アットウィキロゴ

ガメラ

登録日:2025/11/27 Thu 01:29:20
更新日:2026/08/09 Sun 17:43:48
所要時間:約 24 分で読めます




「亀が空を飛ぶとはのう…」

「ガメラは子どもの味方なんだ!」

「火力をレギオンの頭部に集中し、ガメラを援護せよ!

「ガメラは本当は誰も殺したくないの!」

「自爆…!?」
「ガメラが、人間のために…!」

「何でトトだけが戦わなくちゃいけないんだ!」

「ガメラ…最後の希望…!」

「今度は俺たちがガメラを守る番だ!」



「ガメラ(GAMERA)」とは、『ガメラ』シリーズに登場する怪獣にして主人公。


概要

クッパゼニガメなどと並ぶ、日本の代表的な亀のキャラクター。
亀をモチーフとしたキャラクターとしては最古参に分類され、玄武、ひいては四神の知名度を大きく上げた立役者。
そして、「主人公怪獣」というくくりで見れば、日本ではゴジラと双璧を成す二大巨頭である。
第一次怪獣ブームにおいてゴジラシリーズ以外でシリーズ化に成功した数少ない作品の主人公として、半世紀以上も多くの人々を魅了してきた。
シリーズが何度か途絶えかけたこともあり、令和となった現在では知名度を大きく落としたが、それでも日本の特撮の歴史に与えた影響は無視できないものであると同時に、怪獣好きを名乗るのであれば、絶対に知っておかねばならない存在であることは間違いない。

外見はまんま巨大な亀。だが基本的に二足歩行をしていて、現代の亀では退化している牙を持つ。特に、下顎からはサーベルのように長い牙が一対、上向きに伸びている。
血の色は原則的に緑で表現される。そして昭和期・平成期・それ以降問わず血だらけや大量出血になるようなケガを戦いの中ですることが多い
チューバッカの鳴き声を高音にしたかのような、どこか悲しんでいるようにも聞こえる鳴き声が特徴。人語は一切話せないが、人間とはテレパシーで通じあうことができる。
体内に高熱エネルギーを宿していて、口から炎を吐く他、手足を引っ込めることでジェット噴射で空を飛ぶことができる。
この「火を吹く」「空を飛ぶ」「甲羅に引っ込んで回転する」という特徴は後に多くの亀のキャラに受け継がれていった。クッパに至っては「ガメラアタック」という技を披露したことがある。
また、ガメラは基本的に動植物を食べる必要がなく、死亡すると卵の状態で転生することがあるという、生物としての枠組みを完全に逸脱した生態を持つ。
なんなら『妖怪大戦争ガーディアンズ外伝 平安百鬼譚』に「玄武」名義で登場した時は正真正銘のとされた(もともと初期のシナリオでは『ガーディアンズ』本編でも大映レジェンド枠として客演する予定だった様子)*1


ゴジラとガメラって何が違うの?

おそらく名前を聞いた程度の人ならば一度は思うであろう疑問。
確かにどちらも黒くて火を吹くし、名前も頭文字Gで「○○ラ」という三文字なので、パッと見では「恐竜か亀か」ぐらいしか違いはなく、ごっちゃになることは必至だろう。

うさゴジラ「それにカメの甲羅を付けた怪獣って、まるでガm…」
かめミニラ&かめリトル「「きにしないきにしない」」*2

そもそも「ガメラ」という名前も当時の大映の社長の「むこうがゴジラならこっちはガメラや!」の鶴の一声によるものである。
ラドンギャオスの方がややこしい?ごもっとも。
だが、大映が一方的に東宝をライバル視していたこともあり、ガメラは最初こそ「悪魔の使者」と呼ばれることもあったものの、シリーズ化にあたって徹底してゴジラとは違うものとして描かれてきた。

その証拠に、「モンスター」「恐るべき巨大怪物」の色が強い……はっきり言ってしまえば当時各社が作っていた「54'ゴジラのフォロワー作品」の昭和期第1作ですら、ガメラは子供が困っていれば助けているし、直接的に「カチンときて殺した」シーンでは当時ですら眉をひそめられていた層(ゴーゴー喫茶の若者たち)が死ぬ役に置かれていることで「相互理解など不可能、ある意味平等にただ破壊と死をまき散らす(当時の)ゴジラ」との差別化を図っているのが見て取れる*3

湯浅憲明監督曰く「ゴジラの真似事してたら生き残れない。ガメラはガメラのオリジナリティを出さないとダメだ」
実際、殆どの作品にて不死身の怪獣として描かれてはいても基本的に“生物”の範疇に収まる描写がされている天然物のゴジラに対して、ガメラはゴジラ程には屈強そうに描かれていない反面、手足を引っ込めてUFOのように飛んだりと、寧ろ“生物”の範疇を越えたトンでもな存在として描かれている。
そのため、設定にリアリティを加味させた平成ガメラや、その影響を受けた後続作品では正体は古代人の手で創られたらしい人工物=生物兵器とされていたりもする。(なんなら、昭和ガメラもそれが正体でもおかしくない設定。)

まず、作品によってその都度立ち位置が変わるゴジラに対して、ガメラは『対ギャオス』以降ずっと「人類や地球を守るヒーロー」である。
怪獣同士の戦いで人間を巻き添えにしてしまうこともあるが、それでも可能な限り人間に配慮した立ち回りをしているし、救える命は絶対に救う。
ちなみにその「ゴジラとの差別化」のためか?いわゆる敵怪獣はゴジラシリーズのそれに比しても人類に対して残虐・悪辣。SE付きでモブがギャオスに喰われてしまうとか*4

また、ゴジラが時にアンギラスラドンモスラなどと共闘して強敵に挑むのに対して、ガメラには怪獣の味方は一体もいない*5
ゴジラでいうところのミニラに相当する存在が登場することもあるが、その時は大抵先代ガメラは死亡している。
そのためゴジラが同族には強い情を向けるのに対して、ガメラが同族に対してどんな感情を抱くのかは今もなお不明。
だがガメラは決して孤独ではない。ガメラの味方は我々人類、特に年端もいかない子どもたちである。
ガメラは子どもを守り、人間はガメラを助ける。そうやってガメラは多くの怪獣に勝利してきた。
途中いろいろあっても結局は「ガメラは味方です!」という認識に落ち着くので、ゴジラシリーズの名台詞の一つとして知られる「勝った方が我々の敵になるだけです」とは絶対にならない。

どちらも「何度倒れても必ず立ち上がる不屈の精神の持ち主」だが、これにしても(主に昭和の二代目と平成VSシリーズの)ゴジラが「気に入らないものは全部ぶっ潰す、負けず嫌いゆえの往生際の悪さ」なのに対して、ガメラは「何が何でも守りたいものは守る、そのためなら自分はどうなってもいい自己犠牲と根底で異なる。
その思考からくる行動力はシリーズを追うごとにとんでもないことになっていき、ゴジラはもとより大半の怪獣がえ…何で人間のためにそこまですんの…?とドン引きしかねないようことをガメラは平気でするようになる。

具体的には、
  • たった2人の少年を助けるために別の惑星まで飛ぶ。
  • 自分よりはるかに巨大な宇宙船に単身で挑む。
  • 血まみれ、あるいは血しぶきが人間のキャラが視認できるほどの量でビルに飛び散るような状態の深手でも、「まだなんとかなりうる」場合は決して撤退せず、戦闘を続行する。
  • 体の大部分が炭化しても諦めない。
  • 自分のことを恨んでいる少女を助けるために自分の手を焼きちぎる。
  • 複数いる敵怪獣を一度に殲滅するために自爆する。
  • 背後にいる子どもたちを守るために敵怪獣の前で棒立ちになる。
等々。おかげで作品によっては過労死とも呼べる最期を迎えてしまっている。

他にも、
  • 南方から現れたゴジラに対して、北方から現れたガメラ」*6
  • 「水爆のトラウマから火や強い光を憎むゴジラに対して、火や高熱を主食とするガメラ」
  • 「水爆によって本来のあり方から歪められた命を持つゴジラに対して、最初からそういうものとして生まれてきたガメラ」*7
  • 怪獣王、破壊神など己の力を示す肩書きを持つゴジラに対して、守護神、最後の希望などヒロイックな肩書きを持つガメラ」
  • 「ゴジラに立ち向かう防衛隊というイメージのもと威圧感たっぷりなゴジラのテーマに対して、完全にヒーローソングのガメラマーチ
  • 「ゴジラはどんなに酷い手傷をおっても*8ほとんど流血しないが、ガメラは相手怪獣に反撃されたせいで演出上血だらけになるような作品がむしろ基本」*9*10
等が挙げられる。


こういった対比から『ゴジラ対ガメラ』の実現を望む特撮ファンは数知れないのだが、映画としては未だに実現していない。何なら東宝側の関係者から「見たい人は多いだろうが、メリットが無い」とバッサリ切り捨てられたことがある。
「重量の問題でゴジラがガメラを一方的にボコして終わる」なんて言う人もいるが、実際にそれをやられたら双方のファンから大ブーイングが起きるのは間違いないだろう。

とはいえ、古参のファンからも「ゴジラが天才型ならガメラは努力型」とか言われてたし、飛行やオカルトパワーといったアドバンテージも近年ではゴジラもオカルトパワーを身に着けてるし、そもそもゴジラは空を飛ぶ相手が苦手でもなかったり、いつも通りの演出を目指したら「それはガメラがピンチになるってことじゃねーか」になるであろうことは否めないが。

また、ガメラの「ヒーロー属性」「人類の守護者」というキャラ付けはモスラと被っており、平成ガメラの「地球の守護者」という属性も既にバトラがやってしまっていることで『ゴジラvsガメラ』が結局『ゴジラvsモスラ』の亜流やマイナーチェンジになりかねないという指摘もある。
宿敵ギャオスがゴジラめいた能力を見せるようになったことでわざわざゴジラがガメラの前に立つ意味が薄くなったり、そもそも水爆の被害者であるゴジラを、ガメラが倒すべき悪と見なしてもいいのか?という問題も出てきてしまった。
一方でアプリゲーム『ゴジラ バトルライン』にガメラが参戦したことで特撮ファン界隈は震撼。「歴史が動いた」とまで言われており、両者の共演を望む人々が如何に多いかを物語る結果となった。


歴代ガメラ

昭和ガメラ

年齢 8000歳以上
体高 60m
体重 80t
飛行速度 マッハ3(大気圏内)
マッハ50(宇宙空間)
水中潜航速度 150kt
歩幅 20m

昭和シリーズに登場したガメラ。『宇宙怪獣ガメラ』に登場した個体のみ別個体の可能性が高いが、映像がほとんど使いまわしのため*11ほぼ変わらないので同じものとして紹介させてもらう。

アトランティスに伝わる伝説の火食い亀で、約8000年間北極で眠っていた。
だが諸事情によって起きた核爆発によって目覚め、日本で破壊の限りを尽くす、というのがシリーズ第1作『大怪獣ガメラ』のストーリー。
ただし悪意や敵意を持って人間を襲うつもりは毛頭無く、とにかくお腹が空いていただけだったらしい。
レントゲンで撮影してみたところ、体内構造はアオウミガメに近いという結果が出た。
座頭市の要領で遠距離攻撃を防いだり、惑星テラの建造物を鉄棒代わりにしてウルトラCを決めたり、真っ二つになった宇宙船を火炎放射で溶接したり、ジグラ背びれでガメラマーチを演奏した挙げ句踊り出したりでやたらと芸達者かつ人間の技術や文化に詳しい。
そして、宇宙人のバイラスから「異常」と判断されるほどの子ども好きである。『大怪獣ガメラ』の時点で腹を満たすよりも子どもの命を優先する*12ほどであり、上記のコミカルな行動も「子どもたちから恐怖や不安を取り除こうとしてやった」とのこと。
ジグラ「納得できるか!」

口から炎を吐き、自分の体重よりも重いものを平気で持ち上げるパワーの持ち主だが、昭和ガメラ最大の武器は、圧倒的なまでの防御性能と生命力。
その皮膚は金属よりも硬く、甲羅に至ってはミサイルを弾く。
そして炎についてだが、ガメラは炎が大好物であり、石炭・石油・電気・火薬・果ては核爆弾に至るまで、燃料でありさえすればなんでも食べられる(体内に火力発電所に近い仕組みの器官がある、と説明している児童書も当時けっこうあった)。
それどころか経口摂取せずともどんな高火力でも吸収して自分のエネルギーに変えることができるという、デストロイアと同等の火炎耐性を持つ。
ミサイルを何十発撃とうが、核ぶっぱしようが、ガメラにとってはご飯でしかないのだ。
おかげでガメラは有機物を接種する必要が無く、炎さえ食ってればそれだけで活動可能(ここも「食事の概念があるらしい」ゴジラの一般的な設定とは大きく異なっている点でもある)*13*14。普段は火山帯を住み処としているとされる。

次に冷気についてだが、そもそも北極で眠っていた上に宇宙空間でも活動可能なガメラには効果はあっても致命傷には至らない。
冷凍怪獣であるバルゴンにはさすがに全身を氷漬けにされて行動不能となったが、時間経過で復活したらピンピンしていた。
生命力も非常に強く、ギャオスの超音波メスを頭部に食らおうが、バイラスに腹部を貫かれようが、ギロンの手裏剣が顔に刺さろうが、ダウンすることこそあれど一向に死ぬ気配が無い。
仮死状態に陥っても電気ショックですぐに息を吹き返すなど、この生命力や自然治癒力に関して言えば昭和特撮の主人公としては恐るべきデタラメっぷり。

こんなに頑丈なので、『大怪獣ガメラ』の時点で「人類の兵器でガメラを倒すのは不可能」と結論付けられてしまっている。
ガメラを火星に追放するZプランが失敗して、ガメラが宇宙空間でも平気と判明してからは完全にお手上げ状態なのだが、当のガメラが何故か子どもを守るために他の怪獣と戦うようになったのでなんとか共存に成功した……というのが昭和シリーズの世界観である。

そもそも『大怪獣ガメラ』のストーリーはガメラの目線だと「8000年ぶりに目覚めてお腹ペコペコのところに人類がひたすらご飯をくれた。そして気がついたら宇宙にいた」ということになるので、知らずのうちに餌付けに成功していたのかもしれない。
怪獣との戦いを除き、自分の意思で人間の領域で暴れたのは『対バルゴン』で黒部ダムを破壊したのが最後となっている。その黒部ダムは映像の使いまわしで合計三回も破壊されたのだが。

弱点は手数の少なさ。昭和ガメラの攻撃手段は基本的に射程はあまりない火炎放射と素手だけで、遠距離攻撃が一切できない。
そのためストーリー序盤~中盤はギャオスの超音波メス、ギロンの十字手裏剣、ジャイガーの固形唾液ミサイル、ジグラのオレンヂ光線などで一方的にやられることが多々。

おまけに敵怪獣はジグラ以外火炎放射ではびくともしない防御力を持っているので*15、トドメを刺す時は決まって一工夫したり周りにあるものを利用することになる。
ついでにニンジン玉ねぎが苦手。なんでやねん

最期はスター・デストロイヤーザノン号に特攻して爆発したが、後に新しいガメラとして転生したらしい。

テーマ・ソングとして、3作目『対ギャオス』にて『ガメラの歌』が、その次の『対バイラス』からは『ガメラマーチ』が制作され、主に映画のエンディングとして使用されている。
『歌』では主にガメラそのものの高い戦闘力が讃えられ(「殺人音波」には負けないぞ、としてギャオスを指す歌詞もあるが)、『マーチ』では「悪魔の虹」「殺人音波」「宇宙怪獣」と2~4作目の敵怪獣を挙げたうえで「いかすぞ」「頑張れ」「強いぞ」とガメラを応援する内容になっている。
近所のちびっ子たちを集めて歌わせただけの即席チームを「大映児童合唱団」となんかすごそうにしてるのはナイショだぞ!

特に『マーチ』の知名度はファンの間ではかなり高く、『大怪獣空中決戦』のスタッフロール中や上映が終わった後で観客の誰かが歌っていたという証言が複数残されているほか、実は金子総監督が最初に考えたプロットの中にも「事実上の『昭和シリーズの9作目』でまとめ、最後は子供たちが『ガメラマーチ』を歌ってガメラを見送る」というものがあったんだとか。
このためか『マーチ』は『Rebirth』でもインストアレンジ版ながら使用されたし、先述した『妖怪大戦争ガーディアンズ外伝』では「ガメラ」→「玄武」と差し替えを行ったバージョンを(ガメラにとっての)味方陣営である京都の妖怪たちが歌うシーンがある*16


ちなみに『空想科学読本』の柳田理科雄氏が算出した所、「どう計算してもあのサイズの亀が水と同じ密度なら1万tくらいになる」とのこと*17で、「あれだけ軽い上に身体が円盤型ならば飛行速度が遅くても揚力を容易に得られる」と結論付けている。まあ回転飛行は遠心力で首が吹き飛んで死ぬからやめた方がいいそうだが
柳田氏に対しては文句しか言わない故・山本弘氏ですら、着ぐるみの縮尺を合わせても7700tくらいになるので、やはりガメラは発泡スチロール並に軽いという結論を出している。


平成ガメラ

年齢 推定1億5千万歳
体高 80m
甲羅長径 約60m
甲羅短径 約40m
体重 120t
大気圏内飛行速度 マッハ3.5
水中潜航速度 180kt

ガメラ 大怪獣空中決戦』『ガメラ2 レギオン襲来』『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』からなる平成三部作に登場。製作体制や監督の名前からもじって徳間ガメラ、金子ガメラとも呼ばれる。
下記のアヴァンガメラ、トト、ガメラ2015も平成のガメラだが、よほどのことでもない限り「平成ガメラ」と言えばこの金子・樋口タッグによる三部作の世界観の個体を指す。
劇中では亀が恐竜と一緒に滅んだ知名度の低い絶滅動物となっており*18、『ガメラ3』では「ガメラの墓場」なる場所が登場。
おまけに人間からもどちらかと言えば否定的に見られがちなど孤独感が強い。
そもそもが、今回のガメラの第一目標は地球のバランスを守ることであり、本格的に敵対することこそなかったものの、今のまま人類が環境汚染を伴う開発を進めていけば、何れは人類がガメラの敵になる可能性が指摘されている。
なので、基本的に人間には無関心で、その意味では歴代で一番人間に厳しいガメラと言えるが、それでも主人公や幼い命は身を挺して守っている。
なので、上記の通りでいつの日か敵として認められないでもしない限りは人間もまた地球環境に含まれる保護対象ではある模様。
明確に「大人向け」「あの頃ガメラを応援していた世代向け」にシフトしたことで、むしろ苦戦して文字通りの方でボロボロになってしまう描写も増えた。
先述の「火だるまになってしまい全身が炭化した」も最初に経験したのはこのシリーズ。
一方で、ガメラ自体が昭和期の火炎攻撃から、新たに代名詞となった高威力&遠距離攻撃可能な“プラズマ火球”に変更された上に、明確に古代文明が地球を守るために生み出した生物兵器らしいとされたことでシリーズ毎に形態変化を見せるなど戦闘能力がマシマシとなっており、相変わらず苦労こそするものの「取り逃がして実質引き分け」「戦略的には勝利」といったところが多く、戦績的には昭和期のガメラよりは負けの印象と多さは改善されている。

平成になっても相変わらず総戦力ではガメラ以上の相手ばかりで、恐らくは僅差でも勝れていたのは繁殖が最大の脅威とされいっぱい出るようになったギャオス位のもので、シリーズ全体でも最強格のレギオンは言うに及ばず、変異し過ぎたギャオスであるイリスにも劣勢であったが、映画を見れば相当に食らいついていたのが解る筈。
特に、レギオン戦のラストではガメラファンなら夢を持てる奥の手中の奥の手が飛び出したことでも有名。
詳細は項目参照


アヴァンガメラ

体高 35m
体長 55m
体重 1200t

小さき勇者たち~ガメラ~』に登場。腹部に「火」のような模様がある。
本編の33年前に存在した個体で、劇中ではギャオス4体と交戦。うち1体は火球で仕留めるも、残り3体に劣勢に追い込まれ、自爆でもって殲滅した。
出番は短かったが、『小さき勇者たち』では国家規模で「ガメラは人間の味方」と認識されているので、その活躍ぶりは相当なものだったのだろう。
下記のトトとは「同体」「アヴァンガメラがトトになった」と仮定されている。
何気に初めて体重が1000tを超えたガメラ。


トト

年齢 0歳
体高 8m(志摩)→30m(名古屋)
体長 10m(志摩)→50m(名古屋)
甲羅長径 29.7m(名古屋)
甲羅短径 24.7m(名古屋)
体重 900t(名古屋)

『小さき勇者たち~ガメラ~』においてメインで活躍する個体。アヴァンガメラの自爆によって離島となった場所で、赤い石の上に乗っていた卵から誕生した。
これを発見した透に拾われ、「トトトトッと歩けるように」とトトと名付けられる*19

非常に成長スピードが早く、最初は普通の子亀サイズだったが、一晩で一回り大きくなり、そこから更に短時間で成体の亀サイズまで成長している。
飛行能力と火球はわりと早い段階で獲得していたが、ジーダスが志摩に上陸した時点では空を飛べなくなっており四足歩行しかできなかった。
その後、名古屋で赤い水を与えられたことで更に巨大化して二足歩行が可能となり、透から赤い石を与えられてようやく回転ジェットが可能となった。
ちなみに、誕生からジーダス撃破までの期間は一週間も無い。

ケヅメリクガメをベースにデザインされているが、まだまだ若いっていうか赤ちゃんであるためクリックリで可愛らしい大きなお目目をしている。また、こちらも腹部に「火」のような模様がある。
しかしガメラとしての使命感は非常に強く、ジーダスの上陸を予見していたかのような描写があり、体格でもパワーでも完全に自分を上回るジーダスから絶対に逃げようとしなかった。
透の「生きろ」という願いがなければ、間違いなくアヴァンガメラと同じく道連れを選んだことだろう……。

ジーダスを倒した後、気が緩んだのかそのままダウン。
ガメラを飼い慣らそうと目論む政府の役人たちがやってくるが、彼らの前に立ち塞がった、透をはじめとする子どもたちに守られながら空の彼方へと去っていった。


ガメラ2015

体高 65~70m

50周年記念ショートムービー『GAMERA』に登場。東京を襲撃したギャオスの群れを火炎放射で市街地ごと一掃し、まなぶを助けた。
まなぶのモノローグによると、この時のギャオス襲来で生き残ったのは彼一人だけだったらしく、人間に配慮するも何も、そもそも配慮する人間がもういなかったのだろう。自衛隊なにしてたん?
もっと早く来てればまなぶのお父さんも助かったのだが……よく見ると甲羅に体液が流れたような跡があるため、他の場所でもギャオスと交戦していたと思われる*20
それから10年後、東京に襲来したバイラスの前に、再びガメラが姿を現す──というところで映像は終了した。


リバースガメラ

体高 60m
体重 800t
飛行速度 マッハ3(高度1万m以下時)
マッハ6(高度3万m以上時)
マッハ58以上(地球重力圏突破時)

GAMERA -Rebirth-』に登場。本編の10万年前に栄えた超古代文明エリシタニアが産み出した存在。
スピンオフ漫画『コードテルソス』によると、主人公のルシアスが残した最強の怪獣の設計図を元に妹のシーカが開発したようである。
環境浄化という名目のもとに、貴族たちが怪獣を使い市民を殲滅する『テルソス計画』とあわせて、貴族社会を葬るために産み出された怪獣で、他の怪獣とは異なり人類を守るようプログラムされている。
そのため歴代ガメラの中でも人間に配慮していると思わしき描写は昭和版に次いで多め。
普段は険しい目付きをしているが、1話(NHK放送版では2話)でボコたちを見やるシーンでは瞳孔が大きくなり優しい感じになる。ここで「お帰りガメラ」となった視聴者は数知れず。

実はギロンと分岐・派生種の関係にある。
ガメラ誕生に関わった兄妹は刃物に縁のある家系とのことなので、ルシアスが残したガメラの設計図を元にシーカがギロンを派生させた、と見るのが自然か。

攻撃・防御・再生、全てに優れたハイレベルバランス型とかいう歴代屈指のチート個体だが、後半はほぼ1日で立て続けにギロン、バイラス、エスギャオスと交戦、かつ墜落するスペースシャトルからボコたちを救出するというハードスケジュールをこなしためズタボロ具合も平成ガメラの全身炭化に次ぐレベルとなってしまった。
エスギャオスを撃破した後、戦いでRNAウイルスを投与されたことで人類守護のプログラムをリプログラミングされてしまい、一度はボコたちに襲いかかろうとするも、「プログラムなんか知るか、俺は俺の意思で人間を守ってるんだ!」と言わんばかりに元に戻った*21

正気を取り戻したガメラは天を仰ぐ。10万年前、エリシタニアを支配していた五大貴族の末裔であるユースタス財団評議会のメンバーはにいた。
この期に及んで人類の支配者を気取り、高みの見物を決め込む外道ども──ガメラにとって彼らは「守るべき人間」ではなく「倒すべき怪獣」と同じであった。
10万年前から続く全てに決着をつけるため、ガメラは残った全てのエネルギーを使い、月へ向けて荷電重粒子砲を発射。
それは月面基地どころか月そのものを貫き、評議会メンバーは全滅。『テルソス計画』は完全に潰え、ルシアスの悲願はようやく達成されたのであった。さすがにこっちは「評議会総辞職ビーム」とか言われなかった。
これによりガメラも生き絶え、風の前の塵のように消えていった。しかし跡地で卵が発見され、新しいガメラが誕生することになる。

厳密には異なるが、60周年を目前にした時期の完全新作と言うことで「明確に子供たちの味方(昭和期シリーズ)」「未知の古代文明による生物兵器として生を受けた(平成期三部作)」「他の登場怪獣と遺伝子的につながりがある設定が登場する(『小さき勇者たち』のジーダスとギャオスの設定)」と、過去の劇場公開作品の要素が盛り込まれている…のだろうか?


余談

上記の通りモスラとは「初登場作品では人類相手に大暴れしたが、後の作品でヒーロー化していき、あれよあれよと設定がインフレしていった結果地球規模の守護神になった」と共通点が多い。

ガメラの性別についての言及は『妖怪大戦争ガーディアンズ外伝 平安百鬼譚』で「老」とされたのが唯一であり、上記の個体はすべて性別不明となっている。
ただ、「人間からは雄として見られている」という描写は多い。
『Rebirth』でボコがガメラを全面的に信頼したのは、テレパシーで通じあっていたのに加え、ガメラの姿に離婚で離れ離れになってしまった父親の影を重ねていたからとのこと。どんな父親だよ。
また、あくまで没案だが平成三部作でガメラと通じあった草薙浅黄は、ガメラに対して「父」「恋人」「元カレ」に類似する感情を抱いていたり、『ガメラ3』の最終稿の一つでは「ガメラへの想いを断ち切れないために人間の男性たちとの恋愛に踏み切れない」という、とんでもない描写も考案されていた。
他にも「イリスの幼体に取り込まれた綾奈は服を溶かされて全裸になる」という案があったり、スタッフにそういう趣味の人でもいたんだろうか? 著書『ガメラ監督日記』でちょくちょくそういう示唆があるため、実は金子総監督の異種〇趣味なんじゃないかって説もあるんだとか。
アヴァンガメラとトトも小説の方で雄と思われている描写がある。
もしかしたらモス(蛾)マザー(母親)が名前の由来であるモスラとの差別化なのかもしれない。

ちなみに平成ゴジラvsシリーズの「三枝未希」も「ゴジラとの精神感応を通じて、今ひとつ人間の男に興味を持ちきれない」という、草薙浅黄と同じような設定があった。『ゴジラvsスペースゴジラ』で恋人ができたと思いきや、『ゴジラvsデストロイア』ではまったく言及しないどころか、「恋もしたいし結婚もしたい」と語る同僚の言葉に驚愕する描写があるほか、未希役・恋人役の両俳優も後年「新城はゴジラに敵わないので別れたと思う」とコメントしている*22

没企画『ガメラ対大邪獣ガラシャープ』では、ガメラがガラシャープを倒した後、ガラシャープに子どもがいたことが発覚。
ガメラがこの幼体を、人間の脅威となる可能性を奪った上で見逃す姿が描かれる予定であった。「自分以外の怪獣は全て倒す」と考えているわけではないようである。

『大怪獣ガメラ』はもともと『大群獣ネズラ』というネズミの怪獣映画の企画からスタートした。
これを受けてか、『コードテルソス』ではルシアスとシーカが開発に関わったネズミの怪獣として、ボデラ*23が登場している。
三対一という状況で、真っ先にギャオスのプロトタイプと思わしき怪獣バオラを倒したあたり、さすがガメラの先輩と言うべきか。

ガメラの名前をつけられた古生物の亀としてシネミス・ガメラとガメラバエナが存在する。

漫画『ドラゴンボール』では、ガメラのオマージュキャラ「子ガメラ」が登場する。亀仙人の子分で、言葉もしゃべれる。
その名の通り、海亀ほどのサイズの小型のガメラで、ガメラ同様に甲羅に引っ込んで回転しながらの飛行が可能。ちなみに火を吐けるかどうかは不明。
背中に人間を乗せる事で、空飛ぶ乗り物として利用されるが、当然乗っている人間は目が回ってしまう。
原作では亀仙人がフライパン山へ行く際に使用した1回のみの登場だったが、アニメでは『ドラゴンボール超』68話で亀仙人が再び乗り物として使用している。
FCソフト『ドラゴンボール3 悟空伝』では、亀仙人にギャルのパンティを渡して筋斗雲をもらうイベントがあるが、ここでブーギャルのパンティを渡すと子ガメラがもらえる*24。ちなみにワンダースワン版では筋斗雲しかもらえない。
どちらも好きな場所へ移動できるアイテムだが、筋斗雲は必殺技ポイント10点を消費し、子ガメラは生命力5点を消費する。生命力は必殺技ポイントよりも回復手段が多いため、ゲーム的には子ガメラをもらった方が得である。





追記・修正はガメラとテレパシーで繋がってからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2026年08月09日 17:43

*1 実際には大魔神のみが客演・リメイクデザイン制作。

*2 『ゴジばん』より

*3 実際に「ゴジラのフォロワーは許されるけどパクリはダメ」はすでに各社の共通認識だったらしく、日活の『大巨獣ガッパ』では親子愛によるハッピーエンドとしてどこかメルヘンなストーリーが展開されることで、松竹の『宇宙大怪獣ギララ』ではSF映画との積極的融合が図られたことで『ゴジラ』とは毛色の違う作品を実現している

*4 余談ながら、平成期になると逆にゴジラチームも「あまりガメラ、特に平成三部作を連想させないように」というのが必要になったことが回顧されており、『vsデストロイア』で幼体デストロイアに警官隊がやられていくシーンでは「(それは近い時期のガメラ作品でやってるのもあるから)あまりグロくなりすぎないように」を意識して絵コンテ制作や撮影がなされたとのこと。

*5戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED』とのコラボでイリスとギャオスの群れがガメラに味方したが、「そうでもしないとレギオンに全て滅ぼされるから」という敵の敵は味方理論。実際に『レギオン襲来』では一度ガメラが負けてしまったことで仙台が文字通り滅んでしまっている

*6 結果としてゴジラが反転させた原子怪獣現わるに戻ってしまったが

*7 ガメラも作品によっては人間の都合で産み出された歪な命の持ち主だったりするが、ゴジラとは「先天性か後天性か」で異なる。ゴジラも昭和期は変異した設定は明言されてなかったりするが、安住の地を追われて上陸してきたことは明言されている

*8 腕が溶けてしまった『対ヘドラ』、電ノコで斬りつけられて昏倒したフェス・ゴジラ3スペシャル新作映像『ガイガン来襲』、など。

*9 ただ、ゴジラも昭和ガイガン戦、昭和メカゴジラ戦、ビオランテ戦、vs版メカゴジラ戦、デストロイア戦など、普通に流血しているシーン自体は時期を問わずあるし、『シン・ゴジラ』では常時血の色で発光しているとデザイン的な再解釈が行われたケースがある。またゴジラであまり「血」が描かれないのは視聴者への配慮のみならず、安易で際限なきグロ描写に走らないため、という理由もあるらしい(当時~『ウルトラマン』の時期の円谷プロではそういった「直接的なグロデスク」をあまり好んでいないクリエイターが結構多かった)。

*10 ガメラに流血シーンが多いのは、ゴジラへの対抗という意味もあったのだとか。

*11 当時『ガメラシリーズ』は児童人気に反比例するかのように社内での立ち位置は低く、新作をやるたびに予算が減額されていった。このため結果的に最終作となった『宇宙怪獣』の内容は実質的には「総集編」である。

*12 ガメラを見た俊夫が何故か灯台に逃げ、その灯台をガメラが壊してしまったので、落ちそうになった俊夫をガメラが助けるという、ちょっと不自然な流れではあるが。

*13 もっともこれは『ゴジラ』内でもガバガバで、『シン・ゴジラ』のようにむしろガメラに近い「一般的な意味での摂食はしなくても生きていける」設定のゴジラもいるかと思えば、『ちびゴジラの逆襲シリーズ』ではギャグアニメだからの一言で酒も出る飲食店が登場している。ちなみに2025年現在の東宝のゴジラのレギュレーションの関係で作品にて捕食シーンが描かれることはないが、裏設定やスタッフ脳内設定では案があるパターンもある。

*14 東宝怪獣の場合、ゴジラジュニアはクジラを、ラドンはイルカを捕食するシーンがあるし、ゴジラも捕食目的かは明確ではないがイルカを追っていた。また、ラドンとバラゴンは初登場映画では人間を捕食していた他、小説版『怪獣黙示録』ではゴジラとモスラ以外のほとんどの怪獣が食人を行っている。

*15 ギャオスはその火が弱点だが、ゆえに消火液の噴射能力持ち。

*16 ちなみにこのシーン、妖怪もののマスターピースたる作品から引用したであろう「夜の墓場で運動会」といっしょに、地の文で「子供の頃は感じていた」「目に見えないその力を」「大きな意志の力」の記載がある。これはガメラが世間に復活した『大怪獣空中決戦』の主題歌、爆風スランプの『神話』からの引用と思われる。こちらもシリーズファンからは名曲と扱われている一曲

*17 初版における通常の海亀を拡大した場合の計算で、後にゴジラ他の怪獣と共に「人形を水に沈めることで体積を割り出して、それを設定のサイズに拡大」とより正確な方法で計算した結果、ガメラは3万tぐらいになるとより重量の結果を出している。…ガメラって現実の海亀より3倍もデブ体形なんだろうか?

*18 一応「亀の置物」らしき小道具が背景に映っているカットもあるが、この理由から「恐竜のように、化石などから復元したものではないか」とする説がある

*19 透が亡くなった母親から「トト」と呼ばれていたことも含めたダブルニーミングでもある。

*20 背景では明らかに不自然な方向に出ている(飛行機が見当たらないのに上空方向に撃っているなど)超音波メスが確認できるため、おそらく空中戦を繰り広げていたものと思われる

*21 あるいはルシアスがそこまで想定して対策していたか。彼の頭脳ならじゅうぶんあり得る話である。

*22 2012年『平成ゴジラパーフェクション』より。

*23 作中世界で「地底の王」という意味。

*24 どちらのパンティが手に入るかはランダムだが、ギャルの方が出やすい