アーマーガア

登録日:2019/11/27 Wed 18:20:38
更新日:2025/05/06 Tue 06:50:12
所要時間:約 6 分で読めます





ガラル地方の空では敵なし。黒光りする鋼の姿は相手を威圧し恐れさせる。


アーマーガアとは、『ポケットモンスター』シリーズに登場するポケモンの一種である。

■データ



ガラル図鑑No:023
全国図鑑No:823
分類:カラスポケモン
英語名:Corviknight
高さ:2.2m
重さ:75.0㎏
タマゴグループ:飛行
性別比率:♂50♀50

タイプ:ひこう/はがね

特性:プレッシャー(技を受けた時、技のPPを2減らす。/レベルの高い野生のポケモンと出会いやすくなる)
   きんちょうかん(すべての相手は『きのみ』を使用できなくなる)

隠れ特性:ミラーアーマー(『のうりょく』ランクを下げる効果を受けずに、相手に跳ね返す。技の追加効果の場合も含める)


HP:98
攻撃:87
防御:105
特攻53
特防:85
素早さ:67

合計:495

努力値:防御+3

進化:ココガラ⇒アオガラス(Lv18)⇒アーマーガア(Lv38)


■概要



ソード・シールド』の序盤鳥ポケモン、ココガラの最終進化系。
歴代シリーズの序盤に捕まえられるひこうタイプを示す序盤鳥としては進化レベルは遅めのレベル38。

進化してはがねタイプとの複合となる。これはエアームドテッカグヤに続き3匹目となる。
またカラスポケモンとしては、ヤミカラス系列に続き2種類目。

ガラル地方の空では向かう所敵無し、黒光りする鋼の体で相手を威圧する。
また、飛行能力に優れるうえ知能も高く、ガラル地方では空のタクシーとして活躍している。
おそらく元ネタは、ロンドン名物のタクシー「ブラックキャブ」からだろう。

次回作の舞台であるパルデア地方にも棲息するが、こちらでは天敵が存在し危険なため、タクシーには利用されていない。
それどころか天敵が生息していないとある未開の土地にしか野生のアーマーガアは生息していない。
“天敵”と称されるだけあってアーマーガアが縄張り争いに敗北したと思わしき脅威なのは間違いなく、タクシー業としてはむしろ乗客やスタッフが流れ弾をもらいかねず不安定にすぎるため、賢明な判断であろう。
実際、アオガラスやココガラは普通にパルデア地方全土で気軽に遭遇でき、タクシー役にイキリンコが代打できているあたりアーマーガアでなければ襲ってこない模様あえて強くて“素材”になりそうな存在を狙うのはやはり……?

なおココガラ及びアオガラス時点でのタイプはひこう単であり、序盤鳥初期形態のお決まりだったノーマル・ひこう複合の法則を破っている。
しかも進化前のひこう単タイプの時点で「はねやすめ」を覚えられるため、これまた第七世代以前の法則を破っている。ちなみに使用するとノーマルタイプになる。
その名残か、アーマーガアになったことで得られるはがねタイプもタイプ2に設定されている。
序盤鳥ポケモンの最終進化系では最も大きく、2m以上もある。


■ゲームでのアーマーガア



剣盾では序盤からココガラを入手でき、そこから終盤まで活躍できる。
序盤鳥ポケモンとしては最終進化が遅めだが、その分だけ進化すると一気に強くなる。
最終進化で能力がスピード寄りからパワー寄りへと代わり、素早さだけは少し下がってしまう。

ジム戦もくさかくとう(ソード)、フェアリーいわ(ソード)、こおり(シールド)と、活躍の場は多い。
とくに剣盾はフェアリー使いのメインキャラが2人いるので重宝するだろう。

また、剣盾はマップのワープ移動はアーマーガアの力を利用した「そらとぶタクシー」の形を取っており、ライドポケモンとしての側面もある。
今まで違ってカットインが省略されているが、シュートシティ内専用のそらとぶタクシーを使えばどういう風に飛んでいるかを眺められる。
シュートシティ以外にもガラル地方の大都市にはそらとぶタクシーの着陸用スペースがあり、交通網として普及している様子がうかがえる。

ライバルキャラクターのホップも手持ちに入れている。クリア後のトーナメントでは御三家を差し置いてダイマックス枠にまでなっており、キョダイマックスを披露してくれる。
通常個体はキョダイマックスできないわけだが、ヨロイじまに行ってダイスープを飲ませたのだろうか?

SVにおいても序盤から入手可能。
本作の序盤鳥とされるポケモンはタイカイデンカラミンゴだが、初見であれば捕獲タイミングが遅くなりがちなので実質的にココガラが序盤鳥になりがち。
特に最初に戦うであろうジムはむしタイプかくさタイプになるはずなので序盤から活躍の場が多めとなる。

■対戦でのアーマーガア



やはり、はがねタイプらしく防御が最も高く、一方で素早さと特攻は低め。残りの攻撃力と特防はそこそこのバランス型。
合計種族値は495と若干低めで他の最終進化ポケモンに比べて総合力はやや控え目だが、使わない特攻が低く配分は悪くない。
実は耐久力だけで言えばあのガブリアスと大差が無かったりする。

しかし、アーマーガアの強さを支えるのは優秀なタイプと覚える技。

はがね+ひこうの組み合わせは弱点はでんき・ほのおの2つのみ。半減以下に抑えるタイプは8つに無効が2と耐性が非常に優秀。
弱点を突いて突破することがなかなか難しい為、結果として数値以上に硬く感じることになるだろう。
多くの耐久ポケモンの弱点となる「どくどく」が無効となるのも嬉しい所。

同じタイプで配分が似通ったエアームドと比較してHPと特防も高めなので役割破壊程度の特殊弱点技も受けられるため、安定性は高い。
しかしエアームドとは異なり「ふきとばし」や「ステルスロック」「どくどく」も覚えられず、同じような運用はできない。
特性の「がんじょう」もないので一撃必殺技も受けきることができない。

代わりに、「リフレクター」「ひかりのかべ」によるサポートや、「ちょうはつ」「いやなおと」「きんぞくおん」「こわいかお」等、様々な変化技による妨害ができる。
また、「はねやすめ」は使えるので「ビルドアップ」「てっぺき」で耐えながら積みつつ攻める戦い方も可能。
変わったところではステルスロックなどを除去する「きりばらい」に味方の素早さを補助できる「おいかぜ」なども習得する。

メインウェポンは「アイアンヘッド」「ブレイブバード」「ドリルくちばし」、サブウエポンは「ボディプレス」「とんぼがえり」「つけあがる」あたりが候補か。
特に「ボディプレス」は「てっぺき」との相性が良く、実質的なメインウェポンに据えた型も多い。

隠れ特性の「ミラーアーマー」は相手からの能力ダウン技を跳ね返す効果がある。
ただし、ダブルでの「いかく」等、味方全員が能力を下げられた場合は自分が受けたものだけを跳ね返す。

また、攻撃技の追加ダウン効果も跳ね返せるので、追加効果が絶対に発動する技には有利。
特にダイマックス戦では一部のタイプの技は絶対にダウン効果が発動するので有効*1。例によってかたやぶりに貫通されるのはお約束。

優秀な耐性と技を活かして多くの相手に有利を取ることができるため、相手の物理アタッカーや耐久ポケモンに繰り出し
「てっぺき」を積んで突破不能の要塞となったり、「とんぼがえり」での対面操作がアーマーガアの主な仕事となるだろう。

剣盾環境においてアーマーガア自身もダイマックスと非常に相性がよい。
単純に体力が倍加するため一撃で倒すことがまず不可能になる他、一致技だけでも自身の素早さを上げる「ダイジェット」、
防御を上げる「ダイスチル」と、耐久と同時に抜き性能も上げられるのでエースアタッカーとしての役割も問題なくこなせる。
「ボディプレス」も攻撃力が上がる「ダイナックル」となるので最終的には要塞となることができる。
耐久力と優秀な耐性を活かして「とんぼがえり」で交代しサイクルを回しながら終盤にスイーパーとして「ダイジェット」で制圧する事になるだろう。

SV環境におけるテラスの相性は可もなく不可もなくといった所。
元の耐性が優秀過ぎるため基本的にはテラスを切るシーンは少なく、元の火力が低い為「テラバースト」も活かしづらい。
テラスを切って無理やりほのおやでんきアタッカーを「てっぺき」で詰ませるなどそういったシーンは一定数存在する。

長所を纏めると、
  • 無駄のないステータス配分による耐久力
  • 優秀な耐性と「とんぼがえり」を活かした交代戦に対する適正
  • 「どくどく」を無効にする耐性と「ちょうはつ」で耐久型ポケモンを詰ませる適性
  • 「てっぺき」「ボディプレス」「はねやすめ」などを活かした相手を詰ませる適性
  • 「おいかぜ」「きりばらい」などの味方へのサポートとしての適性
  • 剣盾限定だが「ダイジェット」を活かしてエースとなることもできるアタッカーとしての適性

などを挙げることができる。
アーマーガアを突破できないポケモンはとことん突破できず詰むことになるので相手を上手く詰ませたいところ。

では欠点だが、やはり元の火力の低さが挙げられるだろう。
前述の通りステータス自体は極端に高いわけではないので攻撃面のステータスを伸ばす余裕がなく、元の攻撃力も並程度しかない。

「てっぺき」や「ボディプレス」を活かさないと相手に負担をかけることが難しい。その「ボディプレス」が通らないゴーストタイプは苦手とする。
特にSV環境においては、サーフゴーやコノヨザル、ハバタクカミなど強力なゴーストポケモンが登場したため注意したい。
アーマーガアは単独で戦うポケモンではなく、互いに補完し合える優秀な相方と組んで初めてその実力を発揮できるのである。

総じて、アーマーガアは明確な役割を持った高性能なサポート兼受けポケモンであり、特に物理方面の耐久と交代戦での安定感が強みとなる。
非常に優れた耐性と補助技の組み合わせにより、受け構築はもちろん、攻めに転じるタイミングさえ間違えなければ、相手のパーティを完封するほどの詰ませ性能を誇る。

一方で、火力の低さやゴーストタイプに対する打点の乏しさなど、突破力に欠ける側面は否めない。
それらに対しては明確な対策を用意するか、他のポケモンとの連携で補う必要がある。

構築に取り入れる際は、アーマーガアが苦手とする相手をケアできる補完枠との組み合わせが鍵となるだろう。


キョダイマックスのすがた



キョダイマックスの パワーで 羽ばたくと ハリケーンを 凌ぐ 強風が すべてを 吹きとばす。

アーマーガアがキョダイマックスした姿。大きさが14.0mまでアップする。

攻撃時に翼のアーマーの一部が分離し、小型ユニット「ブレードバード」として独立飛行できる。攻撃が終わるとキッチリ収納される。それもうロボットなんじゃないかな

この状態で放つひこう技は「キョダイフウゲキ」となり、ダメージ後に「きりばらい」のごとく相手の場の壁(リフレクターなど)・しんぴのまもり・しろいきり、およびお互いの場の罠(まきびしなど)フィールドを取り払える。

見た目はカッコいいが、素早さを積むダイジェットが使えなくなるため、通常のダイマックスとは使い勝手が大きく異なる。
通常のダイマックスが積み戦術に向いているのに対し、こちらは場作りを妨害しながら仕留めるタイプ。


■余談



モチーフは恐らくワタリガラス。
鎧に身を包んでいるのはアーサー王がワタリガラスの化身とされているからだと思われる。
また「アーマーガアがいなくなったらガラルが滅ぶ」といったことを話すNPCがいるが、現実のロンドン塔でもワタリガラスが飼育されており、
逃げていなくなったり殺めたりするとイギリスが滅ぶ、とされている。
ちなみに進化前については、ココガラがシジュウカラ科の鳥であるコガラ、アオガラスは同じくアオガラもしくはカラス科のアオカケスと考えられる。

デザインしたのは、XYではマーイーカギルガルド等を担当したありがひとし氏。*2
ココガラ、アオガラスも同様。

大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIALでは、剣盾の発売記念イベントで2019年11月22日にガラル御三家、モルペコザシアン&ザマゼンタと共に新規スピリットとして追加された。
スピリッツバトルでは戦場化したガウル平原で2体のメタリドリーと戦う。
最初にアオガラス役と思われるメタリドリーと戦うが、撃墜するとアーマーガア役の巨大化したメタリドリーが出現する。アーマーガアよりさらにデカすぎるのは気にしてはいけない。
相手はジャンプ力がアップして空中攻撃を多用するので巨大化メタリドリーに備えてジャイアントキラーを装備するべし。
スピリットとしての性能は階級HOPEのサポーターで原作の防御の高さを反映して空中防御強化のスキルを持っている。



追記、修正はそらとぶタクシーに乗ってお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 剣盾
  • ポケモン
  • カラス
  • ひこう
  • はがね
  • ココガラ
  • アオガラス
  • ポケモン最終進化形
  • 序盤ポケモン
  • 序盤鳥
  • 第八世代
  • キョダイマックス
  • ポケモン解説項目
  • アーマーガア
  • タクシー
  • ブレードバード
  • キョダイフウゲキ
  • アーサー王
  • そらをとぶ
  • アーマー進化ではない
  • ホップ
  • 鬼耐久
  • 巨大風撃
  • ありがひとし
  • 鋼/飛行複合
  • ポピー
  • そらとぶタクシー
  • 823
  • 822
  • 821
  • アーマーガアタクシー
  • アメジオ
  • 薄明の翼
  • 古島清孝
  • ポケットモンスター
最終更新:2025年05月06日 06:50

*1 ただし能力低下効果のダイマックス技はノーマル・むし・ゴースト・ドラゴン・あくの5タイプで、アーマーガアに積極的に使われるものではない

*2 本人Twitterで発表。ロックマンの漫画で有名な有賀ヒトシ氏の別名義。

*3 ((;゜Д゜