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パワプロクンポケット11 - (2018/01/07 (日) 21:20:34) の1つ前との変更点

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#contents() ---- *パワプロクンポケット11 【ぱわぷろくんぽけっとじゅういち/いれぶん】 |ジャンル|野球バラエティ|&amazon(B001GIPGKY)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|512MbitDSカード|~| |発売元|コナミデジタルエンタテインメント|~| |開発元|コナミデジタルエンタテインメント(パワプロプロダクション)|~| |発売日|2008年12月18日|~| |定価|5,250円|~| |判定|なし|~| |ポイント|主人公に襲い掛かるウザい「魔人」&br;パワポケ世界に襲い掛かる哀れな「神条社長」&br;人を選ぶ彼女候補&br;過去作キャラの同窓会&br;ストーリー自体が賛否両論&br;やりこみ要素が強いが一方でハマる人はハマる裏サクセス|~| |>|>|CENTER:''[[実況パワフルプロ野球シリーズリンク>実況パワフルプロ野球シリーズ]]''| **概要 -本家とは似ても似つかないシナリオや彼女、サクセスで人気を集めてきた[[パワプロクンポケットシリーズ]]の12作目(『[[ダッシュ>パワポケダッシュ]]』含む)。 -キャッチコピーは『たのしさあふれるプロ野球ゲーム!』 -更に改善された野球パートに対して、お祭り化と暴走化を進める表サクセス。 -裏サクセスは学園モノ+パニックホラーのRPG。 **新要素・変更点 -野球は少しバランス調整があり、『9』ほどではないがホームランが打ちやすくなっている。 -サクセスに試合を進めて選手を育成する「グッピー」が追加された。 --このモードの調整もあってか本作に「緑髪の人」である博多氏は彼女シナリオには参加していない。 --ただし仲間キャラの柿元兄弟や羽車のイベントは描いており、そちらのシナリオの評価は高い。 -NPB12球団に在籍している実在のプロ野球選手のミニ顔が実写の着帽写真になった。元々は海外版の初搭載の要素である。 -「上下を自動的に合わせて左右だけ自分で操作する」という『ロックオン2』が本作だけ搭載。初心者向けシステム。 --『12』からはフルダケシステムが導入されたためか『ロックオン2』は本作だけのシステムになった。 -カード野球の難易度が非常に上がった。 --ルーレットが非常に早くなって目押しがやりにくくなった。 -作曲スタッフの大幅な入れ替わりがあったためか、BGMの毛色が従来と異なっている。 -Wii用ソフト『[[実況パワフルプロ野球NEXT]]』に選手データをパスワードで送れる。そちらは超特殊能力も対応してる数少ないパワプロである。 --任天堂の据え置きハードでの『パワプロ』が『NEXT』で打ち切られたため、本作がパワプロにパスワードで選手を送れる最後のパワポケという事になる。 -「俺のペナント」で好成績を上げると取得できる一部の経験値が難易度「つよい」以上で取得できるになった。(前作までは難易度「パワフル」でのみ取得可) --ただし、最優秀防御率が条件の「ノビ○」だけはバグにより''難易度「つよい」でしか取得できない''。 **表サクセス『新球団ナマーズ編』 -ストーリー&br()ジャジメントグループの日本支部長・神条紫杏が立ち上げた新球団・ジャジメントナマーズにドラフト下位ながら入団した主人公。そんなある日、キャンプ中先輩選手からもらったランプから魔人が出現。願いを三つと言われ、「1年目に1軍に昇格」「2年目で年俸5000万」「3年目にリーグ優勝」の三つを言うが、逆にそれらを自力で叶えないと死んでしまう呪いをかけられてしまう。さらに魔人も取り憑き、朝昼晩と心休まらない日々になってしまった。&br()死の呪いから逃れるため彼は新人野球選手であるにも関わらず、この困難な条件に立ち向かってゆく。 -各年ごとにクリア条件が用意されており、クリアできなければ魔人の呪いで死亡し、ゲームオーバーになってしまう。 --1年目の条件は『1軍に昇格』。監督評価を一定以上にすればクリアとなる。 --2年目の条件は『年俸5000万』。現実的には不可能な数字だが、契約更改時にインセンティブ契約を持ちかけられればクリアとなる。 --3年目の条件は『優勝』。リーグ優勝かクライマックスシリーズ優勝でクリアだが、ある方法で魔人を封印してもクリアとなる。 -「しあわせ草」がパワポケPで購入できない代わりに「追加イベント」を購入する事が出来る。 --本作の裏事情が解るイベントだが、賛否両論点の一つとなっている。 -過去作からの再登場が多いプロ野球編だが、本作はその中でも特に再登場キャラが多い。 --所属球団の「ジャジメントナマーズ」(以下ナマーズ)ではプロ野球編ではおなじみの『水木』『古沢』が監督として登場するほか、『7』の『東』や『10』の『官取』など過去の高校編の仲間キャラが再登場する。 ---ライバル球団である「大神ホッパーズ」(以下ホッパーズ)からトレードされる『天道』『アキラ』『小角』なども再登場キャラである。 ---過去作ではモブキャラだった『狩村』『木村』が顔つきで登場。特に狩村は本作の中でも重要な位置づけにあるキャラで、主人公の行動次第で結末が変わる。 ---「ナマーズ」の社長である『神条 紫杏』は『10』では彼女候補の一人であり、「ホッパーズ」の社長である『大神 博之』は過去作のプロ野球編の主力投手だった。 --過去作では味方だった『湯田』『諸星』はホッパーズの選手として再登場。諸星はホッパーズの主力選手として成長を遂げており、駄目監督に振り回されながらも大人の対応を示す。『5』の問題児だった時期や『8』の重要人物・石中学との友情を踏まえると彼の成長も熱い。 ---『10』では仲間だった「越後」もホッパーズの選手として登場。追加イベントを購入すると見れる一連のランダムイベントの発生率はかなり低く、全部見ることができたプレイヤーは少ないだろう。 --彼女シナリオについても過去作からの登場キャラが多く、彼女候補である『倉刈 日出子』『浜野 朱里』は過去作にも登場している。 --他のサブキャラについても過去作からの続投が多い。 ---そのせいか、今作では''過去作を遊んでいることを前提としたようなイベントが多い''ことがよく指摘される。 -最初に提示される話の主軸は「魔人の呪いを解くこと」であるが、終盤では「ナマーズ存続のための戦い」も主軸となる。 --ともに今までのプロ野球編の流れを組む「ナマーズ」と「ホッパーズ」との戦いは熱い。 ---その分、実在のプロ球団は空気気味である。 --主人公は魔人のせいで命を賭けてる事もあってか「3年目にリーグ優勝する事」への熱意は強く、ベテランコーチ陣やトレードされてきた仲間達といった新旧メンバーを巻き込んでいく展開は見所はある。 -表サクセスでの選手登録数が15人以上にしてある条件を満たすと、本作を含むシリーズ全体の裏事情が解る。 ---- **問題点 ***主人公を執拗に妨害する「魔人」 -『本作(11)主人公の物語』にとって最大の壁が「魔人(ジン)」である。 --元々は『[[8>パワプロクンポケット8]]』のペナントに出てきた魔人を元ネタにしていると思われるが、本作では''非常にウザい。'' --元々「願いを叶えろ」と言われて「死ぬ気で努力して自分で叶えろマジン。叶えられなければ死ねマジン」とか言い出すあたり完全に詐欺師そのものなのだが、その上で執拗な妨害を続けてくる。 -「体力とやる気を削ぐ」のは基本。「マイナスアイテムを押し付けてくる」「カゼをひかせたり不眠症にしたりする」「箱の山を崩したり階段から突き落として打ち身・腰痛にしてくる」「練習場で嫌がらせをして仲間評価・監督評価を下げる」「カレーを食わせて胃痛にしてくる」etc --&bold(){魔人に電話をした月はランダムイベントが発生しなくなる}ので、月の1週目に電話をかければ被害を抑えられるのだが、その分練習や彼女攻略に割くターンがなくなる。 --電話をして好感度を上げるとプラスイベントも発生するようになる。だが''好感度を上げきっても完全にマイナスイベントを無くす事は出来ない。'' --そのウザさは『[[3>パワプロクンポケット3]]』の亀田や『[[10>パワプロクンポケット10]]』の北乃先輩が引き合いにされるほど。 ---確実に防ぐ方法があるだけ前の2人よりはマシではあるが…。 -その上、「主人公と一部のキャラ(彼女候補の魔人娘「シズヤ」と、サブキャラのヒーロー「真央」くらい)にしか見えない」という設定のせいで、主人公が一人で抱える問題になってしまっている。 --終盤に「ジャジメントナマーズの存続」が話の主軸に食い込んでくるが、魔人とほとんどつながりがない。 --このため仲間の消滅や廃人化も含めて立ち向かった『[[4>パワプロクンポケット4]]』の呪いや『[[7>パワプロクンポケット7]]』のヒーローよりも解決した時の達成感がないという意見もある。 --裏社会に関わる神条紫杏や浜野朱里にすら見えない。ただし紫杏のイベントで見えない事を利用したセクハライベントがあったり、朱里シナリオでは敵の超能力者との戦いで結果的に主人公を援護する事が少しだけあったりする。 ---また最後はミニゲームで撃退する事も出来る。亀田殴り合いではなくタッチペンを使ったSTGなのだが。 -基本的に彼女キャラで魔人の存在が深く関わるのは「魔人を倒してほしい」という主人公の願いで具現化したシズヤのルートくらい。 --またシズヤルートでも「シズヤとばかりイチャついて自分に構ってくれない事に嫉妬した魔人が、シズヤの生命力を削って殺そうとする」などワガママ妨害し放題。 ---一応、魔人はシズヤにも友情を感じていることから、弱っていくシズヤを見て罪悪感を覚える姿は見せるのだが……。 ---シズヤルートでは魔人をミニゲームで撃破し、彼の協力を得ることで大幅にハッピーエンドの可能性が上がる。条件を満たせば魔人戦に挑む前にシズヤが魔法で援護してくれるなど熱い展開もある。 ---また「魔人END」もある。人間の欲深さへの批判も込めているが、主人公との絆もあって200年後までに別の方法を考える事になる。 ---彼のエンディングでは主人公との友情も明確に感じられ、決して後味が悪いオチではない。 -だがそれを差し引いてもあまりにもウザすぎるため、本作を何度もプレイする気力が起きないという意見も根強い。 --頻発するマイナスイベントを耐えきるのはストレスが溜まる。 ***新規に対する配慮のなさ -上述したように表サクセスは過去キャラの登場が多く、肝心な部分は『10』をプレイしていないと理解しにくい。 --「知っていればより楽しめる」ではなく「知らないと楽しめない」と感じやすく、他のナンバリングのプレイも求められる。 --魔神や一部彼女の不愉快な要素もあり、新規からの評判はかなり低い。 ***ゲームバランス -本作の彼女は攻略の進め方が特殊になっているものが多く、エンド分岐のフラグが分かりにくい。 --超特殊能力の取得もラブダイナミクスの用意が必須と言われるぐらい難易度が高い。 -裏サクセスのペナルティの厳しさ --『10』と同様にリセットペナルティなどが厳しく、立て直しが不可能になることもある。 --ペナルティはいつものことだが本作は腰を据えて遊ぶ長さなので、この問題が目立つ。 ---- **賛否両論点 ***地雷多めの「彼女候補」 -本作の彼女候補のぶっちゃけ半数以上が「地雷」要素の強いキャラとされている。 --前作の彼女候補が概ね好評であったため、特に落差が激しい。 #region(賛否が分かれやすい3人) --「室町しのぶ」はナマーズパークのマスコット・ズーコの中の人として働いている。 ---交流を始めてすぐに「付き合ってほしい」と頼まれるが、そこで彼女にすると最後の最後で''主人公を捨ててイケメンのナマピー先輩に乗り換える。'' ---彼女にするのを後で考える選択肢を取ってから好感度を上げると、主人公を選んで結ばれる……だが''ストーリーの流れは中盤で付き合った場合とあまり変わらない。'' ---グッドエンドは単体で見れば特に問題はないのだが、バッドエンドを見た後だともやもやすることだろう。 --「武内華音(たけうちかのん)」はわがままな三流ライター。記者としての腕は最悪だが、紫杏を一目見ただけで本質を見抜いたような発言をする一面もある。 ---彼女になるとやる気を削ぐ言動と行動を頻繁に行い、グッドENDでも「''ナマーズの暴露ネタを本にして華音は幸せになるけど、主人公はかつての仲間達から憎まれる(最後とはいえ仲間評価と監督評価がゼロまで下がる)''」という酷いオチが待っている。 ---義姉に『10』からサブレギュラーで登場するミーナが居て、「むしろミーナを攻略させろ」という声も多かった。ちなみにある事情により姉妹仲は良くない。原因は華音の思い込みによるものが大きく、ミーナとの和解イベントも用意されているが、&bold(){エンディングの分岐には全く影響しない}。 ---また彼女を攻略するとマイナス特能が確実につく。回避する術はない。そこも地雷キャラ扱いされる所以である。顔は可愛いものの、ハズレ彼女と言っても差し支えないだろう。グッド・バッド共に主人公が不幸という意味では、『10』の春田蘭よりひどい。 --「真島涼子(まじまりょうこ)」は主人公のファンの''ストーカー''。食べると一晩で太り、食べないと一晩で痩せるという体質の持ち主(グララフィックも変わる)。太っている時に喋らない反動からか、痩せている時の思考回路と行動はかなり危ない。 ---料理は上手く弁当の差し入れをしてくれるのだが、''汚部屋生活をしているせいで彼女の弁当を食べた主人公は何度も食中毒にあう''。 ---終盤、「私が絶対に太らない代わりに主人公は日本一になる」という約束を半ば無理矢理取り付けられて一時別れるが、その後に日本一になれないと逆恨みして付きまとい続ける。日本一になると太らなくなって結ばれるが''汚部屋生活は解決されず、主人公は彼女の部屋を片付け続ける''というオチがつく。 ---一部のイベントにランダム要素がある、グッドEDの条件が日本一になることであるなど攻略難度が高い割にいまいち恩恵が薄い。 ---野球超人伝がもらえるのはありがたいが、好感度の条件がかなり厳しくラブダイナミクスを用意するか大半をデートに費やさないと間に合わない。 #endregion -統合すると、地雷扱いされる彼女キャラが多いとも言われがちな一作。 --「グッドエンドがグッドエンドに見えない」というのが主な理由に挙げられる。 --公式のしつもんコ~ナ~では以下のようなやり取りがあった。どう捉えるかはプレイヤー次第である。 Q.彼女の性格が悪いのが多い… A.彼女たちは主人公のためにいるわけじゃないです。自分の幸せのために生きているわけです。そう考えれば、そうひどい人間じゃないと思えませんか? そんなことで女の子に絶望しないでください。 ***一部の再登場キャラの扱い #region -再登場キャラが多いというのは前述のとおりだが、ネタ度が上がったり悲惨な結末を迎えるキャラがいる。 --『官取』は一部の人にアニキと慕われる鬼鮫コーチに目を付けられる。そして''鬼鮫コーチと一緒に主人公に襲い掛かって3Pで「ソイヤソイヤソイヤソイヤソイヤ(み~みみみみ~)」を仕掛けてくる。'' --『東』は『7』の頃から傾向はあったが、本作では「やたらケガをする人」扱いされている。あまりのケガっぷりからシリーズ常連の出て来て怪我をする外人アルベルトと同列に扱われファンからは『[[スペランカー先輩>スペランカー]]』と呼ばれている。 ---『7』で彼女候補の一人だった『倉見 春香』も東の後輩としてイベントで登場。相変わらずの「○><」が可愛らしく、主人公の誕生日にプレゼントをくれたりするなど、癖が強すぎる本作候補の彼女キャラよりも可愛いという意見もあり、本作で数少ない株の上がったキャラ。 --『天道』は『10』で10主人公に負けた事を引きずって迷走して''ハゲる''。「子供の作り方がわからない」というネタでCEROに引っかかりそうな発言をして夢オチになっている。 ---この頃の10主人公は正史だと五十鈴と結婚してさやかをもうけてるはずなので、その辺のライバル心もあるのかもしれない。 ---アルバムでは当時の彼女である若菜から見捨てられてない事が判明し、彼の救いになっている。 --『アキラ』はパワーアップイベントで多額の借金を背負うことになり、父親と同じ悲惨な結末を迎えてしまう。 ---姉が彼女候補の一人になっており、こちらのグッドエンドでは少し救われる結末になっている。 --『2』では期待の新人スター選手としてライバルキャラとして立ちはだかった『小角』は本作では落ちぶれて登場する。 ---しかし、パワーアップイベントでは主人公の激励を受けてやる気を取り戻す。 --『2』の彼女候補キャラ「愛」も再登場するが、当時の童顔はどこへやら、太った食堂のおばちゃんといった風貌になっている。 ---当時コーチだった槌田と結婚しているが、&bold(){その息子は水木に凄く似ている}。 -そして本作での扱いで最も賛否両論となっているのが、本作のストーリーに深く関わっている「ナマーズ」のオーナーである&bold(){『神条 紫杏』}である。 --紫杏は元は『10』の彼女候補キャラなのだが、本作では''BADエンドルートを通ってしまった後''である。 ---『10』の紫杏BADエンドは「ジャジメントに英才教育すべく紫杏を連れ去ろうとした浜野朱里とルッカに対し、主人公とカズ(大江和那)が立ち向かうモノの紫杏を止められず彼女はジャジメントの教育を受けて、''哀れな独裁者になる''」というモノ。 ---グッドエンドルートで10主人公が紫杏を説得出来なければ今の状況になることはあり得るので、必ずしもバッドエンドルートを通った後とは言えないが、少なくとも10主人公との交流があったことは示唆されている。 ---ただし本作の紫杏は10主人公と思われる人物を「親友」と呼んでおり、10の2年目で10主人公が監督生を手伝った事があったというだけで終わってる可能性も考えられる。 ---ちなみに10の紫杏ルートで10主人公の「彼女」になるのは説得に成功した後であるが、本作では紫杏を説得出来なかった(あるいは説得阻止イベントが起こらなかった)ため彼女としての交際が10主人公とあったとは考えにくい。 --そして彼女がとる行動が次の問題に密接に関わっている。(詳細は後述) ***「表の物語」と「裏の物語」の乖離 -追加イベントを購入すると、「ナマーズ」の社長である『神条 紫杏』が裏で何をしていたのかを知ることができる。 --しかし、本作の主人公が抱える「魔人」が前述のように「主人公と一部彼女(シズヤ)の問題でしかない」ため、本作を取り巻く情勢として紫杏がかなり出張ることになる。 --本作のストーリーは&bold(){「魔人に脅かされる主人公」と「紫杏を中心とした裏抗争」が完全に分離してしまっている}のである。魔人を倒して達成感がないといわれる所以でもある。 -実質、紫杏は「''本作のストーリーにおける真の主人公''」のような扱いを受けてる事が賛否両論になった。主人公から見ればいい社長なのだが主人公の物語と殆ど関わらない事も大きい。 --新規層からは「碌でもない女」扱いされかねない行動も十分取っており、人によっては畜生キャラ扱いする人も居る。 --初登場作品から次作品にまで出張った事から、カズと並んで「''パワポケ衰退の戦犯''」として扱われる事も多い。 -ただし、「''ナマーズのオーナーとしての神条社長''」は友人だったらしい『10』主人公の影響もあってか、彼女なりに真摯に球団運営に取り組みナマーズ選手にも親身に接している事は確かである。 --モグラーズ・ホッパーズのオーナーだった任月と大神父に比べると選手に対して親身に接する。本作は系統が違う新球団ナマーズである事や本作の「評価が足りなかったらゲームオーバーに追い込む係」を魔人が請け負ってる事もあるかもしれないが。 -また、紫杏の結末は2通りあるのだが、どちらの場合でも救いがないことについても賛否両論である。 --普通に進めた場合、「ツナミグループ」を作って罪悪感に苛まれながらも世界を独裁するという結末になる。 ---なお、これには「未来に起こる世界の破滅の阻止」という目的がある。表サクセスの選手登録数が15人以上になっていれば、クリア時に詳しい事情が解る。 --ある条件を満たすと「紫杏ルート」になり友好を結ぶことが出来るのだが、&bold(){ルッカによって暗殺されてしまう}。 ---紫杏を殺したルッカは紫杏ファンから嫌われている。またルッカは紫杏への挑発のために無関係の狩村や託児所の子供達も殺してるためそれを許せないという意見もある。 --倉刈一家と並んで「''再登場したせいで不幸になった人物''」と言えよう。特に紫杏と狩村の場合、「どう足掻いても絶望」の結末しかないため救いがない。 --どちらにせよ''本作の主人公がどう足掻いてもナマーズという球団名の存亡は守れても、巨悪ツナミグループは誕生してしまう''というあまりにも後味が悪すぎる結末となってしまっている。 --次回作以降に登場するジオットの毎回のオチ含めて、本作以降は''主人公が裏の展開に直接関われない''ことが多く、何度もやり直す気になれないという意見も出ている。 ---ただ本作では救いのなかった紫杏だが、シリーズ最終作である『14』では目的が果たされ報われることになる。 -ちなみに紫杏は本作の裏サクセスでも、『10』に近い立ち位置の「委員長」として登場。そちらではキャラの名前が「委員長」として参戦。 --キャラ的には表と同じく『演じる才能』を生かして黒幕に大立ち回りをする事も多く、ストーリー的にも優遇されている。 -『決して報われない結末』という点から『ダッシュ』のキャラと絡む事が多い。 --過去に『ダッシュ』の桜の精霊である「モモコ」と出会って人生観に影響を受けた事が本作の紫杏のアルバムで判明。切ないものとなっている。 --『12』の裏サクセスでは「メモリー(わん子を元にしたキャラ)」に懐かれている。 --モモコもわん子も「主人公と結ばれなかったヒロイン」であり、本作で主人公と結ばれなかったルートが正史にされてしまった紫杏との共通項もある。 #endregion ***パワーアップキャラのトレード -本作でも仲間のパワーアップは出来るのだが、パワーアップする初期メンバーの大半は&bold(){2年目までにパワーアップさせるとトレードでホッパーズへ移籍する}。 --最後まで必ず残るのは具田と東のみ。しかも東はパワーアップさせるのがかなり難しい。 --羽車はトレードはされないが、パワーアップの有無にかかわらず引退し、3年目の試合には出なくなる。 -トレードで移籍してきた仲間をパワーアップさせなければ、相手側にパワーアップキャラがそろった状態でホッパーズと戦う羽目になる。 --しかもパワーアップの手間は過去作とさして変わらない。 ***先発要員の投手を中継ぎ・リリーフで起用してくれないCPU -本作のCPUは具田、羽車、天道、狩村といった主人公の仲間キャラも、以前の作品で強敵として立ちはだかったバルソー・大北といったキャラもなかなか使ってくれない。 --そのため、せっかくの『9』『10』のライバルキャラを自分で使えるシチュエーションがあまり生きていない。 ---監督評価を上げきれば采配を主人公に丸投げしてくれるのだが、クライマックスシリーズ以降の試合は必ず監督が采配を取るようになる。ストーリー的には頼りなかった古沢監督が頼れる監督に成長するという熱いイベントなのだが、ゲームとしてはやりづらくなってしまっている。 ---- **評価点 ***表サクセスの一部彼女のストーリー #region(概ね好評な3人の詳細) --「シズヤ」はドジっ子の魔人娘。主人公の願いによって生み出され、彼を手助けするために尽くす古風な喋り方をする人物。 ---本作の二つの本筋の内「魔人」に深く関わる彼女キャラで、魔人の協力があるとグッドエンドの確実性が増す。 ---「術レベル」と「生命力」という独自のパラメータがあり、これに気を遣いながら攻略しなければならない。特に生命力は回復できないうえ、0になると消滅してしまう。 ---イベント数が膨大で前述の特殊なステータスがあることから攻略難度が高いが、強い選手が作りやすい。 --「浜野朱里(はまのあかり)」は『10』で『大江 和那(カズ)』と紫杏のシナリオに関わった(そして彼女らを裏社会に引きずり込む事になってしまった)アンドロイド。 ---前作では悪役寄りのキャラ付けだったが、本作では民間人を巻き込む事を是としない傾向が強くなっており、戦闘力的にも旧式になりつつある状況に追い込まれてるのかしおらしくなる。ある種のツンデレでもある。 ---本作の二つの本筋の内「紫杏」に深く関わる人物。終盤では紫杏の野望によって主人公との思い出も含めた記憶を抜き取られてしまうが、その後にどうなるかは紫杏の側近である甲斐の「ロマン」を求めた行動によって変わる。その結末は多岐に分岐する。 ---『7』で彼女候補だった『芹沢 真央』や、『10』で彼女候補だったカズが再登場し、以降の作品の準レギュラーともいえるキャラになる。 ---話の主軸は『ジャジメントの超能力者達との戦い』になっており、時間制限付選択肢が絡む戦いが多いために攻略難度は高い。 --「倉刈日出子(くらがりひでこ)」は『[[5>パワプロクンポケット5]]』以来、久々の彼女キャラとしての登場。 ---彼女の父親が登場するランダムイベントの時点でエンド分岐が決まっており、攻略の進め方が大幅に変わる。 ---普段は忙しいため、&bold(){月の1週目しかまともに会話できない}という特殊な構造になっている。 ---彼女のルートは事実上、『[[6>パワプロクンポケット6]]』のしあわせ島での生活で麻薬漬けにされ記憶喪失になってホームレス化していた父親・仁志の救済話でもある。バッドエンドだと''倉刈さんが死に''、ハッピーエンドでは''倉刈さんが救われる''。 ---弟の「明」がホッパーズからナマーズにトレードされることが攻略の必須条件でもあり、''倉刈一家ルート''ともいえる。 #endregion -「魔人」に関わるシズヤ・「紫杏」とヒーロー・裏社会に関わる朱里のシナリオは評価が高く、日出子のシナリオはマシな部類とされている。 --ただし、浜野・倉刈は過去作をプレイしているかどうかで、評価が変わってくるだろう。特に朱里は『10』の頃との心情の変化が見所である。 ***裏サクセス「怪奇!ハタ人間編」 -ストーリー&br()中学生達が、宇宙人に洗脳された人々がうろつく街で脱出を目指す、学園物サバイバルRPG。 -『10』からRPG要素が強まってきた裏サクセスだが、本作からより遊びやすく進化した。 --宇宙人によって倫理観を壊され操られる「ハタ人間」との戦いは、ゾンビモノを彷彿とさせるパニックホラー風味。カニバリズムの要素もありホラー要素も多い。 --だが仲間達は「大人」を除けばみんな中学生。原作で高校生だったキャラは勿論、小学生だったキャラ(るりか)も成人扱いされてるキャラ(白瀬・エリ)もみんな中学生の同級生であり、そういったシチュエーション自体が評価されている。 --中学生の主人公はパライソタウンで仲間達を救出してハタ人間に戦いを挑むのだが、条件を満たさなければ仲間になる前にハタ人間として操られてしまい仲間に出来なくなる。 --しかし上手くやれば全員仲間にすることが出来る。やりこみ要素が大きい。 ---なお本作の主人公が中学生なのは極限状態で男女が一緒になっても間違いが起こらないようにするため。 ---余談だが本作のマイナーチェンジともいえる『12』裏は成人男性が主人公のせいか、妊娠するヒロインキャラが2人も居る(しかもそのアルバムは両立する) -ゴキブリがリアル。 -本作のカメダはハタ人間として黒幕に利用されるだけの被害者キャラ。アジトに殴り込みをかけるイベントではガンダーロボも主人公達に奪われてしまう。 --完全に黒幕としての凋落を迎えており、以後の裏サクセスでも毎回碌な目に合わなくなる。今までやらかした事を考えると同情の余地はないが。 -ストーリーは2章構成。 --第1章は10日間に仲間を救出してラスボスを倒すか、アジトに殴り込みをかければクリア。 --第2章は100階仕立てのランダム構成。こちらは永遠に遊べる。第2章のラスボスは著作権的に『[[あれ>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%82%A6%E3%82%B9]]』 でもKONAMIオリジナルキャラである……はず。 -レベルアップで得られる「スキル」がランダムで粘り要素がある。ここで廃人ゲームとも言われている。 -「パワポケオールスターでの夢の学園生活」の雰囲気は評価は高く、やりこみ要素の多いバランスも含めて本作を裏サクセス最高傑作に挙げる声もある。 --『12』の裏サクセスはマイナーチェンジながらダークファンタジー寄り、『13』の裏サクセスはペナルティの軟化によるシステムの変化と独自の進化を遂げており、こちらも評価は高い。 --表サクセスより裏サクセスを評価するプレイヤーも少なくない。 ***試合進行型育成モード「グッピー」 -新モード。「パワプロ99」の冥球島を初めとした試合のみで育成するモードのパワポケ版。 --選手の初期能力がかなり低い「グッピーズ」で戦いを挑み、試合を勝ち抜いてステータスを上げていく。選手名は毎回ランダム。 --強い選手を作れる代わりに難易度が高い「通常勝負」とイニングと最大試合数が少ない「ギリギリ勝負」がある。 --負けた時点で育成終了。3回以上勝てばその時点で負けても選手登録は可能。 -以後のシリーズでは「ロックオン」「フルダケ」などを使う事は出来るが、本作では「かけごえ」の有無しか設定できずマニュアルオンリーで勝ち進まなければいけない。上級者向けのモード。 -難易度は高いのだが、野球をするだけのモードとしては歯ごたえがあり、以後のパワポケでも標準搭載されるモードとなる(『14』では進化版のトツゲキ甲子園となる) ---- **総評  過去キャラの登場が多く、決して良い扱いばかりではなかったために歴代ファンからは賛否両論。~  過去キャラを知らない新規からは単体で完結していない点が不評。  「ホッパーズ(旧モグラーズ)から主要メンバーが引き抜かれて作られたナマーズ」による球団再編の空気感を評価する意見もあるものの、~  魔人のウザさと「野球なんてどうでもいい人々」の異能バトルの暴走っぷりが裏目に出てしまって反発意見も強くなってしまった。  一方で裏サクセスは好評。~  元から裏サクセスの方が選手を作りやすい側面はあったが、本作は特に裏を評価する意見が根強い。 ---- ---- **余談 -後の『12』『14』も本作と並び新規にはお勧めされていない。 --『12』は本作ほどではないが過去キャラの登場が多く、ストーリー・システムともに癖がある。 --『14』はシリーズ最終作のため、総まとめのような内容。 -少なくとも『10』で増えた新規層は、本作以降抜けて行ったらしく『12』と共にパワポケから離れるファンを続出させた。 --『12』と並んで未だに「シリーズ迷走期」として挙げる声も大きい問題作でもある。
#contents() ---- *パワプロクンポケット11 【ぱわぷろくんぽけっとじゅういち/いれぶん】 |ジャンル|野球バラエティ|&amazon(B001GIPGKY)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|512MbitDSカード|~| |発売元|コナミデジタルエンタテインメント|~| |開発元|コナミデジタルエンタテインメント(パワプロプロダクション)|~| |発売日|2008年12月18日|~| |定価|5,250円|~| |判定|なし|~| |ポイント|主人公に襲い掛かるウザい「魔人」&br;パワポケ世界に襲い掛かる哀れな「神条社長」&br;人を選ぶ彼女候補&br;過去作キャラの同窓会&br;ストーリー自体が賛否両論&br;やりこみ要素が強いが一方でハマる人はハマる裏サクセス|~| |>|>|CENTER:''[[パワプロクンポケットシリーズリンク>パワプロクンポケットシリーズ]]''| **概要 -本家とは似ても似つかないシナリオや彼女、サクセスで人気を集めてきた[[パワプロクンポケットシリーズ]]の12作目(『[[ダッシュ>パワポケダッシュ]]』含む)。 -キャッチコピーは『たのしさあふれるプロ野球ゲーム!』 -更に改善された野球パートに対して、お祭り化と暴走化を進める表サクセス。 -裏サクセスは学園モノ+パニックホラーのRPG。 **新要素・変更点 -野球は少しバランス調整があり、『9』ほどではないがホームランが打ちやすくなっている。 -サクセスに試合を進めて選手を育成する「グッピー」が追加された。 --このモードの調整もあってか本作に「緑髪の人」である博多氏は彼女シナリオには参加していない。 --ただし仲間キャラの柿元兄弟や羽車のイベントは描いており、そちらのシナリオの評価は高い。 -NPB12球団に在籍している実在のプロ野球選手のミニ顔が実写の着帽写真になった。元々は海外版の初搭載の要素である。 -「上下を自動的に合わせて左右だけ自分で操作する」という『ロックオン2』が本作だけ搭載。初心者向けシステム。 --『12』からはフルダケシステムが導入されたためか『ロックオン2』は本作だけのシステムになった。 -カード野球の難易度が非常に上がった。 --ルーレットが非常に早くなって目押しがやりにくくなった。 -作曲スタッフの大幅な入れ替わりがあったためか、BGMの毛色が従来と異なっている。 -Wii用ソフト『[[実況パワフルプロ野球NEXT]]』に選手データをパスワードで送れる。そちらは超特殊能力も対応してる数少ないパワプロである。 --任天堂の据え置きハードでの『パワプロ』が『NEXT』で打ち切られたため、本作がパワプロにパスワードで選手を送れる最後のパワポケという事になる。 -「俺のペナント」で好成績を上げると取得できる一部の経験値が難易度「つよい」以上で取得できるになった。(前作までは難易度「パワフル」でのみ取得可) --ただし、最優秀防御率が条件の「ノビ○」だけはバグにより''難易度「つよい」でしか取得できない''。 **表サクセス『新球団ナマーズ編』 -ストーリー&br()ジャジメントグループの日本支部長・神条紫杏が立ち上げた新球団・ジャジメントナマーズにドラフト下位ながら入団した主人公。そんなある日、キャンプ中先輩選手からもらったランプから魔人が出現。願いを三つと言われ、「1年目に1軍に昇格」「2年目で年俸5000万」「3年目にリーグ優勝」の三つを言うが、逆にそれらを自力で叶えないと死んでしまう呪いをかけられてしまう。さらに魔人も取り憑き、朝昼晩と心休まらない日々になってしまった。&br()死の呪いから逃れるため彼は新人野球選手であるにも関わらず、この困難な条件に立ち向かってゆく。 -各年ごとにクリア条件が用意されており、クリアできなければ魔人の呪いで死亡し、ゲームオーバーになってしまう。 --1年目の条件は『1軍に昇格』。監督評価を一定以上にすればクリアとなる。 --2年目の条件は『年俸5000万』。現実的には不可能な数字だが、契約更改時にインセンティブ契約を持ちかけられればクリアとなる。 --3年目の条件は『優勝』。リーグ優勝かクライマックスシリーズ優勝でクリアだが、ある方法で魔人を封印してもクリアとなる。 -「しあわせ草」がパワポケPで購入できない代わりに「追加イベント」を購入する事が出来る。 --本作の裏事情が解るイベントだが、賛否両論点の一つとなっている。 -過去作からの再登場が多いプロ野球編だが、本作はその中でも特に再登場キャラが多い。 --所属球団の「ジャジメントナマーズ」(以下ナマーズ)ではプロ野球編ではおなじみの『水木』『古沢』が監督として登場するほか、『7』の『東』や『10』の『官取』など過去の高校編の仲間キャラが再登場する。 ---ライバル球団である「大神ホッパーズ」(以下ホッパーズ)からトレードされる『天道』『アキラ』『小角』なども再登場キャラである。 ---過去作ではモブキャラだった『狩村』『木村』が顔つきで登場。特に狩村は本作の中でも重要な位置づけにあるキャラで、主人公の行動次第で結末が変わる。 ---「ナマーズ」の社長である『神条 紫杏』は『10』では彼女候補の一人であり、「ホッパーズ」の社長である『大神 博之』は過去作のプロ野球編の主力投手だった。 --過去作では味方だった『湯田』『諸星』はホッパーズの選手として再登場。諸星はホッパーズの主力選手として成長を遂げており、駄目監督に振り回されながらも大人の対応を示す。『5』の問題児だった時期や『8』の重要人物・石中学との友情を踏まえると彼の成長も熱い。 ---『10』では仲間だった「越後」もホッパーズの選手として登場。追加イベントを購入すると見れる一連のランダムイベントの発生率はかなり低く、全部見ることができたプレイヤーは少ないだろう。 --彼女シナリオについても過去作からの登場キャラが多く、彼女候補である『倉刈 日出子』『浜野 朱里』は過去作にも登場している。 --他のサブキャラについても過去作からの続投が多い。 ---そのせいか、今作では''過去作を遊んでいることを前提としたようなイベントが多い''ことがよく指摘される。 -最初に提示される話の主軸は「魔人の呪いを解くこと」であるが、終盤では「ナマーズ存続のための戦い」も主軸となる。 --ともに今までのプロ野球編の流れを組む「ナマーズ」と「ホッパーズ」との戦いは熱い。 ---その分、実在のプロ球団は空気気味である。 --主人公は魔人のせいで命を賭けてる事もあってか「3年目にリーグ優勝する事」への熱意は強く、ベテランコーチ陣やトレードされてきた仲間達といった新旧メンバーを巻き込んでいく展開は見所はある。 -表サクセスでの選手登録数が15人以上にしてある条件を満たすと、本作を含むシリーズ全体の裏事情が解る。 ---- **問題点 ***主人公を執拗に妨害する「魔人」 -『本作(11)主人公の物語』にとって最大の壁が「魔人(ジン)」である。 --元々は『[[8>パワプロクンポケット8]]』のペナントに出てきた魔人を元ネタにしていると思われるが、本作では''非常にウザい。'' --元々「願いを叶えろ」と言われて「死ぬ気で努力して自分で叶えろマジン。叶えられなければ死ねマジン」とか言い出すあたり完全に詐欺師そのものなのだが、その上で執拗な妨害を続けてくる。 -「体力とやる気を削ぐ」のは基本。「マイナスアイテムを押し付けてくる」「カゼをひかせたり不眠症にしたりする」「箱の山を崩したり階段から突き落として打ち身・腰痛にしてくる」「練習場で嫌がらせをして仲間評価・監督評価を下げる」「カレーを食わせて胃痛にしてくる」etc --&bold(){魔人に電話をした月はランダムイベントが発生しなくなる}ので、月の1週目に電話をかければ被害を抑えられるのだが、その分練習や彼女攻略に割くターンがなくなる。 --電話をして好感度を上げるとプラスイベントも発生するようになる。だが''好感度を上げきっても完全にマイナスイベントを無くす事は出来ない。'' --そのウザさは『[[3>パワプロクンポケット3]]』の亀田や『[[10>パワプロクンポケット10]]』の北乃先輩が引き合いにされるほど。 ---確実に防ぐ方法があるだけ前の2人よりはマシではあるが…。 -その上、「主人公と一部のキャラ(彼女候補の魔人娘「シズヤ」と、サブキャラのヒーロー「真央」くらい)にしか見えない」という設定のせいで、主人公が一人で抱える問題になってしまっている。 --終盤に「ジャジメントナマーズの存続」が話の主軸に食い込んでくるが、魔人とほとんどつながりがない。 --このため仲間の消滅や廃人化も含めて立ち向かった『[[4>パワプロクンポケット4]]』の呪いや『[[7>パワプロクンポケット7]]』のヒーローよりも解決した時の達成感がないという意見もある。 --裏社会に関わる神条紫杏や浜野朱里にすら見えない。ただし紫杏のイベントで見えない事を利用したセクハライベントがあったり、朱里シナリオでは敵の超能力者との戦いで結果的に主人公を援護する事が少しだけあったりする。 ---また最後はミニゲームで撃退する事も出来る。亀田殴り合いではなくタッチペンを使ったSTGなのだが。 -基本的に彼女キャラで魔人の存在が深く関わるのは「魔人を倒してほしい」という主人公の願いで具現化したシズヤのルートくらい。 --またシズヤルートでも「シズヤとばかりイチャついて自分に構ってくれない事に嫉妬した魔人が、シズヤの生命力を削って殺そうとする」などワガママ妨害し放題。 ---一応、魔人はシズヤにも友情を感じていることから、弱っていくシズヤを見て罪悪感を覚える姿は見せるのだが……。 ---シズヤルートでは魔人をミニゲームで撃破し、彼の協力を得ることで大幅にハッピーエンドの可能性が上がる。条件を満たせば魔人戦に挑む前にシズヤが魔法で援護してくれるなど熱い展開もある。 ---また「魔人END」もある。人間の欲深さへの批判も込めているが、主人公との絆もあって200年後までに別の方法を考える事になる。 ---彼のエンディングでは主人公との友情も明確に感じられ、決して後味が悪いオチではない。 -だがそれを差し引いてもあまりにもウザすぎるため、本作を何度もプレイする気力が起きないという意見も根強い。 --頻発するマイナスイベントを耐えきるのはストレスが溜まる。 ***新規に対する配慮のなさ -上述したように表サクセスは過去キャラの登場が多く、肝心な部分は『10』をプレイしていないと理解しにくい。 --「知っていればより楽しめる」ではなく「知らないと楽しめない」と感じやすく、他のナンバリングのプレイも求められる。 --魔神や一部彼女の不愉快な要素もあり、新規からの評判はかなり低い。 ***ゲームバランス -本作の彼女は攻略の進め方が特殊になっているものが多く、エンド分岐のフラグが分かりにくい。 --超特殊能力の取得もラブダイナミクスの用意が必須と言われるぐらい難易度が高い。 -裏サクセスのペナルティの厳しさ --『10』と同様にリセットペナルティなどが厳しく、立て直しが不可能になることもある。 --ペナルティはいつものことだが本作は腰を据えて遊ぶ長さなので、この問題が目立つ。 ---- **賛否両論点 ***地雷多めの「彼女候補」 -本作の彼女候補のぶっちゃけ半数以上が「地雷」要素の強いキャラとされている。 --前作の彼女候補が概ね好評であったため、特に落差が激しい。 #region(賛否が分かれやすい3人) --「室町しのぶ」はナマーズパークのマスコット・ズーコの中の人として働いている。 ---交流を始めてすぐに「付き合ってほしい」と頼まれるが、そこで彼女にすると最後の最後で''主人公を捨ててイケメンのナマピー先輩に乗り換える。'' ---彼女にするのを後で考える選択肢を取ってから好感度を上げると、主人公を選んで結ばれる……だが''ストーリーの流れは中盤で付き合った場合とあまり変わらない。'' ---グッドエンドは単体で見れば特に問題はないのだが、バッドエンドを見た後だともやもやすることだろう。 --「武内華音(たけうちかのん)」はわがままな三流ライター。記者としての腕は最悪だが、紫杏を一目見ただけで本質を見抜いたような発言をする一面もある。 ---彼女になるとやる気を削ぐ言動と行動を頻繁に行い、グッドENDでも「''ナマーズの暴露ネタを本にして華音は幸せになるけど、主人公はかつての仲間達から憎まれる(最後とはいえ仲間評価と監督評価がゼロまで下がる)''」という酷いオチが待っている。 ---義姉に『10』からサブレギュラーで登場するミーナが居て、「むしろミーナを攻略させろ」という声も多かった。ちなみにある事情により姉妹仲は良くない。原因は華音の思い込みによるものが大きく、ミーナとの和解イベントも用意されているが、&bold(){エンディングの分岐には全く影響しない}。 ---また彼女を攻略するとマイナス特能が確実につく。回避する術はない。そこも地雷キャラ扱いされる所以である。顔は可愛いものの、ハズレ彼女と言っても差し支えないだろう。グッド・バッド共に主人公が不幸という意味では、『10』の春田蘭よりひどい。 --「真島涼子(まじまりょうこ)」は主人公のファンの''ストーカー''。食べると一晩で太り、食べないと一晩で痩せるという体質の持ち主(グララフィックも変わる)。太っている時に喋らない反動からか、痩せている時の思考回路と行動はかなり危ない。 ---料理は上手く弁当の差し入れをしてくれるのだが、''汚部屋生活をしているせいで彼女の弁当を食べた主人公は何度も食中毒にあう''。 ---終盤、「私が絶対に太らない代わりに主人公は日本一になる」という約束を半ば無理矢理取り付けられて一時別れるが、その後に日本一になれないと逆恨みして付きまとい続ける。日本一になると太らなくなって結ばれるが''汚部屋生活は解決されず、主人公は彼女の部屋を片付け続ける''というオチがつく。 ---一部のイベントにランダム要素がある、グッドEDの条件が日本一になることであるなど攻略難度が高い割にいまいち恩恵が薄い。 ---野球超人伝がもらえるのはありがたいが、好感度の条件がかなり厳しくラブダイナミクスを用意するか大半をデートに費やさないと間に合わない。 #endregion -統合すると、地雷扱いされる彼女キャラが多いとも言われがちな一作。 --「グッドエンドがグッドエンドに見えない」というのが主な理由に挙げられる。 --公式のしつもんコ~ナ~では以下のようなやり取りがあった。どう捉えるかはプレイヤー次第である。 Q.彼女の性格が悪いのが多い… A.彼女たちは主人公のためにいるわけじゃないです。自分の幸せのために生きているわけです。そう考えれば、そうひどい人間じゃないと思えませんか? そんなことで女の子に絶望しないでください。 ***一部の再登場キャラの扱い #region -再登場キャラが多いというのは前述のとおりだが、ネタ度が上がったり悲惨な結末を迎えるキャラがいる。 --『官取』は一部の人にアニキと慕われる鬼鮫コーチに目を付けられる。そして''鬼鮫コーチと一緒に主人公に襲い掛かって3Pで「ソイヤソイヤソイヤソイヤソイヤ(み~みみみみ~)」を仕掛けてくる。'' --『東』は『7』の頃から傾向はあったが、本作では「やたらケガをする人」扱いされている。あまりのケガっぷりからシリーズ常連の出て来て怪我をする外人アルベルトと同列に扱われファンからは『[[スペランカー先輩>スペランカー]]』と呼ばれている。 ---『7』で彼女候補の一人だった『倉見 春香』も東の後輩としてイベントで登場。相変わらずの「○><」が可愛らしく、主人公の誕生日にプレゼントをくれたりするなど、癖が強すぎる本作候補の彼女キャラよりも可愛いという意見もあり、本作で数少ない株の上がったキャラ。 --『天道』は『10』で10主人公に負けた事を引きずって迷走して''ハゲる''。「子供の作り方がわからない」というネタでCEROに引っかかりそうな発言をして夢オチになっている。 ---この頃の10主人公は正史だと五十鈴と結婚してさやかをもうけてるはずなので、その辺のライバル心もあるのかもしれない。 ---アルバムでは当時の彼女である若菜から見捨てられてない事が判明し、彼の救いになっている。 --『アキラ』はパワーアップイベントで多額の借金を背負うことになり、父親と同じ悲惨な結末を迎えてしまう。 ---姉が彼女候補の一人になっており、こちらのグッドエンドでは少し救われる結末になっている。 --『2』では期待の新人スター選手としてライバルキャラとして立ちはだかった『小角』は本作では落ちぶれて登場する。 ---しかし、パワーアップイベントでは主人公の激励を受けてやる気を取り戻す。 --『2』の彼女候補キャラ「愛」も再登場するが、当時の童顔はどこへやら、太った食堂のおばちゃんといった風貌になっている。 ---当時コーチだった槌田と結婚しているが、&bold(){その息子は水木に凄く似ている}。 -そして本作での扱いで最も賛否両論となっているのが、本作のストーリーに深く関わっている「ナマーズ」のオーナーである&bold(){『神条 紫杏』}である。 --紫杏は元は『10』の彼女候補キャラなのだが、本作では''BADエンドルートを通ってしまった後''である。 ---『10』の紫杏BADエンドは「ジャジメントに英才教育すべく紫杏を連れ去ろうとした浜野朱里とルッカに対し、主人公とカズ(大江和那)が立ち向かうモノの紫杏を止められず彼女はジャジメントの教育を受けて、''哀れな独裁者になる''」というモノ。 ---グッドエンドルートで10主人公が紫杏を説得出来なければ今の状況になることはあり得るので、必ずしもバッドエンドルートを通った後とは言えないが、少なくとも10主人公との交流があったことは示唆されている。 ---ただし本作の紫杏は10主人公と思われる人物を「親友」と呼んでおり、10の2年目で10主人公が監督生を手伝った事があったというだけで終わってる可能性も考えられる。 ---ちなみに10の紫杏ルートで10主人公の「彼女」になるのは説得に成功した後であるが、本作では紫杏を説得出来なかった(あるいは説得阻止イベントが起こらなかった)ため彼女としての交際が10主人公とあったとは考えにくい。 --そして彼女がとる行動が次の問題に密接に関わっている。(詳細は後述) ***「表の物語」と「裏の物語」の乖離 -追加イベントを購入すると、「ナマーズ」の社長である『神条 紫杏』が裏で何をしていたのかを知ることができる。 --しかし、本作の主人公が抱える「魔人」が前述のように「主人公と一部彼女(シズヤ)の問題でしかない」ため、本作を取り巻く情勢として紫杏がかなり出張ることになる。 --本作のストーリーは&bold(){「魔人に脅かされる主人公」と「紫杏を中心とした裏抗争」が完全に分離してしまっている}のである。魔人を倒して達成感がないといわれる所以でもある。 -実質、紫杏は「''本作のストーリーにおける真の主人公''」のような扱いを受けてる事が賛否両論になった。主人公から見ればいい社長なのだが主人公の物語と殆ど関わらない事も大きい。 --新規層からは「碌でもない女」扱いされかねない行動も十分取っており、人によっては畜生キャラ扱いする人も居る。 --初登場作品から次作品にまで出張った事から、カズと並んで「''パワポケ衰退の戦犯''」として扱われる事も多い。 -ただし、「''ナマーズのオーナーとしての神条社長''」は友人だったらしい『10』主人公の影響もあってか、彼女なりに真摯に球団運営に取り組みナマーズ選手にも親身に接している事は確かである。 --モグラーズ・ホッパーズのオーナーだった任月と大神父に比べると選手に対して親身に接する。本作は系統が違う新球団ナマーズである事や本作の「評価が足りなかったらゲームオーバーに追い込む係」を魔人が請け負ってる事もあるかもしれないが。 -また、紫杏の結末は2通りあるのだが、どちらの場合でも救いがないことについても賛否両論である。 --普通に進めた場合、「ツナミグループ」を作って罪悪感に苛まれながらも世界を独裁するという結末になる。 ---なお、これには「未来に起こる世界の破滅の阻止」という目的がある。表サクセスの選手登録数が15人以上になっていれば、クリア時に詳しい事情が解る。 --ある条件を満たすと「紫杏ルート」になり友好を結ぶことが出来るのだが、&bold(){ルッカによって暗殺されてしまう}。 ---紫杏を殺したルッカは紫杏ファンから嫌われている。またルッカは紫杏への挑発のために無関係の狩村や託児所の子供達も殺してるためそれを許せないという意見もある。 --倉刈一家と並んで「''再登場したせいで不幸になった人物''」と言えよう。特に紫杏と狩村の場合、「どう足掻いても絶望」の結末しかないため救いがない。 --どちらにせよ''本作の主人公がどう足掻いてもナマーズという球団名の存亡は守れても、巨悪ツナミグループは誕生してしまう''というあまりにも後味が悪すぎる結末となってしまっている。 --次回作以降に登場するジオットの毎回のオチ含めて、本作以降は''主人公が裏の展開に直接関われない''ことが多く、何度もやり直す気になれないという意見も出ている。 ---ただ本作では救いのなかった紫杏だが、シリーズ最終作である『14』では目的が果たされ報われることになる。 -ちなみに紫杏は本作の裏サクセスでも、『10』に近い立ち位置の「委員長」として登場。そちらではキャラの名前が「委員長」として参戦。 --キャラ的には表と同じく『演じる才能』を生かして黒幕に大立ち回りをする事も多く、ストーリー的にも優遇されている。 -『決して報われない結末』という点から『ダッシュ』のキャラと絡む事が多い。 --過去に『ダッシュ』の桜の精霊である「モモコ」と出会って人生観に影響を受けた事が本作の紫杏のアルバムで判明。切ないものとなっている。 --『12』の裏サクセスでは「メモリー(わん子を元にしたキャラ)」に懐かれている。 --モモコもわん子も「主人公と結ばれなかったヒロイン」であり、本作で主人公と結ばれなかったルートが正史にされてしまった紫杏との共通項もある。 #endregion ***パワーアップキャラのトレード -本作でも仲間のパワーアップは出来るのだが、パワーアップする初期メンバーの大半は&bold(){2年目までにパワーアップさせるとトレードでホッパーズへ移籍する}。 --最後まで必ず残るのは具田と東のみ。しかも東はパワーアップさせるのがかなり難しい。 --羽車はトレードはされないが、パワーアップの有無にかかわらず引退し、3年目の試合には出なくなる。 -トレードで移籍してきた仲間をパワーアップさせなければ、相手側にパワーアップキャラがそろった状態でホッパーズと戦う羽目になる。 --しかもパワーアップの手間は過去作とさして変わらない。 ***先発要員の投手を中継ぎ・リリーフで起用してくれないCPU -本作のCPUは具田、羽車、天道、狩村といった主人公の仲間キャラも、以前の作品で強敵として立ちはだかったバルソー・大北といったキャラもなかなか使ってくれない。 --そのため、せっかくの『9』『10』のライバルキャラを自分で使えるシチュエーションがあまり生きていない。 ---監督評価を上げきれば采配を主人公に丸投げしてくれるのだが、クライマックスシリーズ以降の試合は必ず監督が采配を取るようになる。ストーリー的には頼りなかった古沢監督が頼れる監督に成長するという熱いイベントなのだが、ゲームとしてはやりづらくなってしまっている。 ---- **評価点 ***表サクセスの一部彼女のストーリー #region(概ね好評な3人の詳細) --「シズヤ」はドジっ子の魔人娘。主人公の願いによって生み出され、彼を手助けするために尽くす古風な喋り方をする人物。 ---本作の二つの本筋の内「魔人」に深く関わる彼女キャラで、魔人の協力があるとグッドエンドの確実性が増す。 ---「術レベル」と「生命力」という独自のパラメータがあり、これに気を遣いながら攻略しなければならない。特に生命力は回復できないうえ、0になると消滅してしまう。 ---イベント数が膨大で前述の特殊なステータスがあることから攻略難度が高いが、強い選手が作りやすい。 --「浜野朱里(はまのあかり)」は『10』で『大江 和那(カズ)』と紫杏のシナリオに関わった(そして彼女らを裏社会に引きずり込む事になってしまった)アンドロイド。 ---前作では悪役寄りのキャラ付けだったが、本作では民間人を巻き込む事を是としない傾向が強くなっており、戦闘力的にも旧式になりつつある状況に追い込まれてるのかしおらしくなる。ある種のツンデレでもある。 ---本作の二つの本筋の内「紫杏」に深く関わる人物。終盤では紫杏の野望によって主人公との思い出も含めた記憶を抜き取られてしまうが、その後にどうなるかは紫杏の側近である甲斐の「ロマン」を求めた行動によって変わる。その結末は多岐に分岐する。 ---『7』で彼女候補だった『芹沢 真央』や、『10』で彼女候補だったカズが再登場し、以降の作品の準レギュラーともいえるキャラになる。 ---話の主軸は『ジャジメントの超能力者達との戦い』になっており、時間制限付選択肢が絡む戦いが多いために攻略難度は高い。 --「倉刈日出子(くらがりひでこ)」は『[[5>パワプロクンポケット5]]』以来、久々の彼女キャラとしての登場。 ---彼女の父親が登場するランダムイベントの時点でエンド分岐が決まっており、攻略の進め方が大幅に変わる。 ---普段は忙しいため、&bold(){月の1週目しかまともに会話できない}という特殊な構造になっている。 ---彼女のルートは事実上、『[[6>パワプロクンポケット6]]』のしあわせ島での生活で麻薬漬けにされ記憶喪失になってホームレス化していた父親・仁志の救済話でもある。バッドエンドだと''倉刈さんが死に''、ハッピーエンドでは''倉刈さんが救われる''。 ---弟の「明」がホッパーズからナマーズにトレードされることが攻略の必須条件でもあり、''倉刈一家ルート''ともいえる。 #endregion -「魔人」に関わるシズヤ・「紫杏」とヒーロー・裏社会に関わる朱里のシナリオは評価が高く、日出子のシナリオはマシな部類とされている。 --ただし、浜野・倉刈は過去作をプレイしているかどうかで、評価が変わってくるだろう。特に朱里は『10』の頃との心情の変化が見所である。 ***裏サクセス「怪奇!ハタ人間編」 -ストーリー&br()中学生達が、宇宙人に洗脳された人々がうろつく街で脱出を目指す、学園物サバイバルRPG。 -『10』からRPG要素が強まってきた裏サクセスだが、本作からより遊びやすく進化した。 --宇宙人によって倫理観を壊され操られる「ハタ人間」との戦いは、ゾンビモノを彷彿とさせるパニックホラー風味。カニバリズムの要素もありホラー要素も多い。 --だが仲間達は「大人」を除けばみんな中学生。原作で高校生だったキャラは勿論、小学生だったキャラ(るりか)も成人扱いされてるキャラ(白瀬・エリ)もみんな中学生の同級生であり、そういったシチュエーション自体が評価されている。 --中学生の主人公はパライソタウンで仲間達を救出してハタ人間に戦いを挑むのだが、条件を満たさなければ仲間になる前にハタ人間として操られてしまい仲間に出来なくなる。 --しかし上手くやれば全員仲間にすることが出来る。やりこみ要素が大きい。 ---なお本作の主人公が中学生なのは極限状態で男女が一緒になっても間違いが起こらないようにするため。 ---余談だが本作のマイナーチェンジともいえる『12』裏は成人男性が主人公のせいか、妊娠するヒロインキャラが2人も居る(しかもそのアルバムは両立する) -ゴキブリがリアル。 -本作のカメダはハタ人間として黒幕に利用されるだけの被害者キャラ。アジトに殴り込みをかけるイベントではガンダーロボも主人公達に奪われてしまう。 --完全に黒幕としての凋落を迎えており、以後の裏サクセスでも毎回碌な目に合わなくなる。今までやらかした事を考えると同情の余地はないが。 -ストーリーは2章構成。 --第1章は10日間に仲間を救出してラスボスを倒すか、アジトに殴り込みをかければクリア。 --第2章は100階仕立てのランダム構成。こちらは永遠に遊べる。第2章のラスボスは著作権的に『[[あれ>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%82%A6%E3%82%B9]]』 でもKONAMIオリジナルキャラである……はず。 -レベルアップで得られる「スキル」がランダムで粘り要素がある。ここで廃人ゲームとも言われている。 -「パワポケオールスターでの夢の学園生活」の雰囲気は評価は高く、やりこみ要素の多いバランスも含めて本作を裏サクセス最高傑作に挙げる声もある。 --『12』の裏サクセスはマイナーチェンジながらダークファンタジー寄り、『13』の裏サクセスはペナルティの軟化によるシステムの変化と独自の進化を遂げており、こちらも評価は高い。 --表サクセスより裏サクセスを評価するプレイヤーも少なくない。 ***試合進行型育成モード「グッピー」 -新モード。「パワプロ99」の冥球島を初めとした試合のみで育成するモードのパワポケ版。 --選手の初期能力がかなり低い「グッピーズ」で戦いを挑み、試合を勝ち抜いてステータスを上げていく。選手名は毎回ランダム。 --強い選手を作れる代わりに難易度が高い「通常勝負」とイニングと最大試合数が少ない「ギリギリ勝負」がある。 --負けた時点で育成終了。3回以上勝てばその時点で負けても選手登録は可能。 -以後のシリーズでは「ロックオン」「フルダケ」などを使う事は出来るが、本作では「かけごえ」の有無しか設定できずマニュアルオンリーで勝ち進まなければいけない。上級者向けのモード。 -難易度は高いのだが、野球をするだけのモードとしては歯ごたえがあり、以後のパワポケでも標準搭載されるモードとなる(『14』では進化版のトツゲキ甲子園となる) ---- **総評  過去キャラの登場が多く、決して良い扱いばかりではなかったために歴代ファンからは賛否両論。~  過去キャラを知らない新規からは単体で完結していない点が不評。  「ホッパーズ(旧モグラーズ)から主要メンバーが引き抜かれて作られたナマーズ」による球団再編の空気感を評価する意見もあるものの、~  魔人のウザさと「野球なんてどうでもいい人々」の異能バトルの暴走っぷりが裏目に出てしまって反発意見も強くなってしまった。  一方で裏サクセスは好評。~  元から裏サクセスの方が選手を作りやすい側面はあったが、本作は特に裏を評価する意見が根強い。 ---- ---- **余談 -後の『12』『14』も本作と並び新規にはお勧めされていない。 --『12』は本作ほどではないが過去キャラの登場が多く、ストーリー・システムともに癖がある。 --『14』はシリーズ最終作のため、総まとめのような内容。 -少なくとも『10』で増えた新規層は、本作以降抜けて行ったらしく『12』と共にパワポケから離れるファンを続出させた。 --『12』と並んで未だに「シリーズ迷走期」として挙げる声も大きい問題作でもある。

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