巳剣(遊戯王OCG)

登録日:2025/10/04 Sat 00:13:48
更新日:2025/10/04 Sat 01:39:25NEW!
所要時間:約 20 分で読めます





大蛇の輪廻が相手を追い詰める


巳剣(ミツルギ)とは、『遊戯王OCG』に登場するテーマの一つである。



概要

元々は海外先行で登場したテーマであり、日本には2025年9月27日発売の「WORLD PREMIERE PACK 2025」にて初登場。
同期の日本進出テーマは【ミミグル】【王家の神殿】。

所属するモンスターカードは闇属性爬虫類族で揃えられ、レベルは4か8。
儀式召喚テーマである他、多くのモンスターが「リリースされる」ことを条件にした効果を持つ。

儀式召喚はアドバンテージの消耗が激しく、また手札事故の危険性も高い召喚法になる。
その為いかにしてその欠点を補うかが求められているが、【巳剣】の場合は豊富なサーチ・蘇生効果でクリアしている。
モンスターだけでなくできることが幅広い魔法カードも充実しており、連綿とアドバンテージを稼ぐことを可能としている。

テーマの由来は日本神話に登場する霊剣「御剣」。
特に儀式モンスターは、日本神話で神々が使用した「神代三剣(かみよさんけん)」が由来となっている。
爬虫類族になった理由は、この神代三剣が八岐大蛇(やまたのおろち)に関係していることからか。
テキストや能力値で所々「8」を強調している点も、この繋がりを示したものかもしれない。
カテゴリ名はこれに干支で蛇を意味する「巳」を付けたものになる。
イラストも全体的に和風な雰囲気であり、魔法・罠カードの一部は日本画風になっているなど、非常に洒落たデザインをしている。
ちなみに遊戯王では、同様に日本神話の神宝を由来とした【武神】が存在し、一部で由来が同じになっている。

モンスターカード

下級モンスター

巳剣之尊(ミツルギノミコト) 麁正(アラマサ)
効果モンスター
星4/闇属性/爬虫類族/攻1200/守 900
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚した場合、またはこのカードがリリースされた場合に発動できる。
デッキから「巳剣之尊 麁正」以外の「巳剣」モンスター1体を手札に加える。
(2):自分フィールドの他の爬虫類族モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードをリリースできる。

白色の衣装を身にまとう、《天羽々斬之巳剣》に対応した初老風の人物。
由来は「天羽々斬」の別名「蛇之麁正(おろちのあらまさ)」。

(1)効果は他の巳剣モンスターのサーチ。
発動条件は召喚・特殊召喚に加えリリースも含まれるため、条件としてかなり緩い。
儀式召喚を初め【巳剣】にはリリース手段が豊富に備わっているため、リリースしながら《エフェクト・ヴェーラー》などを回避して発動することも可能。
サーチ範囲には儀式モンスターも含まれているため、新たに巳剣を特殊召喚できる《天羽々斬之巳剣》が優先度は高いだろう。

(2)効果は破壊の身代わり。
これも「リリース」であるため(1)効果の条件になり、他のモンスターを守りつつ手札を稼ぐことができる。
フィールドに居る必要がある点や「他の」爬虫類が破壊されるときのみ使える(=自身を含めた複数枚破壊では身代わりできない)など欠点もあるため過信は禁物。


巳剣之尊(ミツルギノミコト) 佐士(サジ)
効果モンスター
星4/闇属性/爬虫類族/攻1000/守1700
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚した場合、またはこのカードがリリースされた場合に発動できる。
デッキから「巳剣」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
(2):自分フィールドの他の爬虫類族モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードをリリースできる。

赤色の衣装を身にまとう、《布都御魂之巳剣》に対応した青年風の剣士。
由来は「布都御魂」の別名「佐士布都神(さじふつのかみ)」。

効果の内容は《巳剣之尊 麁正》とほとんど同じであり、こちらは(1)効果が「巳剣」魔法・罠カードのサーチとなる。
最有力候補はデッキの爬虫類族をリリースできる《巳剣降臨》で、続々とリリース時の効果を連鎖させ展開を推し進めることができる。
《巳剣降臨》が間に合っている場合、速攻魔法の巳剣を場面に合わせてサーチし罠カードは儀式モンスター側でサーチさせるのが無難か。


巳剣之尊(ミツルギノミコト) 草那藝(クサナギ)
効果モンスター
星4/闇属性/爬虫類族/攻1600/守1400
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚した場合、またはこのカードがリリースされた場合、「巳剣之尊 草那藝」以外の自分の墓地・除外状態の「巳剣」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
(2):自分フィールドの他の爬虫類族モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードをリリースできる。

紫色の衣装を身にまとう、《天叢雲之巳剣》に対応した巨躯の大男。
由来は「天叢雲剣」の別名「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」。

効果の内容は《巳剣之尊 麁正》とほとんど同じであり、こちらは(1)効果が「巳剣」カードのサルベージとなる。
墓地か除外ゾーンにカードを用意する都合、上記二枚と異なり最序盤に使うことはできない。
それでも多少動いた後や中盤以降の手札リソース回復としては十分すぎる効果なので、積極的に活用したい。
特に《巳剣降臨》は二種類ある儀式召喚効果を1ターンに両方使えるため、《巳剣降臨》で《巳剣之尊 草那藝》をリリースした際に回収して即座に二回目を発動することができる。
他には優秀な妨害効果を持つ《巳剣大祓》を、墓地効果で除外させたうえで《巳剣之尊 草那藝》を特殊召喚し、あちらを手札に戻して再利用という手立てもある。


最上級モンスター

巳剣之皇子(ミツルギノミコ) 小碓(ヲウス)
効果モンスター
星8/闇属性/爬虫類族/攻2000/守2000
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、
(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードは手札の他の爬虫類族モンスター1体と
相手フィールドのモンスター1体をリリースし、手札から特殊召喚できる。
この方法で特殊召喚したターン、自分は爬虫類族モンスターしか特殊召喚できず、
爬虫類族以外のモンスターの効果を発動できない。
(2):このカードがリリースされた場合に発動できる。
自分の手札を1枚選んで捨て、このカードを手札に加える。

(1)効果は自己特殊召喚。
その際に手札の爬虫類族と相手モンスターをリリースするが、これは壊獣などと同様の「召喚コスト」として扱い、耐性を持ったモンスターも除去できる。
巳剣名称を持つのでサーチも容易く、相手の目障りなモンスターを排除するついでに展開を行い、更に手札でリリースした自己モンスターの効果も使うため、アドバンテージを大きく稼いでいる、
ただしこれ以降は、爬虫類族以外のモンスターをほとんど使用できない重い制約が付く。
【巳剣】は他の種族のモンスターカードも多く使用する為、特に混合構築では採用を避けられがちになる。

(2)効果は自己サルベージ。
手札を1枚「捨てる」のでリリースを条件にした効果は発動できないものの、(1)効果の除去を使い回すことができる。

効果内容に巳剣は関係ない為、【爬虫類族】で使うことは可能だが、それでも手札誘発などの汎用カード使用に支障が出る点は注意。
逆にこの(1)効果の除去を高く評価して、効果耐性モンスターにも強くした純【巳剣】として使う手もある。


儀式モンスター

天叢雲之巳剣(アメノムラクモノミツルギ)
儀式・効果モンスター
星8/闇属性/爬虫類族/攻3200/守 800
「巳剣降臨」により降臨
このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚した場合に発動できる。
相手フィールドのモンスターを全て破壊する。
(2):相手が効果を発動した時に発動できる。
相手は手札を1枚選んで捨てる事ができる。
捨てなかった場合、その効果は無効化される。
(3):このカードがリリースされた場合に発動できる。
デッキから「天叢雲之巳剣」以外の「巳剣」カード1枚を手札に加える。
その後、このカードを特殊召喚できる。

「神代三剣」の一つ「天叢雲剣(あまのむらくも)(別名:草薙剣)」を由来とした、多頭で敵を睨みつける紫の大蛇。

(1)は相手モンスターの全体破壊。
対象も取らずに全てのモンスターを破壊できるので、相手の被害は大きなものになる。
条件は「特殊召喚した場合」なので、儀式召喚の他にも自身の(3)効果を含めた蘇生効果でも発動できる。
【巳剣】ならば相手ターンでこのカードを蘇生させる手立ても豊富なので、展開の最中(破壊の備えをされる前)に破壊が狙える。

(2)効果はハンデス又はモンスター効果の無効。
発動に際してのコストも一切なく、相手に一方的にいずれかの不利益を強いらせることができる。
特に【VS】【ドラゴンテイル】等の手札管理が重要な相手には、厳しい二択を迫ることになる。
とはいえこの二択は相手が選べること、また手札から捨てるカードも相手が選べるため、軽く流されてしまうことも多い。
更にこの効果で相手が手札を捨てた場合、それは「相手の効果で捨てた」扱いになる為に暗黒界カードのトリガーになってしまう。

(3)効果はリリースされた際のサーチ+自身の特殊召喚。
こちらは巳剣儀式モンスター共通の効果となっている。
自身をフィールドに戻せる上に任意の巳剣カードをサーチできるため、得られるアドバンテージは大きい。
【巳剣】には「リリースして効果を発動」させるカードも多い為、コストの消費をプラスに転じることが可能。
またこの効果はリリースされた時に発動するため、《マクロコスモス》などでリリースした結果除外されても問題なくサーチと特殊召喚ができる。

なお儀式モンスターである以上、蘇生制限を満たしていない場合(例えば手札やデッキからリリースされた場合)は当然ながら特殊召喚できない。
しかし後半の特殊召喚は任意なので、蘇生制限を満たしていなくても発動は可能で、その場合はサーチ効果まで適用できる。


布都御魂之巳剣(フツノミタマノミツルギ)
儀式・効果モンスター
星8/闇属性/爬虫類族/攻2000/守3400
「巳剣降臨」により降臨
このカード名の、(1)の効果は同一チェーン上では1度しか発動できず、(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手がモンスターを特殊召喚した場合、「布都御魂之巳剣」以外の自分の墓地の爬虫類族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
(2):このカードがリリースされた場合に発動できる。
デッキから「布都御魂之巳剣」以外の「巳剣」カード1枚を手札に加える。
その後、このカードを特殊召喚できる。

「神代三剣」の一つ「布都御魂(ふつのみたま)」を由来とした、烈火の炎に身を包む黒き大蛇。

(1)効果は爬虫類族モンスターの蘇生。
同一チェーン上では1度しか発動できないが、そうでなければ相手が特殊召喚するたびに何度でも発動できる
《巳剣之尊 草那藝》等を蘇生して次ターン以降のリソース確保+破壊対策、また《天叢雲之巳剣》で全体破壊が主な役割。
特に下級巳剣モンスターを蘇生させてリソースを補給することで、ミッドレンジにも対応できている。
巳剣以外の爬虫類族を蘇生する場合、【溟界】などが候補に挙がる。

(2)効果は《天叢雲之巳剣》と同じ。
《布都御魂之巳剣》は(1)効果で盤面を立て直すことができるため、展開手段としてリリースさせるよりは《原始生命態ニビル》のケア、
もしくは他の巳剣カードによるリリースのサクリファイス・エスケープで使用することを心掛けたい。


天羽々斬之巳剣(アメノハバキリノミツルギ)
儀式・効果モンスター
星8/闇属性/爬虫類族/攻2400/守1800
「巳剣降臨」により降臨
このカード名の、(1)の効果はデュエル中に1度しか使用できず、(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札のこのカードを相手に見せて発動できる。
デッキから「巳剣」モンスター1体を特殊召喚する。
その後、自分フィールドのモンスター1体をリリースする。
(2):相手フィールドのモンスターの攻撃力は800ダウンする。
(3):このカードがリリースされた場合に発動できる。
デッキから「天羽々斬之巳剣」以外の「巳剣」カード1枚を手札に加える。
その後、このカードを特殊召喚できる。

「神代三剣」の一つ「天羽々斬(あめのはばきり)」を由来とした、大羽を広げし白き大蛇。

(1)効果は巳剣モンスターのリクルート。
特殊召喚した直後にリリースするものの、それを巳剣モンスターのトリガーに利用できる。
この効果はデュエル中1度限りとはいえ、手札から見せるだけで発動できる点が重要。
下級巳剣モンスターがサーチ効果で展開を開始できる「初動」なので、それをリクルートできるこのカードは「召喚権を使わない1枚初動」になる。
しかも特殊召喚の直後にリリースするため、勝手に《エフェクト・ヴェーラー》《無限抱影》ケアまで備える至れり尽くせり。
仮にこの効果を無効にされても、召喚権は残っている為挽回は十分狙える。

(2)効果は相手モンスターの攻撃力ダウン。
全体で800低下はまずまずの値であり、このカードも実質攻撃力3200になる。
《天叢雲之巳剣》で破壊し損ねたモンスターがいても、この効果で戦闘破壊を狙える。

(3)効果は《天叢雲之巳剣》と同じ。

優秀な初動カードであることに加え、高いレアリティで収録されていること、
また直前の制限改定で上位層デッキが再編成を余儀なくされたところに「海外で話題の強力テーマ」として来日した事から高価で取引されている。


魔法カード

巳剣降臨(ミツルギコウリン)
儀式魔法
(1):以下の効果から1つを選択して発動できる(このカード名の以下の効果はそれぞれ1ターンに1度しか選択できない)。
●レベルの合計が儀式召喚するモンスターと同じになるように、自分の手札・フィールドの爬虫類族モンスターをリリースし、
デッキから爬虫類族の儀式モンスター1体を儀式召喚する。
●レベルの合計が儀式召喚するモンスターと同じになるように、自分の手札・デッキ・フィールドの爬虫類族モンスターを2体までリリースし、
手札から爬虫類族の儀式モンスター1体を儀式召喚する。

《天叢雲之巳剣》の「降臨」を描いた日本画が描かれている儀式魔法。

そして【巳剣】の強さの要となる儀式魔法。
爬虫類族モンスターをリリースして儀式召喚する効果を持つが、その際に「リリースするモンスター」か「儀式召喚するモンスター」のいずれかをデッキから選べる
手札事故や準備手間の低減に繋がるのはもちろん、デッキの巳剣モンスターをリリースすることでその効果を使うトリガーにもできる。

この効果は2種類の儀式召喚効果を持つが、1ターンで両方使うことができる。
そのためデッキの《巳剣之尊 草那藝》をリリースして儀式召喚した際に《巳剣之尊 草那藝》で回収し、もう片方の効果で儀式召喚も可能。
最初に儀式召喚したモンスターをリリースして二度目を発動することで、その儀式モンスターの効果も誘発できる。

単純な儀式召喚のみならず、各種モンスター効果の条件を満たす役割も大きいため、【巳剣】に欠かせないカードとなる。

なお「デッキのモンスターを生贄に儀式召喚」は《高等儀式術》など前例があった。
それらは「素材を墓地へ送る」のに対し《巳剣降臨》は「素材をリリースする」効果になっている。
そのため、結果的に墓地へ送るものの「墓地へ送る効果」ではないため《灰流うらら》で無効にできない。


巳剣之神鏡(ミツルギノシンキョウ)
儀式魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):レベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように、自分の手札・フィールドの爬虫類族モンスターをリリースし、
自分の手札・墓地から爬虫類族の儀式モンスター1体を儀式召喚する。
(2):このカードが墓地に存在する状態で、自分フィールドの「天叢雲之巳剣」「布都御魂之巳剣」「天羽々斬之巳剣」のいずれかがリリースされた場合に発動できる。
このカードをデッキに戻す。

八頭の蛇が彫られし石板が描かれている儀式魔法。

(1)効果は爬虫類族モンスターの儀式召喚。
《巳剣降臨》と異なりデッキに触れることはできず、カードの消費そのものは通常の儀式召喚と大差がない。
一方で墓地からも儀式召喚できレベルの合計が儀式モンスターのレベルを超過してもよいため、ある程度融通は聞く。
何より(2)の効果テキストで儀式モンスターを名指ししたため《儀式の下準備》に対応するという利点がある。

(2)効果は自身のデッキ戻し。
条件に指定されているモンスターはいずれもリリースされた時のサーチ+自己蘇生効果を持っているため、発動機会は多い。
デッキリソースの回復になる他、その「サーチ+自己蘇生効果」に直接チェーンして発動することで、相手の誘発を防ぐ手立てになる。
自発的にデッキに戻る点も、二枚目以降の《儀式の下準備》を腐らせずに済むという点でやはり相性が良い。


巳剣勧請(ミツルギカンジョウ)
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
このカードは自分の手札・フィールドの爬虫類族モンスター1体をリリースして発動する事もできる。
(1):以下の効果から1つを選んで適用する。
モンスターをリリースしてこのカードを発動した場合、両方を選んで適用できる。
●デッキから「巳剣」モンスター1体を手札に加える。
●自分は800ダメージ受ける。
その後、自分の手札・墓地から「巳剣」モンスター1体を特殊召喚できる。
この効果で特殊召喚したモンスターは直接攻撃できない。

地上を見下ろす《巳剣之尊 草那藝》を描いた日本画が描かれている儀式魔法。

2つの効果から選ぶ類の効果であり、爬虫類族モンスターをリリースして発動すれば両方の効果を使用できる*1
巳剣モンスターの効果トリガーはもちろん、速攻魔法である点を活かしサクリファイス・エスケープに用いることもできる。

1つ目は巳剣モンスターのサーチ。
無難かつ堅実な効果であり、《天羽々斬之巳剣》を初め状況に応じたモンスターサーチが可能。
またリリースして発動した場合、ここでサーチしたモンスターを2つ目の効果で特殊召喚できる。
仮に《天羽々斬之巳剣》の(1)効果が無効になっても《巳剣勧請》でリリースすることで、それぞれの効果で儀式カード一組をサーチでき展開の再開も担える。
そのため妨害の貫通札としても有用。

2つ目は効果ダメージを受ける代わりに、巳剣モンスターの特殊召喚。
蘇生制限さえ満たしていれば儀式モンスターも蘇生できるため、《天叢雲之巳剣》の蘇生手段としても有効。
相手から除去を受けた場合でも《巳剣勧請》さえ握れれば儀式モンスターを復活できるため、巻き返し手段にもなる。

【巳剣】はサーチ効果を持ったカードが多く、そのいずれもが欠かせないカードになっている。
その上で《巳剣勧請》の優位点を挙げるならば、速攻魔法である点と「特殊召喚も選択できる」点
素引き前提だがドローフェイズに《巳剣勧請》を発動することで、相手の《ドロール&ロックバード》を踏まずにサーチができる。
運が絡むもののリリース用の巳剣も握った状態で発動できれば、その巳剣モンスターすらも《ドロール&ロックバード》に捕捉されずにサーチ効果を使えるため、展開の下振れを大幅に軽減できる。
後半の利点もサクリファイス・エスケープとして、フィールドや墓地に及ぶ効果から巳剣を逃がす手掛かりにもなる。

総じてこのカード1枚でできることが非常に多いため、これもまたデッキに欠かせない要になる。


巳剣之勾玉(ミツルギノマガタマ)
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分・相手のメインフェイズに、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分フィールドの爬虫類族モンスター1体をリリースし、相手フィールドの表側表示カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。
●レベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように、自分フィールドのモンスターをリリースし、手札から「巳剣」儀式モンスター1体を儀式召喚する。

亀裂の入った勾玉が描かれている速攻魔法。

こちらも2つの効果から選ぶものだが、《巳剣降臨》《巳剣勧請》と異なり1ターンで片方しか使用できない。

1つ目はフィールド上のカードの破壊。
《巳剣之勾玉》の消費と爬虫類族モンスターのリリースがあるため、額面上は「2:1交換」になる。
リリースした時の効果でアドバンテージを回復したいところだが、自分のターンであれば儀式召喚などで既にリリース効果を使い追える事も多い。
そのため相手ターンに使用して、「サクリファイス・エスケープもできたら重畳の除去カード」として使うことになる。
【巳剣】は相手の魔法・罠カードに触れる手段が乏しいため、表側限定とはいえ魔法・罠カードを破壊できるのは何だかんだ嬉しい。

2つ目は儀式召喚。
リリースできるのはフィールドだけ、召喚できるのは手札からだけと、儀式魔法二種と比べても窮屈な条件になっている。
強みと言えば速攻魔法である点で、場のモンスターをサクリファイス・エスケープで逃がしつつ儀式召喚ができる。
当然その際にリリース時の効果も使えるため、
他にはこの儀式召喚では、儀式魔法二種と異なり爬虫類族以外もリリースできるため、相手に送り付けられたモンスターや《超融合》で自分の場に出たモンスターを片付ける方策にできる。

異なる効果を状況に応じて選べる所は何かと便利なため、1枚は入れておくと良い活躍をするだろう。


巳剣之磐境(ミツルギノイワサカ)
永続魔法
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの「巳剣」儀式モンスターを相手はEXデッキから特殊召喚されたモンスターの効果の対象にできない。
(2):「巳剣之磐境」以外の自分の墓地の「巳剣」カード4枚を対象として発動できる。
そのカードをデッキに戻す。
相手フィールドにモンスターが存在する場合、さらに相手は自身のフィールドのモンスター1体をリリースしなければならない。

蛇を象った石像が描かれている永続魔法。

(1)効果は巳剣儀式モンスターへの耐性付与。
確かにEXデッキのモンスターには強力な効果を持ったモンスターが多いため、それらを気にしないで済むのは利点になる。
しかしそれでも対象を取らない効果や、そもそもメインデッキ側のカードには働かない耐性であり、かなり穴が大きい。
何より【巳剣】は多数のリリース手段を備えている故「対象を取る効果」は簡単に逃れられる特性がある。
「チェーンして効果を発動できない」効果相手であればこちらに分があるが、それでも状況は限定的になる。

(2)効果は墓地の巳剣のデッキ戻しと相手モンスターのリリース。
デッキリソースを回復して、巳剣モンスターのサーチ効果を使う狙いになる。
それでも必ず4枚戻すのは重く、墓地回収であれば《巳剣之尊 草那藝》を互いのターンで使えば間に合うことも多い。
相手モンスターの除去も、相手が選んでリリースする都合大打撃にはなりにくい。


罠カード

巳剣大祓(ミツルギオオハラエ)
通常罠
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時、自分フィールドのレベル5以上の爬虫類族モンスター1体をリリースして発動できる。
その効果を無効にし破壊する。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の爬虫類族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚し、この効果で特殊召喚したモンスター以外の自分フィールドのモンスター1体をリリースする。

(1)効果は相手の効果を無効にして破壊するカウンター
テキストを一読するとカウンター罠にも見えるが、通常罠なのでスペルスピード2の効果を普通にチェーンされる。
それでも「魔法・罠・モンスター」三種全てに対応しており、無効にした後破壊までするため、妨害手段として有力な一手になる。
「効果を無効」にするため、ダメージステップでは発動できない点は注意。

コストとして「レベル5以上の爬虫類族モンスター」をリリースするが、【巳剣】であれば主に儀式モンスターで賄うことになる。
その場合、サーチ+自己蘇生でリリース分の補填どころかむしろアドバンテージを稼ぐことすらできる。
特に《天叢雲之巳剣》をリリースすれば効果無効とモンスター除去を一度に放てるため、大きくリードを稼ぐことになる。

(2)効果は爬虫類族モンスターの蘇生とリリース。
後半のリリースは強制なので、何らかのモンスターが自分フィールドに居ないと発動できない。
特殊召喚とリリースをフリーチェーンで行えることを活かし、各種巳剣モンスターのトリガーに出来れば理想的な働きとなる。
また蘇生させるモンスターは爬虫類族であれば何でもよく、表示形式の指定も無いためLモンスターも蘇生できる。
そのため《麗しき磁律機壊》を中央のモンスターゾーンに蘇生して相手のEXモンスターゾーンを使えなくする動きもある。

どちらも強力な効果だが、1ターンにいずれかしか使えない点は注意。
具体的には(1)効果で無効にした後に相手が展開を強行した場合、(2)効果で《天叢雲之巳剣》を蘇生し破壊効果で追撃とはできない。
そのためバックの妨害を《巳剣大祓》のみにしない方が安全。


八雲断巳剣(ヤクモタツミツルギ)
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の墓地に「巳剣」儀式魔法カードが存在する場合、
元々のカード名が「天叢雲之巳剣」「布都御魂之巳剣」「天羽々斬之巳剣」である自分フィールドのモンスターを1体ずつリリースして発動できる。
相手は自身の手札・EXデッキ・フィールド・墓地から合計8枚のカードを除外しなければならない。

自分墓地に「巳剣」儀式魔法カードがあり、更に巳剣儀式モンスター三種をリリースすることで8枚のカードを除外させる効果になる。
【巳剣】の展開力をもってすれば《八雲断巳剣》をサーチしつつ三種を儀式召喚することは可能だが、実際は相手の手札誘発を掻い潜ることになるので流石に気軽に使えるカードではない。
そもそも巳剣儀式モンスター三種を儀式召喚するのはともかく、それを素材やリリースで場から離すため「三種が場に残る」状況を作ることが厄介ではある。
リリースしても自身の効果でサーチと自己蘇生ができるといっても、それは他のカードでもできる事なので重さを帳消しにはできない。

除外効果は選択肢が広く、中盤以降であれば不要なカードを墓地から除外してやり過ごされてしまうだろう。
使うとすれば相手の後攻1ターン目で、手札かEXデッキの二択で除外を強いれば小さくない被害にはなる。
それでも確実性が低いことは否めず、勝ちを第一に考えれば堅実な制圧に傾くのは道理であろう。

なおこの効果だが、「墓地に巳剣儀式魔法カードが存在する」は条件で「三種の儀式モンスターをリリース」はコストになる。
従って墓地に巳剣儀式魔法さえあれば《トランザクション・ロールバック》の(2)効果でコスト部分を無視して発動ができる。


デッキ運用

各種効果でリリースすることでアドを稼ぎながら儀式召喚で戦線を強化する狙いになる。

特にリリースされて(フィールドに居ないときに)効果を発動する都合、フィールド上の効果無効等の妨害に対しリリースで逃れることも得意とする。
相手の妨害を躱しつつアドバンテージを稼ぎ、折を見て《天叢雲之巳剣》で一網打尽にできれば理想的。

儀式召喚を軸とする故にEXデッキに余裕を持ち、また《巳剣之皇子 小碓》を除いて展開や効果に関する制約は存在しない。
それ故に他テーマとの混合構築もかなり自由に行える点も強み。
特に混合構築では「《キングレムリン》さえX召喚できれば巳剣展開を開始できる」ため、アクセスがしやすい点も評価されている。

以下に理想展開の一例として、《天羽々斬之巳剣》1枚から召喚権を温存した展開を記載する。
展開例:
  1. 《天羽々斬之巳剣》の(1)効果発動。《巳剣之尊 佐士》を特殊召喚しそのままリリース。
  2. 《巳剣之尊 佐士》の(1)効果発動。デッキから《巳剣降臨》を手札に加える。
  3. 《巳剣降臨》を発動。デッキから《巳剣之尊 麁正》《巳剣之尊 草那藝》をリリースして《天羽々斬之巳剣》を儀式召喚。
  4. 《巳剣之尊 草那藝》の(1)効果発動。墓地から《巳剣降臨》を回収。さらに《巳剣之尊 麁正》の(1)効果発動。デッキから《布都御魂之巳剣》を手札に加える。
  5. 《巳剣降臨》を発動。手順3で儀式召喚した《天羽々斬之巳剣》をリリースし、デッキから《天叢雲之巳剣》を儀式召喚。
  6. 《天羽々斬之巳剣》の(3)効果発動。デッキから《巳剣之神鏡》を手札に加えて自己蘇生。
  7. 《巳剣之神鏡》の(1)効果発動。手順5で儀式召喚した《天叢雲之巳剣》をリリースし《布都御魂之巳剣》を儀式召喚。
  8. 《天叢雲之巳剣》の(3)効果発動。デッキから《巳剣勧請》を手札に加えて自己蘇生。
  9. 《布都御魂之巳剣》をリリースして《巳剣勧請》を発動。任意の巳剣モンスターをサーチしつつそれを特殊召喚。
  10. 手順7で儀式召喚した《布都御魂之巳剣》の(3)効果発動。デッキから《巳剣大祓》を手札に加えて自己蘇生。
この後は儀式モンスターを残すなり素材にするなりして、適宜盤面を構築することになる。
例えば《布都御魂之巳剣》を残しつつ他の巳剣モンスターを素材にEXモンスターを召喚し、相手ターンは《布都御魂之巳剣》で《天叢雲之巳剣》を蘇生する手立てを確保するなど。
この展開を《儀式の下準備》から開始する場合は《巳剣之神鏡》を握れているので、手順6のサーチは他のカードに回す余裕が生じる。


相性が良いカード

儀式召喚関連カード

  • 《儀式の下準備》
儀式魔法と、そのテキストにカード名が書かれた儀式モンスターをサーチする通常魔法。
このデッキでは《巳剣之神鏡》が該当し、他のサーチ効果を無効にされた時の保険として採用できる。
再三の話だが《天羽々斬之巳剣》が1枚初動カードなので、サーチ手段を手厚くする意味でも是非とも採用したい。

  • 《虹光の宣告者》+《宣告者の神巫》
《宣告者の神巫》でEXデッキから《虹光の宣告者》を墓地へ送り、その効果で儀式魔法か儀式モンスターをサーチできる。
【巳剣】ならば初動になる《天羽々斬之巳剣》サーチの優先度が高く、これらのカードも実質的な初動カードとして機能する。
効果使用後は《宣告者の神巫》が星6チューナーとして場に残るため、星4の巳剣と合わせ《フルール・ド・バロネス》をS召喚する選択肢もある。

  • 《大儺主水》
儀式モンスターを含めたモンスター2体で召喚できるLモンスター。
特殊召喚時に自分墓地の儀式モンスターをフィールドのカードを1枚ずつデッキ戻し、
更に相手ターンに自身をリリースして儀式モンスターの蘇生かサルベージを行える。
予め《I:Pマスカレーナ》をL召喚すれば、相手ターンで《大儺主水》をL召喚しデッキバウンスを使える。


爬虫類族関連カード

爬虫類族モンスターを何でも1枚サーチできるランク4モンスター。
儀式モンスターもサーチできるため、初動になる《天羽々斬之巳剣》や通常の儀式召喚の準備にも使える。
テーマ内だけで十分なサーチ効果が用意されているため、純構築の【巳剣】であれば必ずしも必要なカードではない。
しかし前述の通り「ランク4を立てられれば《天羽々斬之巳剣》をサーチして巳剣展開を始動できる」ため、混合構築では架け橋となる。
後述する【ライゼオル】ではその狙いで採用されており、結果海外環境で禁止カードに指定されるに至った

  • 《夜刀蛇巳》
効果で墓地に送られた場合に自己蘇生する星4モンスター。
《巳剣降臨》でデッキからリリースした後に蘇生し、更なる儀式召喚やX召喚の素材とできれば理想的。
さらに下級巳剣モンスターと同時にリリースされた場合、「下級巳剣→《夜刀蛇巳》」の順でチェーンを組めば相手の妨害から巳剣を守ることにも繋がる。

  • 《叛逆者エト》
少々ややこしいが「チェーン2以降でのみ発動できる効果を持つモンスター」が相手のフィールドか墓地に居るときにLPを半分払い手札・墓地から特殊召喚できる星8モンスター。
相手次第だが現環境では緩い条件となり、LPさえ許容できれば4000打点+自分ターン限定の耐性持ちアタッカーを簡単に召喚できる。
爬虫類族なので各種巳剣カードでリリースし墓地に待機させるのも容易く、巳剣儀式モンスターよりも高い打点による戦闘破壊で突破を狙う手立てとして有効。
(2)効果はEXモンスターの素材にできないが儀式召喚の素材にはできる抜け穴もあるため、LPはかなり減るが素材としても使える。

【巳剣】と同じく爬虫類族を軸としたテーマ。
特に最上級モンスターは墓地効果や「墓地から特殊召喚した」時に効果を発動するカードが多い。
そこで《巳剣降臨》の墓地肥やしや《布都御魂之巳剣》の蘇生効果を活かして共存させることができる。
溟界カードの中には「リリース/墓地へ送る」が混合しており、「墓地へ送る」では巳剣のトリガーにできない点は注意。
最上級モンスターを《布都御魂之巳剣》で蘇生して妨害する場合、他のカードと妨害内容が被らず巳剣モンスターを手札に加えられる《溟界王-アロン》や、《天叢雲之巳剣》の蘇生もできる《溟界妃-アミュネシア》辺りが候補にできるか。


闇属性関連カード

手札から発動した場合「光・地・風属性」の効果は使えなくなるが、特殊召喚を封じる効果を持つ通常罠。
幸い【巳剣】は闇属性で統一され、上述した《夜刀蛇巳》も水属性なので縛りを回避できる。

妹を失ったロンギヌスが作り上げた機械仕掛けの楽団。
闇属性統一という点は【巳剣】と同じで、【オルフェゴール】内の「闇属性しか特殊召喚できない」制約を受容できる。《霊王の波動》を回避できるカテゴリである点も同じ。
また巳剣モンスターで《真血公ヴァンパイア》や《ライトロード・ドミニオン キュリオス》を召喚し、墓地にオルフェゴールを供給して展開の起点とできる。
サーチ効果が少ない関係で【オルフェゴール】のギミックが《ドロール&ロックバード》に強いため、そちらを意識した構築になる。


ランク4・ランク8エクシーズモンスター

関連カードも含め、多くのモンスターが星4又は星8で揃っているため、X召喚は比較的無理なく行える。

  • 《御影志士》(ランク4)
X素材と引き換えに岩石族モンスターをサーチできるため、このデッキでは《原始生命態ニビル》が候補になる。
《原始生命態ニビル》で互いのモンスターをリリースすることで、相手の除去と自分の効果トリガーを満たすことが可能。
なまじリリース手段が既に揃っていることと各種巳剣のリリース時効果は1ターンに1度の回数制限があるため、
《原始生命態ニビル》を使う時点で巳剣儀式モンスターの効果を既に使っていたという事も珍しくは無く、余っていればラッキー程度に留めておくとよい。
他のサーチ先としては、特殊召喚を封じる《フォッシル・ダイナ パキケファロ》も候補に挙がる。
特に相手ターンで儀式モンスターを蘇生できないことから自分への影響も大きいが、選択肢の一つとして検討するのもありかもしれない。

フィールド上で発動したモンスター効果を永続的に無効にできる、ランク4指折りの制圧力を持つ。
相手から手札誘発を受けた際の着地点として、星4の巳剣や《夜刀蛇巳》を素材にX召喚できる。

  • 《竜巻竜》(ランク4)
サイクロン》を内包したXモンスター。
【巳剣】だけでは相手の魔法・罠カードに触れる効果が手薄なので、その補助として。

モンスターの効果を無効にできる汎用Xモンスター。
X素材を切るまでは素材モンスターを墓地に置けないため、X素材の巳剣儀式モンスターが保持されてしまう(蘇生できない)点は注意。


その他

お互いのフィールドからモンスターを素材にする融合魔法。
前述の通り【巳剣】はEXデッキに余裕があるため、除去するための融合モンスター共々無理なく採用できる。
《超融合》で爬虫類族を融合召喚するのは非現実的で、巳剣カードの多くが「爬虫類族をリリース」するため、そこは少々かみ合いが悪い。
《巳剣之勾玉》であれば爬虫類族以外もリリースできるので、それに頼るかL素材として処分するのが妥当なところ。

第12期を席捲した、ランク4にひたすら特化した稲妻と爆炎の戦闘ロボット集団。
この混合構築も「いずれか片方の展開からもう片方の展開カードにアクセスできる」仕組みであり、特にランク4特化という事でそれがスムーズに行える。
【巳剣】から【ライゼオル】に繋げる場合、星8の儀式モンスターで《神影金龍ドラッグルクシオン》をX召喚し《時空の七皇》をサーチ。
もしくは適当な星4巳剣から《ライゼオル・デュオドライブ》をX召喚してライゼオルモンスターをサーチすることで、そちらの展開を開始できる。
逆に【ライゼオル】から【巳剣】に繋げる場合、制約を発生させない方法で《キングレムリン》をX召喚し《天羽々斬之巳剣》をサーチすればOK。
【ライゼオル】自体も十分なリソース確保力があることから、巳剣儀式モンスターの採用枚数を減らしてランク4に繋げやすくする型が多い。

第12期にて出張テーマとして高名を立てた悪魔狩りの一匹狼。
【デモンスミス】の出張時の欠点であった「EXデッキを多く使う」点も、儀式テーマの【巳剣】には影響が小さいため無理なく併用できる。
適当なモンスターで《閉ザサレシ天ノ月》をL召喚すれば、デモンスミスを素引きできなくとも展開ができる強みも健在。
《刻まれし魔ディエスイレ》による制圧か、《DDD怒涛大王エグゼクティブ・シーザー》等のランク6や《光なき影 ア=バオ・ア・クゥー》等のL4モンスターの素材に幅広く使える。
この時、《照耀の光霊使いライナ》等の「手っ取り早く用意できる魔法使い族Lモンスター」も採用すれば星4チューナーの《精霊コロゾ》を特殊召喚でき、S召喚や《キングレムリン》等ランク4にも展開を拡張できる。


欠点

魔法カードメタ・特殊召喚メタ

これは他の儀式召喚テーマとも共通する欠点になる。
ナチュル・ビースト》等の魔法メタを許せば、儀式モンスターの降臨と各種巳剣モンスターをリリースできる儀式魔法を始め、デッキの根幹になる魔法カードが止められてしまう。
特殊召喚メタも同様で、デッキの回転を止められてしまう致命的なメタ効果になる。
《増殖するG》を受けた際の妥協展開例としては、リリース効果を持つ巳剣魔法・罠をセットし《天叢雲之巳剣》の全破壊を構える格好になる。

ドロール&ロックバード

この欠点も(サーチ多用が当然と化した)他の儀式テーマと共通する。
単純にサーチを止められて手札を補強できないのみならず、巳剣儀式モンスターのサーチ+自己蘇生効果を発動すらできなくなってしまう。
《閉ザサレシ天ノ月》さえ出せれば展開ができる【デモンスミス】、そもそも基本の動きでサーチが少ない【オルフェゴール】との混合も、この欠点を念頭に置いている。

破壊耐性

【巳剣】で使いやすい盤面干渉型の妨害効果がいずれも「破壊」なので、相手の破壊耐性の成立を許すと手が鈍ってしまう。
特に相手が先行で破壊耐性を含めた盤面を築いた場合、《天叢雲之巳剣》が捲り手段として機能しなくなる。
【巳剣】単独の妨害手段はやや薄めで、《天叢雲之巳剣》が通じないだけで苦しくなってしまう。
ここも拡張性を活かして別テーマで補うか、あるいは縛りを呑んで《巳剣之皇子 小碓》を使う必要がある。

対象を取らない・リリースではない除去

【巳剣】は自分のカードをリリースする効果が多く、これにより相手の「対象にとる」効果から逃れやすいという副次的な利点を持つ。
特に巳剣儀式モンスターはサーチしつつフィールドに戻るため、簡単に効果を空振りさせられる。
しかし逆に言うと「対象を取らない」効果であれば、こうした逃れ方は通じず妨害を受けてしまう。


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最終更新:2025年10月04日 01:39

*1 リリースした場合でも1つだけ適用させることは可能