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プラジェーター - (2012/03/05 (月) 01:34:13) の最新版との変更点

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*PRAJATOR 【ぷらじぇーたー】 |ジャンル|格闘ATC| |対応機種|PC88mkIIFH以降| |発売・開発元|エニックス| |発売日|1989年12月| |定価|7,800円| ---- **概要 格闘アクションゲームである。PC-8801mkIIFH以降(PC88シリーズの中では高スペック)というアクションゲームをするにはスペック十分とは言えない機種で、大型キャラを動かす格闘ゲームやるのだから技術的には評価してもいいかもしれない。だが肝心のゲーム部分は微妙…。&br()そもそも本作は、当時流行ったプラレス三四郎、最近ならダンボール戦記風のゲームになるはずだった。そのゲーム性はACT&RPG&AVGという意欲的なもの。1987年末に発売のはずのそれは、スタッフ間のイザコザから、延期に継ぐ延期。ついには意欲的な要素はかなり削られ、設定まで変わってしまうありさま。結局残ったはACT要素だけとなってしまった。しかも、その残ったACT要素も、手放しで褒められるようなものではなかった。 **ストーリー 1995年、コンピューターネットワークの急激な発展はウィルスやハッカーの跋扈を招いた。それらはやがて「ラウンド・ギア」というネットワーク侵入システムを生み出す。事態を重く見た情報管理局MAIは、防衛用ラウンド・ギア「プラジェーター」を開発した。 **特徴 -元々、手の平ロボットバトルだったのだが、紆余曲折の果てに、ロボットの形をしたハッキングツール同士がネットワーク上で対戦するものに変わっていた。どっちにしてもロボット格闘アクションである。プレイ画面を静止画で見ると、よくある2D格闘ゲームのようだが、そこまでゲーム性は深くない。 -寂しい主人公機のアクション。 --主人公機の行動は四種類。前進、後退、垂直ジャンプ、しゃがみ。攻撃も四種類。立ちパンチ&キック、ジャンプキック、しゃがみキック。これが主人公機ができる全てである。必殺技なんてものはない。さらにガードもないので((まだこの頃はスト2も出ておらず、格闘ゲームはマイナージャンル。イーアルカンフーのようにガードのない格闘ゲームもあったため、格闘ゲームに必ずしもガードが付きもの、という訳でもなかった。))、敵の攻撃はかわすしかない。しかも挙動がやや重い。&br()ダメージは、根元で当たった場合と先端で当たった場合とで大きく違う。またダメージの大きい攻撃は、相手の攻撃を中断させる事ができる。 -敵の種類は様々。人型からただのボールのようなもの、地上を軽快に動くものや宙に浮きっぱなしのもの等、ロボットらしくいろいろとある。ただし、やはりマシンスペックの問題か、攻撃も動きもそうバリエーションはない。一方、デザインは悪くはない。 --本作にはテッカマンブレードなどのメカデザインをした佐山善則が参加している。 -ステージは全部で6。一つのステージには前座に2体、ボスキャラとして1体。計3体と戦う事になる。 -動きは乏しいながらも、攻略方法は敵によって考える必要はある。 --自機の動きは少ないが、だからと言って同一パターン繰り返しだけでなんとかなるという訳でもない。そういう意味では、一応格闘ゲームのゲーム性はある。&br()敵は初動のハッキリした攻撃をランダムに出す者が多い。その初動に反応して、攻撃をかわすもしくは機先を制するという事になる。またこちらの行動に合わせて攻撃してくるキャラも一部いる。それに誘いを使う場合もある。また、むやみに攻撃してくるものもいる。この手の相手にはやや待ち気味に、あるいはただ暴れで対応するようになってしまう。このゲームはノックバックがないので、当たっても押し返せないからだ。&br()一方で全体的に言えるのが、何をするにせよ自機の動きが重く、敵の動きに対応しきれなくなるのもままある点。このため、たまたま当たった、たまたまかわせたという運の面があるのも否定できない。それを期待せざる得ない相手もいる。 -ステージ終了後、ポイントが与えられ、ボディとパンチ、キックを自由に強化できる。ただ分配方はほとんど選択の余地がなく、雰囲気だけというレベル。元のRPG要素の名残りかもしれない。 -グラフィック、BGMなどはかなり高いレベル。当時のエニックスのPCゲームの品質は高く、本作も製品としての出来はいい。 **総論 PC-8801mkIIFHでスト2クラスの大型キャラを動かしたのは見事。だが、だからと言ってゲームの面白さとは別の話。むしろ低スペックのマシンでせいで、動きの乏しいキャラ同士の慎ましい格闘ゲームとなってしまっている。さらに運の要素がやや目立つのも残念な所。当初の予定通りRPGやAVG部分があれば、それらゲーム性の乏しい部分を補完できたのかもしれないが、後の祭。一方ゲーム性以外の面、メカデザインやグラフィック、BGMはかなり良くこの点は評価できる。&br()全体的に微妙な出来なゲームだが、全く遊べないという訳でもない。また、このサイズのキャラを動かすゲームは当時アーケード以外になく、単純に家庭で大型キャラを動かす喜びがあった。
*PRAJATOR 【ぷらじぇーたー】 |ジャンル|格闘ACT| |対応機種|PC-8801FH以降| |発売・開発元|エニックス| |発売日|1989年12月| |定価|7,800円| |判定|なし| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 PC向けには珍しい格闘アクションゲームである。~ PC-8801FH以降(PC-8801シリーズの中では高スペック)というアクションゲームをするにはスペック十分とは言えない機種で、大型キャラを動かしている。~ 元々、本作は発表当時流行した『プラレス三四郎』、近年なら『[[ダンボール戦機]]』風のゲームであり、ジャンルはACT&RPG&AVGという意欲的なものになるはずだった。しかし1987年末に発売予定だったものが、スタッフ間のイザコザから延期に継ぐ延期。ついには意欲的な要素はかなり削られ、設定まで変わってしまう有様((プラジェーターの設定が「ベースキットに規定のパーツを組み合わせて作成された小型ロボット」から「対コンピュータウィルス用のバーチャル戦闘兵器」に変更された。))((それに伴いサブタイトルも「マルスへの挑戦」(マルスはプラジェーター全国大会チャンピオンの少女。広告でも彼女のビジュアルを前面に押し出す構成になっていた。)から「IMAGE RANGER」に変更された。))。~ 結局残ったのはACT要素だけとなってしまった。しかも、その残ったACT要素さえ大して褒められるようなものではなかった。 --- **ストーリー 1995年、コンピューターネットワークの急激な発展はウィルスやハッカーの跋扈を招いた。~ それらはやがて「ラウンド・ギア」というネットワーク侵入システムを生み出す。~ 事態を重く見た情報管理局MAIは、防衛用ラウンド・ギア「プラジェーター」を開発したのだった。 ---- **特徴 -元々、手の平ロボットバトルだったのだが、紆余曲折の果てに、ロボットの形をしたハッキングツール同士がネットワーク上で対戦するものに変わっていた。いずれにしてもロボット格闘アクションである。プレイ画面を静止画で見ると、『イーアルカンフー』『ストリートファイター』のような、よくある1対1形式の2D格闘ゲームのようだが、そこまでゲーム性は深くない。 -主人公機の行動は四種類。前進、後退、垂直ジャンプ、しゃがみ。攻撃も四種類。立ちパンチ&キック、ジャンプキック、しゃがみキック。必殺技もガードもない((まだこの頃はストIIも出ておらず、格闘ゲームはマイナージャンル。イーアルカンフーのようにガードのない格闘ゲームもあったため、格闘ゲームに必ずしもガードが付きもの、という訳でもなかった。)) --ダメージは、根元で当たった場合と先端で当たった場合とで大きく違う。 --敵はヒットバックがないので、当たっても押し返せない。一方、自機はヒットバックもふっ飛ばしも受ける。 -敵の種類は様々。人型からただのボールのようなもの、地上を軽快に動くものや宙に浮きっぱなしのもの等、ロボットらしくいろいろとある。 -ステージは全部で6。一つのステージには前座に2体、ボスキャラとして1体。計3体と戦う事になる。 -ステージ終了後、ポイントが与えられ、ボディとパンチ、キックを自由に強化できる。 --ただ分配方はほとんど選択の余地がなく、雰囲気だけというレベル。元のRPG要素の名残りかもしれない。 ---- **評価点 -家庭で格闘ゲームができる。 --格闘ゲームとして一応遊べる。お互い動きは乏しいながらも、攻略方法は考える必要がある。 --様々な敵がいるが、初動のハッキリした攻撃を出す敵、接近戦を挑んでくる敵、ヒットアンドウェイの敵、飛び道具を使う敵など、ある程度の種類がある。攻撃ポイントがハッキリしている敵も少なくない。それに合わせ、攻撃を組み立てる事になる。敵によっては誘いが有効な場合もある。 --難易度もほどほど。 -デザインは全体的になかなかいい。 --本作にはテッカマンブレードなどのメカデザインをした佐山善則が参加している((氏が『機動警察パトレイバー』のアニメに携わっていた影響もあってか、キャラクターのコスチュームにその影響が見受けられる。))。 -グラフィック、BGMなどはかなり高いレベル。当時のエニックスのPCゲームの品質は高く、本作も製品としての出来はいい。 ---- **問題点 -寂しい主人公機のアクション。 --前述の通りできる事の限られる主人公機。さらにガードもないので、敵の攻撃はかわすしかない。しかも挙動がやや重い。 --この重い動きのため、敵に対応しきれなくなることもままある。このため、たまたま当たった・たまたまかわせたという運の面があり、それに期待せざるを得ない相手もいる。特にごり押しで対処せざるを得ない敵は、かなり運に左右される。 -敵も動きが乏しい。 --マシンスペックの問題か、攻撃も動きもそうバリエーションはない。 ---- **総評 PC-8801FHでストIIクラスの大型キャラを動かした技術は見事。~ だが、だからと言ってゲームの面白さとは別の話。むしろ低スペックのマシンでせいで、動きの乏しいキャラ同士の慎ましい格闘ゲームとなってしまっている。さらに運の要素がやや目立つのも残念な所。~ 当初の予定通りRPGやAVG部分があれば、それらゲーム性の乏しい部分を補完できたのかもしれないが、後の祭。~ 一方で、ゲーム性以外の面、メカデザインやグラフィック、BGMはかなり良くこの点は評価できる。~ 全体的に微妙な出来なゲームだが、全く遊べないという訳でもない。また、このサイズのキャラを動かすゲームは当時アーケード以外になく、単純に家庭で大型キャラを動かす喜びがあった。 ---- **余談 -本作は同社作のAVG『ザース ~人工頭脳オリオンの奪還~』に関連するシリーズ『ネクサス・リーダー・シリーズ』のひとつに数えられる作品となっている。 --シリーズとしては4部作の予定で本作は第2部に相当。ただし実際に製品化されたのは本作と第4部に相当する『ザース』のみ。

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