耶麻郡小沼組上川前村

陸奥国 耶麻郡 小沼組 上川前(かみかはまへ)
大日本地誌大系第32巻 57コマ目

この村旧大塩村の端村なり。寛文中(1661年~1673年)分て1村とす。故に大塩村と山川・田畠相雑て地界なし。この村大谷川の前に当て川上にあり。故に名く。

府城の北に当り行程6里。
家数22軒、東西2町5間・南北3町。
南は田圃(たんぼ)にて三方に山(めぐ)れり。

東北共に大塩村に隣り、その村は辰巳(南東)に当り18町。
西7町・南5町、共に下川前村の界に至る。その村は南に当り6町。

山川

大塩川

村の辰巳(南東)の方10町にあり。
大塩村の方より来り、未申(南西)の方は斜に流れ樟村の界に入る。大塩村と界を雑え町数詳ならず。

大谷川(おほたにかわ)

村より丑(北北東)の方、高曽祢山より出て渓水に落合、山間1里30町を経て村西をすぎ下川前村の方に注ぐ。
広2間余。

留沼

村北15町にあり。
周130間余。

関梁

大橋

村東6町20間にあり。
長8間・幅9尺、大塩川に架す。
隣村に通る経路なり。

神社

山神社

祭神 山神?
相殿 伊勢宮
   稲荷神
   熊野宮
草創 不明
村北2町40間余にあり。
鳥居拝殿あり。高柳村山本源之進これを司る。

寺院

巖松寺

村より丑寅(北東)の方1町30間にあり。
開基の年月詳ならず。永正中(1504年~1521年)僧盛源中興す時に寺院の號なく、ただ住僧の名を以て称せり。
慶安中(1648年~1652年)宥意という僧高野山に登り真言の密法を受来て、川西組本寺村恵日寺の末山となり小岩山巖松寺と號す。
本尊弥陀客殿に安ず。

地蔵堂

境内にあり。


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    • 上川前地区
    • 大山祇神社
      • Google地図を見ると「大山祗神社·伊勢宮·熊野神社·稲荷神社」と書かれていますが、社前の碑は「大山祇神社」です。
    • 巌松寺
    • 水神宮
      • マーク位置よりやや南東、小さい滝のような水路の上に鳥居と石祠あり。



最終更新:2020年07月09日 16:28