村東に水無川あり。故に名くと云う。
府城の南に当り行程10里23町。
家数12軒、東西36間・南北2町11間。
東は川に臨み西は山に倚る。
東3町
田邊村の界に至る。その村は丑(北北東)に当り13町。
西8町計
田島村の山に界ふ。
南21町25間
栗生沢村の界に至る。その村まで1里2町。
北11町54間
田島村の界に至る。その村は戌亥(北西)に当り1里。
旧辰巳(南東)の方20町計山中に渡實・隔澤とて2区の端村あり。今はなし。
この村山間に住して五穀乏しければ、材木を伐出し白朮を採て生計の資とす。
小名
須巻
本村より未(南南西)の方12町にあり。
家数3軒、東西20間・南北18間。
山間に住す。
端村
多摸沢
須巻の東2町計にあり。
家数9軒、東西1町30間・南北20間。
山麓に住す。
山川
水無川
村東にあり。
栗生沢村の境内より来り、北に流るること1里計、
田島村の界に入る。
この村より下流、夏秋の際は土中を伏流して大川に入るまでの間水なし。
故に名けり。
原野
小出原
村南20町余にあり。
東西5町・南北20町計。
神社
稲荷神社
村南山腰にあり。
鳥居あり。田島村渡部但馬が司なり。
余談
まんが日本昔話で、水無川の上流で樵がやろうとした「根長し(根:魚を殺す毒)」を止めようする坊さんの話を放送していました。
最終更新:2021年06月24日 16:34