オーロンゲ

登録日:2019/12/05 Thu 17:42:29
更新日:2025/05/16 Fri 12:26:51
所要時間:約 7 分で読めます





髪の毛を全身に巻きつけると筋力がアップ。

カイリキーをねじ伏せるパワーを発揮する。



出典:ポケットモンスター、99話『スパイクタウンのマリィ!』、
19年11月17日~2022年12月16日まで放送。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon



オーロンゲとは、『ポケットモンスター』シリーズのポケモンの一種である。


データ

全国図鑑№:0861
分類:ビルドアップポケモン
英語名:Grimmsnarl
高さ:1.5m
重さ:61.5㎏
性別比率:♂のみ

タイプ:あく/フェアリー


特性いたずらごころ(変化技を先制で出す、ただし相手があくタイプだと変化技が失敗)、おみとおし(登場したときに相手の持ち物を見通す)
隠れ特性:わるいてぐせ(自分が道具を持っていないときに接触技を受けると、相手から道具を盗む)

タマゴグループ:ようせい、ひとがた


HP:95
攻撃:120
防御:65
特攻:95
特防:75
素早さ:60

合計:510

努力値:攻撃+3

進化:ベロバー→ギモー(Lv32)→オーロンゲ(Lv42)


概要

いじわるポケモン、ベロバーの最終進化形。性別は♂しか存在しない。
小悪魔のようなベロバーがギモーに進化した時に髪の毛が生え、さらにオーロンゲに進化すると毛が全身に絡みつき、毛むくじゃらのマッシブな怪物のような姿へと変貌した。
それでもベロバーの時から性格は変わっておらず、くだらない悪さや悪戯は止めない模様。
ちなみに中身はほっそりしているらしい。
仆れるときは筋肉をアピールしながら退場する。こんな例どこかにあったような

その毛はかなりの強靭さを誇り、カイリキーをもねじ伏せるパワーを持つ。
もっとも、数値だけ見ると純粋なパワーでは下回っているのだが、タイプ相性で有利であることを踏まえての話なのかもしれない。
また、ほどく事で相手を絡め捕る触手のように使うこともできる。

ゲームでのオーロンゲ

ガラル地方では、進化前のベロバーが野生で出現する。
特にルミナスメイズの森の個体はLv30台で、捕まえてすぐに進化させられるので即戦力となる。
フェアリータイプなのでジム後半のネズやキバナに有利で、さらにチャンピオン戦では相手の固定ポケモンの内3匹に有利なため重宝する。
♂しかいないので、ベロバーのタマゴを入手するにはメタモン必須である。

また、『ソード・シールド』のみんなのアイドルマリィちゃんもトーナメントで切り札として使用し、更にキョダイマックスを披露する。

対戦でのオーロンゲ

まずステータスを見ると、ビルドアップポケモンと呼ばれる屈強な体の通りHPと攻撃力が高め。悪賢さを反映したのか特攻もやや高めの数値
一方で防御と特防は低い、やっぱ毛で誤魔化しているからか?そのため、総合的な耐久はやや低めに落ち着く、素早さも物足りない数値
配分的には鈍足両刀、いわゆるホウエン種族値と呼ばれる効率のやや悪い形である。

タイプを見るとあく/フェアリーという初の組み合わせを持ち、あくタイプとしての弱点であるかくとうむしをカバーしている。
メジャーなドラゴン技が無効、あく同士での対決にも強く、弱点の内どく・はがねは攻撃タイプとしては比較的マイナーなので問題になりにくい。
無効タイプも2つ持ち、今回初登場の600族ドラパルトの一致技を半減以下に抑えられるのも強み。サザンドラに至っては一致技が1/4以下である。
その代わりフェアリー対決には滅法弱く、ドラゴン以外の耐性はさほど過信もできない。

専用技として「どげざつき」と「ソウルクラッシュ」の2つを覚える。
「ソウルクラッシュ」に関してはのちに習得者が現れたが、当時は専用技であった。

「どげざつき」は正確には進化前であるギモーの専用技であり、威力80の必中あく物理技。
『ソード』の図鑑説明によると「土下座して謝ったフリをしつつ、鋭く伸びた後ろ髪で突き刺す」らしい。な、なんたる卑劣非道か!もはや言葉も出ぬほどのスゴイ・シツレイだ!
「だましうち」の上位互換技であり、ストーリー中ではそこそこ有用だが*1
対戦においては「DDラリアット」や「かみくだく」と選択になるだろうか。他にも鈍足と相性が良い先制技こと「ふいうち」も使用可能。

「ソウルクラッシュ」は確定で特攻を1段階ダウンさせる威力75のフェアリー物理技。
こちらも「じゃれつく」が競合相手となるが、「ソウルクラッシュ」の場合だと命中率が100%で後続向けの追加効果もあるという、地味ながらも無視できない強みがある。
間違っても「まけんき」や「かちき」、「あまのじゃく」持ちに撃ってはならない。

サブウェポンとしてはお馴染み3色パンチか、ドレインパンチをはじめとしたかくとう技が候補となる。
あく技もフェアリー技も通りが良く、サブウェポンも揃っているので殴り性能自体は悪くないが、どの技も威力が控え目で思ったより火力は出しにくい。

総評すると、タイプこそ物珍しいものの、アタッカーとして運用すると物足りなさが目立つようになる。
タイプが違うとは言え、同じ鈍速の悪物理アタッカーにはガオガエンというライバルも存在する。


しかしコイツが本領を発揮するのはまさかのサポート特化である。見せ筋か?

オーロンゲは特性「いたずらごころ」を持っており、補助技を優先度+1、雑に言えば常に先制で放つことができるのである。

そして覚える変化技は「リフレクター」「ひかりのかべ」「ちょうはつ」「トリック」「でんじは」「すてゼリフ(SV習得)」「こわいかお」「うそなき」「ミストフィールド」
と言ったようにやたらと多彩なのである、電磁波は毛の静電気とかだろうか?分類通り「ビルドアップ」や「わるだくみ」と言ったベストマッチな技習得できる。

特に「リフレクター」と「ひかりのかべ」は数ターンの間相手からの物理および特殊技による攻撃をそれぞれ半減できる技で、
それを悪戯心で上から展開することで、耐久を補えかなり耐久力が向上する。

よってオーロンゲは登場以来その筋肉を活かすのではなく壁を貼って、そこから電磁波を撒いたり、トリックで持ち物を操作したり、すてゼリフで対面を操作したりと
その脳筋のような設定と裏腹にむしろトリッキーなサポート型という同じあくタイプでもカラマネロとは経緯が全く逆のおもしろいポケモンである。

また、ドータクンとは別の理由で数値の印象を遥かに上回る耐久力を得ているという点も美点である。
第八世代では数少ない「いたずらごころ」持ちということもあって相手パーティーにオーロンゲを見かけたら真っ先に「いたずらごころ」を疑うべきである。
「いたずらごころ」で出した変化技はあくタイプに無効にされるためあくタイプを呼びがちだが、フェアリータイプを有していることもありあくタイプを牽制出来る。
そのため、アタッカー向けな種族値に対して確実な仕事ぶりに期待できるサポーターとして使われることが多い。「かわらわり」等の需要も支えている。

メガジュペッタ以来の「いたずらごころ」+「ゆびをふる」使いでもある。
両刀向きなのも好都合といえるか。
上記の通りあくタイプはオーロンゲの前に出しづらいので、かつてのメガジュペッタ以上に運ゲーを強制できる。

優良な耐性と特性、恵まれた技のラインナップや流行りのドラパルト対策にもなることから採用率が高いポケモンであるが、当然弱点も存在する。
前述の通り攻撃の数値こそ高めだがタイプ一致技の威力が乏しいため思ったよりも威力が出ないことが多い。
また、変化技ありきな戦略になりがちであることから「ちょうはつ」や「アンコール」に滅法弱い。

第八世代ではダイマックスで「アンコール」や「ちょうはつ」を解除できるが、「いたずらごころ」を持つが故に変化技だらけにしていると
使えるダイマックスわざがほぼ全て「ダイウォール」になるという悲惨な光景になってしまう。技構成にもよるが、目玉システムであるダイマックスとは相性が悪い。

「リフレクター」などで耐久はある程度補えるものの、それでも元の耐久力が低い以上弱点タイプの技を受け続けるとあっさり落ちることも。そのため「でんじは」が効かず、弱点を突いてくるトゲデマルキリキザンなどは天敵。
総じて優秀なポケモンではあるのだが、全抜きを目指せるようなエースにはなりづらく、対面する相手には気を遣わねばならない、癖の強いポケモンである。

また、強力なサポート性能から攻撃技の枠を減らし、せっかくの攻撃種族値が腐ってしまいがちな点も地味ながら難点。残り一体になった際にタイプ相性は良いが有力な攻撃ウェポンがなく、
降参に追い込まれた苦い経験はオーロンゲを使っているトレーナーで経験した人は少なくないだろう。最も、オーロンゲ以外のサポーターにも言えることだが。

SVでは「すてゼリフ」を新規習得。
壁をはって控えの積みエースポケモンのサポーターとして更に磨きかかった。
一方で特性てんねん持ちポケモンが、ドオーヘイラッシャラウドボーンと3種も追加されてしまい、彼らによって積みエースが突破できないという最悪の局面が発生してしまう。
そして何よりオーロンゲにとって厄介なのは、ランクマでも上位層にいるサーフゴーの存在。
タイプ面では弱点を付けるのだが、向こうもはがねタイプ持ちなので、こちらも弱点を付かれることになる上、おうごんのからだで変化技をシャットアウトするので、上記のすてゼリフ等が無効化されてしまう。

…とSV初期から暫くは評価が低かったが、ママンボウが新規技習得による対面操作で大きく躍進していく中でオーロンゲはねこだまし、
すてゼリフによる相手の体力や火力を削ぎ落とす性能との相性が良く、壁技による耐久補強をかわれ、モロバレルやグライオンと共に使用率を大きく伸ばした。
パラドックス、四災、禁止級が大戦でも使用可能後はサーフゴーらが軒並み使用率落としたのも追い風。


キョダイマックスのすがた

アニキが 使わなくても! 勝利のために キョダイマックス!


脚の 体毛を 変形させて 繰りだす ドリルキックは ガラルの 大地に 大穴を 開けてしまう。

一部の個体が使えるキョダイマックス。
全身の髪の毛が増大し、伸ばすことで手足が延長され高頭身のスマートな巨人となる。
まさしく魔王といった風貌である。

この姿ではあく技が「キョダイスイマ」となり、ダメージと同時にあくび効果を付与(次のターン終了時に眠らせる)する。
追加効果の発動率は5割といったところで確実性はないが、ダイマックスポケモンすら退かせかねないため、ダイアークの特防ダウンより強烈な使い心地と評判。
解禁されているルールならぜひ使用を狙いたい。逆に相手するときはマークも考えたい。


余談


名前の由来はオーガ(もしくはオーク)とロン毛からだと思われる。
また、進化前と合わせて妖精「オベロン」もモチーフとしているのかもしれない。
フェアリータイプなのもそれを意識しているのだろう。

進化前のベロバーは英名の「impidimp」から西洋の小悪魔インプをモチーフとしているのだろう。インプは元々妖精として扱われていたのを16世紀から悪魔に分類された経緯を持っており、
そちらから「あく・フェアリーの複合タイプ」「悪戯好きの悪魔ポケモン」の発想に至ったのかもしれない。
フェアリーというとファンシーなのを真っ先に思い浮かべるかもしれないが、こういう妖怪変化なデザインだって珍しくはないものなのだ。

あくタイプ、フェアリータイプ初にして、第八世代では同タイプで唯一♂しかいないポケモンだったが、第九世代に♂のみのフェアリータイプにキチキギス(毒妖複合)が追加されたため、フェアリータイプでは唯一ではなくなった。

因みに剣盾が発売されるかなり前からベロバーの存在自体は確認されており、PVにも度々登場していたのだが、何故か名前に関しては発売後まで分からずじまいであった。
そのため当時は唯一判明していた英名から「インプ君」という別称で呼ばれていた。
今でもこの別称を使うファンは一定数存在する模様。


追記、修正は髪を伸ばしてからお願いします。

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最終更新:2025年05月16日 12:26

*1 ちなみに「だましうち」は剣盾で消滅した。