リトラ


円谷プロの特撮作品『ウルトラQ』に登場する怪獣
ゴメス共々第1話「ゴメスを倒せ!」に登場した、ウルトラシリーズの始まりを担った存在である。
別名「原始怪鳥」。身長5m、体重1万t。

古代に生息した鳥類と爬虫類の中間生物で、学名は「リトラリア」。
マッハ2の速度で飛行可能で、鋭利なクチバシを武器とする。
最大の武器は口から吐く強力な酸「シトロネラ酸(シトロネラアシッド)」だが、
これを使用すると自らの喉(呼吸器)も溶かしてやがて自滅してしまう、最後の切り札である。
尚、シトロンに似た香りのシトロネラという植物から採れたアロマオイルでシトロネラ酸が実在するが、強力な酸ではない。
また、サナギのような繭を形成して休眠する習性がある。
1万トンあるのに大人7人だけで運んでいるが気にしてはいけない

ウルトラ怪獣の中では小柄だが極めて勇敢で、体格で勝る相手にも果敢に立ち向かう。
特にゴメスは種族同士で対立している天敵であり、自分の命すら厭わずに戦おうとする。
一方で性質は大人しく、少なくとも映像作品で自発的に人間を襲ったことは無い。
後年登場した個体にはむしろ人間を庇おうとするかのような行動も取っている者もいる。

ゴメスと同じく東海弾丸道路第三工区の地底に眠っていたが、ゴメスの覚醒に呼応するかのように復活して交戦。
体格差で圧倒され尾や牙による攻撃に苦戦するが、ゴメスの右目をクチバシで突いて生まれた隙を突き、
シトロネラ酸を浴びせて勝利するも、代償に自身も死亡した。
道路完成後、リトラが息絶えた場所には復活に貢献した次郎少年の手によって墓が建てられた。
なお、金峰寺の古い絵巻にゴメスとリトラらしき絵があり、過去にも別個体が出現したことが示唆されている。

脚本を担当したのは飯島敏宏氏で、小さい方が視聴者が応援したくなるとの考えからリトラが構想された。
先に撮影された「鳥を見た」でのラルゲユウスの特撮が苦労したため、円谷英二氏から鳥はやめるよう言われていたが、
それを聞いた飯島氏は意固地になって押し通したらしい。

ミニチュアの操演人形はラドンの改造と書籍で解説されることが多かったが、
ウルトラQ着色委員会にも参加した特殊美術の品田冬樹氏は、大きさやギミックの違いなどからこれに懐疑的な見解を述べている。
使用後のミニチュアは後に東宝の手に渡り『ゴジラエビラモスラ 南海の大決闘』の大コンドルに改造されている。
また目をつついたり先に倒れた怪獣に折り重なって息絶えるなどの行為は『ゴジラvsメカゴジラ』にてラドンによりオマージュされている。


以降の映像作品におけるリトラ

ウルトラ怪獣の始祖だけあってゴメス共々その影響力は高く、
ウルトラマンティガ』のゴルザメルバや、『ウルトラマンコスモス』のリドリアスとゴルメデなど、
作品によって関係に違いはあるが、ゴメスとリトラをオマージュした地底怪獣と鳥怪獣が同時に登場する回は、
ウルトラシリーズで度々描かれている。

  • 『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』
惑星ボリスに出現した個体(ブルトンに召喚されたと思われる)がレギュラーとして登場。
身長15mとウルトラ怪獣の中では小柄だが『Q』の3倍は大きい個体である。
こちらは原種との区別のために、リトラ(S)と表記される。
シトロネラ酸でジュランを倒して死に掛けていた所をレイのバトルナイザーに拾われて一命を取り留め、
以降はレイの手持ち怪獣として活躍した。
高速で敵に突撃する「エアリアル・スパイク」に加えて、口から炎を吐く「ファイヤーアタック」のほか、
全身に纏う炎を巨大な火の鳥の形状に変えて敵に叩き付ける「ファイヤーストライク」という技を使用できるようになった。
この技を放つ予備動作としてリトラ自身も全身が赤く変化し、これを「ファイヤーリトラ」と呼ぶ場合もある。
ただし、炎の技はレイオニクスの特殊能力付与により後天的に会得したもので、原種のリトラが使用できるわけではない。
体格差故に決定打に欠けがちだが、単体でもツインテールに優勢に高ったりフログロスを倒すなど実力は低くなく、
そのスピードで相手をかく乱してゴモラを援護したり、ゼットン相手に牽制したり、
果てはあのウルトラマンベリアルが操る怪獣軍団相手に果敢に立ち向かえるほど。
有事の際はレイを背中に乗せての移動手段として活躍することもある。
良い子の諸君!レイオニクスやゾイド星人ではない人間が生身でマッハ2の怪獣に乗るのは危険だから止めるべきだぞ!」

劇中では全てCGで表現されている。

ナカシマ・ヨウコの履歴書で彼女が初めてセブンガーに搭乗したときに戦い、撃破した怪獣として名前が確認できる。
大人しい怪獣のはずだが、同作のレッドキングのような事情で気が立っていたのだろうか?
あるいは名目上「撃破」とされているだけで、実際はシトロネラ酸により自死しているとも考えられる。

  • 『ウルトラマンアーク』
直接登場はしないが、第20話に登場した「ゴメス(SP)」を相手に防衛隊がシトロネラアシッドのミサイルを使用しているため、
世界観上はリトラも存在しているものと思われ、実際に公式のX(旧Twitter)の「石堂シュウの日記」では、
過去に防衛隊による別個体のゴメス駆除歴に加えてリトラの名前が記されていた。
『アーク』の宇宙では人工的に合成できる物質になっているようで、過去に出現例もあるゴメス対策にかなりの量がストックされていた。
しかし、ゴメス(SP)は弱点であるはずのシトロネラアシッドを一切受け付けず……?

ゲーム作品におけるリトラ

『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』でも大怪獣バトル仕様のリトラ(S)が実装されていた。
行動完了時次のフェイズ終了時まで隣接マスにいる味方の攻撃力をアップさせる固有スキル「勇敢なる翼」を持つ他、
移動力・回避・運が高いのが特徴で、必殺技の「シトロネラアシッド」は、
バトル中1回のみ、味方リーダーのSPと必殺技攻撃力を超アップさせるのと引き換えに、
自分のHP・攻撃・防御・命中・回避・運・必殺・SP獲得率が破滅的にダウン、移動力がダウンする、
主力を支援するのに特化した性能のキャラであった。

また、データイーストのSLG『大怪獣デブラス』でデブラスの天敵として登場する巨鳥ヤセルギュウスが、
立場的にリトラそのままであった。名前自体は先の「鳥を見た」のラルゲユウスから取ったと思われる。


MUGENにおけるリトラ

カーベィ氏の製作したキャラが公開中。
防御力が80とやや低めでガード不能だが、投げ無効な仕様となっている。
『Q』と『大怪獣バトル』の要素をミックスさせたようなキャラとなっており、
近接戦ではクチバシによる刺突攻撃を多用する他、
必殺技で「シトロネラ酸」や「火球」などの優秀な飛び道具を使用可能。
ただし連発はできず、酸攻撃は発動時に自身もダメージを受けるので注意。
超必殺技はいずれも1ゲージ消費で、「必殺シトロネラ酸」「ファイヤーストライク」の2つ。
7P以降は自身への酸ダメージが無くなる。
AIもデフォルトで搭載されている。
紹介動画

出場大会

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最終更新:2024年12月10日 13:55
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