このページではこの項目では2004年に発売されたオリジナルのGC版と、2024年に発売されたリメイクのSwitch版を紹介します(判定は共に「 良作 」)。



ペーパーマリオRPG

【ぺーぱーまりおあーるぴーじー】

ジャンル アクションRPG
裏を見る
対応機種 ニンテンドーゲームキューブ
発売元 任天堂
開発元 インテリジェントシステムズ
発売日 2004年7月22日
定価 5,524円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 4個(使用ブロック数:17)
レーティング CERO:全年齢対象
判定 良作
ポイント 『マリオストーリー』の続編
グラフィックがより紙っぽくパワーアップ
戦闘面や移動テンポ等細かな問題点はあるが完成度は良好
マリオらしからぬ言動の多いストーリーは賛否両論
マリオシリーズ・関連作品リンク

概要

タイトルは別物だが、NINTENDO64ソフト『マリオストーリー』の正式な続編。
続編ということで、ストーリーには絡まないが、前作に登場した地名やキャラクターの名が随所に登場する。
また、前作と同様にキャラクターや仕掛けが紙のようなグラフィックで再現されている。

ちなみに仮題段階では『マリオストーリー2』『Paper Mario 2』などと、一目で続編とわかるタイトルであった。
海外名では前作の時点で既に『Paper Mario』であったため、『The Thousand-Year Door』という副題がついている。


ストーリー

ある日、マリオの家にピーチ姫から手紙が届く。

「わたしはいま、キノコ王国をめぐる旅に出ています。旅の途中、ゴロツキタウンという街で不思議な地図を手に入れました、なんと!宝の地図です。
マリオにも宝探しを手伝ってもらいたいのです。手紙に同封した地図を持って街まできてください。ゴロツキタウンの港でまってます。ピーチより」

マリオは地図を手に長い船旅を経て、遠路はるばるゴロツキタウンの港へとやってきた。…しかしピーチ姫の姿が見当たらない。
港で姫を探すうちにクリボーの女子大生、クリスチーヌに出会ったマリオは、
彼女に地図のことを話すと、彼女の恩師である考古学の権威、フランクリ先生から話を聞くことができた。

フランクリによると、伝説の宝を手にするためにはゴロツキタウン地下に存在する「1000年のトビラ」の封印を解かなければならず、 封印を解くカギとなるのが「スターストーン」と呼ばれる宝石であること、
そしてこの地図は七つのスターストーンのありかを指し示す魔法の地図だったことが判明する。

宝を追っていけばピーチ姫とめぐり会えるのでは?というフランクリの助言に従い、マリオのスターストーンを巡る冒険の幕が上がる。


特徴・評価点

システム

  • 登場人物・ステージデザイン・謎解きギミックなど、ゲームを構成するあらゆる要素において前作よりも「紙っぽさ」が増している。
    • 具体的には「マリオの体が折り紙を折るように、紙飛行機や船に変形する」、「仕掛けが動く際絵本のようにページがめくれたり、壁紙のように吹っ飛んだりする」といった具合である。
    • 前作ではただの演出に過ぎなかったキャラの「ペラペラ感」をギミックなどに反映させることで、本作ならではの独自性として確立させている。
  • 前作『マリオストーリー』同様のシンボルエンカウント型のターン制バトルRPG
    • ゲームの流れやバトルアクションなど基本的な骨組みは前作とほぼ同じであり、前作経験済のプレイヤーならば特に違和感なくプレイできる。
    • 戦闘のテンポは非常に良く、簡単な操作で様々な技を繰り出せる。
    • 技の出し方もボタン連打、スティック入力など多彩。またステージをクリアすると入手できる「スターストーン」を使ったスペシャル技も存在する。
    • 同時に前作とのストーリー的な繋がりはほとんど無いため、前作未プレイのユーザーも安心してプレイできる。
  • 新たなシステムとして「劇場システム」が上げられる。
    • 本作の戦闘パートは劇場の舞台で行われているという設定のために観客が見ており、攻撃アクションに成功する等の行為でスペシャル技を使うための「SP(スターパワー)」が増えていく。逆にアクションコマンドをミスするなど、がっかりさせるような行動を取ると観客が帰ってしまう。
    • ゲーム序盤は劇場も小さく客数も少ないが、マリオのレベルが上がるとより大きな劇場になり、観客数も増える。さらに観客にも色々な種類があり、SPを供給しなかったりマリオ目掛けて物を投げつけてくる害意を持つ客も混入する。また、一部のボスキャラはなんと観客を食べてHPを回復したり観客を使った攻撃をすることも。
      • ちなみに、観客の中には本編では登場しないヘイホーがいる他、低確率でルイージも登場する。
    • 他にも戦闘中にはステージ演出として、背景のセットが倒れたり天井から障害物が落ちてきてダメージを受けたり、ドライアイスが噴出して凍り付いたり煙幕で視界が悪くなったりするなど、劇場の小道具を意識した多彩なアクシデントが発生するようになっている。
  • 新要素「スーパーガード」「アクロバット」
    • 新たなアクション「スーパーガード」。通常のガードよりは判定が厳しいものの、成功すればダメージを0にするばかりか逆に敵に1ダメージを与えてしまうというハイリスクハイリターンなシステムである。それゆえ連続攻撃をスーパーガードしきった時の爽快感もひとしお。レッツゴージャスティーン!
      • さらに言えば、たとえラスボス戦であっても、このスーパーガードを駆使することでノーダメージクリアが可能となっている。仕様を把握すれば防御を捨てても構わない為、縛りプレイにももってこい。
    • 新要素「アクロバット」。攻撃後にタイミングよくボタンを押すと特殊な派生アクションが発生し、舞台を盛り上げそれに応じてSPが得られる。定位置に戻るまでに連続でキメることでさらに多くのSPを得られる。
  • その他の変更点
    • マリオに同行する仲間キャラにも固有のHPが設定され、戦略の組み方が変わった。
      • 仲間はHPがゼロになるとその戦闘中は使用不能。バトルを終えるとHP1の状態で復活する。またHPが少ないとマリオ同様に息切れする。
      • つまり、仲間はやられても他に交代することで継戦能力は維持でき、仮に仲間が全員力尽きてももマリオだけでも残れば戦い続けることもできる。だが、この仕様変更によってアイテム「きんきゅうキノコ」の使い勝手が悪化している(後述)。
    • マリオのレベル上限が99となり、マリオのレベルが高すぎて経験値を落とさなくなった敵との戦闘に勝利しても、1経験値だけ入手できるようになった。
      • ラスボス勝利時も経験値が1入る。あらかじめ経験値を調整すれば、ラスボス撃破後にレベルアップ画面に移ることも可能。
    • ジャンプのアクションコマンドのボタンを押すタイミングが、前作の「敵を踏む直前」から「敵を踏む瞬間」に変更された。
      • 慣れればどうと言うことは無いと思われるが、前作をやり込んだプレイヤーほど最初は違和感を覚えるかもしれない。
    • 敵がアイテムやバッジを隠し持っていることがある。
      • アイテムを持つ敵は戦闘中に使用することがあり、アイテム効果による不意の状態異常や手痛いダメージを貰う危険性があるものの、とある仲間キャラによるアイテム盗みワザによってアイテムを奪うチャンスにもなる。
    • キノピオハウスがなくなり、宿屋に変更。ハートブロック共々有料になった。料金は場所によって異なる。
      • 一般的なRPGに近い仕様になったと言える。なお、RPGでは比較的よく見られる「タダ宿」だが、本作では拠点であるゴロツキタウンすら有料であり、まともに使えるのはウーロン街の控え室のものぐらいしかなかったりする。
  • BINGO
    • 戦闘中にアクションコマンドを決めると、画面右上にキノコ・フラワー・スター・シャイン・毒キノコの絵柄がひとつづつ表示され、2つ同じ絵柄が揃っている状態でアクションコマンドを決めると「BINGO!チャレンジ」が発動。スロットリ-ルが回り出し、揃った絵柄に応じてマリオや観客数に変化が起こる。
      絵柄   観客数 回復内容 追加効果
      キノコ  全観客席の半分集客 HP全快 3ターンSP上昇量が2倍
      フラワー FP全快
      スター  SP全快
      シャイン 全観客席が満席 HP・FP・SP全快 5ターンSP上昇量が2倍
      毒キノコ 全観客が退散 HP・FP・SP半減 無し
      キノコ・フラワー・スター・シャインは観客集客と回復効果も伴いプレイヤーへの大きな有利となるものの、毒キノコだけはHP・FP・SPが半減に加え観客数強制ゼロ化という大ハズレ。
    • スロットの挙動はかなり素直で、目押しによって止めるのも難しいものではない。また、毒キノコ以外のBINGOが発生すると、数ターンの間盛り上がりが最高潮に達し、普段より得られるスターパワーが倍増する。
  • ストーリー攻略中、凄まじい数の敵キャラ(推定1000体)が大挙して登場することがある。
    • これらはハンマーなどの攻撃方法で派手に蹴散らすことができ、なかなか気持ちいい。
      • ある意味ではゲームキューブの性能を遺憾なく示す演出である。このようなシーンはほぼ全ステージに登場する。
  • ステージの合間では前作と同様ピーチパートが挿入されるほか、本作は新たにクッパを操作するクッパパートが追加された。
    • マリオが集めているお宝に興味を持ち、さらにピーチが何者かにさらわれたと知ったクッパは独自に冒険を進めていく。
      • なお、側近のカメックババは前作『マリオストーリー』から引き続き登場するが、本作が彼女の最後の出演作となってしまった。
    • 本作は敵対組織が「メガバッテン」なのもあり、無関係なクッパは完全にギャグ要員と化している。
    • ピーチ同様フィールドの探索や会話をするだけでなく、特定のパートでは「スーパークッパブラザーズ」(クッパパート)なるミニゲームがプレイできる。
      このスーパークッパブラザーズは『スーパーマリオブラザーズ』と同様に、地上、水中、城と全ての面が再現されている。『マリオ』でのスーパーキノコに相当するアイテムは肉となっており、取るとクッパが巨大化し、一番でかくなると無敵になって体当たりのみで敵や地形を粉砕できる。ちなみに残り人数が∞(無限)なので、いくらでもミスできる。
    • もちろんマリオパートでもクッパは登場する。
  • 前作で(も)留守番役だった緑のヒゲことルイージ。本作では彼もエクレア姫なる人物を救う為に冒険しており、ステージをクリアする度にゴロツキタウンで彼の話を聞く事ができる。
    • クッパパートに負けず劣らずのギャグ全開な内容で、彼の仲間達のコメントも必見。
    • ストーリー上必ず通る場所にいるので聞き逃しの心配はない。
    • 同時に旅のことを記した小説も出版されており、なんとベストセラーとなるほどの人気になっている。ゲーム内でも商品になっており、実際に購入して読むことができる。
      • ただし、話はかなり美化されているうえに、全5巻でやたら高値。しかし、ルイージとの会話では語られなかった部分が明らかになる事も…。
    • また、どうでもいいが、こちらのラスボスはクリキング(前作プロローグのボス)である*1
  • 他にも小ネタが満載で、プレイヤーを飽きさせない。
    • ゴロツキタウンのニュースを掲載する掲示板とその裏の隠しコメント、「メールじゅしんき」で受け取れる色々な人からの電子メールやニュースなど。
  • バッジの組み合わせやアクションコマンドによってかなり楽になるのだが、総合的な難易度は前作と比べるとやや上昇。
    • 特に敵の攻撃タイミングが非常に測りづらくなっており、ダメージを減らすのが難しくなった。
  • 収集要素。
    • 敵キャラのプロフィールや料理、バッジといった情報が記録されるようになった。さらに基本的に取り返しのつかない要素の無い安心仕様。

個性溢れる仲間キャラ

  • 本作では前作同様に仲間になるキャラ一人一人に個性があり、各キャラにしかできないアクション・攻撃が存在する。
    • 本作を攻略するにはギミックも戦闘も全員の力が必要で、こういったRPGにありがちな「いらないキャラ」が誰一人として存在しない。
    • 一応隠しキャラであるチュチュリーナのみは仲間にしなくてもクリア可能だが、アイテム集めなどをやるならむしろ必須である。
  • 世界各地に散らばっているシャインを集めてゴロツキタウンにいるデアール(前作では冒険のヒントを教えてくれる占い師だったが、今回は別のキャラが担当)に渡すことで、仲間のランクを上げて強化できる。HPと攻撃力が上がり、新しい技を覚える。
    • 仲間1人の強化につき、3個のシャインが必要になる。
    • ストーリーを進めれば、ある条件をこなすことでもうワンランク強化が可能になる。
  • 仲間の詳細は以下。
    + 仲間一覧 クリスチーヌ
  • 考古学者を目指すクリボーの女の子。本作のヒロイン的存在で、自己主張が強い性格。
    • 前作でいうクリオポジションで特技はクリオ同様に「ものしり」。マップ上で使えば攻略のヒントだけでなくちょっとした小ネタを喋ってくれることもある。
      • 全ての人物やフィールドに対してコメントしてくれるため、攻略中でなくても一見の価値あり。メタ発言をすることも。
    • さらに、本作のものしりはきちんと履歴が保存されており、「すべての敵キャラにものしりをする」といった遊び方も可能。戦う機会が限られている敵にものしりをしそこねた場合も、エンディング後に救済措置が用意されている。
    • 攻撃方法は頭突き。ランクが上がればマリオのレンゾクジャンプと同じ性能の技を使うこともでき、コマンド入力に成功する限り半永久的にダメージを与えることができる。
  • ノコタロウ

    • ハナハナ村に住むノコノコ、前作のカメキポジション。気弱だが決してヘタレではなく、勇気を出してマリオの冒険についていく。
      • 甲羅にこもって滑走することで遠くにあるスイッチを押すことができる。さらにボタンを押しっぱなしにすればホールドすることができ、任意のタイミングでスイッチにぶつけることができる。もちろん敵に対する先制攻撃も可能。
      • 地上の敵をまとめて攻撃する技を持っており、さらにランクが上がるとマリオのダメージをコウラで肩代わりする技や防御無視の技も覚える。空中にいる敵しかいなくても、できることが増えた。
      • 防御力が1あり、地上の敵に対してはめっぽう強いが、他のノコノコ同様空中からの攻撃を喰らうとひっくり返って一回休みになってしまう(ガードすれば防げる)。
        このため序盤のザコ相手でもクリボーなどとは相性が悪い。
      • ランクを上げてもHPがあまり伸びないのもネック。防御力でカバーしたい。

    クラウダ

    • ふしぎの森に住む雲の精霊。
      • 昔は舞台女優であり、引退後の単調な生活にはなかった刺激を求めてマリオの冒険についてきた。
      • フィールド上では強い風を吹いていろいろなものを吹き飛ばすことができる。敵に使えばしばらく動きを封じることも可能。
      • 雲でできた体を生かした体当たり攻撃や、ディープキスで相手の体力を吸い取る攻撃を使い、さらにランクが上がると回避率を上げる技が使えるようになる。
      • なお、彼女のみ本作を含むこれまでのマリオシリーズで唯一同族が未登場*2

    チビヨッシー

    • ウーロン街のホットドック屋から引き取った卵からかえった子供のヨッシー。
      • まだ生まれたばかりで名前がないため、名前はプレイヤーが自由につけることになる。ちなみに卵入手から孵化までの経過時間により身体の色と髪型が変わる。
      • 前方の敵を飲み込んで後方の敵に吐き出すことでダメージを与えたり*3、ヒップドロップでの連続攻撃の技を覚える。防御無視の飲み込みが効かない巨大なボスが弱点だが、前作のレサレサの反省か攻撃力を上げる救済措置は用意されている。
      • フィールド上では今までの作品のヨッシーと同様に乗ることができ素早く移動できる他、踏ん張りジャンプで前作のパレッタのように少し離れた足場にも移れる。
        • 後述の問題点の通り、本作は素早く移動できる「スピン」が廃止されたのでありがたい。が、ジャンプが低くなるのがネック。
      • チビヨッシーがいないと入手できないシャインや星のかけらがあるので、アイテムコンプリートには必須のキャラの1人。

    ビビアン

    • 本作の敵組織メガバッテンの配下であるカゲ三人組の末っ子。
      • ストーリーの流れで名前と体を奪われていたマリオを敵だと知らず、爆弾探しを手伝ってくれたお礼にと仲間になる。
      • 何時も姉のマジョリンから苛められていた経緯もあって、マリオが体と名前を取り戻した後もマリオの優しさに惹きつかれて仲間としてついていく。
      • フィールドでは影に身を隠し、敵の目を欺いたり仕掛けをかわしたりできる。前作のレサレサのものとほぼ同じ。ただし、隙は若干大きい。
      • 地面と繋がっているように見えるが、実際は飛行タイプであり、地震系の技は効かないし、敵がどこにいようとも攻撃が当てられる。
        また、地味に通常攻撃が「から相手を殴る」なので、FP消費なしに上部に棘がある空中の敵を唯一攻撃できる仲間*4。おまけに一定確率で火をつけて毎ターンダメージを与える。
      • ランクを上げていくと炎の魔法を使った強力な全体攻撃を覚えるので、大量の敵が出てきたときにはかなりお世話になる存在。
      • 魔女っ娘らしいかわいい外見で女性だと誤解されがちだが、実は 男性 であることが判明し物議を醸した。

    バレル

    • ゴロツキタウンに住むボム兵の元船乗り。前作のピンキーポジション。
      • 過去に自分の航海中に妻スカーレットを病でなくしたため船乗りを引退したが、彼女の遺した手紙を読み再び船乗りとして船に乗ることになった。
      • ステージ5のトロピコアイランドに行くためには彼を仲間にする必要がある。
      • フィールドで投げるとその場で歩き出し、しばらく経つと爆発。先制攻撃だけでなく高い場所にあるスイッチを押すのにも使える。また、ひび割れの壁を爆発で破壊することも可能。アイテムコンプリートには必須のキャラ。
      • 爆発の威力は戦闘でも申し分なく発揮され、最大ランクで覚える技はビビアンをも上回る火力。HPも高いためストーリー終盤でも敵の強力な攻撃に耐えてくれる頼りがいのある仲間として活躍してくれる。
      • 前作のピンキーと比べると、こちらは通常技が体当たりではなく爆発なので使い勝手が良くなっている。
      • 反面、FPの燃費も激しく初期状態では技の貧相さが目立つ。通常技の爆発では手前の敵にしか攻撃できず、時限爆弾はターン経過で爆発なので手間がかかり設置場所を誤るとこちらがダメージを受けてしまう。
      • なお、本作の敵のボム兵はノコノコ同様防御力が1あるが、ノコタロウと違いバレルは防御力0である。

    チュチュリーナ

    • 世界中のバッジを盗んでいく女怪盗のチューさん。実はゴロツキタウンのバッジ屋の店長でもある。
      • 彼女だけは特殊でストーリーではなく特定のクエストをクリアしなくては仲間にならず、ストーリーでも必須となるわけではない。
      • 女怪盗という設定通り、戦闘時に敵が所持するアイテム・バッジを奪う技*5や近くの星のかけらをサーチする能力を持つため、隠しキャラ扱いだがアイテムコンプリートには必須のキャラその3。
        • ただし、アイテムを盗む技を使うと観客が一気に減ってしまうデメリットも抱えている。やはりヒーローの泥棒行為は正義らしくないということか。
      • また、通常攻撃のビンタが前作のアカリンと同様に敵の防御力を無視してダメージを与える*6ことができたり、回復技を持っていたりと実は戦闘面でもなかなか優秀。
      • なお仲間としては隠しキャラであるが、NPCとしてはストーリー序盤から普通に出てくる。ちなみに、彼女を仲間にした状態でラスボスを倒すとエンディングも若干変化する。

音楽

  • 全体的に良質で、ボス戦のように盛り上げるところはしっかり盛り上げ、不気味なところはしっかり怖さを演出している。
    • ややテクノよりだったり、マリオらしくない堅くて重い曲など、癖が強いのは賛否が分かれるところか。
    • ちなみに作曲は前作同様『ファイアーエムブレム』シリーズでおなじみの辻横氏や『マリオ』にはなくてはならない存在となった近藤氏などといった豪華な面々。
      • 特に『ファイアーエムブレム』シリーズでの辻横氏の重厚な曲のイメージを持っている人には尚更衝撃的である。

問題点

  • 前作から移動のテンポが悪化し、辺境の土地を再訪する際もショートカットはほとんど無い。おまけに他のRPGで見られるようなワープやダンジョン内から脱出する技・アイテムの類も無い。
    • 前作同様、各ステージに通じる地下道の土管が主な移動手段となるのだが、この土管までが意外と遠い。しかも、ウーロン街とオドロン寺院に土管は通じていない。
      • ウーロン街はゴロツキタウンから直接行けるのでまだマシであるが…。
    • 前作は瞬間ダッシュに相当するアクションの「スピン」、スピンの移動距離を増やすバッジ「スーパースピーン」があり、効果の切れ目にジャンプ→再度スピンを繰り返すことで常に高い機動力で移動することが可能だったが、本作ではこの「スピン」アクションが廃止されておりマリオ1人ではダッシュすらできなくなってしまった。
      • ステージ3まで進めば、地上移動を高機動化する仲間キャラが加入するものの、騎乗時はジャンプ高度が低くなるので段差を越えられなくなる。さらに本作のストーリーはステージギミックに合わせて仲間を切り替える必要が多く、常にこの仲間を使ってダッシュするという訳にもいかない。
    • ウーロン街という街は空中に浮いている設定で、飛行船でしか訪れることができない。しかしこの飛行船、途中の航行シーンはカットできても乗り降りシーンがカットできない
      • 乗り降りシーンに割と時間がかかるうえ、このウーロン街自体がステージクリア後もお悩み依頼やシナリオ都合で何度も再訪する場所なので、更に面倒くさい。
    • ステージ7のホワイト将軍を探すイベントも上記のウーロン街を含めてあちこち(これまで立ち寄った町のほぼ全部)を行き来する必要があるため、この欠点はかなり痛い。
      • 例えるならば ドラゴンクエストIIにおけるサマルトリアの王子を仲間にするためのたらい回しイベント である。こちらは最後に居場所が分からないと出て、元の町に戻るというヒントがない分より悪質である。
      • ちなみにホワイト将軍を探すイベントは強制ではないがもう一度発生する。
      • 総じて、土管のような「一度行った場所にスムーズに行ける」ショートカットルートが各地にもう少し細かく通じていれば良かったという意見が根強い。
  • ステージ4の攻略が非常に面倒。ショートカットが無い上に距離が離れているウスグラ村とオドロン寺院を何度も往復なければならず、雑魚敵との戦闘・逃走の繰り返しにより苦しい戦いを強いられる。
    • 加えて道中には睡眠攻撃をしてくるパンジーさんや強力なチャージ攻撃をしてくるハイパー系のクリボー・シンエモンといった難敵ばかりが集団で出現するため、面倒さに歯車をかけている。前作と異なり、状態異常無効化のバッジもかなり終盤にならないと入手できない。
      本作の眠りは攻撃を受けると一定確率で解除されるため嵌められることはないのだが、パンジーさんの攻撃は避けづらいため、起きてもガードに失敗したらまた眠ってしまうこともある。
    • パンジーさんの出る場所は狭いためエンカウントを避けるのが困難。おまけに中盤・後半は序盤よりも不利な状況下で探索しなければならない。
  • テンポの悪さは移動以外の点でも目につく。
    • ナンシーに料理をしてもらう時、1回の調理に15秒ほどかかる。また、後述のアイテム所持数の少なさから、目当ての料理を作るために何度もナンシーの家とアイテムショップを往復することになる。
    • 遊技場限定通貨「モンテ」は遊技場に出入りする度に受付嬢のテレナがマリオの所有するモンテをいちいち預かったり返したりするシステムになっている。コインをモンテに変換する両替も最大で30コイン→10モンテしかなく、大量に変換するには時間がかかる。
    • ステージ攻略の途中で一度ゴロツキタウンに帰るのが大変不便。さらにステージ4~7の舞台では クリア・一区切り着くまでゴロツキタウンに引き返せなくなる 状況が立て続けに発生する。
      • バッジ購入や料理、仲間強化やパラメータ振り直しなどの重要施設は軒並みはゴロツキタウンに集中しており、一時的にこれらの施設が使用不能になる制限が、ゲーム後半は毎ステージ発生するに等しい。
  • バトル中に発生する舞台セットのアクシデントが冗長かつ、調整不足。
    • 基本的にこちらが不利になるものばかりで唐突に発生するために戦略に活かすということもできず、ただ起こった事に対して対処するしかないため面白みに欠けている。
      • 状態異常を引き起こすものが多く、ピンチの時に凍らされてしまったりすると本当にお手上げ状態。味方にだけマイナスに働くものも多いが、そもそも戦闘システム上ダメージ以外は味方へのデメリットしかない。
    • 加えて、舞台セットの仕掛けが動く瞬間はほとんどノーヒントで反応しづらい。
      • 背景のセットが倒れてくる場合は転倒前にぐらぐらと揺れているので見分けられるが、草むらくらいの高さとなるととっさの判断は難しく対応するのは困難。さらに「照明・桶・ケムシなどが突然頭上から落ちてくる」というアクシデントもあり、これらもガードは可能だが反応は非常に困難。
    • 演出の一つである「煙幕」は敵味方の攻撃が50%で外れるという効果があるが、低レベル進行でもない限り、大抵はただただ面倒くさいストレス要因にしかならない。
      • この煙幕はバレルのバクハツやアピール、クラウダのふきとばしを利用すると除去可能だが、解除した直後にまた発生する場合もある。
    • これらはボス戦だろうとお構いなく発生するため、戦略を練りながら戦うターン制バトルにおいてランダムなハプニングは相性が悪いという意見も多い。
  • 初期状態でのアイテム所持容量が10枠と少ない。
    • 前作同様にアイテムまとめ持ちといった要素は無く、少ない枠数で物資をやりくりする計画性が求められる。アクションコマンドに不慣れなプレイヤーの場合は回復アイテム消費ペースも早いため何度も物資補充に戻るケースも大いにありうる。そしてここに前述の「移動のテンポが悪い」という欠点が拍車をかける。
      • ショップでアイテムを預ってくれるサービスもあるが、倉庫の容量も32個までと少々心許ない。
    • 「100階ダンジョン」でアイテム所持枠拡張アイテムを入手することで20枠まで持てるようになるが、入手できるのは50階。難易度と共に長丁場であることも相まって早期入手は過酷な道のり。
      • 一応ステージ5クリアの適正レベル辺りから取りに行けないこともないのだが、攻略本などではステージ7辺りの戦力で回収することを推奨している。
  • おなやみセンターの依頼が全体的に面倒な内容が多い。
    • 依頼を達成すると様々な報酬を得られるのだが、基本的に依頼業務そのものが楽しい依頼は少数派であり、その多くで面倒な雑務をこなすこととなる。
    • ゴンババ城に隠れたノコノコを探す、100階ダンジョン18階で行き倒れたキノピオ救出、ギャングの抗争相手の縄張りの高い塀の上に落とした婚約指輪の捜索、ピカリーヒルズからウーロン街まで雑誌の取立て、もう一度ホワイト将軍の捜索、指定の家にある椅子の数を数える、など概ね手間のかかるお使いが多数派を占める。
    • とりわけ、「フラワーさんにウーロン街のホッドドックを届ける」という依頼は性質が悪く、1個届けた後に追加でもう1個要求してくる。依頼文にもそんなことは書いていないため、予め2個買っておかないと二度も行き来しなければならなくなる。そして2個届けた後も更に別の食べ物を要求してくる(しかもナンシーの料理で作らないとならない食べ物なのだが、作り方のヒントが無い*7)ので、厚かましい態度もあってイライラが込み上げる。
      • 達成の面倒さに対して、報酬が割に合っていない依頼も目立つ。まともな報酬が貰える依頼もあるが、そういう依頼に限って特に手間がかかる。列車内のシェフに、離れた場所に配置された3つの食材を渡して報酬コイン40枚。金持ちのボンボンが要求してくるアイテムを持って行って報酬コイン3枚*8。ウーロン街に行き、倉庫内にある選手のパンツ20枚を全て回収してゴロツキタウンに戻り処分して再びウーロン街に戻って報酬コイン30枚。これならきらめくパンジーさんでも狩りに行ったほうが遥かに得なのは言うまでもないだろう。
      • 果てには「ハンマーで叩かれて思い出した儲け話が報酬」という実質的な報酬がないものまである。
  • 総じてやり込み要素に乏しい。
    • クリア後データでも追加ダンジョンやボスといった目新しい要素が解禁されることはない。後述する100階ダンジョンも、やろうと思えば本編クリア前に制覇可能である。
      • とはいえ、前作では「クリア後」そのものがプレイできなかったのに対して、本作では本編クリア後の各人物のその後を知る事ができるなど、シナリオ面に関する補足はなされている。
      • 一応クリア後にのみ出現するおなやみセンターの依頼が3件ほどあるが、それとシナリオ補完以外にできることはいよいよもって100階ダンジョンぐらいしか残されていない。こうした状況のためにあえてラストダンジョン突入直前を最終セーブとし、クリア時のセーブをしない・データを分けるやり込み勢も多い。
    • 100階ダンジョンの制覇報酬が高難度の割にイマイチ。
      • ラスボス撃破適正レベルであれば80階付近まではなんてことはないのだが、81階以降から本編に登場しない超強敵が増加していき、91階以降に出る最強格の雑魚敵「マホマホーン」は防御力・攻撃力が非常に高く、HPやFPを消費しやすくなるため、必然的にアイテムの使用も増える*9
      • 防御も固いが体力も高く、その上外見で判別不能な分身体生成や高速で防御も難しいレーザー攻撃が猛威を振るい、極め付けにマホマホーンは集団で登場するというトラウマ雑魚敵として名高い。用意万全で挑むも、99階で断念せざるを得ないプレイヤーも出てしまう程である。
      • そして隠しボスを倒した後に貰える最後の報酬が「ダメージガエシ」という「マリオが受けた直接攻撃のダメージの半分を相手に返す」バッジ。その微妙な性能*10に加えて要求されるBPも高めで実用性に乏しく、高難度コンテンツ制覇の記念品という大役にはいささか力不足が過ぎる代物である。
    • マリオのレベルを99まで上げられるようになったが、高レベルになるときらめくパンジーさん以外の敵はスターポイントを1しか落とさなくなるため、99まで育て上げるのは苦行。
      • レベル90台程度にもなると、きらめくパンジーさんの落とすスターポイントですらわずか10ポイント程度にまで落ちてしまう。
      • その反面、育て上げられた時の達成感は大きく、100階ダンジョンをいとも簡単に踏破できるようになる。マホマホーン5体を1ターンで全滅させる事すら可能。
    • ストーリーボスや隠しボスと再戦できない。
      • マリオのレベルを99まで上げたとしても、ゲーム内の強敵はあらかた倒し尽くされていることが多く、その強さを振るうに相応しい強敵と何度も戦える機会が欲しかったというやり込み勢の意見も多い。
      • シナリオの都合上ストーリーボスと再戦できないのは仕方ないとはいえ、隠しボスに関してはストーリーに影響しない存在であることもあり、一度倒したら二度と戦えないのは少々勿体ないという意見も少なくない。
      • 上記の「ダメージガエシ」も、ゲーム中盤ならまだしも、このような状況では活躍の機会は残されていない言わざるを得ない。最強の敵を倒した後に最強の武器を貰っても意味が無いのはよくあることだが、本作の場合は特に強い武器という訳でもないのが悲しいところ。
  • 料理関係に地雷レシピが多い。
    • 正解パターンの材料が種類単位で決められているため、最下級の原料(キノコやハニーシロップなど)以外を使うと回復量が原料以下になって損をする組み合わせが多い。料理後も対応関係を残してほしかったところ。
    • さらには原料を単品調理しただけでまともな変化なのに 回復量が減少する(ついでに売値も減少) 「生パスタ(HP10・FP5回復)→スパゲティ(HP6+FP4回復)」や、2つ組み合わせて原料の片方をよこされる「じわじわキノコ+じわじわシロップ→じわじわキノコ」という明らかに損な組み合わせもある。これもレシピコンプリートのためには一度はやらなければならず、そして15秒待たされる。
  • バッジ複数装備システムの存在感が薄い。
    • 本作はアクション系バッジ等も、一部は同じものを2個以上獲得可能であり、かつ同名のバッジを複数装備すると、効果・威力が増幅されるシステムが導入されている*11
    • ところが、素直にストーリー攻略だけのプレイングでは1個しか手に入らないバッジが非常に多い(遊技場の景品以外はほぼ1~2個しか取れない)。
    • それだけならまだしも、アクション系バッジは複数装備時消費FPも増加してしまうのだがその増加量が累乗になっている。
      • 例を挙げると、消費FP2のガツーンナグーリやツギツギジャンプを3個つけた場合、技1回に対して威力は3倍になるが消費FPが8(元の4倍)も要求されてしまう。
      • 無論そこまでの高コストでは運用は極めて難しく、重ねるとしても大抵は2個がいいところ。
      • そもそも、効果が強力なものやコストパフォーマンスに優れるアクションバッジを手広く装備し攻撃手段を増やすことが推奨されるゲームバランスな中で、わざわざFP消費を重くしてまで一つのアクションを尖らせる必要性は薄い。
      • 一応、きらめくパンジーさんを逃げられる前に倒そうという場合に、ガツーンジャンプの3~4個装備が有力になるなど限定的に活躍できるケースはある。
    • 複数装備で挙動が若干変わるバッジもあり、その中でも「ピンチデマモール」の効果が2個以上では「受けるはずのダメージ数/装備数+1」に、「コインモドール」で戻ってくるコインの数が「使用したアイテムの売価の75%+5%×(装備数-1)」に変化するなど、挙動の詳細がわかりづらいものもある。
      • 遊技場の高額景品である「コインコイン」に関しては、敵が落とすコインの上限が最大32コインまでという限界が存在するため、仕様を知らないと過剰に手に入れてしまって損をする場合がある。
    • 結果的に「HP5マリオ」等特定のコンボ以外で存在感を放つ事はまず無いシステムになっている。
    • 通常プレイでは中々起こりえないが、ひそかに所持バッジは総計200個が限界という上限があり(しかも所持数は表示されないため自分で数える必要がある)、複数バッジ装備を意識しだしたプレイヤーほど注意が必要。上限の200個に達するとバッジ入手の際その場でどれかを捨てなければならない。ただし捨てたバッジはバッジ屋に数個分までは入荷されるため、貴重なバッジを捨ててしまってもいくらかは取り戻せる。
  • 複数装備が有用なバッジは軒並み追加入手の難度が高い。
    • 装備してもFPを消費せず効力を発揮するバッジ(ナイスデボウギョなど)は複数装備に有力な傾向にあるが、そういったバッジの2~3個目以降は遊技場景品でも入手できず、特定の敵からの奪取かレアドロップ頼みとなるものが大半。
    • 前作登場のBPこそ高いが「あらゆるダメージを1減らす」という強力な効果のあった「ダメージヘール」が未登場で、代わりに「防御を1上げる」「ボウギョプラス」が登場。
      • 一見同効果にも見えるが、ボウギョプラスは 防御無視攻撃に無力 という重大な欠点がある。主にカメックの魔法攻撃や炎を使った攻撃などがこれに該当するが、見た目で判別することはできない。(そして終盤や100階ダンジョン最深部には防御無視攻撃ができる敵が多いという向かい風)
    • 本作で「ダメージを減らす」(防御無視攻撃であっても軽減)効果があるバッジは「与えるダメージと受けるダメージを1減らす」ナマクラヤイバーの方であり、必要BPもかなり低い(BP2)が、攻撃力減少以前の問題として相当やりこまない*12と1つしか入手できない。
    • 100階ダンジョンの深層階にしか出現しない敵からしか入手できないバッジも多く、そういった敵からのレアドロップを狙うには絶望的な低確率になる。
      • 一応、敵がバッジを持っていなくてもチュチュリーナを用いて戦闘中にバッジを得るチャンスはあるため(入手率はドロップ率に準拠する)、十分なFPと時間があれば量産も不可能ではない。しかし、チュチュリーナによる奪取は空中やトゲの敵には通用せず、そうした敵からバッジを狙いたい場合はレアドロップしか手立てがなくなる上にそもそものドロップ率が低すぎる。

賛否両論点

世界観・ストーリー

本作最大の特徴はなんと言っても、マリオシリーズらしくないブラックかつシリアスな世界観・言動であろう。
妙にシナリオ重視で裏設定も無駄に仕込まれており、賛否分かれたり、語り草になったりと本作を語る上では絶対に外せない要素である。

  • まず最初の舞台である「ゴロツキタウン」はあちこちが荒れ放題で、中央には街のシンボルたる絞首台が堂々と鎮座している。
    • しかもオープニングイベント中会話している後ろでいきなりギャングの抗争が展開される。のっけからこれである
      • ちなみにマリオ達はもちろん誰も見向きもしない。冒頭のキノピオ曰く「この町で他の人の喧嘩に関わってたら命がいくつあっても足りないですからね」
      • さらに冒険を進めるべく、ギャングと取り引きをする事になる。
    • そしていきなりスリの被害に遭い所持金の半分を奪われる*13。さらに「親から金を盗んだ」「カードでイカサマした」などの犯罪行為・反社会的な言動、心理的恐怖を描いたシナリオなど、これまでファンシーでのほほんとしていた他のマリオシリーズと比べるとかなりハードな描写が多い。更に、道中ではマリオ達もモンスターを倒してコインを略奪するという強盗行為をすることとなる。
    • この町のおなやみセンターで受けられる依頼もブラックなものばかり。例として「特定の人物に ブツ を渡せ」「忘れてしまったお得情報を思い出すまで 自分の頭をハンマーで殴ってくれ 」等。
    • ひらがな表記にされているとはいえ、「 しぬ 」「 ころす 」などといった表現も登場する。
  • 序盤のストーリーこそ「近隣住民を恐怖に陥れるドラゴン退治」「悪の組織との戦い」など、ここまでは他のゲームでもよくある流れ。
    • だがステージ3では一転、「闘技大会に勝ち抜きながら謎の人物の指令をこなし、大会の裏にひそむ陰謀を暴く」というミステリアスな展開に。この後もステージ4で別ベクトルの恐ろしい目に遭う事となる。
    • ボスBGMも打って変わっておちゃらけた雰囲気が一切排除されており、バトル直前の流れもあって非常に緊張感漂うものとなっている。
  • ステージ1やステージ3では、「死んでたと思われていた人物がステージボスを倒したら実は生きていた/生き返った」という展開がある。
    • これ自体は「ハッピーエンドでめでたしめでたし」で終わる話なのだが、実際にはこれらのステージでは生還者以外にも 相当数の犠牲者が出ている ことは示唆されており、むしろ「犠牲者が全員生還しました」とならないことでかえってシビアさが強調されている。
      • なお、帰ってこなかった人々についてシナリオクリア後に作中で言及されることは一切ない。
  • 敵組織「メガバッテン」の首領・バツガルフ。
    • 平気で部下を使い捨て、野望の為には手段を厭わない冷酷さを持つという、ギャグ要素のない極めてシリアスな人物。彼の部下であるペケダーを始め本作の登場人物はどこか抜けた所が多いため、異彩を放っている。
      • 制作側も気にしていたのか、この点を劇中でクリスチーヌに揶揄させていたりする。
  • 主にピーチパートで描かれるピーチの活躍と「とあるキャラクター」との交流。
    • 色々と大変な目に遭いながらも、そのキャラクターと絆を深めたり時には助力を得てマリオにメールを送ったりメガバッテンの目的を探ったりするのだが、後半のある場面はこれでよく発売できたなと言いたくなる程に、かなり攻めた演出が含まれる。
      • また、さすがに全く見えないが入浴シーンも…。
    • そのキャラクターの最後は切ない幕切れとなっているが、話自体はよくまとまっており、クリア後には救いもある。また、見た目(?)が某SF映画のキャラクターにそっくりだったりする。
  • いわゆる男の娘キャラである「ビビアン」が主要キャラとして登場する。
    • ビビアンを初見で男と看破できるプレイヤーはまずおらず、性別について言及される場面もわずか2箇所のみ(ステータス画面では明記している)だが、当時としては極めて先進的な設定に*14、プレイヤーに大きな衝撃を与えた。
      + (ビビアンについて色々とネタバレ注意) ビビアンはなんと仲間になる。そして加入イベントでなんとマリオにキスをする。しかも本気で想いを寄せていたらしく、エンディングではピーチ姫の目の前でマリオに告白しかける(さすがにギリギリのところで踏みとどまったが)。これにGOサインを出した任天堂や全年齢向けと認定したCEROは病気色々と凄い。
    • いわゆるトランスジェンダー(自身の性別認識が一致していない人)というデリケートな要素ゆえか、アメリカ版とドイツ版では性別関連に言及する台詞が修正され、単に女の子として扱われている(フランス版、イタリア版、スペイン版では男の娘のまま)。
  • 他にも、ステージ3にて死にかけているキャラにハエがたかるショッキングな描写があったりする。
    • ただし本当に死亡してしまうことはなく、ちゃんとステージクリア後に回復して登場する。
  • 選択肢や行動次第で強制ゲームオーバーとなるポイントもいくつか存在する。とはいえその原因は時間制限付きの脱出に失敗したり、事前に警告されたはずの行動を取るといったプレイヤーの自業自得なものではある。
    • いずれも最終的にはHP0になった時と同じゲームオーバー画面に移行するのだが、ショッキングな演出が含まれたり、ラスボスの誘いに乗り闇落ちするという完全なバッドエンドを迎えるものもあり、良い意味でも悪い意味でもインパクトが強い。
    • ゲームオーバーにこそならないが、「ボムへいくじ*15」で不正が発覚した際も強烈な演出を見せられるため、ちょっとしたトラウマになったプレイヤーもいるかもしれない。
      • くじに挑戦できるのは1日1回まで、これは本体時計で管理されているのだが、本体時計を弄ると不正扱いとみなされ、ペナルティとして再開するには500コインもの大金を要求される。幸い、報酬へのこだわりがなければ放置してもゲームの進行に支障はない。

…これでCERO判定が全年齢対象なのだから、当時の規制の緩さがうかがえる。
前作の時点でその片鱗はあったのだが、これらの傾向は続編『スーパーペーパーマリオ』でより一層顕著になっていく。

  • ただし、散りばめられたブラックな要素を気にしなければ、基本的には勧善懲悪でわかりやすいいつものマリオである。悪役はちゃんと悪役であるし、味方サイドのキャラは一癖あるものの基本的には好感を持てるキャラで構成されている。
    • 特にステージ5のキーキャラクターであるマルコは、イヤミな金持ちさこそ散見されるものの、約束はちゃんと守るし、必要ならば大切なものでも貸してくれるし、ステージのクライマックスではビビりながらも伝説の海賊相手に硬軟混ぜた交渉を持ちかけマリオたちのピンチを救うなど、サブキャラながらなかなか印象に残る活躍を見せてくれる。

ゲームシステム

  • 一部の雑魚敵が鬼畜
    • ステージ2:ふしぎの森に出現する「シンエモン」は固い(防御力2)上にトゲを持つため(初遭遇する時期では)ジャンプやハンマーではダメージを与えられない。倒す際にはFPを消費して威力の高いハンマー技を使う、デッカクドッカンを使う、攻撃アイテムを使う、スーパーガードでダメージを与える、強化したノコタロウで攻撃するなどの必要があり、序盤に出現する雑魚敵にしては対処が面倒。
      • マリオのFPを育成していないとFP消費のハンマー技に頼るのは厳しく、加えてシンエモン戦の為のFP温存が必要になる。デッカクドッカンはスターパワーを2つ消費するのでこの時期では気軽に使えるものではない。攻撃アイテムに頼るならここの為だけに攻撃アイテムを複数持っていく事になる。といったように、この敵がいる事でふしぎの森の難易度が高くなっている。最終的にはバトルから逃げるのが最善という場面もあるだろう。
    • ステージ4:ウスグラの道でエンカウントすると、稀に「きらめくパンジーさん」が出現することがある。防御力1で高確率で逃走する代わりに倒すと大量のスターポイントが入るという『ドラゴンクエスト』シリーズのメタルスライム的ポジションの敵だが、ボス並みのHPとボス含め全ての敵を遥かに上回る攻撃力を持っており、逃げなかった場合はむしろ逆にこちらがやられかねない初見殺しとなっている。
      • 少なくとも初遭遇する時期で被害なく倒しきるのは困難。居座って暴れ出す可能性を考慮するなら、こちらも逃げた方が安定となる。
      • 加えて、ウスグラの道は道幅がかなり狭くエンカウントを回避するのが難しい。その上ストーリーの都合で何度も往復させられるため、一度は遭遇してしまう可能性が高い。
    • ステージ6:リバーサイド駅では「パタトゲメット」が出現する。この敵は上方向にトゲがあり、さらに空中を飛んでいるので通常のジャンプやハンマーが通用しない。火属性や爆発を無効化する上、固い(防御力4)のでダメージを与える手段がかなり限られている。
      • 攻撃系のスペシャル技や攻撃アイテムを使えば倒せるが、上記のシンエモンのようにこの雑魚敵の為だけに重いコストを支払ったり多数のアイテムを持ち込む必要が出てきてしまう。面倒であればやはり逃げるという手もあるが。
      • トゲを持つ敵を踏めるようになるバッジ「トゲーヲガード」があれば簡単に倒せるようになるが、ここより前のステージにある。リバーサイド駅攻略中は他のステージに行けないため、取り忘れていたらどうしようもない。
      • これらの事からトゲーヲガードをあらかじめ手に入れたか否かでパタトゲメット戦やリバーサイド駅の難易度が変化してしまう。
        ちなみに固い(防御力4)点はこいつらに似通っているが「全身トゲだらけで頭上はもちろん横も接近した時点で阻止・炎属性無効」という凶悪な構成の「トゲダルマー」という敵は、図鑑では雑魚枠にあるにもかかわらず、スタッフが自重したのかイベント戦でたった2回*16しか出てこない。 こいつらも自重してほしかった…
  • バトルにおける「にげる」
    • 前作同様、逃げるとコインを数枚フィールドに落としてしまうデメリットがあるのだが、本作では上記のシンエモン・きらめくパンジーさん・パタトゲメットなどのような場合によっては逃げざるを得ない相手も多いため、前作より不便さを感じさせる。
    • 一応、所持コインをあまり持っていなければ大したデメリットにはならない。逃げた相手に接触してしまうリスクはあるものの、落としたコインを拾い直すことも可能ではある。
  • バトルにおける観客の仕様について
    • バトル中に居座っている観客によって有利不利が起きやすい。
      • ヘイホーはたまに舞台でハプニングを起こし、良くも悪くも舞台を引っ掻き回す。
      • 観客としてのヘビーボムは自爆をする場合があり、もし自爆をしてしまうと観客の数が減ってしまう。
    • 一部のボス敵は観客を減らしてくる。
      • ゴンババなどの一部のボス敵はバトルの途中で観客を減らす行動に出る。それ自体は演出の意味もあるので一概に問題点とは言えないがその際はスターパワーを貯められないor溜められるスターパワーが減っている状態でバトルする事になる。
  • 一部のアイテムショップ
    • とある隠しアイテムショップ
      • 実は本作にはとある場所に「スイトルチュルル」や「ミニミニくん」などのアイテムを売っている隠しショップが存在する。
      • しかし、このアイテムショップを隠しショップにする必然性が感じられず、ただショップを利用する機会を奪っているだけとなっている。プレイヤーによっては存在すら気づかず本編をクリアすることも考えられる。
      • この隠しアイテムショップの存在は、ストーリーを進めると送られるとあるメールにも載っている。だがそのメールは隠しアイテムショップがあるステージの攻略後に送られるので、今更感が強め。
    • トロピコアイランドのアイテムショップのラインナップ
      • トロピコアイランドのアイテムショップには「ファイアフラワー」と「ハニーシロップ」が売っている。
      • しかし、前のステージであるウスグラ村では、ファイアフラワーの上位の攻撃アイテムであるかみなりドッカンとハニーシロップの上位互換であるメイプルシロップが売られている。何故このタイミングで下位のアイテムを売っているのかと考えさせられる。しかも次のステージの海賊の洞窟にいるエルモスとバブル、この2種の雑魚敵はファイアフラワーの攻撃を受けても回復してさらに数を増やしてしまうので、なおさら売っているアイテムがファイアフラワーである必要性が感じられない。
      • 一方で、このアイテムショップと上記の隠しアイテムショップ双方で売っている「こおりのいぶき」はトロピコアイランド・海賊の洞窟攻略時に使い所はある。
    • 100階ダンジョンでは1桁目が0の階層(地下100階を除く)にはダマスが登場することがある。
      • しかし、登場自体はランダムな上、出現する場所が地下深くであるほど売り物の値段が高くなる仕様*17がある。さらに売り物は最高品(スーパーキノコ・メイプルシロップ・かみなりドッカン)でもステージ4までのアイテムショップで売っている程度のものなので、地下深くを攻略するようになっていくと物足りなさを感じやすい。ある程度は回復ポイント代わりになるかもしれないが。
  • 本作の伝説として語り草なゲームバランス崩壊テクニック「HP5マリオ」
    • ゲーム後半まで進めると解放されるレベーラの能力調整屋でマリオの最大HPを5に下げ、マリオがピンチ状態〈HP5以下〉の時に攻撃力が2上がるバッジ「ピンチデガンバル」を複数装備するというテクニック。
    • ピンチデガンバルは遊技場の「ゴールドカード」入手で景品に並ぶため、最速で実行できるのはステージ6クリア後。
    • 最大HPを5にする事でHP全快時でも常にピンチ状態となり、ピンチデガンバルの効果も常時発動。マリオの攻撃力を高い状態で維持することができる。
    • ピンチデガンバルの装備数が多いほど攻撃力上昇量も重複し、与ダメージ99まで引き上げることが可能。
    • 「HP5」マリオ状態で行うバッジ技の全体攻撃技やレンゾクジャンプは強力無比であり、あらゆるボスを初手で沈める常軌を逸したダメージを叩き出す。さらにトゲーヲガード・アイスノチカーラ(どちらも一部の敵に反撃される事なく攻撃できるようになるバッジ)を装備する事で攻撃が通じる敵を増やせる。
    • 敵の行動を許せばマリオが倒れやすい絶大なリスクを抱えるものの、上級者であれば上記の高い攻撃力・強力なバッジ技で敵が動く前に殲滅し続けることは難しくない。
    • また、最大HPが低い弱点も他のピンチ時に効果を発揮する「ピンチデラッキー」などのバッジやきんきゅうキノコの複数所持などでカバーすることも可能。
    • これらの事情から「HP5マリオ」は否定的なプレイヤーもいる一方で、この禁断の力に魅入られた多くプレイヤーが実行し、本作を代表するバランスブレイクテクニックとして語り草となった。
      • しかし、マリオのレベルが72に上がると、FP・BPが最大な上でHPが成長してしまうためHP5の維持が不可能となる。
      • なお、「最大HP5」という数値は最も快適に運用できる条件というだけの話であり、レベルが72以上となった後でも、事前にHPを減らす手間を惜しまないのであれば、この禁断の攻撃力はいつでも引き出せる。
      • 量産機会が限定的だが、「モロハノヤイバー」複数装備で最大HP量を問わず上記に似た使用感を再現することも可能。

総評

マリオらしくないシリアスなストーリー・キャラクターなどの異彩を放つ要素により、コアなファンを獲得すると同時に、マリオシリーズの中でもとりわけ異色の存在となった。

トゲのある世界観は人によって好みが分かれやすく、移動のテンポの悪さ・舞台演出によるプレイヤーへのストレス仕様、バッジゲー化の加速をはじめ劣化も目立つ戦闘面など、無視できない問題点もある。

とはいえ、より紙っぽさが増したグラフィックやストーリーをはじめ、完成度はそれなりに高い。今までと違うマリオを体験してみたい人には大いに勧められる作品となっている。


余談

  • ガンダムシリーズのシャアに似たパロディキャラが登場する。シャアの有名なセリフをそのまま使用することもある。
  • 欧州版では、マリオが片腕を掲げて喋るグラフィックがなぜかカットされている。日本版・北米版では多くの箇所で見られるモーションだが、一切使用されていない。
    • 一説によれば「ナチスの敬礼ポーズを連想させるから」とのことらしい。
    • 担当者がデリケートな人物だったのか、本作のローカライズはこれ以外にも細かい改変が非常に多い。
  • 「Nintendo Direct 2023.9.14」において、本作のNintendo Switchでのリメイク版が発売予定であることが発表され、2024年5月23日に発売された。
    • 前作にあたる『マリオストーリー』はリメイクされていないが、そちらは『NINTENDO 64 Nintendo Switch Online』でどうぞというところだろうか。
    • 原作のCERO判定は全年齢対象(現在のA相当)であったが、リメイク版は B(12歳以上対象) になっており、マリオシリーズとしては『スーパーマリオ オデッセイ』に続く2作目のCERO:B作品となった。
      • 本作は前述のとおり過激なネタが多いので、『オデッセイ』よりはユーザーからも納得する意見が多い。むしろ CERO:A(全年齢対象) で通ってしまった『ペーパーマリオ オリガミキング』を引き合いに出す声も。
      • 一方で、北米のESRBはEVERYONE(6歳以上対象)、欧州のPEGIは7(7歳以上対象)*18となっており、『オデッセイ』と同様に海外の方が対象年齢が低い。

ペーパーマリオRPG (Switch)

【ぺーぱーまりおあーるぴーじー】

ジャンル アクションRPG
対応機種 Nintendo Switch
発売元 任天堂
開発元 インテリジェントシステムズ
発売日 2024年5月23日
定価(税10%込) 6,578円(パッケージ版)
6,500円(ダウンロード版)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:B(12才以上対象)
判定 良作
ポイント 当時の雰囲気のままより遊びやすくなった
裏ボス追加以外の追加要素は少なめ

概要 (Switch)

『ペーパーマリオRPG』(以下「GC版」と表記)のリメイク作品。
約半年前に発売された『スーパーマリオRPG』のリメイクと同様、GC版の雰囲気を残しつつ細かい仕様の改善や裏ボスの追加などが行われている。


追加・変更点 (Switch)

便利なシステムの追加

  • フィールドを散策しているときにZLボタンを押すことで「なかまヒント」が発生し、すべての仲間から冒険のヒントを聞けるようになった。
    • 基本的には「~へ向かおう」「~を倒そう」などどの仲間でも同じ内容のセリフになるが、キャラ固有のアクションが必要な場面では、該当キャラを出していなくてもそのキャラが自分のアクションを使うよう勧告してくる。
    • クリスチーヌのフィールド技の重要度が若干減少したものの、もともとGC版の時点でも上級者であれば不要だったので、大した問題ではない。
  • フィールド上でYボタンを押すと「なかまリング」が出現し、素早く仲間を切り替えられるようになった。
  • 「ものしりリスト」をバトル中に何度でも確認できるようになった。
  • 一度見たイベントムービーなら、移動中のムービー、料理中の待機時間、細かいところでは宿屋に泊まる演出までボタン1つでスキップできるようになった。
  • メニュー欄に、現在受注している依頼の内容やミステールの占いの内容を確認できる項目が追加された。

バトルたつじん

  • 各街に「バトルたつじん」のキノピオが追加されており、バトルに関する練習を行える。
    • FPを一切消費しない上、アクロバットのタイミングも目視できるようになるため、利便性が高い。アクションを失敗した際には、ボタン入力のタイミングが早かったか・遅かったかを教えてくれる。
    • ただし、どれだけダメージを与えられるかは教えてくれない。
    • また、アクションコマンドの難易度を変える「カンタンニナール」「ムズカシクナール」は無効になる。
    • ちなみに練習に使われる「いたクリボー」はしっかりとものしりリストに載るので、リストをコンプリートするには最低一度は練習する必要がある(バトルたつじん本人と直接戦える機会はない)。
  • バトルの練習以外にも、バトルに関するヒケツを教えてもらえる。こちらはシナリオが進むたびに項目が増えていく。

チューロック

  • おなやみセンターにチューさんの「チューロック」が新登場。コインを支払うことで、現在受注している依頼のヒントを聞けるようになる。利用してもペナルティなどはない、純粋なお助け要素。
    • 例としては「しょくざいを とどけて!」では必要なアイテムの場所を明確に教えてくれたり、「ルイージさんに あいたい!」では必要な「エムブレームL」の場所とそれを使用することを示唆するヒントをもらうことができる。
    • ただし、話しかけるだけで達成可能な依頼などは、具体的なヒントを与えてくれない。

マップ移動・ワープ関連

  • ゴロツキタウンの地下のあちこちに点在していたワープドカンが1つの部屋にまとめられた。
    • ワープドカンはスターストーンを手に入れて次の目的地が地図に記された後に部屋を訪れることで解禁されていく。
      • そのため、GC版ではハンマーを強化するまで使えなかったドカンがより早い段階で使えるようになっている。
    • この部屋にはGC版には存在しなかった「ウーロン街」「ウスグラ村」「サイハテ村」につながるドカンも存在している。「なんで空中にドカンがつながるんだ?」とか言ってはいけない。『スーパーマリオブラザーズ』の時点でそうだったし。
    • この部屋の他にも、GC版で要望が多かった「ウスグラ村」と「オドロン寺院」をつなぐドカンが用意されているなど、移動に関するストレスを軽減する配慮がされている。
  • チビヨッシーに乗ったまま住民と会話したり扉を開閉したりする事が出来るようになった。
    • ただし扉の開閉時には一旦降りることにはなる。
  • 100階ダンジョンにおいて、一度100階まで到達して生還すると、500コインを支払うことで50階から挑戦できるようになった。
    • おなやみセンターの依頼などで攻略する際に一気にスキップしたい状況もあるので、一度踏破した後でもちゃんと存在意義がある。
  • ステージ6クリア後、ゴロツキタウンからピカリーヒルズの区間を、リバーサイド駅を経ずに直接行けるようになった。
    • 基本的にはゴロツキタウン地下のワープ土管で物足りるが、アイテムの収集や特定のキャラの依頼をこなす時には何かと便利だったりする。

ゆうぎ場関連

  • スロットマシンが『スーパーマリオブラザーズ3』の絵合わせミニゲームに近いデザインになった。
    • リールの速度が遅いが一度に賭けるモンテが少ない台と、リールの速度が速く一度に賭けるモンテが多い台があり、総じてGC版よりは稼ぎにくくなっている。
    • GC版ではリールが揃うとモンテを拾って回収する手間があったが、本作では直接所持モンテに加算されるようになった。
  • メンバーズカードで遊べるゲームによる取得モンテの量が全体的に増えた。
    • 代わりにボートモードゲームは難易度が上がっており、2周回る仕様となった他2周目は水流が早くなり、障害物に当たると取得モンテが減るといったペナルティが存在する。
  • モンテの交換の選択肢に「150コイン→50モンテ」が追加された。
  • 景品の交換レートはほとんどがGC版より値上がりしている。
  • GC版ではマリオがゆうぎ場を出入りする度に受付嬢テレサのテレナが所持モンテを預かったり渡したりするモーションが存在していたが、リメイク版ではオミットされている。

BGM・効果音関連

  • BGMはすべて新規アレンジ。一部のボス戦やイベントでは完全新規のBGMが用意されている。通常戦闘BGMに至ってはステージごとに違ったアレンジがされている。
    • 戦闘で長考している時にはベース音のみに切り替わる仕様も追加されている。
    • 『マリオストーリー』や後続の作品の様に、先制攻撃を仕掛けたり受けてしまった場合は出だしの部分にアレンジがかかるようになった。
  • 「ナツメーロ」という新規バッジを身に着けると、BGMがGC版のものに差し替えられる。ただし、新曲が流れる場面では一部を除いて新曲が優先される。
    • バッジを付けていると、後述のサウンドギャラリーでGC版のBGMを自由に聞くことが可能である。ただし極一部のBGMはサウンドギャラリーしか聞けないものも存在する。
    • この「ナツメーロ」というバッジはバッジ屋の初期のラインナップである上に価格も非常に安く、消費BPも0であるため、バッジ屋の開店と同時に購入して最初からGC版の曲を楽しむことができる。
    • BGMだけではなく、謎を解いた時や仲間が加入した時などに流れる短めのサウンドも切り替わる。ただしこちらはサウンドギャラリーでは聞けない。
  • キャラクターが喋るときに発生する効果音はGC版ではすべて同じだったが、本作ではキャラによって変化するようになった。

ゲームオーバー時の選択肢

  • GC版ではゲームオーバーになったらタイトル画面直行だったが、本作では「ゲームオーバーになる直前からやり直す」選択肢も追加された。
    • 具体的には、ゲームオーバーになったフロアに入った直後まで巻き戻される。
    • この変更点のおかげで、GC版では一度負けたら最初からやり直しの100階ダンジョンの難易度が大幅に緩和されたほか、バッジドロップを狙ってわざとゲームオーバーになるという裏技的なテクニックも編み出された。
    • 直前の場面だけではなく、最終セーブからの再開も用意されており、ゲームオーバー時のリトライも簡単になった。

レンゾクジャンプ・れんぞくずつきの難易度上昇

  • この2つの技のアクションコマンドのうち、4の倍数の回数の時だけアクションコマンド成功の猶予がわずか1フレーム(約0.016秒)と、極端に短くなった。
    • そのため、後述の「HP5マリオ」も相対的に弱体化している。

隠しボスの追加

  • 本作には隠しボスが2体追加されている。いずれもGC版の時点で存在していたキャラであり、ラスボスや元々いた隠しボスに勝るとも劣らない強敵となっている。
    • なおこの2体は一度倒した後も何度でも再戦可能。初めて撃破した時はそれぞれ新規の勲章系アイテムをもらえる。
+ 隠しボスその1。ネタバレ注意

コブロン

  • ペーパーマリオシリーズ(主に初期)の永遠の犠牲者であったコブロンが、本作においてついに逆襲をする立場と化した。
    • コブロンが二度と出現しなくなるまで攻撃し続け、一度100階ダンジョンの裏ボスとラスボスを倒した後に特定のメールを受信すると、再度100階ダンジョンの最下層に訪れた時にコブロンが出現。クリスチーヌからは「絶対にたたいたりしちゃダメ!」とネタ振り警告されるが、無視して攻撃するとバトルに突入する。
    • 見た目や喋り方こそこれまでと変わらないが、こちらが攻撃するたびにタンコブを落とし、このタンコブを使って強烈なダメージを与えたり自分を回復したりとかなり個性的なボスとなっている*19。果ては自分の攻撃で自傷してタンコブを出すという奇抜な行動をとることも。
      • 特に危険なのが時々出てくる赤いタンコブで、攻撃に使えば25ダメージ、回復に使えば75回復と、どちらに転んでも痛すぎる。
    • GC版ではコブロンをすべて撃退した後のセリフにトラウマを覚えたプレイヤーもいた(なお本作ではこの時のセリフが変更されている)が、本作ではあまりの強さに別の意味でトラウマを覚えたプレイヤーもいるとか。
    • 再戦で倒した場合は回復アイテムのタンコブを貰える。GC版だと入手数に限りがあったアイテムだが、本作では無限に手に入るようになった。いちいち100階ダンジョンを下りなおす手間に見合うかはさておき。
    • ちなみに『マリオストーリー』の没データの中にはコブロンと戦うものが存在しており、それが正式に採用された形と言える。
+ 隠しボスその2。ネタバレ注意

プリンス・マッシュ

  • ウーロン街にある闘技場の元チャンピオンのキノピオだが、GC版では戦う機会が一切なく、ステージ3クリア後も「修行するために旅立った」と説明され、一切姿を見せることはなかった。 忘れた頃にクイズでネタにされるが。
    • 本作ではステージ3クリア後に特定のおなやみセンターの依頼をクリアして、その後に届く2つのメールを見た後、闘技場のエキシビションマッチで戦うことができるようになる。
    • 防御力は(アイアンシンエモンを除けば)トップクラス。初期は動き方によってジャンプ系の攻撃・殴るタイプの攻撃いずれかが効かない状態になるので、見極めが必要。さらに常時爆発無効であるため、バレルとはかなり相性が悪い。
    • 攻撃パターンも単純なものではなく、FPにもダメージを与える攻撃や、チャージからの攻撃をビビアンの「カゲがくれ」などで回避しようとすると、更にチャージを重ねて回避を無駄にさせられることもある。
    • ある程度削るとパワーアップ状態になり、攻撃が苛烈になるうえにこちらからの攻撃は一切効かないというチート並の強さになり、更に削ると3人に影分身して攻撃回数を増やしてくる。全体攻撃などで早急に分身を除去しないと非常に危険。
    • 「ものしり」でほのめかされるが、彼の攻撃をスーパーガードで防ぐと体勢を崩し、防御力が一時的に0になる。さらに属性攻撃・爆発攻撃への耐性や上記の無敵状態も解除される。スーパーガードを安定して出す必要があるため、まさにプレイヤーの手腕が問われる。
    • ちなみに戦闘のコンセプトが「スーパーガードをいかに成功させられるか」となっているためか、接触した際にダメージを与えるバッジや技は一切効かず、状態異常も全て無効化される。
      • ただし「しかえしのこな」や「ダメージガエシ」を使った場合は連続攻撃が1回で止まるので、スーパーガードに失敗した保険として一応無駄にはならない。跳び蹴りによるFP減少も無くせるので覚えておいて損は無い。
    • 一方で、バツガルフ等のように低確率で「イチゲキコロリ」が効くといった仕様があるので、守りを固めながら連発するのもあり。
    • なお、本編においてもラスボス戦でマリオたちに声援を送る場面で登場するようになり、出番が少し増えている。
    • 余談だが、ストーリー上で戦えるキノピオは、『マリオストーリー』のシショーに続いて二人目となっている(前述したバトルたつじんはあくまで練習、かつ本人と直接戦うわけではないのでノーカウント)。

バッジ関連の仕様変更

  • 「イツーモゲンキ(P)」の効果が「『ビリビリーン』以外によるビリビリと重ねがけ可能、かつ氷漬けや炎状態にならない」効果が追加されて強化された。
  • 「ヤッツケアタック」のBPが1から0に減少した。クリア済みのステージを進む際などに楽になるバッジなので、ありがたい変更。
  • バッジによる技「ハンマーナゲール」の効果が「場所問わず、相手1体に防御力無視のダメージを与える」効果に変わった。代わりに威力が通常のハンマー攻撃より低く調整された。
  • 「フラワスイトール」の名称が「フラワースイトール」に変更された。効果そのものは変更されていない。
  • 「ナイスデボウギョ(P)」が、防御力を無視する攻撃に対して効果を発揮しなくなった。
    • そのため、受けるダメージそのものを1減らせる「ナマクラヤイバー(P)」の価値が相対的に高まったが、攻撃力も1減るデメリットや複数入手が困難な点はGC版から変わっていない。
  • バッジ屋で管理する在庫が、GC版では無限だったが、本作では1種類につき3個のみまでとなっている。
  • 店頭に並んでいるもの以外のバッジを買いたい場合、GC版では店長に話しかける必要があったが、今作では棚の右にある箱を調べると購入できるようになっている。

先制攻撃の仕様変更

  • リメイク前ではどの敵でも攻撃を受けると相手の先制攻撃を受ける形でバトルに入ったが、本作では飛び道具を使って攻撃する物*20に対してはバトルに入らず直接ダメージを受けるようになった。
    • その時のダメージはバトル中の仕様と同じであるため、「ボウギョプラス」や「ナマクラヤイバー」でダメージを減らせるが、ダメージを全く受けない状態にしていてもノックバックは発生する。
    • これらの攻撃は「センセイサレナイ」でも防げなくなったため、「センセイサレナイ」は弱体化したと言える。
    • もちろん、この攻撃を受けてHPが0になればゲームオーバーになってしまう。「HP5マリオ」のリスクも大きくなる。
    • バレルが攻撃態勢に入っている時に敵から攻撃を食らうとバレルの攻撃がキャンセルされる。
  • ノコタロウがフィールドで攻撃する際に、リメイク前ではホールド状態や甲羅が返ってくる際にも攻撃判定があったが、本作ではそれが無くなっている。
    • クルリンジャンプも似たような理由で、空中で一回転している時や着地した直後に発生する攻撃判定が消えている。
    • かいてんハンマー・ウルトラハンマーは壁や障害に近すぎるとハンマーが当たってしまい、不発するようになった。

各種コンプリート報酬の追加

  • 本作ではバッジリスト・おりょうりリスト・ものしりリストをそれぞれ完成させることで、リストに応じた勲章系のアイテムを貰えるようになった。
    + 更にそれら3つのリストをすべて完成させると……?
  • ゴロツキタウン広場で新規バッジ「キンピカール」が手に入り、それを装備するとマリオが文字通り金ピカになる。
    • このバッジ自体が完全クリアの証のようなものなので、見た目が変わること以外に何もないが、ヒコーキモードやボートモードの白い部分も金ピカになるので、これを装備して世界中を回ってみるのも面白い。
    • 一部リストを埋めるためにはラスボスを倒すことが前提となっているため、このバッジを装備してラスボスと戦うことはできない。
    • ちなみに「エムブレーム」系統のバッジより優先度が高く、「エムブレームL」を必要とする特定の依頼では併用するとクリア扱いにならない仕様となっている。
  • 各ステージ内で手に入るほしのかけらとシャインを全て集めることで、そのステージの設定資料などをまとめたアートギャラリー、そのステージで使われたBGMが聴けるサウンドギャラリーが解放される。
    • ほしのかけらとシャインの取り逃しは、GC版同様ミステールの占いで教えてもらえるほか、全体マップで地名にカーソルを合わせることで、パーセント表記で取り逃しが確認できる。
    • なお、ギャラリー内の一部コンテンツはエンディング後に解放される。
  • おなやみセンターの依頼に関してはGC版と同様、すべて達成しても報酬はないので、一部に関しては無視できる点もGC版と変わっていない。

料理・レシピ関連

  • 一部のレシピに調整がかかり、GC海外版に近いものとなった(完全に同じではない)。
    • 特にGC版で有能だった「どくキノコ(じわじわキノコ+イレカエール)」+「イレカエール」=「ウルトラキノコ」が「キノコ」に変更されたり、「きんきゅうキノコ」のレシピが全て廃止となっている。
    • 一方で、GC日本版のみ存在していた「かみなりゴロゴロ」+「かみなりドッカン」=「しれんのナベ」は本作でも健在*21。そのため、本作でも簡単にHP5マリオの態勢に入れる。
  • 新たな料理として「カラリーナドッグ」が追加されている。GC版ではとある依頼中のセリフで言及されていただけの料理で、レシピもそのセリフ通りのものになっている。
  • 依頼などで料理を経ずに直接手に入れた場合でもおりょうりリストに載るようになり、リスト埋めが簡単になった。
  • ナンシーが料理を作るときの演出が短くなった。前述のとおり、1度見た後ならスキップも可能である。
    • この影響で、調理中のBGM(ナンシーさんのレッツクッキング!)は前述の「ナツメーロ」のBGM切り替えに対応していない。サウンドギャラリーにはGC版も収録されているため、そちらから聴ける。
    • なお、このBGMはGC版では別の場面でも流れていたが、本作では該当箇所のBGMも新曲に変更されている。

一部の表現変更

  • 基本的にセリフや看板等のテキスト、キャラクター等のデザインはGC版を踏襲しているが、ごく一部は表現が変更されている。シナリオの大筋には一切影響していない。
    • GC版では発売する地域によって一部表現に差異があったが、それらも特定の表現に統一されている。
+ 変更内容の詳細
  • ビビアンを男として表現するセリフが、性別をぼかすような表現に変更されている。逆にビビアンが自分の性別を明かす新規セリフが1か所追加された。→参考記事
    • 昨今のLGBT問題に配慮したと思われる。なお「ビビアンが男」という設定自体はGC日本版から変更なし。GC版は一部地域では女性扱いだったが、本作では全世界で男性扱いで統一されている。
  • マリオが片手を上げてリアクションするモーションが削除され、代わりにプレイヤー側を向かずにサムズアップをするモーションと両手の手のひらを水平に広げるモーションが追加された。
    • なお片手を上げるモーションはGC欧州版の時点で「ナチスの敬礼を連想させる」という理由で変更されている。
  • ウーロン街のホットドッグ屋の店長の名前が「ミスター・チン」から「ミスター・チンミ」に変わっており、アイテムショップの店長共々言葉遣いが中華風から変更されている。
  • ゴールド・ホークの二つ名が「人間原子力はつでんしょ」から「金色の ぼうそうはつでんき」に変更された。
    • こちらは現実の原発事故に配慮したと思われる。
  • ゴロツキタウンの遊技場やショップにいるバニーテレサが、GC海外版と同様に猫耳カチューシャを付けたテレサに変更された。
  • 最序盤の水兵のボムへいのセリフや、アイアンシンエモンとの戦闘前のやり取りなど、物騒・下品な単語は別の言い回しに変更されている。
    • ただし、一部キャラの「し(死)」に関するセリフは変更されていない。
  • バトル中や一部イベントで表示されるABXYボタンの表記が全て色付きの丸型に変更された(GC版では実際のボタンと同じ形)。
    • 各ボタンの色はスーパーファミコンのコントローラーのものと同じという細かいネタがある。
  • ステージ3で死にかけているキャラの周りを飛んでいたハエが削除された。
  • スタッフロールは完全に別物となり、GC版ではパレード風の演出だったが、本作では舞台上の寸劇やカーテンコールのような内容になった。
    • スタッフロールで流れるBGMも完全新規となったが、「ナツメーロ」を装備してサウンドギャラリーを開けばGC版のBGMも聞けるようになっている。

システム関連

  • デフォルトのアイテム所持数が10個から15個に増えた。特定アイテム入手による拡張後の最大所持数は20個のまま。
  • コインを持てる限界が999枚から1桁増えて9999枚になった。
    • また、ボスを倒したときや100階ダンジョンの敵を倒したときにボーナスとしていくらかコインをもらえるようになった。
    • 敵がドロップするコインが99コインまでになり、「コインコイン」を過剰に装備しても恩恵を受けられるようになった。
  • GC版では戦闘で逃げる際にコインを落としていたが、本作では落とさなくなった。
    • その代わりに、逃げ続けていると逃げ始めのバーの長さが短くなり、逃げにくくなる。
    • 逃げるのに失敗するとバーの長さは長くなっていく。
  • バトル中に舞台装置が発動された後に、黒いヘイホーが舞台袖に上がって舞台装置を元に戻す演出が追加された。舞台裏で作業する「黒子」のイメージである。
    • また、舞台装置によるダメージは防御力を無視するようになった。
  • GC版で問題視されていた「霧」の仕様変更がされ、味方のみ・敵のみ・全体の3パターンに増加した。味方だけに発生する頻度が多く、純粋なお助け要素として機能することが多くなった。
  • マリオがレベルアップする際、GC版では戦闘に出ている仲間しかHPが回復しなかったが、今作では仲間全員が回復するようになった。
  • セーブデータ新規作成の際にファイル名をつけられなくなった。
  • セーブする際に確認のウィンドウが出なくなり、セーブブロックを叩いた時点でセーブされる。ステージクリア時の跨ぎも自動セーブになった。

その他

  • ふしぎの森や海賊の洞窟に、それぞれ行商人のダマスや黄色キノピオが追加され、アイテムの手配がしやすくなった。
    • 前者は中ボスであるカゲ三人組や大樹の中のお店である「プーニンのお店」が見つからないときの配慮、後者は「きんきゅうキノコ」などの有能なアイテムの補充が行える。
    • ただし、アイテムの売却や預かり所の利用などはできない。
    • また、GC版ではノーヒントで見つけにくかった大樹内のアイテムショップに矢印によるヒントが追加され、かつその付近を通ると仲間が話すようになり行きやすくなった。
  • とうぎ場で「エキシビションマッチ」を行う事ができ、好きな相手と自由に戦えるようになった。
    • 「アイアンシンエモン」等、ステージ3のみに登場する敵はフランクリ先生の家のゴミ箱による補填が効かず、一度「ものしり」をし忘れると回収が面倒であったが、「エキシビションマッチ」の登場で「ものしり」のし忘れのリスクが減った。
    • ステージ3の進行中でもGC版では戦うのが面倒であった、バサバサのポグが率いる「ナイトウィングス」や「ヒンニャーハンニャー」と戦うことが簡単になった。特に前者はステージ4で出てくる敵のため、スターポイント稼ぎとしても利用できる。ただし、ステージ3終了後にはいずれもいなくなってしまうのは変わらない。
      • なお、ポグはこれっきり会えなくなるのは変わらないが、ラスボス戦時のマリオを応援してくれる人物として登場する。
    • 「エキシビションマッチ」の追加もあってか、チャンピオン防衛戦以外での試合でランクが下がることはなくなった。
  • アクロバットや一部敵の耐性などは海外版を基にしている。
    • ジャンプに2回目のアクロバットが追加されていたり、連続で決めて初めてアクロバットになるワザは1つずつ判定されるようになっている。
    • バレルの「じげんバクダン」「ふれたらドカン」、チュチュリーナの「チュードロボー」にアクロバットコマンドが追加された。特に後者はアクロバットを決めると観客の減りを抑えることができる。
    • 地味に「ヤミトゲダルマー」に対して炎属性の攻撃が効かなくなっている。下位種の「トゲダルマー」やGC海外版では無効だったので、GC日本版のみ炎が効く設定はミスと考えられている。
  • 防御の仕様変更
    • ガード・スーパーガードをすると、一瞬だけそのポーズをとるようになった。これにより、ガードに対する猶予時間を目視できるようになった。
    • 日本GC版では一部攻撃にはスーパーガードを行えなかったが、海外版のようにほぼ全ての攻撃に対してスーパーガードが有効になっている。
  • 「きんきゅうキノコ」の仕様変更
    • フィールドで水や穴に落ちる、トラップに引っかかるなどでHPが0になった際にこのアイテムを持っていると、HPを回復してゲームオーバーを回避できるようになった。
    • 「きんきゅうキノコ」の消費は戦闘中同様に強制のため、温存しておくことはできない。
  • RTA界隈で有名だった「フランクリ連れ歩きバグ」など、GC版にあったバグはすべて修正されている。
    • 逆に本作でのみ発生するバグもあるのだが、意図的に狙わなければ発生しないものなので、詳細は省略する。

評価点 (Switch)

向上したグラフィックと表現力の追加

  • グラフィックに関しては特に光の表現がかなりリアルになり、反射や照り返しも現実さながらの描写になった。
    • ゴンババ登場シーンや、メガバッテンのアジトが分かりやすい。
  • ほぼすべてのキャラクターに後ろ姿が用意されていたり、ハンマーでたたいた時の反応が追加されている。
    • 特に仲間に関しては表情の差分が多くなり、各所で様々な反応を取ってくれるようになった。
    • セリフ部分にも追加があり、リメイク前ではダマスから物を買っても買わなくても同じ反応をとるが、今作では購入すると「いい買い物をしましたね」と喜んでくれるようになった。
  • BGMもSwitch向けにブラッシュアップされただけでなく、多くのイベントやボス戦に新規BGMが設定されており、音楽方面でも強化されている。
    • ステージ2以降の通常戦闘BGMも薄暗い森や南国、雪原など多種多様なステージに合った大幅なアレンジが加えられたことで、新鮮な気持ちでバトルに臨める。
    • そのうえボス戦含むほとんどの戦闘BGMは勝利した際に新規アウトロが流れるため、強敵などに勝利した余韻に浸れるのも嬉しい。
      • 惜しむらくは、サウンドギャラリーではアウトロが聴けないところか。

GC版からのテンポ改善・ストレス軽減

  • 「なかまリング」の追加により、多くの仲間を切り替える必要がある場面でもスムーズに進行できるようになった。
  • ワープドカンがまとめられた点も、単純にマップ間の行き来がかなり楽になっただけでなく、たらい回しイベントにかかるストレスも若干軽減された。
  • なかまヒントが追加されたことにより、「何をすればいいか分からない」という事態はまず起こらなくなった。
    • 純粋に仲間のセリフ量が増えたことで「仲間と旅をしている」という雰囲気も強化され、特定のシーンで仲間ごとに反応が違うこともあるため、GC版を完全制覇したプレイヤーも使う価値はあるだろう。
  • 他にも前述したゲームオーバー時のコンティニューやイベントのスキップ機能など、細かい点で遊びやすさが改善されている。

収集要素の追加

  • アートギャラリーとサウンドギャラリーの追加より、ほしのかけらやシャインを集める必要が生まれた。
    • アートギャラリーでは設定画やコンセプトアートなど様々な所を細かく見ることができ、世界観をより知れるようになった。
    • サウンドギャラリーに関しても、新曲・アレンジ曲問わずどこでも好きな時に聞けるため、純粋なサウンドプレイヤーとして楽しめる。
      • 「ナツメーロ」のバッジをつければGC版の原曲も聞くことができるため、両方の聴き比べやオリジナル版が好みだったプレイヤーにも嬉しいところ。ただGC版⇔Switch版の切り替えにバッジの付け外しの手間がいる点はやや人を選ぶ。
  • バッジなどのリストを埋めた時にもらえる各勲章系アイテムの登場により、リストを埋める必要性が生まれ、プレイヤーの自己満足にとどまらない純粋なやりこみ要素となった。

追加ボスの存在

  • 片方は意外な存在で、もう片方はGC版でバトルできなかったのを惜しまれていた存在であり、どちらもGC版プレイヤーから好評を博した。
    • 戦い方もキャラの特徴を生かした独自性の強いものになっており、その強さも相まって印象に残りやすい。

賛否両論点 (Switch)

良くも悪くもオリジナルに忠実なリメイク

  • 若干の表現変更はあれど、基本的にはGC版と同じシナリオやバトルを楽しめる。
    • シナリオに関しては冒頭のゴロツキタウンをはじめとしてマリオシリーズらしからぬ独特の雰囲気が元々賛否両論ではあったが、下手に改編しなかった点は評価できるだろう。
      • 当然少々過激な描写もほぼそのまま残ったせいか、マリオシリーズでは珍しいCERO:B(12歳以上対象)となってしまったが。
    • ゴロツキタウンの絞首台、のっけから始まる抗争といった規制がかかってもおかしくない箇所もほぼそのまま。
    • GC版から話題になったピーチパートのとある場面も、セリフは少々変更されたが演出はむしろ強化されている。
    • スーパーシール』以降は開発時に設けられた縛り(詳細は『スーパーシール』の記事の余談を参照)によって登場しなくなった「既存のマリオキャラをベースにしたネームドキャラ」も、全員GC版のままの設定で登場する。
      • 『スーパーシール』以降の作風の変化に戸惑っていたシリーズファンにとっては重要な要素だろう。今後はこの縛りにとらわれない完全新作も期待される。
  • しかし逆に言えば、細かい仕様変更や隠しボスの追加以外は、GC版とあまり変わり映えがない。
    • 作中でネタにされたルイージ側の冒険や『ペーパールイージRPG』など、各種の追加要素を期待した人もいるが、残念ながら一切追加されなかった(現状大型アップデートやDLCの予定もない)。
    • ミニゲームとしてもやや面白みがあった『スーパークッパブラザーズ』もごく短い期間中でしかプレイできないのも変わらない。
    • ゼルダの伝説 夢をみる島』や『スーパーマリオRPG』のSwitchリメイクなどもそうだが、原作を忠実に再現することを目的としたリメイク作品にはほぼ確実について回る不満点となっている。

100階ダンジョンについて

  • 100階ダンジョンでランダムに出現するダマスは、GC版では回復アイテムのラインナップが貧弱だったが、本作では上級の回復アイテムを売ってくれるようになった。しかしどの階層で出現してもGC版での最高価格で売るようになった。
    • 特に「かみなりドッカン」は非常に高く、状況によってはパタトゲメットに対応できなくなってしまう場合もある。
  • 戦闘BGMが豊富に用意されているが、100階ダンジョンでは終始1曲で固定となっている。通常戦闘曲は9種類と豊富に用意されているため、階層によって分けてもよかったと思われる。一応ナツメーロによる原曲への切り替えは可能なので、その分はマシとなっているのだが。
    • なお、100階ダンジョン自体では中継地点、後半で微妙に異なるアレンジがかかる。

ほとんど調整の入っていないムキムキボディ

  • ステージ3クリア後に習得するこのスペシャル技は、GC版から調整が入って出現する矢印の色に偏りが無くなったり攻撃力と防御力の上昇がそれぞれ+5までとなったものの、本質である手頃なコストでのステータス強化というコンセプトは全く変わっていない。
    • そもそも撃ち漏らしがなければ+5まで上がる前に打ち止めとなることがほとんどなので、頭打ち自体ほとんど意味を成していないのだが。

「HP5マリオ」の存在とチビヨッシーの再評価

  • 鍵である「ピンチデガンバル」の量産は面倒になったが、「HP5マリオ」自体は健在で、本作でも非常に強力。
    • レンゾクジャンプに弱体化のメスは入ったものの、それでも上記の隠しボスですら簡単に倒せてしまう。
    • 一方で連続攻撃主体のチビヨッシーには調整は入っておらず、「チャージP」や「ムキムキボディ」で攻撃力を上げたり、HP1、FP0になる「しれんのナベ」を使って強引にピンチ・キケン状態にして疑似的なHP5マリオの再現をすることもできる。
      • 「HP1チビヨッシー」の発想自体はGC版からあったものの、リメイクにあたってレンゾクジャンプが弱体化したことで相対的に強化されたと言える。
  • ただしムキムキボディとHP5マリオについては、GC版の時点で救済要素的な側面もあったため、下手に弱体化させすぎても問題となっただろう。

問題点 (Switch)

未読のメッセージに対して、ボタンを押しても一括で表示してくれなくなった

  • GC版では未読のメッセージでも流れている間にボタンを押すと全文表示されていたが、本作では既読のメッセージにしか対応しなくなった。
    • 特にモニーがピートンに「あいしてる!」を100回言わせるイベントで顕著となる。
    • 初めてプレイするプレイヤーに対しては重要なことを見逃す事がなくなるため便利ではあるが、既に知っているプレイヤーや再プレイする際でもメッセージ送りを待つ必要がある。
  • この仕様はNPCのキャラクターにも対応しているため、間違えて話しかけてしまうと会話が終わるまで待たされることになる。
  • また、既読のメッセージに関してはリメイク前に存在したバックログが表示できなくなっており、会話面においては不便さが目立っている。
  • なおゲームオーバー時の直前の場面から再開した後のイベント会話については、既読している扱いになるためメッセージ送りは適用される。

相変わらず存在意義がわからないダメージガエシ

  • このバッジは裏ボスの討伐報酬として手に入るバッジなのだが、性能は「取得難度に見合っていない」と評されたGC版から全く変化していない。ご丁寧に必要BPも7と高いまま。
    • しかも最も輝くであろう隠しボスの攻撃に対してはカウンター効果を発揮しない。一応バッジ説明文にも「一部効かない攻撃もある」という旨の記述があるが、それならばせめて何かしら別の形で強化してほしかったところ。
    • ちなみに、バッジ屋での売却価格もなぜか500コインから400コインに値下がりしている。GC版で金策として多くのプレイヤーに売却されまくった反動だろうか。

総評 (Switch)

マリオシリーズでも指折りの異色作が、20年の時を経て帰ってきた。
GC版発売以降の様々な事情の変化により、改変を危惧されていた要素はほぼそのまま。
追加要素は数こそ多くないものの、GC版の延長線というべきものであり、違和感は全くない。
もちろん現代に合わせたシステム改善も多数施されており、非常に遊びやすくなっている。
GC版をクリア済みか否かを問わずお勧めできる、傑作リメイクの一つといえるだろう。


余談 (Switch)

  • 「レンゾクジャンプ」と「ニバイダメージ」の効果説明では、一部のバッジのように重ねがけで効果が倍増する旨の説明が書かれているが、GC版と同様に正規の方法で複数入手できる手段は存在していない。
  • 細かい事だが、GC版の時点で日本版と海外版でタイトル画面のBGMが異なっており、本作でもシステム言語が日本語かそれ以外かでタイトルBGMが異なる仕様がある。

最終更新:2024年11月19日 14:28

*1 ただし、前作で登場したものとは別人らしい。しかも小説ではとんでもない真相が…。

*2 ビビアンも本作オリジナル種族だが、姉が登場しているので「同族未登場」ではない。

*3 飲み込みを使わないと倒せないボスが存在する。

*4 クリスチーヌ・クラウダ・チビヨッシーの通常攻撃は「上から叩きつける」なので上部の棘に当たってしまう。ノコタロウ・バレル・チュチュリーナは通常攻撃は横からだが地上限定。

*5 ただしこの技、「チュチュリーナが相手にとびついて奪う」のでサンボなど接触でダメージを受ける敵からは奪えない。

*6 ただし闘技場のアイアンシンエモンのみこれを無効化する(マリオのツラヌキ系も同様に無効化される)、最も彼女加入時点で闘技場はクリア済みなので、再挑戦しにいかない限り問題になることはない。

*7 「おかしのもと」で作れる「ムースケーキ」を要求してくるが、前作と違い本作では寄り道しないと「おかしのもと」が手に入らないので気付きにくい。

*8 一応報酬のコインが少ないことについての理由があり、まだ子供なので親に大金を持つことが許されていないという説明がある

*9 クラウダのふきとばしに弱いという弱点があるが、中々気付きにくい。

*10 ダメージ自体を減らす効果がなく、仲間への攻撃や直接攻撃以外では反射が発動しない…と難点が多く、アクションコマンドでダメージそのものを防ぐシステムとも噛み合っていない。

*11 例を挙げると、ガツーンナグーリを2個以上つけると消費FPと攻撃力が増加。ハートスイトールを2個つけると攻撃力は2下がるが、攻撃後にHPを2回復できる。など

*12 このバッジは市販・景品では入手不能で敵ドロップでのみ量産できるが、所有者はステージ7後半から終了までしか戦えない「けんきゅういん」と、闘技場の敵なので撃破後のドロップが狙えない(所持状態で出てこないとアウト)「ヤリクロウ」だけという鬼畜難易度を誇る。一応、後者は100階ダンジョンでも登場するが、登場する階層が60階台である為手間がかかる。

*13 中央街の裏側の家に隠れているスリを見つけることで回収可能。0コインの場合は被害がなく、変なヤツと言われてイベントが終了する。

*14 本作発売当時は「男の娘」という通称が普及する前とされている。

*15 ゴロツキタウンにいる金色のデカいボム兵(ヘビーボム)に話しかけることで挑戦可能なおみくじで、運が良ければアイテムを得られる。

*16 スットン砦で1回、闘技場で1回

*17 地下20階なら地下10階の1.5倍になり、地下90階なら地下10階の5倍になる。

*18 欧州GC版は3歳以上対象だったが、Switch版は7歳以上対象に引き上げられている。

*19 なおコブロン自身が消費する以外でこのタンコブを消す手段はない。また、コブロンが回復する機会は1度のみとなっている。

*20 ハンマーブロス・けんきゅういん・カロン系の投擲攻撃、バリアーン系のリップルレーザー、カメックの魔法弾が該当

*21 本来は「どくキノコ」+「いつまでもふたりで([おうごんはっぱ+こおりのいぶき]+あつあつスープ)」と少々手間がかかる。