仮面ライダー電王 プリティ電王とうじょう!

登録日:2021/09/22 Wed 23:18:07
更新日:2023/04/05 Wed 06:42:27
所要時間:約 8 分で読めます







電王が10年ぶりにスクリーンに帰ってくる!


ひさしぶりに俺、参上!!



『仮面ライダー電王 プリティ電王とうじょう!』とは、『仮面ライダー電王』の劇場短編映画作品で、『東映まんがまつり2020』の一作品として上映された。
同時上映は『映画 おしりたんてい テントウムシいせきのなぞ』『映画 ふしぎ駄菓子屋 銭天堂 つりたい焼き』『りさいくるずー まもれ!もくようびは資源ごみの日』。
当初は2020年4月24日公開予定であったが、新型コロナウイルス流行の影響により、同年8月14日に延期された。


【概要】

2010年公開の映画『仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー THE MOVIE 超・電王トリロジー』以来10年ぶりに制作された、『電王』単独の劇場版(クロスオーバーも含めれば2011年公開の『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』以来9年ぶり)。
東映まんがまつりで仮面ライダーの劇場版が上映されるのは、1988年の『仮面ライダーBLACK 恐怖!悪魔峠の怪人館』以来32年ぶり、東映スーパーヒーローフェアを含めても1994年の『仮面ライダーJ』以来26年ぶりとなる。
また、東映まんがまつりで特撮作品が上映されるのも1989年の『劇場版 機動刑事ジバン』以来31年ぶり、東映スーパーヒーローフェアを含めても1995年興行の以来25年ぶりとなった。
なお、本来は7月下旬頃に公開予定だった『仮面ライダーゼロワン』の単独映画が新型コロナウイルス流行の影響で撮影が延期され、それに伴って公開時期が冬にずれ込んだため、
結果的には(上映形態や公開規模の差はあれど)本作が所謂夏映画の役割を担ったとも取れる。

監督は本作が『電王』シリーズ初監督となる中澤祥次郎が、脚本は『電王』TVシリーズでサブライターを務め、『超・電王トリロジー EPISODE YELLOW』『レッツゴー仮面ライダー』を手掛けた米村正二が担当。
また、『電王』TVシリーズのメインライターである小林靖子も監修として参加している。

上映時間は22分というTVシリーズ1話分かつ、後の『劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本』や『劇場版 仮面ライダーリバイス』に匹敵する短さではあるが、
タイムトラベルを主軸とした手堅い話作り、タロスズ達の軽快な掛け合い、短いながらも豪快な戦闘シーンと、『電王』のツボはきっちり抑えた作りとなっている。
舞台が平成元年である事にちなんだサプライズゲストなど、親世代狙い撃ちな小ネタも見どころ。
あれ?平成ネタは去年の映画で既にやったような…?
『平成引きずる板も出た〜♪』

主題歌はテレビシリーズ後期OP「Climax Jump DEN-LINER form」が使用されている。

東映まんがまつりの同時上映作品と共にDVD化されている他、Amazonプライム・ビデオなどでは単独で配信されている。


【あらすじ】

2020年の日本で暮らす小学生の女の子・アンナは、ある日母と喧嘩して家を飛び出し、母からもらった大事なお守りを河原に投げ捨ててしまう。
その直後、突然黒タイツの集団に襲われ、迷い込んだ先は時の列車・デンライナーであった。
だが、デンライナーは黒タイツの集団───戦闘員が属する悪の秘密結社・ショッカーによって占領されていた。

アンナはデンライナーの乗組員であるナオミやイマジン達の助けで脱出しようとするが、イマジンの一人・モモタロスと共に1989年=平成元年の時代に飛ばされてしまう。

飛ばされた先で同年代の少女・メロンと友達となるアンナ。だが、ショッカーの魔の手はメロンにも迫っていた。
自分を守ってくれた友達を助けるため、アンナはモモタロスと共に「プリティ電王」へと変身する。


【登場人物】


アンナ

演:高尾日歌

主人公。2020年の世界で松咲市立宮真小学校に通う10歳の女の子。
母親のマイ(演:乙葉)と部屋の片付けを巡って口論となり、家を飛び出してしまう。
何故かショッカーに付け狙われた上、偶然デンライナーに迷い込み、更に1989年まで飛ばされるという立て続けに不運な目に巻き込まれてしまう。
そんな中、友達となったメロンを助けるため、モモタロスに憑依されたMアンナとなり、そのままプリティ電王へと変身する。
苦境に陥っても友達のために戦う事を決意する姿を、モモタロスはどこかの誰かさんと同じ事言いやがって」と懐かしんだ。

メロン

演:佐々木告

1989年の時代で松咲市立宮真小学校に通う、アンナと同年代の女の子。
物怖じしない性格で、会ったばかりのアンナともすぐに打ち解け、友達となった。
メロンパンが好物で、「メロン」という愛称はそこから取られたもの。
6000万円が当たるかもしれない宝くじを宝物として大事に持っているが、それ故ショッカーに狙われる羽目に。

アンナと出会った当初は空手五段を自称していたが、すぐ書道四級の嘘だと打ち明けている。
それでも友達の危機には果敢に立ち向かい、書道の経験を活かした墨汁の吹きかけやバッグ振り回しでショッカー戦闘員と戦った。



声:関俊彦

お馴染み、イマジンズの赤い鬼。
アンナと共にデンライナーから突き落とされ、1989年の時代に飛ばされてしまう。
飛ばされて早々アンナから変な奴扱いされて逃げられ、事情を理解してもらっても縄は解いてもらえず、
いきなり現れたデンライナーに突き飛ばされた挙句、砂場にスケキヨ状態で埋まり続けるなど、出番が多い分色々酷い目に遭い続ける。
それでも「俺のクイズ」としてクイズ形式で状況を分かりやすく説明したり、メロンのピンチには自らアンナへの憑依を持ちかけるなど、何だかんだで世話焼きな兄貴分として活躍した。


声:遊佐浩二

お馴染み、イマジンズの青い亀。
モモタロス以外のタロスズはデンライナーから出ないため、出番は少なめ。
俺のクイズでは決め台詞の前半をクイズなのに口走り、キンタロスから突っ込まれた。
ショッカーへの反撃時は戦闘員が使っていたハンマーで反撃した。


声:てらそままさき

お馴染み、イマジンズの金色の熊。
やはり出番は少ないが、ショッカーの襲撃という状況にもかかわらず呑気に寝ていたり、反撃時は戦闘員2体を素手で軽くあしらうなど彼らしさは健在。

俺のクイズにおける「(ショッカーは)みんなのお爺さんお婆さんの時代から悪さしとるんやでぇ」という台詞に時代の流れを感じた大人の視聴者は多いはず。


声:鈴村健一

お馴染み、イマジンズの紫色の龍。
例によって出番は少ないが、相変わらずのフリーダムぶりを発揮。
ショッカーへの反撃時は戦闘員が使っていた棍棒で反撃した。

ナオミ

演:秋山莉奈

お馴染み、デンライナーの客室乗務員。
モモタロス以外のイマジンズと同様デンライナーから出ないため出番は少ないが、アンナを逃したり、ショッカーへの反撃時にクリティカルヒットを決めたりと、しっかり活躍している。

ナオミとしての映像作品の出演は2012年の映画『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』以来となるが、当時と変わらないビジュアルとハイテンションぶりに安堵した観客は多かったとか。


声:関智一

悪の秘密結社・ショッカーの怪人だが、原典となる初代『仮面ライダー』の死神博士とは別人。
冒頭で時を渡るデンライナーを占領する快挙を成し遂げる。
なのに働いた悪事はメロンが持つ宝くじを奪い、秘密基地建設の資金にするというスケールの小さいものであった。もっと他にやる事あるだろうに……*1
劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』や『レッツゴー仮面ライダー』登場時同様に「イカ」や「ゲソ」にちなんだ言葉を多用するコミカルな性格だが、戦闘力とショッカーへの忠誠心は紛れもなく本物。
戦闘では伸縮自在な触手爆発する墨を駆使して電王と戦った。
ちなみに使用されたスーツは過去の映画のものとは異なる。

ショッカー戦闘員
お馴染み、ショッカーの戦闘員のみなさん。
上司に負けず劣らずコミカルで、「イーッ!」にちなんだ言葉遣いを多用する。
単体ではそこまで強くないが、数の暴力とばかりに集団で襲いかかる場面が多く、アンナ達を何度もピンチに陥れた。


その他、俺のクイズで以下の怪人達が写真として登場している。
……最後のおじさんが誰なのかは全くの謎。


【登場ライダー】

プリティ電王
アンナにモモタロスが憑依したMアンナが変身する。
映画のタイトルにもなった本作初登場のライダーで、『電王』シリーズでは初となる女性ライダーでもある。

外見はソードフォームをベースとしているが、変身者が小学生のため、映画『劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!』に登場したミニ電王並に小柄で(恐らくスーツもミニ電王の改造と思われる)、
更に後頭部と胸のリボン、肩当てや腰のフリル、眉間のハートマークとアンナの意向が反映されたプリティなビジュアルに仕上がっている。
見た目とは裏腹に戦闘能力はそれなりにあり、デンガッシャー・ソードモードも使用可能。
その小柄な体型にモモタロスは一瞬戸惑っていたが、すぐに身軽さを活かしてショッカー戦闘員を翻弄した。

仮面ライダー電王 ソードフォーム
お馴染み、「電王」と言われて多くの人が思いつくであろう形態。
本作では『さらば電王』や『レッツゴー仮面ライダー』、『超スーパーヒーロー大戦』、後の『スーパーヒーロー戦記』同様にモモタロスが単独で変身する。
プリティ電王では敵わなかったイカデビルと互角に戦い、最後は「俺の必殺技・令和バージョン」で止めを刺した。



【余談】

  • 前述の通り中澤祥次郎監督は本作が『電王』シリーズ初監督であるが、これは監修の小林靖子氏による指名であった事が白倉伸一郎PのTwitterで明かされている。
    中澤監督と小林氏は『烈車戦隊トッキュウジャー』でそれぞれパイロット監督とメインライターとして組んでおり、その縁あっての選抜と思われる。

  • 劇中でショッカーが狙っていた宝くじの一等賞金が6000万と聞いて、「一等なら億クラスじゃないの?」と思った人がいるかもしれない。
    だが、リアルにおける平成元年の宝くじは6000万が最高額であり、億クラスに到達したのは1996年になってからである。
    この事は宝くじ公式サイトの「宝くじのあゆみ」から確認可能。

  • 東映まんがまつりで同時上映された中の一本『りさいくるずー まもれ!もくようびは資源ごみの日』では本作を意識してか、登場人物が電王そっくりな「仮面ライダーダン王」に変身。
    更に電王本人*2がゲスト出演し、『電王』本編における名セリフが多数登場するなど、電王好きにはたまらない内容となっている。


でも、Wiki篭りと追記・修正した時間が、私の宝物だから!


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最終更新:2023年04月05日 06:42

*1 ただ、2020年から来たイカデビルかは不明だが、2020年までの間にショッカーも色々とあったので、ひょっとしたら宝くじの高額当選を狙わないといけなくなるぐらい落ちぶれたのかもしれない。

*2 本人と言っても世界観に合わせたダンボール製の姿。外見はソードフォームで、声はオリジナルと同様に関俊彦氏が担当している。