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キャプテン翼

登録日:2025/12/11 Thu 03:02:07
更新日:2026/08/22 Sat 08:52:53
所要時間:約 22 分で読めます




キャプテン(つばさ)』は、1981年より週刊少年ジャンプおよびその派生雑誌で連載されたサッカー漫画。作者は高橋陽一。
作者のデビュー作であり、読み切りから連載化のパターンだったので初掲載・初連載がいずれも本作だった。

色々問題点はあるがサッカー漫画の金字塔であり、こと「スポーツ振興」という側面においては、あらゆるスポーツ漫画の中で最も成功したと言っても過言ではない作品。

略称は「キャプ(つば)」が主流だが、主にお姉様方などディープなファンの間で好まれる「C翼」というのもある。


概要

南葛小学校にやってきた転校生のサッカー少年・大空翼が競い合った仲間と共に全国大会へ挑み、その戦いは中学校へと続き、そして世代別日本代表として、プロ選手として……と先へ進み続けていく、大筋としては王道そのもののサッカー漫画である。

1981年当時の日本におけるサッカーはJリーグ発足に向けて動き出すよりも昔、部活動や実業団リーグといったアマチュアスポーツとしての市民権はあり、68年には五輪銅メダル獲得を成し遂げたことでにわかに活気付いたり、徐々に体制を整えていく動きも始まっていたものの、ワールドカップではアジア最終予選にすら残れないような万年弱小国にすぎなかった。
サッカー漫画は60~70年代にもいくつかあったのだが、ヒット作と言えるのは『赤き血のイレブン』(梶原一騎原作)くらいで*1、開拓は進んでいなかった。

また、スポーツ漫画と言えば文字通り血の滲むような努力と根性で戦い、主人公は終始過酷と隣合わせの「スポ根」ばかりだった中、同年開始の『タッチ』と並ぶ「スポーツ漫画=スポ根」の時代を終わらせた作品の一つと言われることも多い。
……と言われたら「え? キャプ翼だってスポ根でしょ」と思う人は少なくないだろうが、ここで言うスポ根漫画とはそれこそ『巨人の星』のような作品。
友情・努力・勝利の王道ではあれど日本男児とは程遠い明るく爽やかな少年を主人公に据え、「サッカーは楽しい」を根底の価値観として定義し、それを周囲に伝播させていくというストーリーは、当時としては斬新だったのだ。

そうした作風に加え、躍動感溢れる斬新なコマ割り、それによって表現された思わず真似したくなるスーパープレー・必殺シュートといった要素も手伝い、
アニメ化と共に人気が爆発、作品そのものの評価を通り越して日本にサッカーブームを呼び起こすこととなった。
具体的な情報で言うと、1980年から1988年の間に日本サッカー協会の選手登録数(2025年現在でも公式サイトで閲覧可能なデータ)が
  • 総数が309731人→670067人と倍以上に増加
  • 特に第3種登録(中学生)~第4種登録(小学生以下)は何倍にも増えており、一方で第1種(大学生~社会人)は微増程度
    • 連載が終わってからJリーグ創設までの89~91年は横這い・微減に転じていることもキャプ翼の影響という見方を補強する
これだけの人口増加がその後に日本サッカーに与えた影響は疑いようがなく、「キャプ翼が無ければ日本サッカーの発展は大きく遅れていた」と冗談抜きで言われることも珍しくない。
当時日本各地でサッカー教室を開催していたセルジオ越後も「(キャプ翼は)僕が30年かかった仕事を、たった2年でやっちゃったんだから。あれには僕も勝てないな」とコメントを残すほど。

海外でも人気を博し、直撃世代であろう90~00年代の選手を筆頭に、世界中のサッカー選手が「子供の頃キャプ翼を観てた、◯◯が好き」と語るエピソード等は現在に至るまで枚挙に暇がなく、
本作は世界のサッカー界において親しまれる象徴的存在の1つと言っても過言ではない。
プロになった翼がブラジルのサンパウロからスペインの名門バルセロナに移籍する事になるのだが、現実のバルセロナで実際に入団会見が行われた挙句当時のバルセロナ公式サイトの所属選手紹介ページに普通に他選手と同格の扱いで翼がいる、作者の高橋陽一はバルセロナの主催試合へ入場フリーパスになってしまいライバルであるレアル・マドリードの当時のオーナーが「なぜ翼をうちのチームに入れてくれなかったんだ」と零したというのは、有名なエピソードである。
元イタリア代表のトッティが、日向の雷獣シュートを真似しようとして怪我をしたという逸話も。

ツッコミどころの数々

という紛れもない名作で偉大な作品ではあるが、それはそれとしてツッコミどころも多い。

サッカーとしては最終得点が大変インフレしがち
サッカーは「理論上はわずかな時間でも得点が取れる」競技だが、実際にはその競技性のため中々ゴールに迫れないので1点が基本的に非常に重く、
試合時間を使い切ってお互いノーゴールで終わることも珍しくないのが現実。逆にどちらかに4、5点以上入った試合は一方的な内容ということが多い。
しかしキャプ翼では(途中から必殺シュートの応酬が増えたのもあって*2)バンバカ得点を入れ合う展開に躊躇がなく、全編通して1試合で両チーム合わせて10点前後入るような試合が珍しくない。3-2とかでもロースコアの域。
例えばライジングサンでのドイツVSブラジル戦はGKのミューラーとサリナスは共に世界最高クラスとされている元ラスボスGK*3なのに、最終スコアが4-4だったくらい。
しかもこれは延長の無い予選での話であり、もしこれが延長戦がある決勝トーナメントでの試合だったのであれば、両チーム共にさらに得点がバカバカ入っていたのは間違いないと思われる。
……というか事実として、この試合の流れを汲む準々決勝の日本対ドイツはミューラーがブラジル戦の負傷を抱えたまま&若林が途中交代したせいもあって、延長込みで最終スコア7-5であった。
わかりやすい花形であるフォワード(ストライカー)ではなく、その前段を担う中盤のミッドフィールダーを主役に据えたという革新性もあった本作ではあるが、一方でこの傾向から守備を担うディフェンダーやゴールキーパー*4は軒並み不遇の存在になってしまっている。
まあ、「どうしてもスコアが動かないと盛り上げにくい」「DFは地味・脇役になりがち」というのは洗練された現代の作品でも見られるもので、もはやサッカー作品の宿命と言ってもいいような部分ではあるのだが。
とはいえ本作は盛り上げる必要のないカットされた試合でも大量得点が頻発するため、作劇上の都合という言葉だけで片付けるのは難しい。

1対1の対決や競り合いのシーンでは相手を盛大に吹っ飛ばすといった光景が日常茶飯事、明らかに害意があるような行為も度々あり、現実では到底許されないであろう危険なプレーが多いが、反則として扱われることは少ない(ないわけではない)。
サッカーは格闘技」などというとんでもない主張をする場面も有名である。
ただし、実際サッカーにおける身体接触(フィジカルコンタクト)の寛容さは他の球技を基準にすると目を疑うほどで、接触の形さえ正当なら相手を盛大に吹っ飛ばすこと自体は問題視されにくく、ほとんど取っ組み合いのような行為がお咎めなしにされる場面もよくある。
そのため、「サッカーは格闘技」というのはある意味的を射ている、という声もないではない。
もっともそんなサッカー基準でも現実なら即レッドカードだろという場面も多いのだが……。
ゲーム作品などではこういった描写はキャプ翼の一種の魅力と捉えられている感があり、よく忠実再現される。

そしてファン以外にも特に知られているであろう語り草として、途中から登場人物の頭身がすごい事になってる事で有名である。振れ幅が大きいが基本的に10頭身以上は超えている。
途中からなのは作中の時間進行(小学生編→中学生編)でキャラの頭身を大きく変えたことに端を発しているため。最初の小学生編はむしろ低頭身のデフォルメであった。
サッカーシーンでは基本的に脚が長い方が見栄えするので、絵柄ごとそちらに先鋭化していった側面もあると思われ、作者もこの点は認めている。
無印時代は中学生止まりだったのもあり、まだ一部のコマが冷静に考えるとおかしいくらいだったのだが、続編を重ねるほどに成長=大きくなるとばかりに段階的にインフレが進行し、すっかり全体的に巨人になってしまった
こっちはメディアミックスでもわざわざ再現されはしない。
この頭身関連のネタで特に有名なのが、2010年にキャプテン翼の30周年記念とサッカーワールドカップ2010を記念して発売されたサッカー関連の楽曲のコンピレーションアルバム「キャプテン翼30周年記念 THE BEST SOCCER SONGS 激闘サムライブルー」のジャケット絵だろう。
作者描き下ろしの翼ら日本代表11人の集合絵だったのだが、横並びで肩を組んだ構図によって余計にその頭身が際立ってしまい絵面が非常にシュールになっており、パロディ絵も多く作られた。

また、作者が顔の描き分けを大変苦手としているため露骨に同じ顔パーツが多い。こちらは初期の頃からずっとそうだが、後期で悪化もしている。
アニメやゲームの時はまだ良いのだが原作漫画だとモノクロ且つ無声なのでなおさら判別が難しく、コマによっては間違い探しレベルのものも…。
テレビ番組『アメトーーク』のキャプテン翼特集でも出演者に「みんな顔同じじゃないですか!」と盛大にいじられた。


シリーズ

  • キャプテン翼(無印)
連載:週刊少年ジャンプ、1981-88年(全37巻)

大きく分けて、翼たちが小学6年生の全国大会までを描いた小学生編、中学3年生の全国大会を描いた中学生編、その直後に世代別日本代表として世界に挑むジュニアユース編の3つに分かれる。
キャプ翼という作品の大部分はこの期間で出来上がっていると言っても良いだろう。

  • ワールドユース特別編 最強の敵!オランダユース
連載:週刊少年ジャンプ、1993年(全1巻)

下記ワールドユース編の前振りとなる短期連載。

  • ワールドユース編
連載:週刊少年ジャンプ、1994-97年(全18巻)

無印の終了後、陽一先生はスポーツ漫画路線で色々描いていたもののどれもヒットせず、Jリーグ発足による世間のサッカー熱もあって再びキャプ翼の連載を始めることになり、以降キャプ翼がライフワークとなっていく。
ちなみに、これ以降もワールドユース編の後にいくつかキャプ翼以外の作品を執筆しているが、それらも大半はサッカーを題材にしている。

新キャラクターの葵新伍や、本作のラスボス格となるカルロス・サンターナの前日譚エピソードから始まり、
本編では翼たちがワールドユース選手権へ出場、およびその前段階であるアジアユース選手権を描く。

しかし、ジュニアユース編から顕在化しつつあったキャラ格差の悪化や大味な展開の多さや交通事故の多さなどから評価は芳しくなく、
結果として打ち切りが決まり、終盤は因縁のあったオランダとの準決勝が全カットされる(その分決勝のブラジル戦はちゃんと描かれたが明らかに尺は短い)など不完全燃焼感も否めない作品となった。

  • ROAD TO 2002
連載:週刊ヤングジャンプ、2001-04年(全15巻)。

ワールドユース編の後、翼たちはプロサッカーの舞台へ飛び込み*5、2002年日韓ワールドカップでの活躍を夢見てそれぞれのクラブで戦う。

  • GOLDEN-23
連載:週刊ヤングジャンプ、2005-08年(全12巻)。

ROAD TO 2002の直後、翼や日向などの海外組を招集せず、国内組の黄金世代を中心としたU-22日本代表のオリンピック出場への道のりを描く。

  • 海外激闘編 IN CALCIO 日いづる国のジョカトーレ
連載:週刊ヤングジャンプ、2009年(全2巻)。

ROAD TO 2002でも触れられていた、イタリアに渡った日向、同じくイタリアでプレーする葵のその後を描く。

  • 海外激闘編 EN LA LIGA
連載:週刊ヤングジャンプ、2010-12年(全6巻)。

こちらはROAD TO 2002の本筋で描かれていた、スペインでバルセロナのトップチームに食い込んだ翼のその後を描く。

  • ライジングサン
連載:グランドジャンプ*6、2014-23年(全20巻)

GOLDEN-23から地続きで、海外組の翼たちが加わり、U-23日本代表としてマドリッド・オリンピックを戦う。
後述の都合上、本作単体だと準決勝の後半途中という完全に中途半端なところで終わっている。

  • ライジングサン FINALS
連載:webサイト キャプテン翼WORLD、2024-

(ライジングサンより後も含めた)完結までの構想はあるが、全てを漫画化したらこの先40年以上かかりそう」とのことで、43年目にして連載にピリオドを打つことを決定。
ただし、「“物語”を残すことに集中する」という方針のもと、ネーム段階のものを直接公開する形でweb上にて連載を継続することとなった。
なので内容はライジングサン最終話からそのまま繋がっており、ネーム状態と引き換えにほぼ週刊ペースで連載していたが、準決勝の決着を以て一旦休止している(2026年6月現在)。

  • KIDS DREAM/BOYS DREAM
作画:戸田邦和 連載(KIDS DREAM):最強ジャンプ、2018-21年(全5巻) 連載(BOYS DREAM):キャプテン翼マガジン→YouTube最強ジャンプチャンネル、2022年-

元アシスタントを作画担当に迎えたリメイク作品。KIDS DREAMは小学生編、BOYS DREAMは中学生編。
BOYS DREAMはYouTube上で動画形式で公開という異色の形態をとっている。
内容は大きく変更しておらず、時代を感じる描写が改められている以外はほぼ原作通り。


以上の作品のうち『ライジングサン FINALS』は電子書籍でのみ単行本化されている。
逆に『最強の敵!オランダユース』と『海外激闘編』2作品の計3作品は電子書籍化されていない。


メディア展開

アニメ

4度にわたりテレビアニメ化されている。
しかしワールドユース編ですらちゃんとアニメ化されておらず、かと言ってアニオリ主体だったわけでもなく、どれも概ね原作通りの内容であったうえでのことである。
いわゆるジャンプ黄金期の作品にしては「アニメ」として後世に語り継がれる部分は比較的乏しく、そういった意味ではアニメ化にそれほど恵まれていないと言えるかもしれない。

  • 第1シリーズ (1983年~1986年)
製作は土田プロダクション。
テレビ東京系での放送で、中学生編までをアニメ化。
後にジュニアユース編をアニメ化した全13話のOVA『新キャプテン翼』が作られている。
前述の通りサッカーブームの火付け役となった伝説のアニメ化だが、
現代においての最大の語り草は、サッカーをモチーフにしているのはわかるが妙にトンチキな歌詞の主題歌「燃えてヒーロー」かもしれない。

製作元の土田プロダクションが放映中に倒産し、テレビシリーズは中学生編で燃え尽きている。
なのでジュニアユース編のOVAは厳密には別の製作会社。


放送中の1985~86年に劇場版が4作公開されている。
総集編の3作目以外は本編と繋がらないパラレルワールドの世界編で、1作目(およびその続編になる2作目)ではシュナイダーやピエール、4作目ではディアスやビクトリーノ、更にはサンターナが原作より先に登場している。

また、本作とJの中間的な座組で『最強の敵!オランダユース』のアニメ化が「ジャンプ・スーパー・アニメツアー'95」の上映作品として製作された。

  • 第2シリーズ「キャプテン翼J」(1994年~1995年)
製作はスタジオコメット。
名前の通りJリーグ発足やドーハの悲劇などで高まったサッカーブームの機運に合わせ制作された。
翼が得点のあとにビスマルクのアレをしたり、今みるとかなり懐かしい時事ネタが随所に入っている。
このシリーズのみフジテレビ系列での放送だった。

ひときわブッ飛んだ演出が特徴で、シュートの度にボールが白く発光しビーム兵器の様な勢いで放たれ、ブロックで芝が抉れるくらい飛ばされるなどかなり派手。

無印を再構成しつつ当時連載中だったワールドユース編のアニメ化を目標としていたが視聴率が奮わず小学生編を3クールで終わらせた後はローカル枠行きになり、当初の目標であった当時連載中のワールドユース編を1クールまでできる所まで製作した。
そのため、小学生編のリメイク+ワールドユース編の序盤、という歪な構成になっている。

  • 第3シリーズ(2001年~2002年)
製作はグループ・タック。
全体を成長した翼の回想という体で括っており、無印全体、ワールドユース編の序盤、そこから本題となる当時連載中のROAD TO 2002の序盤という飛び飛びの構成。
「成長前後でキャスティングをハッキリ分ける傾向が強く、翼が成長後にCV関智一だったり、日向が成長前にCV松本梨香といった珍しい方向性のキャスティング」
「原作では実況等にもさも当たり前のように『翼くん』で通されるが、本作では『大空くん』と呼ばれる」
「『プロの世界で戦う翼』のイメージで、DA PUMPをバックに大半のカットでモブの選手しか画面に映らない*7攻めた演出のOP」
といった独特な部分があり、必殺シュートの演出も控えめだったりと全体的にリアリティ重視と言える。

ちなみに最終回は色々すっ飛ばして「(原作のように世代別大会ではなく)日本開催のワールドカップ*8でブラジルと対峙する」というアニオリで俺達の戦いはこれからだ!しているのだが、
2026年ワールドカップで日本対ブラジルの対戦が決定した際は、アニメの内容で認知している人が多いブラジル側のファンなどから「ついにあの時の続きが見られる」とよく引き合いに出されていた。

  • 第4シリーズ(2018年~2019年・2023年~2024年)
製作はdavid production(シーズン1)・スタジオKAI(シーズン2)。
リバイバルアニメ化。4クールで中学生編までが放映され、後に続編製作が決定、3クールでジュニアユース編を描いた『シーズン2 ジュニアユース編』が放映された。
スマホやタブレットが登場するなど時代描写を放送当時の現代に合わせている。
もちろんストーリーは原作に準じるため「現代で中卒ブラジル留学はねえだろ」「『レベルの低いアジアの国に負けちゃ明日から街を歩けないぜ』と嘲笑するドイツ・ハンブルクの選手」といったツッコミ所も出てくるのは御愛嬌。
ちなみに、主題歌は全てジャニーズWEST(現:WEST.*9)のタイアップだったのだが、シーズン1のエンディング曲は「燃えてヒーロー」の各キャラ歌唱バージョン(シーズン2でもWEST.バージョンの「燃えてヒーロー」)が使われていた。同楽曲のネタ話題性の高さが窺い知れよう。

ゲーム

多数の作品が存在する。

代表的なのが初期に製作されたテクモ開発のシリーズ。
詳細はキャプテン翼(TECMO版)にて。
コマンド選択式のサッカーSLGという斬新なゲームシステムを作り上げた。「くっ!! ガッツがたりない!!」
初代が88年~『Ⅴ』が94年と、大体無印~ワールドユース編の空白期間で展開されたのもあって『Ⅱ』以降はオリジナルストーリーが展開され、ワールドユース編より出来が良いという声も少なくないほど、キャプ翼というシリーズを語るうえで欠かせない作品となっている。

KLab開発のソシャゲシリーズも息が長く、『〜つくろうドリームチーム〜』は11~19年と結構な長寿、後発の『〜たたかえドリームチーム〜』は17年から26年現在サービス継続中。
陽一先生監修のオリジナルストーリー『NEXT DREAM』が展開されており、これはライジングサンより後のストーリーになっていて、Jリーグ所属が多かった代表メンバーが次々に欧州挑戦を始めているのが特徴。
なお、ゲーム版にボイスがある場合は大抵が最新のアニメ版に準拠しているが、『たたかえ』は17年開始なのに第1シリーズに準拠しており、それ以外のキャラは(第2シリーズ以降のアニメで登場済みであっても)独自に割り当てられている。

次いでバンダイナムコからはアニメタイアップを中心に様々な作品が出ていたが、全体的に評価・知名度は高くない。
しかし、2020年には『RISE OF NEW CHAMPIONS』を発売。
アニメ第4シリーズとのタイアップで、
  • 中学生編の原作をなぞる「EPISODE OF TSUBASA」
  • キャラメイクしたオリジナルキャラを育成しながら戦う「EPISODE OF NEW HERO」
    • 中学生編の後、各中学校に入学して「ニューヒーローリーグ」という国内大会を戦う完全オリジナルストーリーと、ジュニアユース編(当時はアニメ化前)に相当する、本来ジュニアユース編に居ないキャラやオリキャラも交えた「ジュニアユース・ワールドチャレンジ」の2部構成
  • ついでに、アニメ第4シリーズのカットを使ったナレーション形式での小学生編の回想も搭載
を主体とした内容で、粗もあるものの充実のストーリーやDLC込みだとほぼオールスターのキャラ達、テクモ版とはまた異なるキャプ翼らしさを出したシステムで新たなゲーム版キャプ翼を開拓した作品になっている。
そして2026年にはワールドユース編をベースにした続編『キャプテン翼2 WORLD FIGHTERS』が発表された。8月発売予定。

キャプ翼のゲーム以外では、
ファミコンジャンプ 英雄列伝』に登場し、味方キャラの翼より黄金の右腕でジャンプ主人公の必殺技を悉く弾き返すボスのヘルナンデスが話題に。
『サカつく』シリーズで隠しエディットキャラ(プロフィールを特定の設定にすることで専用の性能になる)として多数のキャプ翼キャラが設定されていたり、『実況パワフルサッカー』ではコラボキャラに加えてサクセスで南葛や東邦のシナリオ*10がプレイできた。

登場人物

主人公。「ボールは友達」を信条とし、その才能と意志であらゆる壁を乗り越えていく「サッカーの申し子」。
サッカーに関しては完璧超人であり、私生活もほぼ順風満帆という、このシリーズにおけるヒエラルキーの頂点。

翼の最初のライバルであり最強の味方ともなるゴールキーパー。がっしり体型に帽子がトレードマーク。
ペナルティエリア外のシュートは通さないという伝説を持ち、「GSGK(グレート・スーパー・ゴールキーパー)」「SGGK(スーパー・グレート・ゴールキーパー)」と渾名される、得点が入りまくるべきキャプ翼世界において味方としては強すぎるので頻繁に怪我で離脱する絶対的守護神。

遅れて南葛小学校に転入して早々に翼と「ゴールデンコンビ」を結成した、翼のパートナー筆頭。
テクニックに優れたMFで人柄もよいが、その半生には親の事情をはじめとして苦難がやたら多い。

貧困から生まれた、勝利こそ絶対のハングリー精神を持ち、「猛虎」の如き荒々しさで戦うストライカー。
翼とは対照的な人間性で、中学生編までのラスボスを務める翼のライバル筆頭。
全編を通して準主人公的な立ち位置でもあるが、成功者として突き進んでいく翼や若林とは異なり苦難の道を辿りがち。

その他小学生編~中学生編からの登場人物(後の日本代表など)

+ ...
空手道場の家に生まれ、その能力を日向に買われてサッカー部に加わったGK。
空手を活かした数々の技でゴールを守る本作のトンデモ技の先駆けであり、後年には若林との競争の都合等もあって前線にコンバートされたりと色々と型破りな男。
若林の方が取り沙汰されがちだが彼も怪我が多い。なんなら初登場時から怪我で合流が遅れた設定である。

心臓病を患いサッカーをすること自体が難しい体ながら、その才能は翼をも凌駕したガラスの天才。
その闘病の軌跡は大変紆余曲折ある。

北海道・富良野(ふらの)育ち。サッカーに不向きな雪国で培った根性と粘り強さ(遺恨をしばらく引きずったり技の起源主張をしがちなねちっこさ)、平凡なふらのイレブンを団結力で勝ち上がらせる抜群のリーダーシップを有するナイスガイ。

翼の最初の仲間の1人であるディフェンダー。
サル呼ばわりされる坊主頭のおバカで、選手としても主要人物の中ではかなりの凡人だが、根性一本で彼らと同じステージで戦い続けるガッツマン。
代名詞は顔面ブロックと自殺点

若林の控えGK。彼や若島津(代表以降)がいない間のゴールを守り、やられ役として犠牲になり続ける。性格も良く言えば温厚、悪く言えばヘタレの頼りない雰囲気。
だがそんな中で垣間見せる意地に人々は感動する、キャプ翼のカルト的愛されキャラ筆頭格。徐々に色々な面から真面目に再評価する声も増えている。

  • 来生哲兵、滝一、井沢守、高杉真吾
人呼んで修哲トリオもしくはカルテット。若林や森崎*11同様、南葛のライバル校である修哲小から選抜チームの「南葛SC」でチームメイトとなり、以降「翼の仲間である南葛メンバー」という立ち位置に収まる。
おばちゃん感漂う天パのFW来生、出っ歯と片目隠れでライン際のドリブル一辺倒のFW滝、長髪イケメンでMFだが空中戦が得意な井沢、トリオからハブられる気は優しくて力持ちな巨漢DF高杉の4人。
一応日本代表にも呼ばれるものの、下記の個性豊かなライバル達でさえ……という環境なので活躍は少ない。ただし井沢はそこそこ健闘している。

翼たちの2つ下の世代で、日向の一声でトップチームに加えられたことから日向を慕う後輩。
年齢以上に小柄なためフィジカルには大きく劣るが、司令塔としてのテクニックは上の世代のエース達にもそう劣らない。

  • 浦辺反次
小学生では南葛SCで翼たちのチームメイトだったが、大友中学校に進学。他にも元南葛SC組を引き連れて「大友中カルテット」として立ち塞がる。両側に尖った髪型に十字傷とキャラデザが濃い。
高校ではまた南葛に戻り、ワールドユース編では翼たちと敵対する謎のライバル集団「リアル・ジャパン・7」の一員になったかと思えば色々あって元鞘に戻って代表の補充メンバーとして出場、後にプロ入りして五輪代表にも絡むという個性的なルートを辿っている。
実家は豆腐屋。

翼たちの1つ下の世代で、同じく南葛SCで翼たちのいない世代を優勝させたものの浦辺らと同じ大友中に進学、無謀にも翼をライバルと見做し戦いを挑んだ生意気後輩。
隼に喩えられる俊足の反面、イマイチ決定力に欠けて荒削りなのが長きにわたる悩みの種。

秋田出身の双子選手。その身軽さと双子の連携を活かした「空中サッカー」の使い手。
一発屋気味なスタイルから全編通して活躍の場は限られがちだが、空中サッカーの極致・スカイラブハリケーンはキャプ翼を代表するトンデモ技。

大阪出身の角刈りモヒカンDF。エースキラーと渾名され、ラフプレーも厭わずニヒルで喧嘩っ早い性格。意外にも口調は標準語。
作品・媒体によって評価の上下が激しい「カミソリ」シリーズの多彩な必殺技を使う。

長崎出身の巨漢DF。初登場時は意外な策略家ぶりで翼を苦しめた。こっちはタイタイうるさく、行き過ぎたタイぶりがネタにされるタイ。
それを除くと豪胆で男気のある見た目通りのパワーキャラだが、巨体を色々な方向で活かすことになる。

  • 佐野満
次藤の後輩。小柄で両目隠れのビジュアルが特徴。目が映ると可愛い系。
テクモ版のせいもあって次藤との連携技の印象が強いが、ジュニアユース編以降は次藤が立花兄弟にうつつを抜かすためリザーバーとしてではあるが単独でテクニシャンとしてそれなりに活躍している。

  • 中沢早苗
ヒロイン。小学生時代は勝ち気な性格で応援団をやっていたため「あねご」と呼ばれていたが、中学以降はマネージャーとなり、性格も落ち着いた乙女になる。
翼には出会った頃から気があり、ジュニアユース編後に交際を始め、ワールドユース編後に結婚。

  • ロベルト本郷
翼の師匠となる日系ブラジル人。ブラジル代表の10番だったが網膜剥離を患って選手生命を絶たれ、失意の飛び込み自殺をしようとしたのを翼の父・広大に止められたことで知り合い、日本で治療を受けるために大空家に居候したことで翼と出会い、彼に様々な技を教える。
一度は翼をブラジルに連れて行くと約束したのに、恩人の息子を親から引き離すことや翼の才能を自分が背負うことに自信をなくしてノート一つ残して姿を消し、ジュニアユース編でも翼を避け続けるなどヘタレな印象も拭えないおじさん。
ジュニアユース編のラストで3年越しにその約束を果たすこととなるが、結局ワールドユース編以降ではブラジル代表を任されて翼と対峙したりして師匠としての役割は薄くなり「かつての師匠で挑むべき壁」のポジションに収まっている。

  • 片桐宗正
日本サッカー協会の一員で、日本サッカーの成長のために若き才能たちに目をかけ、何かと翼や日本代表のために奔走する、本作の何気に大事な裏方役。グラサンの人。
実は元代表選手だが、こちらは片目を失うというショッキングな負傷で引退し、その跡を隠すように濃いサングラスをかけている。

ジュニアユース編からの登場人物(世界のライバルたち)

+ ...
※「◯◯代表」としているが、原則的にフル代表なわけではなくその時点での世代別代表である。
ドイツ代表。若林がドイツに渡って以来の友人。圧倒的な実力と誇り高きカリスマ性を持つ「若き皇帝」。
得意技はあまりの威力のため摩擦でボールが焦げ付く「ファイヤーショット」。

  • ヘルマン・カルツ
ドイツ代表。他とは別のベクトルで初登場時中学生には見えない、ポパイを思わせるおっさん臭すぎるビジュアルと言動が特徴。
プレーも見た目通りのいぶし銀。
シュナイダーとは幼馴染で、若林とも同じチームの仲間として親しくなる。

ドイツ代表。チームに所属することなく山奥で壮絶なツッコミ所満載の修行を積んでいた幻のGK。
初登場時のジュニアユース編では必殺技による力押しを文字通り完封する圧倒的守備力を誇った。
ワンハンドキャッチ大好き。

  • ジノ・ヘルナンデス
イタリア代表。「黄金の右腕」と呼ばれ、1年間一度もゴールを割られなかった伝説を持つGK。
シュナイダーの妹を危機から救うなど人格者だが、試合ではその腕を破壊されがちでやや不遇。
ワンハンドキャッチ大好き。

  • エル・シド・ピエール
フランス代表。気品溢れるロングヘアーの美男子で、それに見合った華麗なプレーを繰り出す司令塔。
岬がフランスで無所属の選手として各地に出没していた時に戦って以来、岬に一目置く。

  • ルイ・ナポレオン
フランス代表。粗暴な問題児であるため代表から外されていたが優れたストライカーで、ジュニアユース編では勝利のためやむなく代表に呼び戻された。

アルゼンチン代表。自らを天才と豪語してやまない俺様タイプだが、その実力は翼にも匹敵するファンタジスタ。髪型は来生。

  • アラン・パスカル
アルゼンチン代表。ディアスの幼馴染で無二の親友だが、ディアスの天才的プレーについていける能力はなく、ディアスには引け目を感じている。

  • ラモン・ビクトリーノ
ウルグアイ代表。100m10秒台の俊足が持ち味。
ジュニアユース編のネームドでは珍しく日本と戦わず敗退したため見せ場が少なく、ワールドユース編では新キャラの火野竜馬と組むことで台頭したものの2番手扱いに……とイマイチ恵まれない男。

ワールドユース編以降からの登場人物

+ ...
ワールドユース編からの新たなメインキャラ。
翼たちの1つ下の世代で、中学時代は弱小校の無名選手だったが、南葛と練習試合をした際に翼にかけられた言葉を励みにサッカーを続けていた。
卒業後に単身イタリアに渡り、苦労を重ねながらも何とか結果を出したことで日本ユースに招集される。

  • カルロス・サンターナ
ブラジル代表。孤児としてとある老夫婦に拾われ、その後大富豪バーラに引き取られて非人道的な訓練を施された「サッカーサイボーグ」として育てられた。
機を見てそれを世間に暴露したことでバーラの魔手からは既に逃れたのだが、壊された心はボールをただ一人の友達として対話するなど戻っておらず、翼との戦いを経てようやく人間性を取り戻す。
以上のキャラは原作のものだが、初出は劇場版で、前述した過去設定がなくロベルトの弟子であるなど微妙に設定が異なるキャラとして登場。
その後テクモ版に人物像からして全く異なる「カルロス」というキャラが登場し、それらの後に原作で登場し、その後テクモ版『Ⅴ』で設定が一部輸入されて名前表記も「サンターナ」に変更されているというややこしい経緯を持つキャラ。

  • ナトゥレーザ
ブラジル代表。アマゾンの奥地に住む「サッカー王」と称された人物で、サンターナをも前座としたブラジルの隠し玉。
翼と同等以上の身体能力とテクニックを持つが都会嫌いで、初登場のワールドユース編では出場自体を厭い、決勝戦の残り2分になってからようやく出場するなど謎の多い存在だった。
以降の作品では野生児っぽい無邪気キャラが強調されつつ、バルセロナ移籍以降の翼のライバルという位置付けに落ち着く。

  • シンプラサート・ブンナーク
タイ代表。ムエタイからサッカーに転身した血気盛んな男タイ
「サッカーは格闘技」を体現しすぎており、「大空翼の息の根は…オレが止めた」と発言までとんでもない。まあ日向とかも似たようなこと言ってたけどね。

  • コンサワット三兄弟(ファーラン、サークーン、チャナ)
タイ代表。「足版バレーボール」とでも言うべき東南アジアの球技・セパタクローの名手だったが、サッカー選手に憧れ転身した兄弟。
セパタクローの域を超えて立花兄弟並のアクロバット合体技を繰り出す。

  • マーク・オワイラン
サウジアラビア代表。ガチの王子様だが、キャプテンを務める人格者で実力もかなり高く、「砂漠の王子」の異名をとる。

  • バルカン
サウジアラビア代表。210cm・120kgの超巨漢で、「ランプの魔神」に準えられる。個性は凄いが出オチ気味。

  • 肖俊光
中国代表。相手のシュートをカウンターして威力を倍加させるという「反動蹴速迅砲」が代名詞。
必殺シュートを直接受けるだけに足への負担が大きいとされるが、原理がシンプルというか似たような場面が元々あったのもあって、後年には他の選手にパクられまくってしまう。おれの技だ!

  • ブライアン・クライフォート
オランダ代表。長髪のイケメンで、ワールドユース編の主なライバルの一人になるはずだったと思われるが、打ち切りによって試合が丸ごとすっ飛ばされてしまう。
幸いその後の作品で最低限以上の出番は貰えているものの、作品間でキャラが今一つ定まっていないところがある。

  • ステファン・レヴィン
スウェーデン代表。三杉のような華麗なスタイルのイケメンだが、恋人を交通事故で失ったことで闇落ちし、相手GKを破壊することに特化した禁断の技「レヴィンシュート」を編み出した。
最終的には改心するが、以降も勝つための手段としてレヴィンシュートは引き続き使っている。

  • 白夜の四騎士(ラーソン、フェデリックス、ブローリン)
スウェーデン代表のメンバー。レヴィンも含めた4人が四騎士。
若いうちから各国のリーグで修行を積む「バイキング計画」に選ばれた精鋭であり、ラーソンは俊足を、フェデリックスはテクニックを、そしてブローリンはあらゆるシュートをブロックするために腹筋を鍛え上げた
……まあそれで雷獣シュートすら無傷で受け止められているので作中的には間違ってないようだが。

  • リカルド・エスパダス
メキシコ代表。「ミラクルキーパー」と称され、自身から率先して攻め上がり、あるいはFWとして試合に出ることもある超攻撃的GK。
育ちは貧困で、いかにも裕福そうな日本人から施しを受けた経験から日本を憎悪しており、翼の目の前で友達もといボールに唾を吐き踏み潰すなど侮辱的な行為を繰り返したが、最終的には和解した。

  • アステカ太陽の五戦士(アルベス、ロペス、サラゴサ、スアレス、ガルシア)
メキシコ代表のメンバー。エスパダスも含めてそれぞれ幼馴染らしい。
ルチャ殺法と称して立花兄弟並の空中技を繰り出す。人数が多いためその絵面は圧巻。サッカーは格闘技だからって格闘技をサッカーに組み込むヤツが多すぎる。

  • レイモンド・チャンドラー
カメルーン代表。カメルーンの英雄、アフリカのダイヤモンド、黒い稲妻と渾名される。
……という触れ込みでエスパダスと共に紹介された後、噛ませ犬どころか本当にただ紹介されただけで終わった超マイナーキャラ。
キャプ翼はこういうキャラがチラッと再登場することも割と多いのだが彼はそれにも該当せず、ライジングサンでカメルーン代表が出場していて僅かながら出番もあったのに一切出てこず(素で存在を忘れてたままカメルーンを出したとしか思えない)、相当な脇役まで実装されている『たたかえドリームチーム』でさえ未登場。ついでにフルネームが著名な小説家と丸被りのため検索性も劣悪。
ところが、『WORLD FIGHTERS』にて30年越しの本格登場となり、前情報の早い段階でしれっとお出しされておりキャプ翼フリークの間だけで話題となった。

  • リバウール
バルセロナおよびブラジルA代表の背番号10番。バロンドール受賞経験もある正真正銘のトッププレイヤー。
クールな中に情熱を秘めたストイックな人物で、翼のことも後輩かつポジション争いのライバルとして快く認めるが、一方で試合に勝つためなら事故を装った悪質プレーで相手選手の負傷を狙うことも躊躇わない“キラー”の一面も持つ。
既にベテランの域にある二児の父で、腰に古傷を抱えており頻繁に再発している。

  • ミカエル
スペインで神父として暮らしている青年。『ライジングサン』における重要人物。
その神秘性から「天使」と称され、ボールに乗ってセグウェイの如くスライド移動する*12、奇跡としか思えない事象が周りで度々起きるなどキャプ翼基準でも人知を超えた超常的能力を持つ。
事情があって長らくサッカーの道から離れていたが、時を経てそれが解決したことに加えて翼とナトゥレーザの対決を見て復帰。あっという間にスペインU-23代表にまで上り詰める。

余談

当初の舞台となる静岡県の架空の地名「南葛(なんかつ)」は、作者の母校である東京都の「南葛飾(みなみかつしか)高校」を捩ったもの。
2013年には葛飾区にあるサッカークラブに陽一先生が後援会会長として招かれると共に小学生編の主役チーム「南葛SC」に改名され、「リアル南葛」と称して活動を活発化させ、2025年現在は5部相当(J3の下のJFLの下)の関東1部リーグのクラブとしてJリーグ昇格への意欲を見せている。

作者の出身地である葛飾区の四ツ木は本作を町おこしの一環として使用しており、区内には主要登場人物の銅像が設置されているほか、商店街も「つばさ通り」に改められた。また、この地区を走る京成押上線の四ツ木駅もキャプ翼のラッピングがなされ、接近メロディに「燃えてヒーロー」、案内放送もアニメ第4シリーズの声優が担当するようになった。

2023年12月からはアニメ第4シリーズとのタイアップで、京成電鉄の「スカイライナー」で本作のラッピング車両が1年間運行された。上野寄りの先頭車はシュートを放つ翼の姿が描かれており、これに合わせて京成上野駅の2番線(スカイライナー発着ホーム)の壁にサッカーボールがめり込んだイラストが設置されており、スカイライナーが到着すると絵が完成するお遊びもあった。

ファン間で特にネタにされる台詞の一つとして、リアクションでやたら頻出する「なにィ」がある。
なん…だと……?のご先祖様のようなもので、誰も彼もが(主に試合中)驚かされると高い確率で「なにィ」「な なにィ!」等と言う。
ちなみに、なん…だと…は主人公である一護の印象が強いが、対照的に翼は相手に言わせる場面が多いので自分が言わされることは少ない。

キャプ翼直撃世代の成長後と言える2000年前後あたりから日本代表ではMFに豊富な才能が集まった反面、FWは決め手に欠けるという状況が続き、「キャプ翼のせいで皆MFを喜んでやるようになりすぎて、FWが手薄になってしまったのでは?」といった説がしばしば囁かれることになった。
眉唾物ではあるが影響力の大きさが大きさだけに一概に否定もしづらく、少なくとも作者はこのことを重く受け止めており、2002~2004年に連載した別のサッカー漫画『ハングリーハート』で主人公をFWにしたことや、後の若島津のFW転向はそうした話を受けてのものと明言されている。

前述の通り海外でも大ヒットしたキャプ翼だが、海外ではタイトルからキャラ名まで大きく変えられていた。当時としてはよくあることだが。
タイトルに至っては言語毎に全然違う名前になっているうえ、サッカーの盛んな英語圏以外への影響が強いのもあって、海外のキャプ翼の話題は非常にややこしく注釈が必要になる。
もっとも、近年では公式もハッキリと『CAPTAIN TSUBASA』として海外に発信するようになったのもあって、そのままで通じるようになっているが。

後年では「必殺技で戦うサッカー」の後継者と言えるイナズマイレブンシリーズと一緒くたにされがちであるが、
キャプ翼の必殺技は基本的に「すごいパワー」「すごいテクニック」「すごい回転」といった「それっぽい理屈」で説明されるもので、オーラ的なものは度々出てくるが原則的にはあくまでイメージとして読者に、稀に登場人物にも見える*13という程度のものである。
ゴッドハンドのように「オーラ的なもので直接ボールや選手に干渉する」、皇帝ペンギンのように「ボールでも選手でもない召喚物が主体の技」といったイナイレではごく当たり前の描写はキャプ翼において原則的に行われないという点で、両作の「必殺技」の在り方は大きく異なる。もちろん宇宙人が攻めてきたりスタンドで戦うこともない。
この原則を明らかに無視した必殺シュートが頭に思い浮かぶとしたらおそらく原作ではなくテクモ版由来のはず。
だからこそミカエルのヤバさが際立つのである。

それはさておき「よく考えたらルール的に大丈夫なのか?(※ダメです)」という描写の数々から、「高橋陽一はサッカーを知らない」と揶揄されることも多い。
+ 例を挙げると
  • 立花兄弟のスカイラブ全般、メキシコの空中サッカー、翼のスカイダイブシュートなど。いずれも華麗な空中技だが、他人を踏み台にするのは味方だろうが相手だろうが危険行為とみなされる反則となる。
    • この対策として翼が以前から使っている「ゴールポストやゴールバーを蹴って登り応酬」もそうだし、それを参考にして打ち出した修哲トリオをあらかじめゴールに登らせておくプレイ。これも危険行為とみなされる反則となる。というか小学生がサッカーゴールにぶら下がったら倒れてきて怪我、みたいな事故は全国各地でよくある出来事なので(安全性の観点から)登るなんて以ての外である。
  • 次藤の打ち上げタックル、若島津の若堂流上弦跳ね蹴り。共に上空にいる相手にタックルを仕掛ける技だが、もちろん危険行為とみなされる反則となる。
  • ミカエルが日向に仕掛けた人間サーフィン。これも当然反則である。
  • 若島津の三角飛び。ゴールポストを蹴る=ゴールを動かそうとする行為として扱われ反則となる。
  • 若林が、カルツの放ったループ性のシュートを「帽子を使って」止めたプレー。当たり前の話だがこれも反則である。カルツからも「そんなのありかよ」なんて言われたがナシである。
    • ルールの間違いとしてフィクションだからで許される範疇を超えていると判断されたのか、アニメ第4作では指先でギリギリ防ぐ形に変更された。
  • ヘルナンデスがジャンピングキャッチをしながらペナルティエリア外に飛び出したプレー。作中では「地面に落ちる前に手を離せばハンドにはならない」とされ、足がつく前にキックに転じたことで反則扱いを免れていたが、実際には全くそのようなことはなく空中でもエリア外はエリア外と扱われハンドは取られる。滅多に気にする機会のないルールなうえにもっともらしい理屈のせいでサッカー識者でも騙された人は多いかもしれない。
    • やはりフィクションだからで許される範疇を超えていると判断されたのか、アニメ第4作ではヘルナンデスの影のみがエリア外に出たという描写に変更され、実際に手がエリア外に出ていたかどうかは曖昧にされた。
  • 度々見られる「相手に思い切りボールをぶつける」プレー。作中これを「反則スレスレ」などと肯定する発言もあるが、「(偶然とは思えない)攻撃的な目的でボールを強く相手にぶつけた」と審判が判断した場合、「反スポーツ行為」という名目で立派な反則と見なされる。悪質な反スポーツ行為には厳しい傾向があり、退場やそれ以上の複数試合出場停止といった厳罰が課される可能性が普通にある。
    • これに限らず「ボール越しかつ手を使わなければ暴力行為を加えてもかまわない」という傾向があまりにも強い。ブンナークが翼に仕掛けたジャンピングニーとか、トラムが日向に仕掛けた真上からの踏み付けとか、たとえボール越しであろうと十分に反則である。
なお、これを見るとルール無用のサッカーを繰り広げていると思われてしまうかもしれないが、逆にルールを強調して描くような場面も度々ある。
(実際、この例示でもわかるように、ルール無用と言ってもその大半は演出優先の危険行為で、純粋にルールを間違えた描写はそんなにない)
もっとも、こっちはこっちでツッコミどころがある場合もあるが……
+ 例を挙げると
  • いい意味で有名な例としては、小学生編の三杉および武蔵小のオフサイドトラップが代表的だろう。オフサイドは以降も結構描かれる*14のもあり、「キャプ翼でオフサイドを知った」という人も少なくない。
    • 無論、サッカーの中でも特に難解なオフサイドのルールが連載当時にすんなりわかってもらえるはずもないので、その場面で1ページ使って図解つきで解説している。肝心な「ボールを蹴った瞬間の位置で判定される」という部分に言及していないなど不十分な点もあるが、一方で「自陣内であればオフサイドは発生しない」という割とマニアックな部分にも触れている。
  • ジュニアユース編での日本VSフランス戦で、前半でフランス贔屓としか思えない判定が連続*15し、しかも審判が開催国でもあるフランス人であったため「開催国(ホーム)だから贔屓されている」と日本側は疑い、ハーフタイムには一同激怒して翼も場を収めるためとはいえ「おれたちのこの怒りはボールにぶつけよう」と友達への暴力を肯定してしまう。
    • その中でもナポレオンとの競り合いで早田の肘が顔に当たってしまったことに2枚目のイエローカードを出されて退場、「故意ではないのでおかしい」と抗議した翼もイエローを出される場面はあまりにも理不尽な判定……のような雰囲気で演出されているが、現実でも相手の顔に肘が入った場合、明らかに偶然でもイエローカードが提示されるケースは珍しくない*16。審判への抗議は原則として認められておらず、カードが出されることも多い。
    • 結局後半では極端な判定はなく、逆にフランスがオフサイドで得点を取り消される場面も発生してそこで審判が「われわれ審判はいつでも公平だ」と独白。このことから、総括すると「観客を含めた完全アウェイ」「判定で著しく損をする展開」ただし「判定が偏ったからと言って恣意的とも限らない」、という現実でもありがちなことを描きたかったのだと思われる。全体的にやりすぎだった感もあるが……。
    • なお、そもそもとして現実の国際試合においては公平性の観点から、審判は試合に関係ない国の方々を使うのが鉄則となっている。そのため、このように「地元贔屓を疑われる」ようなことは本来あり得ないと言ってよい。
  • 時は流れ、ライジングサンでのドイツVSブラジル戦で、ドイツのDFハルドビッヒがガラ空きのゴールを狙うリバウールのユニフォームを引っ張ったことで「決定機の阻止」として一発レッド、更にPKが与えられる大ピンチとなる場面。「たかがシャツ引っ張っただけでレッドカード?」とこの作品の普段の蛮行の数々故に思ってしまう人は多いだろうが、こちらはドイツ側もすんなり受け入れていることからもわかるように、「決定機の阻止(通称「DOGSO」)」に関するルールをしっかり描いた場面。「GKとの1対1やそれ以上のピンチの場面」で守備側がファウルで相手を止めた場合、内容が軽微なファウルだとしても、相手の大チャンスを潰した罪の重さを鑑みてレッドカードになるとされているのだ。
    • ただし、それでPKが与えられる場合は、PKという大チャンスが残ることを鑑みてイエローカードに減免される*17のだが、この情状酌量の余地が認められるのは「ボールを触ろうとして犯したファウル」だけとされており、シャツ引っ張りは当然適用外になる。
    • だが、普段の描写はまだしもこの試合で当事者のリバウールが「攻撃目的でカルツの腹に思いっきりボールをぶつける」という上記の事案の中でも特に悪質なことをしていながら、全くのお咎め無しであるため、そんなキャラが急にリアルなルールに助けられる様が読者目線で釈然としないのは否定できない。

実際サッカー未経験者ではあるが、元々スポーツ少年で、サッカーは観たことがある程度だったが高校生の時に1978年ワールドカップを観たのがきっかけでサッカー漫画を描いてみようと思ったという経緯。

まあスポーツ漫画の実状として、連載が始まった1981年頃はまだまだ現実と乖離した演出でも面白ければ構わなかった時代であり、おいそれと監修を付けられたり十分に資料が手に入るような時代でもなかった。
演出優先の大先輩『アストロ球団』は極端な例だが、他の(当時サッカーよりはるかに知名度を突き放していたジャンルの)野球・ラグビー・柔道漫画などでもキャプ翼以上のブッ飛んだルール違反や、素直に非難されそうな手口を敵どころか堂々と主人公の武器にしていた作品は多かった。
そのため、こうした部分が「想像だけのガチエアプ」「スポーツ漫画の風上にもおけない描写」を意味するわけではなく、時代相応の少年漫画+リアル路線の融合を模索した一面であるということはフォローしておきたい。




追記・修正は「なにィ」と驚かされながらお願いします。

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最終更新:2026年08月22日 08:52

*1 この時期には、梶原一騎以外にも水島新司やちばあきおといった後の大ヒット野球漫画家たちがサッカー漫画に挑んでいる。

*2 もっとも、必殺シュートがまだ無かった小学生編でも似たようなものであるため(最初の南葛VS明和など6対7で、これは全編通してもトップクラス)、必ずしも必殺シュートが原因とは言えない。

*3 まあ、翼に匹敵するエース3人を同時に相手取ったミューラーはまだしも、サリナスはこの試合エースのシュナイダー1人に手も足も出なかったので、看板に偽りありという方が実情に近いが……。

*4 と言ってもGKは被害が多すぎる一方で見せ場も少なくないが、DFは単純に見せ場自体が少ない。

*5 厳密に言うと翼や若林はワールドユース編の時点でプロだが。

*6 2020年から『グランドジャンプ増刊・キャプテン翼マガジン』という専用の雑誌を出して連載する形式となった。

*7 翼以外の面々は一瞬たりとも出てこないどころか、翼も最初と最後くらいしか出てこない。

*8 権利の関係で作中では「インターナショナルカップ」という名前。

*9 ちょうどシーズン2の放映時期に改名したため、作品内で名義が変わっている。

*10 サクセスが高校生設定なので原作だとあらすじ程度でしか描かれていない部分であり、それをベースに肉付けされている。

*11 正確には森崎はどこの小学校に居たか不明で、後付で修哲小に居た扱いになっている。

*12 なお、現実でも挑発的なプレーとして同じようにボールに乗る者がおり、ブラジルサッカー連盟がそのプレーを名指しで警告対象にしたくらいには普及している。

*13 肖俊光は普段から「龍が見える」とか言っているが、逆に言えばそれが肖個人のキャラ付けになる程度には特殊事例ということである。

*14 「キャプ翼にオフサイドなんてあったんだ」と言われることがしばしばあるが、それは間違いなく4まで未実装だったテクモ版のせいである。

*15 「パスを出した後に前に出たように見える場面でオフサイド」「オーバーヘッドをしたら密集地での危険なプレイとみなされた」「シュートがフランス側ゴールに向かっている途中に前半終了のホイッスル」。最後は現実でも非難轟々ものだが、1つ目は間違いとしては起こり得るし、2つ目も現実ではしばしば取られる。

*16 むしろ故意の肘打ちと解釈されたら一発レッドものである。

*17 「『三重罰(退場、それに伴う出場停止、PK)』の軽減」と表現される