ブレックス・フォーラ

登録日:2025/02/21 Sat 10:33:58
更新日:2025/04/06 Sun 20:05:22
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「私の期待しすぎかな。彼をニュータイプだと思いたいが…」


「ブレックス・フォーラ」は、宇宙世紀ガンダムシリーズの登場人物の一人。
機動戦士Ζガンダム』に於いて主人公サイドとして描かれた反地球連邦組織エゥーゴの指導者であり、初期には事実上の前線指揮官として旗艦アーガマにも乗船して自ら作戦行動の指揮を執っていた。
初登場は第3話。
赤い彗星ことシャア・アズナブルが明確に敬愛していたほぼ唯一の人物であり、ブレックスの死に立ち会った時には涙を流して悲しんでいる。

CV:藤堂貴也(旧TV版)/石井康嗣(新訳『Z』)/沢木郁也(『アクシズの脅威』以前の『ギレンの野望』シリーズ)


【概要】

地球連邦軍の軍人で、階級は准将。
このため、基本的には“ブレックス准将”と呼ばれることが多いが、敵対するティターンズからは“ブレックス”と呼び捨てにされることが殆どだった。

年齢は58歳。
……見た目と設定年齢が乖離したキャラが多い『ガンダム』シリーズでは珍しく、極めて違和感のない設定となっている。

エゥーゴのトップではあるが、とにかく少数体制の為か、
片腕としているのは経歴の怪しいクワトロ・バジーナ大尉にヘンケン・ベッケナー中佐と、自分より遥かに若い二人である上に、彼等と殆どの行動すら共にしていた。

後に、ティターンズの影響力が大きくなる中で不当な扱いを受けると共に閑職に追いやられていた一年戦争当時の英雄の一人であるブライト・ノア中佐と接触を図り、
噂通りの信念の人であった彼を正式にエゥーゴに迎え入れると共に旗艦アーガマの舵取りと前線指揮官の立場を任せ、以降はヘンケンが新たに艦長となったラーディッシュとの2艦体制でティターンズに立ち向かわせた。

一応は、終盤にかけて“エゥーゴ艦隊”とも呼べる、劇中に出ているだけでも大隊には相当するであろう部隊の存在が確認出来るのだが、初期の組織運営からはとてもそんな部隊が存在していたとは思えない。
……恐らくは、描かれていない所で劇中の通りのティターンズの余りの強硬策と非人道的行為に反感を抱いてエゥーゴに賛同していった勢力が増えていったり、元々エゥーゴへの協力を表明しつつもティターンズの弱体化までは表立って動けなかった部隊や勢力が多かったという所だろうか。

実際、少数体制なれど元は月の土建屋であるウォン・リーをはじめとしたスポンサー達や戦争屋のアナハイム・エレクトロニクス社といった、いわゆる月資本からの支援を受けられたのもブレックス(と隣に控えるグラサン)への信頼があったからなのだろう。
……そもそも、単純に圧倒的な組織の規模の差程度のことで簡単に敗れるような人間が率いる組織に支援をする訳がないので、
それこそブレックスならはそこそこに戦火を拡げるか粘ってくれる上に、そのついでに新型MSの試験運用も只で出来る━━位は考えていたとしても不思議ではない。

その意味では、間違いなくブレックス・フォーラとは、連邦軍内でも相当に名の知れた軍人だったと想像するのは難くない所である。
また一年戦争に於いて個人にして恐怖の対象となった、かの“赤い彗星”を手懐けた(身を寄せるに足る人物と判断した)という事実は事情を知った上で支援する側にとっては大きな効果があったと考えられる。
現にエゥーゴには旧ジオン系の人間も参加・協力しているが、彼らはそのクワトロ経由で繋がりを持っていた。

さらに彼は連邦軍の現職の高官でありながら 連邦議会の議員の資格を持っている。 *1*2
ジャミトフ・ハイマンもそうであるため地球連邦政府は軍人の身分を保ちながら立候補することに制限がないらしいのだが、
つまりは単に軍人としての有能さや広範なコネがあるだけでなく議員として当選するほどの政治力や人脈金脈もあるということなのだろう。

【人物】

その過去については明確と言える程には定められていないものの、前述の考察の根拠の通りで一年戦争時に活躍した古参の連邦軍兵士(士官)であったことは明記されている。
7年前当時の階級と詳細な経歴は不明なれど、前線にて指揮官(艦長クラス以上?)として活躍していたらしい。
一年戦争末期を描く『機動戦士ガンダム オレら連邦愚連隊』では終盤にゲスト出演しており、キャリフォルニアベース攻略戦にも参加していた様子がある。
本作では階級はこの時点で既に准将となっていた。とするとバスクと同じくそこから全然昇進できなかったことになるが……エゥーゴも結成していない時期だというのに……

後に設定された【機動戦士Zガンダム前史】とも呼べるものに於いては、本編の3年前となる宇宙世紀0084年のジオン残党組織「狼の鉄槌」によるジオン共和国襲撃未遂事件の調査を同共和国軍のダグラス・ローデン少将と連絡を取り合いつつ進めていたようで、その陰にティターンズの暗躍があったことを確信しつつ決定的な証拠を掴もうとしていたとのこと。

その翌年の0085年7月31日に、サイド1の30バンチコロニーにて発生した反地球連邦デモの鎮圧の為に、ティターンズの手によるG3毒ガスを用いた1,500万人もの大量虐殺事件=30バンチ事件が発生。
この最悪の事件が徹底的に隠蔽されたことを目の当たりにしたことに危機を覚えたのか、
本格的に反ティターンズ派閥・エゥーゴを始動させると、伝手を辿りつつ志を同じく出来ると思われる人材や勢力に声をかけ、実際に作戦行動を取れる子飼いの軍閥を揃えた━━というのが本編開始までの動きとなる。

尚、前線にてジオン公国軍と戦った立場である上に一年戦争にて家族を亡くしているとのことだが、十中八九一年戦争序盤のコロニーへの砲撃かコロニー落としによる「人類の半分を死に至らしめた」辺りであろう。
そういった経歴でありながらも、戦後はジオン……ひいてはスペースノイドへの激しい憎悪と蔑視を燃やしながら急激に勢力を増すティターンズの思想には全く共感できず、
寧ろ積極的にスペースノイドの自主性を尊重しつつ、公民権を獲得させて対等の立場を勝ち得ようとする意志も持ってエゥーゴを結成し、実績からも自らが舵取りを行なうことにしたようである。
因みに、劇中にて自らを明確にスペースノイドと称しており、ヘンケンと共に地球連邦軍人として敵対する立場だったながらも“赤い彗星”にはスペースノイドの未来を託す存在として思うところがあった模様。この時のヘンケンとのやり取りが中々のタヌキな返答。
今際にはジオン・ズム・ダイクンの思想への傾倒も感じさせるあたり、作品中でもハマーンやシロッコさえ一年戦争時の“赤い彗星”止まりだったシャアが自分にも求めていた筈の理想すら理解していたシンパであった可能性が高い。
……実際のシャアはルウム戦役などコロニー潰し作戦とスペースノイド虐殺に参加し、かつそのことを特に後悔もしていないような人物*3なのだが、この辺に関してどう思っていたかは不明。


その度量と公平性から“ある目的”*4により地球へとやって来た、一年戦争時のジオン公国の“恐怖の象徴”であり、戦後には父の掲げた“ニュータイプ論”の理想の実現を模索してたシャア・アズナブルことキャスバル・レム・ダイクンも注目する所になったようで、何処かのタイミングで正体を明かした上で会合を持ったようである。
そして、ブレックスとの同盟後(名目的には連邦軍兵士としてエゥーゴ入りをしたことにした)に、自ら新たなる偽名としてクワトロ・バジーナを名乗りつつ、前線部隊の隊長と政治面でのサポートを行うことにした模様で、ここまでが本編開始前までの動きとなる。*5

性格は基本的には温厚だが、小細工や駆け引き、人権や尊厳を無視した行為は好まないどころか拒絶反応を示す程に嫌っている。
「清廉すぎて清濁併せ呑むことができない」「気に入らない相手・事象には短気」と、意外と指導者には向かない人柄だったのかもしれない。
実際、本決まりでこそなかったものの、アーガマの新しい搭乗員というかアムロ・レイの再来と思わせるカミーユ・ビダンの存在に期待しつつも、因縁ある(?)バスク・オムがカミーユの実母であるヒルダ人質に取るという最低の戦術を実行したのだが、この時にも即座に要求を拒否している。
……尚、この書簡を持ってきたのはエマ・シーン中尉だったのだが、エマは本当に手紙の中身を知らなかったので八つ当たりとしか呼べない状況であったものの、この時にブレックスに破廉恥と罵られたことと、その直後に自分の所属する組織の本当に破廉恥極まりない作戦と余りにも救いのない悪意ある結末を目撃したエマ中尉がエゥーゴへと投降、後に鞍替えを決意する直接的な切っ掛けとなった。

尚、ティターンズのトップであるジャミトフ・ハイマンと、その腹心であるバスク・オムには個人的な因縁があったのか、なにかと過剰反応している。
皮肉にもそれがカミーユの母をあっさりと死なせてしまった強硬的な態度を取らせる直接の原因となった。
(余りのティターンズへの反発ぶりに、ヒルダを殺されてしまった後には流石にカミーユの身を案じたクワトロとヘンケンが頭を冷ますようにと各々に口を挟んだほど。)

その、特に憎んでいる彼等との因縁も特にハッキリしている訳ではないのだが、劇中ではどんなに汚い手を使ってもおかしくない奴と断じている他、小説版ではバスクを戦争を知らない政治屋として唾棄している。
現在までの(ゲーム等を含む)描写だとバスクは一年戦争当時からのジャミトフの腹心として描かれているのが殆どなので、
情報の擦り合わせを行うのならば、前線に出ずに軍内部での政治的闘争に明け暮れていたジャブローのネズミ共のような軍人と呼ぶには憚れるような差別主義者と見ているという所だろうか。
「ジャブローのネズミ」にもやるべき仕事は山ほどあるのだが。

ジャミトフとの関係は不明なものの、上述の通りで現在ではジャミトフは一年戦争当時からバスクと行動を共にしているので、バスク同様に主義主張の合わない政敵と見なしていると思われる。
……しかしそれ故にジャミトフに対してかなり色眼鏡で見ていて、「第二のザビ家をもくろむ男」と称していたが、実際のジャミトフは一族による支配*6を目指すどころか、親族と絶縁していた。
ジャミトフの周囲にハイマン姓の人間がいないなどというのはすぐ分かることであるので、この辺りは偏見を持ちすぎていたと言える。
ましてやジャミトフの真の目標(地球に戦火を拡げて腐った人類を宇宙に出し、地球環境を保全する)までには気づいていなかったと思われる。
確かにジャミトフは、バスクのような凶暴すぎる人物を必要悪として抜擢する、フォウ・ムラサメの再調整に参加するなど、目的のために犠牲が出ることに躊躇しない性分である*7ので、危険視するのは分かるが、ザビ家とは共通点が少なく「第二のザビ家をもくろむ」というのはやはり適切とは言いがたい。
(強いて言えば虐殺という手法がザビ家とバスクで似ているぐらいか)

…と、ここまで書いていながらアレだがブレックスがジャミトフを「第二のザビ家をもくろんでいる」と発言したソースは不明。
TVアニメ・劇場版・小説版には無いため他で存在したとしてもそれをどこまで公式とみなしていいのかという話になってしまう。
あえて言うなら小説1巻で「座視していればジャミトフが 第二のギレン・ザビ になる可能性がある」という趣旨の発言をしているのだが
「第二のザビ家」と「第二のギレン・ザビ」ではだいぶ意味合いが変わってくる上に、この発言の文脈からして「狡猾で敵を冷酷に殺戮できる男」の例えとしてギレンを使っており
そこまでおかしな例えでもなければ小説ではジャミトフ自身が自分でギレンに共感していると言っているので尚更間違った読みとも言えない。*8

アーガマを「ホワイトベースⅡ」、リック・ディアスを「ガンマ・ガンダム」と命名しようとしたのは彼である。(どちらも異なる理由で却下されているが)
カミーユをアムロ・レイの再来と呼んで期待したことも考えるとホワイトベース隊に何か思い入れでもあったのだろうか。

【本編以降の経緯】

第1話にて、ティターンズが新型MSを開発させていると聞いたグリーンノアへとクワトロを潜入させてみた所、色々と偶然が重なった末に当の新型MS=ガンダムMk-Ⅱとニュータイプの疑いもある現役高校生パイロット候補をゲット
一気に戦力が増強されてホクホクしてた所に、前述のティターンズ(というかバスクとジャマイカン・ダニンガンのドクズの二人)による破廉恥な作戦が実行され、碌な対策も練れない内に人質であるカミーユの母親を殺されてしまい、件の新型MSとカミーユがティターンズの手に落ちてしまうことに。

歯痒い思いをしていたものの、自分達の所へと交渉にやって来ていたエマ・シーンが“まともな感性の持ち主”であるとしてクワトロとヘンケンが説得。
それを信じて待ってみていると、何と残ったMk-Ⅱ全機とカミーユと残った人質であるフランクリンを連れてエマが脱走
一度は失ったと思われた以上の戦力を得ることになる。

これで安泰……かと思いきや息子であるカミーユすら懸念した通りでフランクリンが(何ならMk-Ⅱより価値がある)リック・ディアスを盗み出しティターンズの手土産にしようという騒動も起きるが鎮圧。
その後、地球に降下するレコア・ロンドの支援やブライトのエゥーゴ入りを経て、自らも新たにヘンケンが艦長を務めるラーディッシュに移り、アーガマの後方支援を主にしつつ政治面で影響力を強めるティターンズに対抗しようとする。

クワトロを伴い参加した地球での連邦会議では、ティターンズの蛮行に怯える議会が殆ど無条件降伏でティターンズに権限を渡そうとするのを批判しつつも、それでも予てよりの主張を行おうとしていたのだが、クワトロが離れていた隙に強硬手段に出た刺客により暗殺されてしまうことになる。
(バスクの指示もしくは独断であった模様)
今際に間に合ったクワトロに対し、かつて自らも恐れ、同時に希望としたシャア・アズナブルとしてエゥーゴを託すと伝えて退場となった。

【後世での評価の諸々】

直接の登場作品である『機動戦士Zガンダム』に於いては、前述までの通りで“高潔で後世に確かな道を示しつつティターンズを打倒させてみせた”立派な人物━━なのだが、後にこの“グリプス戦役”を経て色々と絶望してしまったシャアが地球に粛清を迫った件にて、
その原因を作った男として槍玉に挙げられることがある。
これは、シャアが率いた新生ネオ・ジオンには、ジオン残党やジオン共和国の人間ばかりでなく元エゥーゴの構成員が相当な数で参加していたのが批判の理由。
……まあ当時のブレックスに六年先の変遷を予見しろというのは難しくはあっただろう。シャアが『逆シャア』で表向き掲げた思想はエゥーゴ時代からというより、旧ジオン時代から胸に秘めていたことでもあり、ブレックスに影響されたわけではない*9

まぁ、この辺はティターンズやエゥーゴ以前にスペースノイド=宇宙棄民として見て見ぬふりをする愚かで傲慢な決断をした地球連邦が悪いというのが彼らの究極的な結論であり、後は程度の話というか少なくともブレックスがあの時点で後継者を間違った訳ではなかったのだが。
(とはいえ連邦もジオンによりほぼ全て壊滅されたコロニーを修復・再建するなど、やることはやっていたのだが。それこそグリーンノアに開いた穴も修復している)

クワトロ=シャアが消えた後にエゥーゴは存在意義を失うと共に堕落・崩壊するが、そもそもがティターンズに対抗する名目で結成された組織であり、それ以外には実は明確な思想なんて存在していなかったのだから当然のことと言える。
一応はブレックスやクワトロ等の中核メンバーは「スペースノイドの自治や差別の解消」「地球連邦の本来の目的の遂行=全人類の宇宙への移住」などを口にしているが、それは彼らが個人的に胸に秘めていただけで、組織全体としては決してそうしたことを目標とするような組織ではなかった。
……まあ、指導者たちがティターンズ打倒後にそのカリスマや権威、利権を活用してエゥーゴを束ね、連邦主流派への台頭*10などをしていれば、自分たちが目指す方向に世の中を誘導できたかもしれないのだが、
「嫌な相手」と内心唾棄する相手とも粘り強く交渉するという忍耐力を持たないクワトロがさっさと逃亡してしまったため、新たな目標も、それを示す指導者もいなくなった組織が離散するのは自然なことであった。
この点はブレックスというよりシャアの問題である。


……尚、初期案ではクワトロ改め赤い人は、本来なら『Z』の時点で地球連邦を見限りアクシズへと戻り、ハマーンを片腕としてエゥーゴもティターンズ(シロッコ)も降して自分がラスボスとなる予定だった。
ブレックスが裏切られる(見限られる)立場であったかは不明だが、もしかしたら最初のフラグであるアムロの死に続く、シャアがアクシズへと戻る重要なフラグが改編された本編にも残された展開がブレックスの死=シャアをして信頼を置けた同志の死であったのかも知れない。
(実際、一部のゲームの“IF”展開ではブレックスの生存によりシャアは逆襲しない。その意味ではシャア周りの人間としては一見すると地味だが、実は小説版や別世界線のシャリア・ブルと同様にシャアの“真の同志”と成り得た存在だったのかもしれない)


【他メディアでの活躍】

【SDガンダム外伝】

ジークジオン編第3章「アルガス騎士団」でアルガス王国国王であるブレックス王として登場。アニメでの声優はリュウ・ホセイを演じた飯塚昭三が担当。
前章のレビル国王とは違い鎧に身を固めており、武人肌であることが窺える。
実際彼の能力「HP300」*11はレビル王の負傷してないときの「HP150」(こちらは最下級のザコはともかく中堅クラスの敵には負ける)の倍はありMS族よりは一回り弱い傾向にある人間族の中では一流といってよく、そこらへんの雑兵なら苦も無く蹴散らせる…どころか後述の騎士アムロですら初登場のラクロア時代の「HP250」では勝てない程度には強い。

王国騎士団の仲の悪さに頭を悩ませていたが、ムンゾ王国からユイリィ姫の手紙を届けに来た騎士アムロ(この時期は成長して「HP500」)と面会し、その能力を見抜いて周囲が反対する中彼を騎士アレックスにかわるリーダーに抜擢。
アムロはラクロア王国の騎士なので、他国の騎士を自国の騎士団長に大抜擢したわけであり、普通に考えれば反対されて当然の人事である。
しかし家臣団の中にはアムロと共に戦えばムンゾ王国との戦いに勝てるとこの人事を支持する者もおり、それほどアルガス騎士団の幹部達が武力全振りしただけの問題児だった切羽詰まった状況だったのである。
この人事が功を奏しアルガス王国は立て直しに成功しジオダンテに蝕まれていたムンゾ帝国の解放に成功、両国に和平が結ばれ彼自身も生き延びた。

出自を問わず優れた人物を登用する懐の広さは原作と同様だが、こちらの方ではうまくいった。
ちなみにカミーユは息子(王子)、ヘンケンは側近の戦士、ウォンはカミーユの教育係*12として登場するが、某赤い人とは全く関わっていない。

ジークジオン編第4章「光の騎士」では登場しないが、騎士団長アレックスと部隊長3人をラクロア王国に派遣したところジオン族との最終決戦で全員還らぬ人になるという大惨事が発生。
騎士団長代理のアムロもラクロアに帰還したせいで組織をまとめられる人員が誰もおらず、騎士団内での権力争いが勃発してしまった。
幸い、その数十年後が舞台の『救世騎士伝承(スダ・ドアカナイトサーガ)』では新世代のアルガス騎士団が登場し王国も健在。晩年のブレックス王はどうにか国と騎士団の危機を乗り越えたようだ。

ゲームでの活躍

スーパーロボット大戦

宇宙世紀系が一年戦争ではなくグリプス戦役時期が中心に取り上げられることが多いため、後方で政治的な活動をする味方キャラの中としてはレビルより出番は多い。
そして原作通り暗殺されることもあるが、EDまで無事生き残ることも多々あるなどスパロボ補正の恩恵を受けられることもある。

なお初参戦である『第4次』ではよりによってアトミックバズーカの入手と彼の生存が二者択一というとんでもない運命に巻き込まれるハメに。
一応アトミックバズーカの入手には他にも色々と複雑な条件が絡んでおり、特に主人公がスーパー系だとブレックスを死なせても絶対に入手できないので、必ずしも死ぬわけではないのは救いといえば救いか。
ブレックスが生き延びた場合、エゥーゴの指導者にはならずいちパイロットとして伸び伸びやっている赤い人が見れる。まぁ、EDで案の定姿消しちゃうんですけどね

ギレンの野望シリーズ

本編で准将まで上り詰めた壮年の男性のため、部下のヘンケンとともに皆勤賞。
ライバルのジャミトフには一歩譲るが、戦闘力はともかく指揮能力は高い。

そして、一年戦争以降も取り扱うナンバリングでは同志を率いて一旦レビルから離反しエゥーゴを設立し、レビルはエゥーゴと別の理由で離反したジャミトフ率いるティターンズどちらと手を取るか或いは両者ともに敵に回すいばらの道を歩むかの選択を迫られる。
が、エゥーゴを選択すればアムロ&クワトロ&カミーユといった高レベルNTパイロットやブライトやヘンケンなどの指揮も戦闘も優秀な艦長やホワイトベース隊*13といった歴戦の猛者が使用可能なうえにティターンズ側が明らかに人道的に問題があるバスクやジャマイカンがいるな為、エゥーゴの方が選ばれやすい傾向にある。
アクシズの脅威だと進め方次第では黒服版のパプテマス・シロッコがレビルの直臣ポジでEDまでいてくれるため、ティターンズを選ぶメリットはほぼない。

アクシズの脅威の自身が総大将であるブレックス・エゥーゴでは多数のネームドが犠牲になるがクワトロが逆襲を思いとどまるベストエンディングがある。
ただし、ベストエンドを目指してLAW寄りに進める場合原作の面子が任務中でほとんど使えないため、モルモット隊3名、ジャックザハロウィン隊2名、ククルス・ドアンシン・マツナガ、ジョン・コーウェン、ロベルト*14、マニティ・マンデナ*15、メズーン・メックス*16ぐらいしかいない。

Gジェネレーションシリーズ

ステータスは魅力と指揮は高いが戦闘パラメーターはモブ艦長にやや毛が生えた程度。

また、ストーリー制を採用したナンバリングの【NEO】ではティターンズが先に壊滅したためデルマイユの率いるOZに暗殺され、【DS】ではハマーンとの交渉が決裂した際の脱出時に銃撃を受けて死亡してしまう。



「君が…君が項目の追記修正を取れ…シャア・アズナブル…。ジオン・ダイクンの息子ならそれができる……」

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最終更新:2025年04月06日 20:05

*1 例えば警察庁長官がそのまま政治家になったとして、自分の汚職を証拠隠滅したり対立相手を不当捜査されると問題なので、「国の権限を委任された官庁の人間」はその身分を保ったまま政治家にはなれないのが「まともな民主主義国家」である。ましてや暴力や殺人が主業務の軍隊となると…。

*2ラプラスの箱」絡みでの異様な条文といい、ぶっちゃけ作品としての考証が甘いというのが実情である。実はジオン公国も議会があることは明言されながら、具体的な議会が描かれたことは一度もない。

*3 『逆シャア』ではシャア自身が連邦側を「要求を呑まなければコロニー潰しをする」と恫喝していたため、そういうことができる男、という設定はなくなっていない。

*4 後述の初期案では、ズバリ“アムロ・レイに会うこと”だった。

*5 小説版の本編開始直後では「おや〜なぜかガンダリウムγや元ジオン軍人のツテをたくさん持っている連邦軍人のクワトロ君じゃないか〜(ニヤニヤ」的な皮肉を言っているためシャアの正体は明かしていないが察知されているという扱い。

*6 ザビ家はこれを明確に狙っていた。ギレンは「ザビ家独裁こそ人類の永遠の存続に資する」といっていた。

*7 実はジャミトフ自身は「バスクの暴走を危惧する」「苦しむフォウを見て「これでは使い物になるまい」と指摘する」など、邪悪な手法を「特に好む」というわけでもなかったりするが。

*8 Wikipediaのジャミトフの記事で、エゥーゴ幹部がそう言っていた→ブレックスが言っていたと追記修正されているが出典要求やツッコミがないまま現在も残り続けている。

*9 テキサスコロニーで妹と再会した時点で「オールドタイプを殲滅する」と語っている。

*10 『ZZ』や『逆シャア』でネオジオンと融和しようとしたり、エゥーゴ系の技術が広く採用されたり、ジェガンの生産をアナハイムに本格委任したりと、グリプス戦役後から連邦はかなりスペースノイド寄りになっている。

*11 カードダスにおける「HP」は体力ではなく総合的な強さの指標となる数値。

*12 ウォンもブレックス王の臣下であり、つまり原作と異なりブレックスの方が立場は上。

*13 進め方次第ではIFで生き延びたリュウ・ホセイスレッガー・ロウも使用可能

*14 ジャブロー襲撃を中止すればアーガマ隊から外れ相棒のアポリーと違いEDまで使用可能

*15 TV版で登場したジャマイカンを言いくるめた女将校

*16 サボったカミーユを殴っていた空手部の主将の先輩モブ。初期案では仲間になる展開があったらしく、初期案を元に発売された児童向け絵本等では仲間扱いされているのだが、TV放映までには完全に出番がカットされてしまった模様。