地元軍警察が出動してしまったために一時撤退。
ジオンがコロニー内部(しかもサイド6)で新型MSを使い戦闘したことがバレると重大な外交問題なので、エグザべはGQuuuuuuXを使われていない通路に隠蔽。

したものの、軍警に応戦しようとしたマチュがザクごとその通路に落下してきた。
カネバンの保有するザクでは勝てないと見たマチュは……

「あっちの方が強そうじゃない……?」
ツヨイ!ツヨイ!

コックピットから飛び出してGQuuuuuuX強奪に搭乗。
そうすると奇妙なことにオメガ・サイコミュのロックが開放され、赤いガンダムとの共鳴によって見えた「キラキラ」によってパイロットとして覚醒したマチュはヒート・ホークによって軍警ザクの頭部を叩き割って撃破してしまった。
(なお、この一連の場面の中で、米津玄師の「Plazma」が非常にいいタイミングで流れる)
一方取り残されたエグザベ君は軍警に捕まって尋問を受けるという酷い目にあった

その後GQuuuuuuXはカネバン有限公司に保管されるものの、解析は上手くいかず、しかもマチュ以外のパイロットには操縦が不可能であった。
そのためカネバン有限公司のリーダーであるアンキーはマチュを自身らのチーム『ポメラニアンズ』の選手としてクランバトルに誘い、
マチュの方もシュウジ、ニャアンと会い、それぞれの利害が一致しマチュとシュウジでクランバトルに参加する約束をする。
というと聞こえはいいが、マチュからすらば「ここで断ればジオンや軍警に一連の騒動のことをチクられるかもしれない」、シュウジからすれば「金に困ってるのをいいことにニャアン共々無理矢理クラバに引きずり込まれた」とも言っても特に間違っていない。実際ニャアンは最後まで乗り気ではなかったし

「勝つから。信じて」

いざ始まったクラバでは敵に先手を許してしまい、GQuuuuuuXと赤いガンダムは対戦相手に翻弄されるも「キラキラ」の燐光の中でシュウジに諭されたマチュが冷静さを取り戻し、ニュータイプと思しき能力でヒート・ホークの予測軌道を利用。
見事に初陣に勝利した。
(なお、この一連の場面の中で、星街すいせいの「もうどうなってもいいや」(劇場版) / 「夜に咲く」(TV版)が非常にいいタイミングで流れる)

その後もクランバトルで連勝を重ねているが、マチュの未熟さと武装の貧弱さもあってCRS戦現在では当事者・外野共に赤いガンダム(シュウジ)の方が脅威と看做している模様。

立体化

ガンプラ


どこまでも自由なアクション 簡単に組み立て可能

HG GQuuuuuuX第一弾として「HG 1/144 GQuuuuuuX」が発売。
先行上映版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -beginning-』の公開同日に発売、ダムべや量販店だけでなく映画館の売店にも並べられたが、色々な意味で衝撃的な映画の内容から即日完売している。
複雑な造形と豊富な色分けを再現しているが、これでもまだ設定画と比較すると色が足りていない部分もあるので気になる人は自分で塗装しよう。
頭部は通常時とオメガ・サイコミュ起動時の2パターンが作れるので好きな方で組み立てよう。
GQuuuuuuX本体に加えて、ビーム・ライフル、ビーム・サーベル、シールド、トメノスケ・ヒート・ホークが付属。

パーツ数が多い上に細かいパーツも多くHG最難関とすら言われている。RGだったらどうなってたことやら
デザイナーである山下いくと氏も購入したが、部品を何度も紛失しかけ、頭部パーツを組み間違え、挙げ句デザインした張本人なのにシールを貼り間違えるなど大苦戦していた。
簡単に組み立て可能……?

ちなみに、ホイルシールにはポメラニアンズのマーク、またはジオン公国軍のマークが含まれている。これもまた好きな方を選択して貼ろう。
なおこのシールのせいかバンダイスピリット公式Xより、プラモデル購入者に対してネタバレに繋がる投稿や配信に配慮する旨のポストが出されていた。
映画を観る前にプラモ内のジオンマークを見てしまい、致命的なネタバレを喰らった人も多かった模様。箱を開けた瞬間にネタバレが飛び込んでくるのだからたまったものではない

ゲーム

SDガンダム Gジェネレーション エターナル

リリース記念として無料でSSRが配布。パネルミッションをこなしていけば追加で手に入るため無料で完凸できる。
その分性能は控えめかと思いきや、これが結構な強さをしている。
武装が射程1~2のトメノスケ・ヒート・ホークしかないエレガント仕様ではあるものの攻撃力は高く、
マチュがGQuuuuuuX搭乗時に敵を倒した際に再行動できるチャンスステップを1回増やせること、1ターンの敵に与えるダメージが上がるアタックバーストや実質スパロボのひらめきにあたるスウェーと戦闘向きのスキルを持っているため、こちらから敵陣に乗り込む特攻隊長としてこの上ない突破力を誇る。
強敵襲来・赤いガンダムのような特定のボスだけ倒せばクリアできる場合、雑魚敵を斬りつつ赤い彗星も真っ青な勢いで敵陣に突っ込んでボスをぶった切る大活躍ができる。
マチュ含めてフル育成して損はなく、SP化も十分に使う価値がある機体となっている。



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最終更新:2025年05月14日 13:04

*1 プログラミングに使われる仮の変数名。1番目からfoo→bar→baz→quxと続き、5番目以降は「quux」と「u」を増やしていく。なので「quuuuuux」は「9つめの仮変数」という意味になる。そういえば、正史においてRX-78直系のガンダムは設定上8機製造されていたが……?

*2 IT用語で、正式な値が入るまで一時的に場所を確保しておくために入れておく値。

*3 宇宙世紀にしてもアナザーにしても、他の主人公は民間人であっても大抵は作業用モビルワーカーやシミュレーター等の経験があり、そういった裏付けが無いのは他にはアムロくらいである。そのアムロについても父親がガンダムの開発者で本人も機械いじりが趣味と、方向性は違えど機械方面のノウハウがあったから「マニュアルを読んだだけ」で大まかな操縦方法を習得できたと言えるため、MSどころか機械関係とすら縁がないままぶっつけ本番しかもマニュアルもなしにMS操縦をした主人公はマチュがシリーズ初と言ってよい

*4 GQuuuuuuX世界線においてサイコミュは勿論ニュータイプ関連の研究・開発は正史とは真逆にかなり慎重になっている様子。アムロがそもそも活躍しない世界線なので、ニュータイプへの憧れや研究意欲がイマイチ湧かないことも一因か。

*5 秘密作戦なのにエグザベの方から突入してしまっているが、ガンダム相手に撤退は難しくビットを抑えることを優先したと思われる