キャバリア総合開発部長、セブン・ソレイュアーノ氏に対談インタビュー。新世界エレクトロニクスが描く、これからの〝新しい世界〟とは?
――今回リリースされた新型キャバリア、〝ブルーテイル〟はどういうコンセプトで作られたのでしょうか?
セブン そうですね。直系の先代機となる〝クウェイル〟を越えようというメインコンセプトは最初にあったと思いますが、それ以上に開発スタッフには何か、エポックメイキングなことをやろう、というクリエイティビティな熱があったと思います。クウェイルで伸ばしたシェアは大きな物で、それを開発部も一つのトップイメージとして持っていたわけですが、同時に壁にもなっていた。
――過去の傑作機を越えようという気概があった?
セブン 1つの大きなコンバージョンを得たことで、それがブランドイメージを向上させたと半面、ハングリー精神というか、フロンティアスピリッツを失っていた部分は自覚していたんじゃないでしょうか。そういう危機感を肌で感じていた人間がいた、というのは上司としては有り難い話で、プロポーサルが上がった時点で迅速に責任者をアサインしてプロジェクトチームが結成されました。
――しかしクウェイルのリリースから、ブルーテイルが発表されるまでには間がありましたね。
セブン それだけこのプロジェクトはチャレンジだったし、スペックに妥協したくないという気持ちがチームメンバーにはあったと思います。企業としてのプロフィットではなく、ベネフィットと、顧客のサティスファクションを、その先にあるニュージェネレーションのエクスペリメントに触れてほしい、という思いがグランドデザインにありましたよね。即ちカスタマーをあくまでステークホルダーと考えている哲学が土台にあったわけ。そのためのメソッドを追及するところから始めましたから、ペーパープランの段階で、かなりかけたんじゃないかな。
――開発スタッフの熱意の結晶が、今回のブルーテイルだと。
セブン リスケジュールも多かったです。コマーシャルでの混乱を与えたくはなかったので、βテストもあくまでクローズドで行いましたし、テストヘッドの運用は社内コンペティションで選ばれた優秀なベンチマーク・パイロットによって行われました。合計12パターンのテストヘッドをその機体のエキスパート同士で競合させたわけです。
――12パターンの試作機があったわけですね! 開発費用も相当かかったのでは?
セブン 弊社製品はメインフレームさえあればユニバーサルスタンダードコネクタによるカスタマイズが容易な設計ですから、差異の有るコンセプトのテストヘッドを複数用意するのは得意なわけです。そういう意味ではウチは新規開発に強いですね。そういうデベロッパーの熱意を受け止められるインバイロメントとマンパワーが大手の強みというのが事実です。
――ブルーテイルはその結晶であるわけですね。
セブン 満足いくスペックのマシンが出来上がったと自信を持って言えますよ。
――しかし、ブルーテイルは扱いの難しい玄人向けの機体という声もありますが。
セブン 傑作気であるクウェイルの上を行くため、現時点でのハイエンドを求める機体がマストアンサーだと考えられました。つまりハイエンドなプラットフォームにはハイエンドなパイロットが求められるわけです。スポーツカーを磨いて愛でるだけなら購入するだけで良いですが、乗りこなせるドライバーが限られるのと同じですよ。よく弊社商品は他社との互換性に対してクレームがつきますが、軽自動車にハイオク燃料を入れたところで豚に真珠でしょう?
――なるほど。ちなみに会社として、意識している他企業というのはありますか?
セブン ユースティア・インダストリーはまず上がりますね。あそこは比較的新進気鋭の企業ですが、嗣條コンツェルンの企業なだけあって資本も技術も確かで、堅実な商品展開を行っています。いずれはシェアレース上のライバルとして考えなくては行けないんじゃないかな。きちんと企業してますからね。四方山商会さんやベリーズワーカーさんは、キャバリア市場を盛り上げる良き共存関係を築ける企業だと思ってますよ。そこへ行くと……〝鉄〟や〝浪漫志向〟あたりはまぁ、良く言えば職人気質と言えますけど、高品質製品を市場に順応させ環境戦力を向上させつつ、経済を回すという企業のオブリゲーションを果たしているとは言い難い。まあ、ああいうのは道楽ですよね(笑)。
――先日、タクティックスドリーム社のインタビューが新世界エレクトロニクス社について名指しでコメントを発表しましたが。
セブン ジョークにもセンスが必要、って話かな(笑)。我々キャバリアメーカーに与えられた役割というのは、オブリビオンマシンの脅威と戦うことであって、他社企業との喧嘩じゃあないんです。ああいう風に自社のシェアを伸ばすことだけを考えて、それを隠しもしないコメントを出したら現代企業としちゃ終わりですね。ハルモニアのような海賊版メーカーのようになるのがオチでしょう。そもそもあの盗人企業は他社のシェアに依存した寄生虫のようなもので川底のヒルにも
――ありがとうございました。
最終更新:2020年10月02日 08:45