久魔商会ブース
こじんまりしたブースに営業職らしいおじさん達が、
コスプレっぽい安そうな忍者のコスプレをしながら
通りかかる学生に呼び込みをしている。
あたりには久魔の食品と薬品が所狭しと積み重なっており、
一部の人には下手なホラー映画を軽く超えるトラウマな情景かもしれない。
キャバリアと直接関わりのある商材はないものの、
久魔バーなどの携行しやすい商品を
「緊急用にコックピットに置いておけば忘れた頃に命を救うから!」
と半ば押し付けるかのように通りすがる学生に配ったりしている。
………付近のゴミ箱の中は見ないように。
また、どうやら「味」のせいでネバーランドに浸透しないことに気づいたらしく、
新商品は「味」を意識した商品が中心のようだ。
なお、開催から3日ほど経った後。
新商品を含めた売り上げがあまりに芳しくないことを危惧した商会上層部は
急遽新商品購入者には久魔丸、久魔ンパス、久魔アイの半額クーポン券を配布することを決定した。
久魔商会新商品 久魔ラート
医療品にも通じる久魔の驚異の技術力により
開発された久魔式オブラート。
久魔の食品最大の欠点である絶望的な「味」の改善案の中で
真っ先に採用された。
久魔バー用、久魔缶用、久魔漬け用、薬品用が存在する。
(※久魔ーメンと久魔パンは味付けが(他商品に比べて)マシだからか無し。)
各久魔ラートはそれぞれの食品をすっぽり包めるような大きさとなっており、包み込んで使用することで
久魔食品の味を消し去る。
…消し去るのである。無になるのである。
よって久魔の不味さを軽減しているが、
何の味もしなくなるので
それでも久魔を食べなければいけない人向け。
久魔ラートの耐用年数は例によって果てしなく長い。
久魔商会新商品 久魔ポン
久魔商会新商品。
こちらは久魔式栄養ドリンク。
「解放された味」を謳った商品だが…不味い訳では無い。
むしろ酸味炭酸と極まった甘さ辛さを一度に叩き込むことで
徹底的に舌にダメージを与えて味を意識することを放棄させる。
加えて一部国家では禁止されている原材料により
味から意識が遠ざかる。ついでに正気も遠ざかる。
分かっていると思うが
最大のセールスポイントは賞味期限の長さでる。
あと第二種医薬品である。
久魔商会 鋭意製作中商品 久魔レナリン
「味との決別」を謳った商品。
開発が間に合わずに現物は置かれていないものの
ブースの一番目立つ場所にデカデカとポスターで宣伝してある。
簡単に言ってしまえば圧力式針無し注射器と栄養剤のセットであり、簡便な形で血管に直接栄養注射を行い緊急時の栄養補給を行う為の機器である。
つまり「味が気になるなら経口摂取しなきゃ良いじゃん」というコペルニクス的転回を狙った新機軸の商品である。
…なお久魔商会はこれを医療キットではなくあくまで「食品」として売り出す気らしい…
最終更新:2020年12月10日 01:54