【ぜるだのでんせつ てぃあーず おぶ ざ きんぐだむ】
ジャンル | アクションアドベンチャー | ![]() |
対応機種 | Nintendo Switch | |
発売・開発元 | 任天堂 | |
発売日 | 2023年5月12日 | |
定価 |
パッケージ版: 7,920円 ダウンロード版: 7,900円 |
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プレイ人数 | 1人 | |
セーブデータ | 1個 | |
レーティング | CERO:B(12才以上対象) | |
備考 | 「The Game Awards 2023 Best Action/Adventure Game」受賞 | |
判定 | 良作 | |
ポイント |
『ブレス オブ ザ ワイルド』の続編 物語の舞台は空中から地底まで拡大 全てにおいて前作を遥かに凌ぐボリューム クラフト要素による自由度の高さ 新システムによりゲームバランスが変化 |
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ゼルダの伝説シリーズ |
翔ける、創る、紡ぐ。
果てなき冒険は、大空へ広がる。
『ゼルダの伝説』シリーズの一作であり、『ブレスオブザワイルド』の直接的な続編。
『ブレスオブザワイルド』において厄災ガノンを撃退したエンディングから数年後(*1)のハイラルが舞台となっており、リンクやゼルダはもちろん、前作の登場人物の多くも続投となっている。
前作の完成度の高さから発売前に、様々な主要メディア及びユーザーアンケートなどで「2023年最も期待されるゲーム」に選ばれるなど世界中から高い期待が寄せられ、その期待値のハードルは非常に高くなっていたが、いざ発売されるとその期待にしっかりと応える仕上がりとなっていた。
ファンからの略称は「ティアキン」や「TotK」(Tears of the Kingdom)など。
厄災ガノン討伐後幾許かの時が流れ、ハイラル王国は徐々に復興の道を歩んでいた。
しかしそんな中で突如ハイラル城の地下から、武器を朽ちさせ心身を蝕む毒の霧「瘴気」が発生し、人々の生活を脅かし始めていた。
リンクとゼルダはハイラル城の地下に瘴気の調査に向かい、その道すがらに失われたとされる古代ゾナウ文明の遺構を発見する。
そしてさらに、調査を進めた先で2人は光る右腕に抑えられた謎の禍々しいミイラを発見する。
目覚めるミイラ、壊れるマスターソード、溢れ出る瘴気。ハイラル城は宙に浮きあがり、崩落する地下でゼルダはその姿を消してしまう。
リンクは光る右腕によって引き上げられ、辺りは光に包まれていく。
光る右腕の正体とは。消えたゼルダはどこへ行ってしまったのか。目覚めたミイラは何者なのか。
リンクの冒険が再び始まろうとしている。
基本的なシステムは前作と同様であるため、前作との違いや本作からの新要素について解説する。
フィールド
破魔の祠/破魔の根
監視砦
鳥望台
洞窟/井戸
プルアパッド
「ハート」と「がんばりゲージ」
右腕の能力
武器について
隠れたコログ族
看板立て
賢者との共闘
+ | 賢者の一覧、一部ネタバレあり |
地上絵
馬宿
馬
ゾナウギア
エピソードチャレンジ
畑
リンクの家
大妖精
ポゥと魔人像
キルトンの魔物コレクション
イーガ団
モンスター
前作のモンスターの内、ガーディアン系やボス(カースガノン、厄災ガノン)を除く敵は本作にも続投している。
前作続投のモンスターの変更点は以下の通り。
+ | 追加モンスターの一覧 |
+ | ボスモンスター(ネタバレ注意) |
さらに広がったハイラルの世界
前作を超える自由度の高さ
クラフトで開ける新たな自由度
装備の選択肢が広がった
アイテムを使用した新しい戦略
前作では武器とシーカーストーンの能力の活用くらいしかなかった戦闘手段だが、本作ではスクラビルドの存在と「アイテムを投げる」アクションが加わったことにより、戦闘に使える消費アイテムが大量に追加された。
地底探索のボリュームの高さ
重厚なストーリー、魅力的なキャラ達
仲間たちと共に戦う楽しさ
モンスターの種類の増加
システムの改善
アクション面の改善
前作で利点が大きすぎると指摘があった要素の調整
相変わらず高い序盤の難易度
仲間にならないテバ
前作とのつながりが希薄
手間がかかる地底探索
マンネリ気味な洞窟
攻略自由度が高すぎて意図しないストーリースキップが起こる
+ | 隠された賢者 |
+ | マスターソード |
ゾナウギアで作れるエアロバイク
追加モンスターであるグリオーク
防具の強化素材に関する意見
マスターソードがシナリオで語られるほど強くない
+ | 最後の見せ場について(ネタバレ) |
一部機能の解放が遅い
ウルトラハンドの操作性
地上や地底と比較して空島のボリュームが薄い
祠関連のバリエーションの乏しさ
一部装備の問題点
ハイラル図鑑について
自由度が減った最終決戦への到達方法
賢者スキル
微妙にアクセスが悪くなった各拠点
存在感が非常に薄くなった馬
相変わらずデメリットの強い悪天候
4大地方のメインチャレンジ
投擲/矢へのスクラビルド時の素材選択
パラセールを持たないと進行出来ないイベントがある
ゾナウギアのバランス問題
リンクの家
空・地底まで舞台が広がり、マップが前作の2倍以上広大になっただけでなくそれに付随する収集要素とやりこみ要素も倍増している。
そのボリュームは前作『ブレスオブザワイルド』ですら比較すると中規模タイトルだと感じてしまうほど。
ウルトラハンドやスクラビルドなどの新要素によって、前作でも高かった自由度にさらに磨きがかかった。
特にウルトラハンドやスクラビルドの自由度は筆舌に尽くしがたく、「こんなことできるのかな」と思って作り上げたとしても大抵は期待に応えてくれる丁寧な作り込みには驚愕するほかない。
それでいて、ウルトラハンドやスクラビルドをフル活用しなければならないわけではなく、「プレイヤーがやりたいようにやればいい」「難しければやらなくてもいい」といった自由なプレイスタイルを阻害しない絶妙なバランスをキープしている。
やりこみ要素はもはや多すぎると言ってよい範疇に突入しているが、「やらなければいけないやりこみ要素」というものは無いので、どこまでやり込むかも含めプレイヤー次第。
ゼルダシリーズのみならず、任天堂タイトルの歴史にも深く刻まれるであろう今世代を代表する傑作に仕上がっている。
*1 具体的な年数は明言されていないが、前作で結ばれたとある夫婦に子どもが生まれており、子どもがある程度成長しているため、5年程度は経過したものとみられる。
*2 井戸自体は前作から存在していたが、中に入ることはできずただのオブジェクトであった。
*3 この場所についても前作とは変更されている。発見自体は最初から可能だが、ショートカットを開通させることができるのは神殿を1つクリアした後であるため、余程探索をしない限りは神殿クリア後の利用となる。
*4 ゲーム開始当初の体力はハート30であるのに対し、最大で40まで増やせるが、たとえハート31以上になったとしても失われた力を取り戻すという演出に変わりはない。
*5 接着した部分は緑色に光る粘土のようなゾナニウムの塊が発生する。この塊が最大21個まで同時に存在できる。新しく接着すると古い塊が消えていくため、大きな作品をいくつも同時に用意することはできない。また塊が21個ということは理論上は最大22個のオブジェクトを一つの作品にできるはずだが最大は21個までで22個目を接着しようとすると警告が発生して接着出来ない。
*6 なお、手持ちアイテムをそのままスクラビルドすることはできないので一度地面に置く必要がある。
*7 それに伴い、角が生えていたりデザインが変わっていたりする。
*8 ルビーは炎、オパールは水、トパーズは雷、サファイアは氷の属性を付与可能。また鉱石ではないが星のかけらは光を放つ効果を持っている。
*9 なお、ホラブリンというモンスターはこの性質を活かした槍+槍のスクラビルド武器をよく用いてくる。
*10 本体側はスクラビルドした時点で耐久値が加算されるのに対し、素材側は耐久値が加算されないため、大抵のケースでは素材側が先に消滅する。
*11 ソリや台車を取り付けることで盾サーフィンの滑りが強化される、炎や氷を帯びた素材を盾にくっつけると、武器ではなく盾で高温、低温環境に対応できるほか、属性特効の相手をジャストガードで耐久値を減らさず倒せる、オクタ風船やロケットを取り付ければ上空へ高く飛び上がることができる、刃物やトゲを取り付けると防御の際に反撃ダメージを与えるなど。
*12 画面に表示されているオブジェクト全て。
*13 ガード強化は盾専用の項目だが、盾をスクラビルドするとガード値の1/4が攻撃力に加算されるためと思われる。
*14 武器に使用する場合はほとんど武器が先に壊れるため素材の耐久は実質無限扱いだがこちらはゴーレムの腕の耐久が無限なので当然の措置ではある。
*15 武器、弓、盾でそれぞれ3個ずつ飾れる部屋パーツを3個購入できるので同種装備を各9個まで飾れる。
*16 あまりに不自然なせいか旅人の間でもすっかり知れわたっているようで、街道沿いの看板に注意書きがされていたりする。
*17 前作同様見える範囲のドロップアイテムの総数が20を超えると古いものから消えていく仕様なのだが、この変更によってこれが起きるケースがかなり減った。
*18 本編に登場する執事ゴーレムや精錬ゴーレムなどは事実上リンクの味方である。
*19 少し異なるが、前作から続投のモルドラジークは前作では、バクダンで誘導し、バクダンを飲み込んだタイミングで起爆することでダウンを奪うことができた。そういう意味で言うと本当に前作から続投の中ボスの戦い方を総動員する総集編のようなボスといえる。
*20 属性グリオークの時点で白銀ライネルよりもタフ。
*21 瘴気で最大ハートが減少した場合は威力が下がる。
*22 その証左として、耐久度がかなり高いハイリアの盾ですら一瞬で破壊されてしまう。
*23 灰色のハートすら残らず完全に削除される。もちろん回復手段は一切ない。
*24 ブループリントのみストーリー進行によって修得となるが、ブループリントは役立ち系であり必須の能力とまではいえない。
*25 チュートリアルの空島にもいる。
*26 例外としてブロックゴーレムはコア以外のブロックへ攻撃しても耐久値が減らない。
*27 消費量は初期がんばりゲージで3回矢を撃ってわずかにがんばりゲージが残る程度。
*28 根やイーガ団のアジトなど、光を発するものだけが見える状態である。
*29 溶岩地帯の存在と、廃坑へと導く像の形状が変化している程度。
*30 正確には奪われしゴーレムの方が体力が多いがギミックで大ダメージが与えられるため、普通に戦った上で最もタフなのはグリオークである。
*31 正確には最初の1回のみスクラビルドで耐久値が上昇する。だが、あろうことか「マスターソードが休眠から復活した際には本来までの耐久値にしか回復しない上、再度スクラビルドしても耐久値の上限が増えない状態になる」仕様があり、2回目以降は耐久値が上がらなくなってしまう。当初バグかと思われたものの、その後のバグ修正において修正がされていないことから仕様と判断されたものと思われる。
*32 角だけでもモリブリン、ホラブリン、ヒノックス、ライネルの砕角と多岐にわたり、角以外にも龍岩石や胃石、デグガーマの牙がある。さらにそこらに落ちている鉄製オブジェクトも大半が粉砕効果持ちである。
*33 ブループリントの設計図で作れる万能いかだも木の板と帆で構成されている。
*34 マップは基本的に上空から見た景色で構成されるため、山をくりぬいた地形や洞窟などの構造をマップから把握することができない。ラスボスまでの道のりもこれらと同じものになっている。
*35 ルージュは再度話しかけることでキャンセル、ユン坊はXでキャンセル、チューリはスタンバイ後一定時間経過でキャンセル。シドはキャンセル不可。
*36 馬宿ポイント3ポイントで入手できる。馬宿初来訪で1ポイント、宿泊で1ポイントなので、2回宿泊すればすぐ手に入れられるが、序盤はお金も少ないので基本的にそれほど宿泊をしないものと思われるので結果的に馬宿を3回来訪するまで入手できないケースが多い
*37 Lv3まで発動しても滑る頻度そのものが減少しただけで滑り落ちる距離、滑りで消費スタミナは据え置き。ジャンプした時は確定で滑り落ちるのはそのままである。
*38 ゾナウギアの「鏡」は太陽光を集めた強い光で敵の目をくらませることができる。
*39 そしてやはりというべきか、鏡はバッテリー消費もしなければ、盾を傷つけることもない。
*40 リンクの受けるダメージ比較で30(ハート7.5個分)。参考までにバクダン花のダメージが40(ハート10個分)+炎(ハート1.5個分)、ゾナウギアの大砲の弾のダメージが12(ハート3個分)+炎。ちなみに、前作のシーカーストーンバクダン+は24(ハート6個分)。
*41 無理に使おうとすると、ゾナウギアを起動させるためのタイマーバクダンを起動させるために弓矢を打つなどという本末転倒な事態も起こりうる。
*42 タイマーバクダンは複数発射可能な弓矢で発射することで分裂するため、発射後の爆弾をスクラビルドすることで量産ができる。これにより、ロケットとの差別化も十分可能。
*43 この時点ではマスターソードやライネルの存在、ゼルダ姫の命名の習わしについての描写などから時の勇者敗北ルートが濃厚だった。
*44 文字を抜き出したり付け足したりしているものもある。
*45 一応、前作も当初はDLCのリリース予定はなかったため、こちらも今後どうなるかはわからないが。