【りゅうがごとくしっくす いのちのうた】
ジャンル | アクションアドベンチャー | ![]() |
対応機種 |
プレイステーション4 Xbox One Windows(Steam/Microsoft Store) |
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メディア | BD-ROM 1枚 | |
発売元 | セガゲームス | |
開発元 |
セガゲームス(龍が如くスタジオ) 【Win】QLOC |
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発売日 |
【PS4】2016年12月8日 【One/Win】2021年3月25日 |
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定価 |
【PS4】8,190円(税別) 【One/Win(MS Store)】2,200円(税込) 【Win(Steam)】2,180円(税込) |
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レーティング | CERO:D(17才以上対象) | |
判定 | シリーズファンから不評 | |
ポイント |
新エンジン「ドラゴンエンジン」を搭載 ボリュームは減少しバトルシステムも劣化 過去作や既存キャラを否定しかねない物語 グラフィックやシームレスな行動は進化 新キャラやモブキャラの評価は高い |
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龍が如くシリーズ |
桐生一馬伝説、最終章
『龍が如く』シリーズ第11作。第1作から主人公を務めた桐生一馬の最後の戦いを描く。前作『龍が如く 極』から1年経たずに発売された。
本シリーズは『龍が如く 維新!』以来、PS3とPS4のマルチタイトルが3作続いていたが、今作はシリーズ初のPS4独占タイトルとなった。
舞台はお馴染みの神室町と新規マップである広島・尾道仁涯町(広島県尾道市がモデル)。製作者曰く繁華街の神室町と田舎の尾道を対比にしたとのことである。
日本の田舎は数多くあるが、とりわけ尾道は「文学の街」「映画の街」とも称されるほど、舞台になる作品も多い町である。
声優も『3』で神田を演じた宮迫博之氏、力也を演じた藤原竜也氏が再び別役として呼ばれている。
さらに、『たけしの挑戦状』を作り、ゲーム史上にその名が刻まれたビートたけし氏が参加している。
ナンバリングとしては『3』以来に桐生が単独で主人公を務める。
2012年12月、桐生一馬は黒澤一派との戦いで瀕死の重症を負うもコンサートで自身の生い立ちを暴露し電撃引退した澤村遥によって病院に連れていかれる。
ほどなくして桐生の元に警察が現れ、黒澤一派との事件の首謀者として逮捕されることになる。
桐生は今後の遥やアサガオの子供たちとの生活を考え、身を洗うために逮捕を受け入れる。
2016年12月、刑期を終えた桐生はアサガオに戻るもそこに遥はいなかった。
アサガオの子供の1人である綾子によると、遥は引退騒動以降「ヤクザに育てられた娘」のレッテルを貼られ日々ゴシップ誌やネットで晒され炎上しており、みんなの迷惑にならないために3年ほど前に出ていったという。
遥の行方を探すために桐生は神室町へ行くも、神室町は1年前の亜細亜街の大火事以来中国系マフィア「祭汪会」が神室町へ進出して東城会と勢力争いを繰り広げて様変わりしていた。
またその争いは一般人の被害も多く、責任として東城会会長である堂島大吾と東城会直系真島組組長の真島吾朗が逮捕されたという。
神室町で遥の手がかりが掴めない桐生だったが、そんな時桐生の腐れ縁の刑事である伊達真から突然な電話がかかった。
「遥が轢き逃げにあった」と。
遥は神室町に来ており、つい先程轢き逃げされてしまい現在意識不明の重体だという。
そして彼女は轢かれる際に1歳弱の赤ん坊を庇っていた。
遥の持ち物を見る限りその赤ん坊の名は「澤村ハルト」
つまり、遥は子供を産んでいたのであった。
このまま遥の意識が戻らなければハルトは施設に連れていかれると桐生はハルトを誘拐同然に連れ出す。
そして遥の携帯電話を調べた結果、遥は尾道に住んでいたことが判明する。
尾道は東城会・近江連合に次ぐ極道組織「陽銘連合会」が牛耳る土地だが、危険を承知で桐生はハルトを連れて彼の父親を探すために尾道に向かうのだった。
今作は「PS4独占」ということも含めて、様々な要素が一新されている。
圧倒的なボリューム不足
「技巧」の経験値が稼ぎづらい
街の数、規模の縮小
ダッシュの仕様改悪
猫カフェ経営
ハルトあやし
バトルスタイルの減少
桐生の弱体化
敵に関する要素
着水による即死要素
武器のストック廃止
ヒートアクションの減少
アルティメットヒートモード
天啓、師匠などの強化要素の廃止
既存キャラの出番が少ない
『5』の結末の未回収
サイの花屋
遥とハルト
+ | ネタバレ注意 |
+ | ネタバレ注意 |
グラフィック
ムービーについて
BGM
ライザップ
クランクリエイター
シームレス
回復アイテム
草野球
賛否が分かれる一部俳優の演技
トラブルミッション
ミニゲーム
フルボイス
過去作オマージュ
ボス
敵体力ゲージの仕様変更
達成目録
シリーズ屈指の低難易度トロコン
街の作り込み
グラフィック
サブストーリー
スナック
カラオケ
素潜り漁
ライブチャット
モーション
食事
自動販売機
アイテム
バトル関連
キャラクター
小野ミチオ
シナリオにおける評価点
カメラ
BGM
シームレスやグラフィックなどの改良された点はあるのだが、その分ボリュームを削られ、バトルでは改悪が目立ち、3歩進んで10歩ぐらい下がっていると言わざるを得ない。
シリーズでもマルチを含めればPS4での発売は4作目になるため、新世代のハードの開発にも慣れていたはずなのだが…。
シナリオも「最終章」と宣伝した割には粗や矛盾が多く、とりわけ本作のダメな部分が尽くシリーズが着実に積み重ねてきた大事な部分を破壊する致命的なものである。
よって、内容的にはこれまで『龍が如く』を愛してきたファンが納得のいく出来とは言い難い。
特に遥に関してはシナリオの都合のしわ寄せを大きく喰らっているのは否定できない。
長年主人公を務めてきた桐生一馬の最終章と言われていたにも拘らず、『龍が如く』のファンにとっては容認しがたい、後味の悪い作品になってしまった。
スタッフもこの点に不完全燃焼を感じていたようで、彼の真の最終章は『8』で描かれることになる。
+ | 宮迫氏によるプレイ映像 |
*1 具体的には発売当時最新機種の「Xperia XZ」で、着信音の「Voices」も使用されている。
*2 神室町のバッティングセンター内に設置されているが、ただのオブジェであるため、実際にプレイすることは不可能。
*3 一応、理由は序盤の桐生のスマホから確認でき、改装工事が行われているとのこと。ただ、その設定がゲーム中に生かされることはない。
*4 奪われたスターダストを取り戻すために奮闘していることがシナリオ中盤でユウヤから語られている。語られない他のキャラクターよりかはまだマシな方である。
*5 ニューセレナのママやポケサーファイターなど一部例外あり。
*6 養子縁組の中でも孤児を引き取る条件は特に厳しいので、仮釈放中で独身かつ血縁ですらない元極道が孤児を引き取れる可能性は限りなくゼロに近い。
*7 『3』の名嘉原や『4』の城戸がこれに該当する。
*8 ただし、『極2』では少ないながら新録台詞が存在している。
*9 シナリオ担当の横山氏自身「桐生でやれるストーリーのネタは『5』で出し尽くした。『0』もまだやり残した話があるとすれば過去編くらいだ、という観点で始めた企画である」という発言を複数のインタビューで繰り返している。
*10 ファンの中には「何か事情があって遥が知人の子を自分の子として匿っているのではないか」と予想する者も少なくなかった。
*11 『1』の時点で「ソープがどんなとこか知ってる」と発言しており、当時9歳にして既に大人の世界の事情に精通している聡明な子供であった。
*12 たとえ広瀬一家を破門になったとしても、元極道には違いない。おまけに彼は中国マフィアの血縁者である。さらに中国マフィアの拠点である亜細亜街を放火して多大な恨みを買っているため、報復される可能性も高い。
*13 もっとも、余談で触れる『7外伝』発売直前のインタビューにおいて、本作プロデューサーの横山昌義氏が遥を「そういう人間」として認識していると発言したので、この解釈はあながち間違いではないのかもしれない。
*14 ただし、達川は別の意味で遥をキズモノにしている。
*15 トラブルミッションでも放火犯が2人現れるが両方とも最終的に自首するために、余計に勇太のラストに違和感を持つというユーザーもいる。
*16 一応、自身の過去や児童相談所職員の態度を鑑みての行動ではある。のちのストーリー展開を考えれば結果的にハルトの命を救った判断とも言えるのだが…。
*17 前座の小清水は1回復活するため実質2本。
*18 どちらも飛び蹴りの交錯からバトルが始まる。インテリという役柄から意図的にかぶせたオマージュと思われる。
*19 裏を返せば秘密が眠っていることを明かしているともいえるが。
*20 PS4初の『維新!』でも上層部が勝手にフルHD/60fpsの実装を告知したため、開発は非常に戸惑っていたという事情もあり、元々60fpsの予定はなかったと思われる。
*21 基本グラフィックがある地点まで進化すると途端に「気持ち悪い、不気味」と強く感じるようになる現象。
*22 プライベート時の私服。違いはタイツを着用していないことくらいである。
*23 『2』〜『5』までは松屋になっていたが、『0』以降はタイアップが切れたからか「赤牛丸」に戻っており可能となっている。しかし、『ロストジャッジメント』では吉野家になった。
*24 唯一の例外が「APAホテル」である。徹底的に破壊しても出入り禁止になることはない。もっとも、「APAホテル」は他の実名企業の店舗と違い、プレイヤーがお金を払って使用することが元からできない仕様になっている。いわゆる書き割りである。
*25 『3』『4』『5』は赤と青の2色、『0』『極』は4色。
*26 どちらも大林宣彦監督の映画。これに『さびしんぼう』を加えて尾道3部作と呼ばれる。
*27 ハン・ジュンギは銀に染めた髪と青いジャケットから、海外では『Devil May Cry』のバージルと絡めて「Korean Vergil」と呼ばれている。
*28 ただし、厳密には本作に登場した本人ではない。本作をプレイした者なら分かるが、これには『6』のストーリー展開が関係している。
*29 『6』発表当初は「峯・復活の時」というサブタイトルが検索上位にも来ていたりした。
*30 作中で死亡した男性キャラクターの葬儀を模したイベント。
*31 「組織は壊滅したから無駄ではない」とファンから考察されているが以降のシリーズからワードは登場せず不明瞭となっている。
*32 キャラクターとしては実装しているがどれも過去シリーズの題材。
*33 『JUDGE EYES』では雑誌の記事にマスコミが遥を追っている内容が書かれている。
*34 氏は現在諸事情により吉本興業を退社し、雨上がり決死隊も解散してYouTuberとして活動している。
*35 その中には過去シリーズの各々で指摘されていた問題を、伏線回収やキャラクターの掘り下げという形式で補填しているものもある。
*36 横山氏曰く、どれを選んでも正史で扱っていると明言している(つまり、現在の『龍が如く』シリーズは後述の『JUDGE EYES:死神の遺言』も合わせて異なる3つの世界線に分かれている)。
*37 海外版タイトルはナンバリングが外され、『Yakuza: Like a Dragon』となっている。
*38 配信タイトルも海外版タイトルになっているので、一部楽曲が差し替えられている点も同じ。
*39 海外版タイトルは『Like A Dragon Gaiden:The Man Who Erased His Name』とこれまでの海外版タイトルであった「YAKUZA」が外れた形となっている。