天候変化技(ポケモン)

登録日:2011/07/01(金) 23:29:44
更新日:2025/01/19 Sun 16:04:54
所要時間:約 13 分で読めます





ポケモンには第ニ世代から「天候」という要素が追加され戦術に大きな幅を持たせている。

この「天候」という要素は当時から現環境まで、様々なタイプ・技・そして特性や道具と組み合わせることで戦場を大きく左右させており、
それ専用に戦術を組んだパーティというものも多く使われている。

ここではポケモンの「天候」とそれを引き起こす天候変化技について紹介していく。




■そもそも天候とは?

ポケモンにおける「天候」とは、要するにバトルフィールドの変化のこと。てんき(天気)とも呼ばれる。
いずれも共存し合うことはなく、後に出された天候に上書きされてしまう。
現環境では主に4つの天候が存在する。
その4つが
  • にほんばれ
  • あめ
  • すなあらし
  • ゆき(※「あられ」から変更)

であり、それぞれフィールドに大きな特色を追加する効果がある。
ストーリー中は各地でしばしば雨の降り続けるフィールドに遭遇するほか、
ホウエン地方の砂漠エリアでは常時すなあらし、シンオウ地方カロス地方の豪雪地帯では常時あられ状態になっている。
アローラ地方では特定の天候によって仲間呼びされるポケモンに変化が生じるなど、世界観を感じさせつつも侮れないギミックになっている。
なお、ヌメイルは雨が降っている環境でLv50以上にレベルアップするとヌメルゴンへと進化する*1

通信対戦では基本的に天候が自然変化することはなく、通常の状態から始まり、わざやとくせいによって5ターンの間だけ天候を変化させることができる。
わざの威力を上げたり、特定のタイプ以外のポケモンにダメージを与えたり、耐久力を補強したりしてくれる他、わざやとくせいによっては天候によって効果が発動するものも。

同じように場の状態を大きく変える概念に「○○フィールド」や「○○ルーム」が存在する。

■天候を引き起こす技と天候の効果

にほんばれ


ひざしが つよい

天候は『にほんばれ』。以前は『ひざしがつよい』だった。単純に『晴れ』と呼ばれることが多い。
にほんばれ状態ではほのおタイプの技を1.5倍にしみず技は半減される。その為弱点の多いほのおタイプをカバーできる。
またそれ以外の一部の技が強化され、こおり状態にもならなくなる。一部の技の命中率をも上昇・低下させる。


あまごい


あめが ふりつづいている

天候は『あめ』。あめ状態ではみずタイプの技が1.5倍され炎技が半減される。
また、一部の技の命中率を上昇・低下させる。


すなあらし


すなあらしが ふきあれる
すなあらしが あいての ポケモンを おそう!

天候は『すなあらし』。いわじめんはがねタイプと一部の特性のポケモン以外に毎ターン1/16のダメージを与える。
また、第4世代以降はいわタイプのみ特防1.5倍のオマケ付き。


あられ


あられが ふりつづいている
あられが あいての ポケモンを おそう!

天候は『あられ』。こおりタイプと一部の特性のポケモン以外に毎ターン1/16のダメージを与える。
第9世代ではあられがゆきに置き換わったため、技が廃止されてしまった。


ゆきげしき・さむいギャグ


ゆきが ふりつづいている

天候は『ゆき』。第9世代より登場した『あられ』の後継技。
『あられ』のような継続ダメージを与える効果はないが、代わりにこおりタイプのみ防御1.5倍。
さむいギャグは天候を変えるだけでなく、控えポケモンと入れ替わる効果もある。場を凍らせておいて自分はいなくなるとかどういう了見だ



これらが『天候技』であり、天候パーティには欠かせないと言っても過言では無いと思いたい技なのである。
これらの技は全て
  • 発動してから5ターンで終了する
  • 専用アイテム「あついいわ」「しめったいわ」「さらさらいわ」「つめたいいわ」でターン数を増加させる(持続時間は8ターン)
という共通点があり、基本的に限られたターンで自軍を超強化し一気に敵を殲滅するための技である。
ポケモンには天候コンボというものがあり、タイプ・技・特性と組み合わせて超強化されるものが存在するのだ。


■番外編

きり

第四世代のみに登場する。
能動的に発生させることはできず、主に霧が深い地域での戦闘でのみ見られる。
文字通りに霧が深く、命中率が下がる(0.6倍)。
きりばらい」で解除できるが、需要がなかったためかそれ以後は存在しない。
仮にこれを発生させられる特性か技があれば、対戦のバランスは大きく変わっていただろう。
第八世代では霧が深いフィールドで戦闘を行うとミストフィールドが発生するようになり、第四世代の霧とは別の仕様になった。
きりが ふかい

つよいあめおおひでり

それぞれ、カイオーガグラードンがゲンシカイキした時に変化する天候。
雨と日本晴れを強化した性能となっている。

らんきりゅう

レックウザメガシンカした時に変化する天候。
ひこうタイプが有利になる。むしろ乱気流が発生したら飛行ポケモンは弱体化しそうなのだが・・・?

くらやみ

XDのみ登場。ダークわざの一つ「ダークウェザー」でのみ発生する天候で、使用すると5ターンの間「やみのオーラから閃光が降り注いでくる」。
この間はダークポケモン以外に毎ターン最大HPの1/16のダメージを与える。勘違いされがちだが、ほかの特性と違い技や防御力の強化はなし。
ウェザーボールはタイプなしで威力100となる。
おそらく、フェナスシティのワズル戦でダークルナトーンが使ってくるのが印象に残っている人が多いだろう。
なおソーラービームの威力については不明。


■各天候に影響を受ける技や特性

にほんばれ

《技》

《特性》

  • ようりょくそ:素早さが2倍。
  • サンパワー:特攻が1.5倍になるが、毎ターン1/8のダメージ。
  • フラワーギフト:自分(チェリム)と味方の攻撃・特防が1.5倍。チェリムのすがたが「ポジフォルム」に変わる。
  • しゅうかく:必ず使用した木の実を収穫する。
  • リーフガード:状態異常にならない。
  • かんそうはだ:毎ターン1/8のダメージ。
  • ひひいろのこどう:攻撃力が4/3倍される。
  • こだいかっせい:ランク補正込みで自分の一番高い能力が上がる。攻撃・防御・特攻・特防の場合は1.3倍、素早さは1.5倍。

あめ

《技》

  • かみなり/ぼうふう/かみなりあらし/こがらしあらし/ねっさのあらし:命中率が『必中』に変化する。(命中率や回避率が変化していても必ず当たる。)
  • あさのひざし/つきのひかり/こうごうせい:回復量が1/4に減少。
  • ソーラービーム/ソーラーブレード:威力が半減する。
  • エレクトロビーム:1ターンの溜めが無くなる。

《特性》

  • すいすい:素早さが2倍になる。
  • あめうけざら:HPが毎ターン16分の1ずつ回復する。
  • かんそうはだ:HPが毎ターン8分の1ずつ回復する。
  • うるおいボディ:毎ターン状態異常が回復する。

すなあらし

《技》

  • あさのひざし/つきのひかり/こうごうせい:回復量が1/4に減少。
  • ソーラービーム/ソーラーブレード:威力が半減する。
  • すなあつめ:回復量が2/3に増加。

《特性》

  • すながくれ:相手の技の命中率を0.8倍にする。
  • すなかき:素早さが2倍になる。
  • すなのちから:いわ・じめん・はがねタイプの技の威力が1.3倍になる。

あられ・ゆき

《技》

  • ふぶき:命中率が『必中』に変化する。(命中率が変化していても必ず当たる。)
  • あさのひざし/つきのひかり/こうごうせい:回復量が1/4に減少。
  • ソーラービーム/ソーラーブレード:威力が半減する。
  • オーロラベール:成功する。(天候があられ・ゆきでないと失敗する。)

《特性》

  • ゆきがくれ:相手の技の命中率を0.8倍にする。
  • アイスボディ:HPが毎ターン16分の1ずつ回復する。
  • ゆきかき:素早さが2倍になる。
  • アイスフェイス:あられが降り始めたとき、この特性を持つ「ナイスフェイス」のコオリッポが「アイスフェイス」へと姿を変える。また、あられの状態でナイスフェイスのコオリッポを出してもアイスフェイスになる。

◆その他

技「ウェザーボール」はそれぞれの天候により威力が50→100となり、技タイプも天候に応じて変わる。
にほんばれ:ほのおタイプ
あめ:みずタイプ
すなあらし:いわタイプ
あられ:こおりタイプ
きり:ノーマルタイプのまま威力だけ100
ダークウェザー:タイプなし
特にあめ、にほんばれのときはさらに天候補正で1.5倍され威力150という高威力で優秀なサブウエポンになる。

元祖ウェザーボール使いであるポワルンは、すなあらし以外の天候において、特性「てんきや」の効果により姿とタイプまで変わる(この場合タイプ一致補正も得られるので、ウェザーボールはメインウェポンである)。


■総評

これらが各天候と組み合わさった時の爆発力は正直異常であり、もしこれらのコンボが決まれば


と言わずにはいられなくなってしまう。

具体例を挙げるとサンパワーリザードンがほのおタイプの技の威力を1.5倍させる「ほのおのジュエル」(第五世代限定)を持った状態で、威力150を誇る「ブラストバーン」を放ったとする。

そうなると
150(威力)×1.5(タイプ補正)×1.5(にほんばれ)×1.5(ジュエル)×1.5(サンパワー)=759.395
となり、例え半減されても威力350以上の技が相手を襲うのだ。

正直消し炭である。
逆にあめ状態では168.75となり、まるで意味が違ってくる。
このように『天候』とは強力なモノである為、多くのユーザーが『天候パーティ』を組み上げ大会やオンライン戦で猛威を奮った。

これら「天候技」はそれだけ重要な技であり、同時に様々な利点と欠点を孕んでいた。


■天候を変える手段の歴史

・第二世代

「にほんばれ」、「あまごい」、「すなあらし」が初登場。
しかし当時の対戦環境は耐久戦が主だったため、戦術に組み込むのは稀であった。

・第三世代

「あられ」が初登場。そして特性が全ポケモンに追加。天候の影響を受ける特性の登場により、天気を変えるメリットが大幅に増加。そして「場に出ただけで天候を変える」という特性を持つポケモンが登場した。
さらにその場合の天候変化は伝説ポケモンのセールスポイントだったこともあり、当時はターン制限がなかった。
この「天候特性(それぞれ『ひでり』『あめふらし』『すなおこし』)」はメンバーの固定と引き換えに大きな戦果を期待できる為「天候技」よりも重宝されやすいのだ。

しかしすなおこしは伝説ポケモンではなく、一般のポケモンだがレベル55で進化するバンギラス専用であり、
当時の各種バトルのレベル調整ははレベル50ジャストかレベル100かの二択でレベル50ジャストでしか出れない各種対戦では使用不能だった。

なおこの世代初の公式大会はグラードン、カイオーガが禁止されないため、すなおこし以外の「天候特性」は使いたい放題という魔境となっていた。
また処理順の関係で「天候特性持ちが同時に出た場合、すばやさが遅い方の天候となる」ため、最速の逆となる最遅、最鈍調整が意識され始めた。

・第四世代

あられの「天候特性」『ゆきふらし』ユキノオーの特性として登場。すなおこしも新ポケモンのカバルドンが持っている他、レベル50以上でもレベル50に調整されるフラットルール、そしていわタイプのとくぼうが強化される上方修正により各種対戦で一般的となった。

きあいのタスキの登場により、HPが1だけ残った、もしくはHPを1でも削れば機能停止するポケモンが頻出するようになった関係で、すなあらし、あられの価値が間接的に増した。

またGSルールという「禁止伝説を2匹まで編成可能なダブルバトル」を世界大会公式ルールとする大会も開かれ、すべての天候特性が公式大会で揃うこととなった。

・第五世代

これらの「天候特性」が新システム「隠れ特性」によってキュウコン(ひでり)、ニョロトノ(あめふらし)へと安売りされた。その為、さらに天候技自体が減った。
それでも、天候技には特性には無い利点も当然存在する。それが『奇襲性』である。
そもそもこれら天候技は技マシンで全て覚えさせることが出来る為思わぬ奴が天気を変えてくることがあるのだ。
これを利用し、フェイクとして天候関係なさそうなポケモンで発動し、相手の攻撃を半減したり後続の本命で相手を抹殺するという戦法が取れるのだ。
奇襲し相手の戦術を崩す、決まればかなり気持ちがいいものである。正直タマランものである。
興味を持った方は天候奇襲型を是非つくってみては如何だろうか?

今作から登場したトリプルバトルでは、単純に場に出せる数が多いため、全体に響く天候は価値が非常に高く導入もしやすい。
逆に言えば天候(+同じく全体に響くおいかぜorトリックルーム)を導入or対策をしないと他のルール以上に一方的な展開となるため、パーティ編成が若干窮屈になってしまった。

・第六世代

特性での天候発動→無双という戦術が流行りすぎたため、天候特性も天候技と同じく5ターン制限がかかることとなった。またアマルルガの隠れ特性がゆきふらしとなった。
これにより天候特性でも天候技でも変わらない効果となったため、天候技にも需要が増えた。
ちなみに天候特性でも各種「いわ」を持たせれば8ターン持続でスタートさせられる。
メガシンカ後が天候特性のポケモンも登場し、こちらは処理の関係で、交換を含めた他のポケモンの天候特性発動→メガシンカによる天候特性発動となるため、すばやさが高い調整にしても天候を奪うことが可能。メガリザードンYはメガ後のみ「ひでり」、メガバンギラスとメガユキノオーはメガ前から引き続き「すなおこし」「ゆきふらし」。

・第七世代

既存ポケモンのうち、新たにコータス(ひでり)、ペリッパー(あめふらし)、ギガイアス(すなおこし)、バイバニラ(ゆきふらし)に天候特性が追加された。そして新ポケモンのアローラキュウコンも、隠れ特性がゆきふらしである。

・第八世代

新システムのダイマックスわざのうち、ダイバーン、ダイストリーム、ダイロック、ダイアイスは天候を変えられるため、「攻撃しながら天候を変える」という芸当が様々なポケモンで簡単に出来るようになり、天候書き換え合戦が起こりやすくなった。特に上述の「特定の天候下で効果を発揮する特性」の持ち主が自分で天候を発動させやすくなったのは大きい。
また、攻撃を受けるとすなあらしを発生させるサダイジャの特性「すなはき」が登場。

・第九世代

「ゆき」が追加された代わりに「あられ」が天候もろともオミット。「ゆきげしき」という新しいわざが誕生
「ゆきふらし」も効果が付け替えられた。
また、てんきを「ゆき」に変えて交代する技「さむいギャグ」をヤドキングが覚えた。
そして伝説のポケモンコライドンの専用特性「ひひいろのこどう」は天候を「ひでり」状態に変えることができる。


■余談

  • 全ての天候は特性「ノーてんき」「エアロック」で無効化されるためそこは注意が必要である。

  • 天候特性が新たに追加された事でそのポケモンを使ったパーティが増えたが、
    旧来から特性関係ナシにそのポケモンを愛し続けてきた方には不満があったり複雑な心境だったりするらしい。

  • カイオーガ、グラードンの特性は天変地異を起こすほどの強力な天候変化を引き起こすものであり、第六世代の天候特性ターン制限は似つかわしくないという意見もあった。そしてカイオーガとグラードンを仲裁する立場にあるレックウザは、前述の「エアロック」であり、自身を強化できるものではなかった。が……?



















天候から天変地異へ

ORASにてそれぞれゲンシカイキで真の力を取り戻し「おわりのだいち」「はじまりのうみ」というほぼ上位互換の新特性を得た。その効果は場に出ている限り永続で、まさしく天変地異。
一般ポケモンと共通する特性は一般ポケモンと同じ性能で、真の力を発揮したときの専用特性は一般ポケモンを凌駕すると言う設定は後付けながら良い棲み分けになっている。
また、レックウザも新特性「デルタストリーム」を獲得。
これも天変地異と呼んでいいほどぶっ飛んだ効果なのだが、こちらは通常の天候に該当する技がないため廉価版が配られることが期待されているとか。
それでは、最後にこれらの強力な天候特性を見ていこう。

上位天候を発生させる特性

これらの天候は通常の天候で上書きすることができず、他の上位天候でのみ上書きできる。しかし「ノーてんき」「エアロック」の対象である。

おわりのだいち

天候は『おおひでり』。以前は『ひざしがとてもつよい』だった。普通のにほんばれと同じ効果に加えて、みずタイプの攻撃技は不発になる。
その為ゲンシグラードン(じめん・ほのおタイプ)は本来4倍弱点のみずを無効にできる。
ひざしが とてもつよい


はじまりのうみ

天候は『おおあめ』。以前は『つよいあめ』だった。普通のあめと同じ効果に加えて、ほのおタイプの攻撃技は不発になる。
ゲンシカイオーガ自身より味方の強化向き。
つよいあめが ふりつづいている


デルタストリーム

天候は『らんきりゅう』。ひこうタイプの弱点が消える。
つまり、ひこうがでんき、いわ、こおりの技を受けても等倍となる。複合タイプの相性はそのままで、
メガレックウザ(ドラゴン・ひこうタイプ)はこおり2倍、いわ等倍、でんき半減。
なぞの らんきりゅうが ひこうポケモンを まもる




追記・修正はてんきやな人がお願いします。











雨ふらしニョロトノ「ワターシは!仲間の雨パの為に、90日間祈り続け、見事!雨を降らせることに成功しました!!」


おみとおしオオタチ「そんだけ祈ってりゃいつか降るだろ!?」


ニョロトノ「その間!仲間の雨パのポケモン達は一心不乱に踊り続けました!!」


オオタチ「そっちの方がスゴイ!!?」


ジジーロン「呼んだかの?」

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最終更新:2025年01月19日 16:04

*1 自然発生した雨のみ