大沼郡大石組中井村

陸奥国 大沼郡 大石組 中井(なかい)
大日本地誌大系第33巻 71コマ目

府城の西に当り行程12里19町。
家数14軒、東西52間・南北1町50間。
東は山に倚り西は野尻川に傍い南北は田圃(たんぼ)なり。

東30間・西1町・南3町、共に玉梨村の界に至る。その村は南に当り10町。
北2町八町村の界に至る。その村まで7町。

端村

上中井(かみなかい)

本村より巳(南南東)の方7町にあり。
家数8軒、東西50間・南北1町10間。
東は野尻川に傍ひ西は山に倚り南北は田圃(たんぼ)なり。

山川

野尻川

村西に20間にあり。
玉梨村の境内より来り、北に流るること13町八町村の界に入る。

温泉

村の西北3町にあり。
野尻川の涯より湧出つ。

関梁

村南1町、野尻川に架す。
長17間・幅1間余。
隣村の通路なり。

古蹟

柵跡

村東5町山上にあり。
東西25間・南北21間。
東は深谷に臨み三方に空隍(からほり)の形あり。
天正中(1573年~1593年)山内氏の支族中井山城秀詮という者住すという。今彼が墓なりとて村東に古き石塔1基あり。文字なければ知難し。

旧家

平四郎

先祖は中井山城秀詮とて山内の一族にてこの村に住す。子孫改めて佐藤氏と称し村長となり今に至るという。
家に天正・文禄の検地帳2冊を蔵む。また慶長中の證文1通あり。その文如左(※略)



最終更新:2022年10月07日 14:51