ママンボウ

登録日:2010/12/26 Sun 01:46:37
更新日:2025/06/01 Sun 02:08:51
所要時間:約 4 分で読めます





ママンボウの体をおおう特殊な粘膜には傷を治す効果がある。


ママンボウとはポケットモンスターシリーズにブラック・ホワイトから登場したポケモン

■データ


全国図鑑No.594
分類:かいほうポケモン
英語名:Alomomola
高さ:1.2m
重さ:31.6kg
タマゴグループ:水中1/水中2
性別比率:♂50♀50

タイプ:みず

特性:いやしのこころ(ターン毎に1/3の確率で味方の状態異常を治す)
  /うるおいボディ(天候が雨の時、ターン終了時に自分の状態異常が治る)
隠れ特性:さいせいりょく(他のポケモンに交代した時に最大HPの1/3回復する)

HP:165
攻撃:75
防御:80
特攻:40
特防:45
素早さ:65
合計:470

努力値:HP+2


■概要


ヒレが大きくなった桃色のマンボウ、といった容姿のポケモン
「介抱ポケモン」と呼ばれるだけあり、傷付いたポケモンを見つけるとその長いヒレで抱きかかえ岸まで運んであげ、傷の回復を助ける特殊な粘膜によって手当てをするという習性を持つ。そのためママンボウの周りには多くの弱いポケモン達が集まってくるという。
なおこの行為を行う理由はママンボウが優しいから…という訳ではなく弱ったポケモンを狙う他のポケモンの巻き添えを食らわないため。厳しい野生の世界に無償の愛は無かった……

発売前ではラブカス進化形である事が噂されていたが、んなこたぁなかった。
生息地はやはり海上であるが、レアポケモンに属するため、渦が発生した部分でないと遭遇できない。その辺りは「海宝」と掛けているのだろうか。

因みに「ママ」ンボウではあるが♂も存在し、性別の比率にも偏りがない。
♂を「オカマンボウ」とか呼ぶのはやめてあげよう。


■ゲームでのママンボウ


前述の通り海上にて出現するが、イッシュ地方は物語において水道を通る必要がない(そもそも水道と名のつくのは17番水道のみ)、
条件を満たさないと遭遇できないレアポケモンである、などの理由でシナリオで野生個体に会う事はほとんどないだろう。

一応7番道路にてママンボウを使用するトレーナーがいるので、ナットレイジヘッドのように自分で捕まえなければ図鑑に載らない、という訳ではない。

剣盾ではリストラの憂き目に遭うも、SVでは再登場を果たしている。
SVではパルデア北西部の海にのみ生息しており、やはり出現率はあまり高くない。


■対戦でのママンボウ


合計種族値こそ470で控えめではあるが、HP種族値はあのカビゴンを超える165。

そのお陰で素の物理耐久は同タイプのスイクンを超えており、全ポケモン中でもトップクラスに位置している。
見た目こそ柔らかそうだが実際の物理耐久は、はがねタイプのブリジュラス並。

特防こそ45と低いがHPが高すぎるお陰でフォローが容易く、特防に努力値を振るだけでサンダーの「10まんボルト」を確定で耐える程の硬さになる。

耐久型ポケモンにおいてHPがいかに重要なステータスであるかがよく分かるだろう。ツボツボ涙目。
基本的にそのバカ高い物理耐久を生かして耐久型として起用されていたが、現在の環境ではクッション役としての側面が強くなっている。

一方で攻撃種族値はかなり控え目な75、特殊攻撃は40と攻撃面はかなり控え目。
攻撃技は追加効果を目的とした補助技に近い役割となる。

素早さ種族値は65と若干の鈍足。しかし鈍足は後述の「クイックターン」との噛み合いが良く、あえて素早さを落とす調整にすることも多い。

タイプ一致の攻撃技は癖が無く確率で防御をダウンさせる使いやすい「アクアブレイク」、やけどを絡めての「ダイビング」、鈍足を補うタイプ一致先制技の「アクアジェット」、
威力は低いが3割で相手をやけど状態にする追加効果が美味しい「ねっとう」、相手をバインド状態にする「うずしお」などが揃っている。
ダメージを与えることよりかは付随する追加効果を目的に採用することがほとんどだろう。

サブウェポンとしては、対用の「れいとうビーム」や「じゃれつく」
相手の素早さを下げて後続をサポートする「こごえるかぜ」、特殊アタッカーに一矢報いる「ミラーコート」などを習得する。

変化技は耐久型でお馴染み「どくどく」(のちに没収)、特性と組み合わせての「あまごい
雨下で使い放題の「ねむる」、特殊耐久を上げられる「めいそう」、相手の技をタイプ不一致にしどくどくとも相性がいい「みずびたし」等を習得する。

更に単体での回復技で味方のサポもできる「ねがいごと」、ねがいごとやどくどくのターン稼ぎに「まもる」、
自身が瀕死になる代わりに味方のHPと状態異常を回復する「いやしのねがい」なども習得可能で味方へのサポート技も豊富。

特性は「いやしのこころ」「うるおいボディ」「さいせいりょく」のいずれかとなる。

「いやしのこころ」は味方の状態異常をたまに回復させる特性だが、
ダブル、トリプルにおいて一緒に場に出ているポケモンにのみ効果があり、技「いやしのすず」等の様に控えのポケモンの状態異常を回復させるような効果はない。

「うるおいボディ」は雨が降っているときに状態異常が快復する特性である。雨時に「ねむる」を使うとほぼノーリスクで回復してしまう。
しかし雨状態でなければ効果がなく、6世代から「あまごい」の雨永続仕様がなくなってしまったので雨構築にしない場合は「さいせいりょく」一択である。

そして最も使われている特性が「さいせいりょく」であり、これは控えに戻る際にHPを1/3回復させるというものである。
ただでさえ高い耐久力を持つのに、交代を繰り返すことでどんどん回復していくので倒すのに一苦労させられることになるだろう。

第五世代では「ねがいごと」の仕様変更*1により、ローテーションバトルで活躍した。
サポート主体のママンボウは交代でターンを消費しないローテーションバトルと相性が良く、「ねがいごと」や「みずびたし」でライコウをサポートする構築が見られた。
しかし以降はパッとした活躍もなくマイナーポケモンとしてくすぶっていた。

転機が訪れたのは第九世代、SVのDLC第1弾にて、わざマシンで新たに「クイックターン」を習得するようになった。
タイプ一致の交代攻撃技で「さいせいりょく」を絡めたサイクル戦を行えるママンボウと非常に相性がいい技であり、純粋に大きく強化された。
具体的にはシングルバトルでの使用率が30位以内になり、対戦環境で多くみられるようになったのである

さて、ポケモン対戦においては有利対面と不利対面という考え方がある。

例えば、ほのおタイプのリザードンとくさタイプのフシギバナであれば
リザードン側がタイプ相性と素早さ関係で優位であるため有利対面である。
フシギバナ側は弱点を突かれるため、交代して温存するかフシギバナを捨てるかの択になる不利対面となる。

この時、フシギバナの裏にママンボウが居た場合、ママンボウに交代することが妙手となるのである、
リザードンの技を受けてしまうが高い耐久力によりそこまで痛手にはならない。

次ターンはリザードン側が弱点を突かれるためやや不利対面となる。ここでママンボウが「クイックターン」を押すと

リザードン側が不利を悟って交代する 
→「クイックターン」で相手の交代先を削りつつ相手の交代先に合わせてポケモンを出すことで有利対面を作り出せる

リザードン側が居座って攻撃する
→ママンボウで攻撃を受けた後「クイックターン」でリザードンを削りつつ有利が取れるポケモンを出して有利対面を作り出せる

リザードン側の行動に合わせて最適な行動を後出しで出来てしまうのである、しかも特性「さいせいりょく」のおかげで消耗した体力も回復出来てしまう。
そのため何回も何回もクッションとして再利用することができてしまう。

交代戦を繰り返す中で相手パーティは疲弊していくが、こちらは「さいせいりょく」で回復していくのである。
そして疲弊した相手を「アクアジェット」や「クイックターン」でとどめを刺していくこともできてしまう。

特に「じこさいせい」等の回復技関係のPPが5と減少したSV環境ではそれを主軸にしていたポケモンに代わり、「さいせいりょく」の評価がますます上がった。
多くの水ポケモンが没収された「ねっとう」も引き続き習得可能となったお陰もあって、結果的に水技のレパートリーが全ポケモン中屈指の幅広さと化した。

多機能な攻撃技だけでサポートとクッション役をこなせることから、とつげきチョッキと相性が良い。
また攻撃を受ける機会が多い為、直接攻撃を受けると相手にダメージを与える「ゴツゴツメット」なども相性が良くこれらが主に持ち物に採用されている。
「まもる」と「ねがいごと」を採用するのなら「たべのこし」も悪くない選択肢となる。
その耐久の高さから受けループにも新メンバーとして採用されることもあり様々な構築で活躍している。

弱点としては2つあり、1つはママンボウ本体の火力の低さが挙げられる。
補助技を封じて攻撃技しか出せなくなる技の「ちょうはつ」、HPを1/4消費してダミーを置き、ダミーを攻撃させる技である「みがわり」持ちは天敵。
前者に関しては「クイックターン」で逃げることは可能だが、後者に関しては低火力なため身代わりを壊すのは苦手で身代わりを盾に好き勝手されやすい。

もう1つの弱点としてはクッションとしての性能は高いが単騎性能はそこまでという点である。
場をコントロールし有利対面を作りあげたり、エースを無傷で着地させることは得意だが、逆に言えば交代先やエースがいないと強みを活かせないのである。

ママンボウからの更にクッション役やエースが必要で前者としてはグライオンオーロンゲモロバレルなどがママンボウと相性が良くメジャークラスの要注意ポケモンに復権する程の影響力を与えた。
後者としてはドラパルトパオジアンなどの高速アタッカーなどが相性が良い。

一方で貴重なダメージソースの「どくどく」と、サポートとしても優秀なはたきおとすを喪失したのは大きな痛手。
他にもかいほうポケモンなのにダブルバトルで有用な「いやしのはどう」を失ってしまった。

総評すると、ママンボウはステータス・技・特性がうまく噛み合ったポケモンで、交代技「クイックターン」の追加により
特性「さいせいりょく」と噛み合いに高いクッション性能を持つようになったのである。

場をコントロールしながら有利な対面を作り出し、エースを安全に何度も着地させたり、回復などのサポートまでこなせるのが大きな強みとなる。
その活躍ぶりは、就職活動で「自分を物に例えるなら、潤滑油です」と胸を張って言えるレベルと言っても過言ではない。

■アニメでのママンボウ


ママンボウをスポットを当てた話はまだないが、サトシがイッシュ地方で初めて目撃したポケモンはこのママンボウである。


追記・修正は♂のママンボウにパパンボウと名前をつけてからお願いします

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最終更新:2025年06月01日 02:08

*1 HPの回復量の基準が、場に出ているポケモンの最大HPではなくねがいごとを使用したポケモンの最大HPとなった。