「S.T.A.L.K.E.R.: Clear Sky」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

S.T.A.L.K.E.R.: Clear Sky - (2014/01/14 (火) 03:30:34) の最新版との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*S.T.A.L.K.E.R.: Clear Sky 【すとーかー くりあすかい】 |ジャンル|ファーストパーソン・シューティングゲーム|&amazon(B001F5XEX4)| |対応機種|Windows|~| |発売元|国内:イーフロンティア&br()海外:Deep Silver|~| |開発元|GSC GAME WORLD|~| |発売日|2008年8月25日|~| |定価|6,090円|~| |ポイント|足元にピンポイントで落ちてくる手榴弾&br()ガッカリなボリュームにも難あり|~| |''STALKERシリーズ''|[[Shadow of Chernobyl>S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl]]&br()&bold(){Clear Sky}&br()[[Call Of Pripyat>S.T.A.L.K.E.R.: Call Of Pripyat]]|~| ---- #contents(fromhere) ----- **概要 ウクライナのGSC Game Worldが開発したサバイバルホラーFPSで、『Shadow of Chernobyl』(以下SOC)から続くStalkerシリーズ2作目。通称CS。~ 前作SOCの前日譚となるストーリー。だが、そのお陰で…。 **システム : ファンクションシステム| ZONE内にある派閥には対立している陣営があり派閥間で抗争している。マップ上には戦略拠点がありそれらを巡って戦闘が起きる。プレイヤーは各陣営に協力することで報酬やアイテムを得られる。 **評価点 -銃の修理やカスタマイズが可能になった。低品位や廉価な銃でも長く使えるようになった。 -アーティファクト探知機が採用されてアーティファクトを探しやすくなった。 -アーティファクトの効果が調整されて極端さは薄れた。 -天候の変化が追加された。昼夜だけでなく曇天や風雨なども追加された。天候ではないがEmissionという現象が追加され、到達までに退避出来る場所に逃げこまなければ死ぬ((最初のチュートリアルシナリオで主人公は数回Emissionから奇跡的に生還し、科学者に「君はEmissionに耐性があるようだ」と説明される為、Emissionは喰らっても平気だと勘違いして普通に死ぬプレイヤーが続出した))。 -SoCやCoPと同じように、本作でも評価の高いユーザーMODが多数リリースされている。ただしSoCやCoPの方が数は多い。 -X-Rayエンジンが1.5にアップデートされ、DirectX10に正式対応。雨天時の濡れた衣服の質感等、雰囲気が大きく向上している。 -日本語化MODの適用に外部exeが必要無くなった。これは特にSteam版において、SoCのように散々やり込んでもプレイ時間がカウントされなくて悲しい思いをしたり、グレーゾーンなNoCD版exeをどうにかして調達する必要が無くなったなど、日本のユーザーに大きな恩恵をもたらした。 -ファストトラベルが実装。前作ではどこへ行くにも徒歩でしか行けなかった為、多少はストレス改善になった。何故多少なのかは後述。 **問題点 -敵の投げた手榴弾がスクリプトのお陰で自分の足元に落ちてくる((これはNPCが手榴弾をプレイヤーのするのと同じように直接投げているのではなく、NPCに投げるモーションだけ取らせてプレイヤーの足元に直接手榴弾をスポーンさせていると言うインチキをしている為))。逃げ遅れれば間違い無く喰らう。 --特に後半になってくると敵側も手榴弾を多用し、見えない壁の向こうから複数個投げられると絶対不可避。 -ストーリーの展開が前作をプレイしてるに人間ならある程度推測できるが残念な出来。 -時系列上は入れない施設がある(SOCの主人公が入った施設に入れるとストーリーが矛盾してしまうため。)のと、対人戦が中心ため前作ほどのの恐怖感がない。 -新規マップがほぼ通過点になっている。他は既存の使いまわしで重要拠点のBarが削られている。 --序盤の沼地はサブタスクを除けば殆どストーリーにかかわらない。 --終盤のCNPP付近は強制進行のため戻るに戻れず、さらに道程が長いので武器・アーマーが傷んだら修理できる場所がかなり後なので、大量に持って歩くか敵のを拾うしかない。 -NPCの挙動にやや難がある。 --NPCに「プレイヤーに進路を譲る」と言う概念が無い為、絶対にどいてくれない((例外として、傍に手榴弾を転がしてやるとみんな蜘蛛の子を散らしたように逃げ去っていく。))為邪魔になる場合がある。これだけなら基本的にこのゲームではNPCは歩哨する地点や待機地点等の定点を持っておりそこに執着するので通行の邪魔になる事は殆ど無いのだが、Emissionが発生して周辺のNPCが一斉に拠点に戻ってきた場合人で溢れてしまい狭い門の前で座り込んだりして避難地点に入れないという事がかなり頻繁に発生する。そうかと思えば拠点がもぬけの殻だったりと一定しない。 -派閥間の抗争が上手く機能していない。 --基本的に雰囲気の演出と、「ここは味方or敵がいる場所」という程度の使い方しかされていない。 --プレイヤーは任意の派閥に加入・脱退してストーリーを進める事が出来るのだが、加入した派閥によってはその派閥と敵対する派閥が丸ごと敵になる。特定の派閥にしか出来ない装備改造などがあるので、やってない状態で敵対するとその改造は永遠に出来なくなる。 ---一応その敵対勢力の人間を一人も殺傷しないまま脱退すればまた中立に戻るのだが、派閥抗争に積極的に手を貸しているとそうもいかず特定の装備((よりにもよって最高装備候補の一つのスーツの最終段階の改造は普通に進めてると非常に敵対しやすい野盗集団のメカニックにしか出来ない。しかもこのスーツは序盤で手に入れたければ盗賊団のライバル勢力に加入して盗賊団を壊滅させた報酬として貰うしかない。あまりにも皮肉である))の改造を狙う場合終盤まで無所属((一応プレイヤーは最初から「Marcenary(傭兵団)」に所属していると言う事になっており、無所属の場合この派閥として振舞う。命令が無い限り中立不干渉を貫く存在であるが、前作では誰かに雇われたのかプレイヤーとは明確に敵対していた))を強いられる事になる。 --マップ上に存在するある勢力の拠点間に対立してない勢力がやってくると何もおきなくなる。他スクリプトバグらしきものがある。 --プレイヤーに協力を要請してくることもしばしばあるが、他のミッションしてる最中や別のマップに居るときにされても困る。 --抗争中の勢力の片方に肩入れしてもう片方の勢力を制圧すると非常に大きな報酬が手に入るが、例え本拠地を壊滅させてもしばらくするとまた人員が湧くようになっている為、結局は一本道シナリオのスパイス程度の存在でしかない。 --ミッション報酬も各勢力の拠点でしか受け取れず取りに行くのが面倒。 -上記評価点のアーティファクトであるが、どこにどれだけ発生するのかが初めから固定(何が出るかはある程度ランダム)になった為、アーティファクト探しを金策として行う事が難しくなった。運が悪ければ一部の貴重なアーティファクトにお目にかかれないままクリアする羽目になる。不評だったのか続編CoPでは再びいくらでもリスポーンするように変更された。 --アーティファクトは前作ではそこら辺にコロンと落っこちているものであり、レアなものはともかくありふれたものであれば適当にうろつくだけでも手に入った為、いい小銭稼ぎになった。今回は探知機によって探すようになった為''デフォルトでは不可視''になっており、探知機をかざして歩かない限り姿を現さなくなった。これだけなら宝探し気分が味わえると言えなくもないのだが、登場位置が固定なので楽しみも何もあったものではない。これも不評だったのか続編CoPでは探知機システムはそのままに完全ランダムスポーンに変更され、名実共に完全な「宝探し」として完成した。何と言う遠回り。 -上記評価点の「ファストトラベルがイマイチ」と言うのは、方法が「NPCに金を払って連れて行ってもらう」と言うものであり、自分がそのNPCの勢力と敵対しているかとは関係なくその勢力が敵対している勢力やミュータントが居るルートは通れない為、そのNPCが孤立している場合「どこにも行けない」と返答される事が頻繁に起こり、あまり当てにならない。その為にミュータント退治などしてルートを掃除しても何度でもリスポーンするので大体徒労に終わる。またこの料金が決して安いものではなく、距離で料金を請求される為に「遠いからファストトラベルしたいのに遠い程高い」と言う本末転倒な事態になっており、結局歩く羽目になる事が多い。やはりZONEはそんなに甘くなかった。 **総評 カルト的人気で高評価を得たシリーズの次回作だけに期待が大きかったが、それを下回ってしまった。 ストーリーが時系列の都合上主人公が余り活躍しない事や、マップのカット(特にダンジョン的な施設)等スケールダウンしている部分がある。 手榴弾の凶悪さや新機軸がうまく消化できてないのと、前作の使いまわしが多かったことにファンの失望も大きかった。 前作の不満を元に強化はされており、決して悪い出来ではないが、総評としてはSoCの公式MODという程度の扱いをされている。 だが「この作品で加えた新要素が不評だったので前作の要素と混ぜて次回作に登場させたら上手い具合に融合反応を起こしていい感じにまとまった」と言う項目がいくつもあるので、マイルストーンとしては十分過ぎる働きをしてくれたのは間違いない。 このCSでの試行錯誤が無ければCoPは生まれなかっただろう。 **余談 -今作だけSTEAMでもなかなか配信されず(現在は配信中)、パッケージ版は市場に出回っているが投売りされていることが多かった。 --配信されたらされたでセールの時に「SoC&CoPコンボパック(CS無し!)」等と言う大変屈辱的なハブ行為を何度もされる等の雪辱を受けた。しかし開発元のGSCが解散してしまった現在では3作仲良くセールされる事が多くなっている。
*S.T.A.L.K.E.R.: Clear Sky 【すとーかー くりあすかい】 |ジャンル|FPS|CENTER:&amazon(B001F5XEX4)| |対応機種|Windows|~| |発売元|イーフロンティア|~| |開発元|GSC Game World|~| |発売日|2008年8月25日|~| |定価|6,090円|~| |判定|なし|~| |備考|Steam版が配信中|~| |>|>|CENTER:''STALKERシリーズ''&br()[[Shadow of Chernobyl>S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl]] / ''Clear Sky'' / [[Call Of Pripyat>S.T.A.L.K.E.R.: Call Of Pripyat]]| ----- #contents(fromhere) ----- **概要 ウクライナのGSC Game Worldが開発したサバイバルホラーFPSで、『Shadow of Chernobyl』(以下SOC)から続くStalkerシリーズ2作目。通称CS。~ 前作『SOC』の前日譚となるストーリー。だが、そのお陰で…。 ----- **ストーリー 前作より1年前の2011年、科学調査隊の護衛を引き受けていた一匹狼の傭兵ScarはEmissionという大規模な現象((荒天とともにZone中央にあるチェルノブイリ原発から致死的な波動が放出される現象。))に巻き込まれてしまう。 幸いにもZONEの謎を調査する組織Clear Skyに拾われ助かったScarだったが、このままだとEmissionの影響で死ぬ可能性がある事を告げられる。 Clear SkyはScarの命を救った代わりに、Emission多発の原因とそれに関わるとある人物を追う様に依頼を出したのだった。 ----- **システム : ファンクションシステム| ZONE内にある派閥には対立している陣営があり派閥間で抗争している。マップ上には戦略拠点がありそれらを巡って戦闘が起きる。プレイヤーは各陣営に協力することで報酬やアイテムを得られる。 ---- **評価点 -装備品の修理・改造システムが導入された。 --前作では射撃や被弾によって傷ついた銃器・防具は基本的に使い捨てるしかなかった。しかし本作では資金次第で何度も修理できるため、希少だが気に入っている銃を使いまわすことも可能に。 --装備品の改造は単純に性能を上げるだけでなく、連射と精度の二者択一など選択によって最終形が変わる。 --改造は各派閥のメカニックに頼む必要があるが、勢力によって得意な武器が異なる。改造したい装備によっては派閥との付き合いを考える必要がある(後述)。 -天候要素が追加された。 --昼夜だけでなく曇天や風雨なども追加された。 --新たな天候としてEmissionという現象が発生するようになった((前作ではイベントとして一度だけ体験できた。))。一度Emissionが発生しかけるとプレイヤーに警告が届き、ピークに達するまでに地下や施設内に逃げこまなければ死亡してしまう((最初のチュートリアルシナリオで主人公は数回Emissionから生還し、科学者に「君はEmissionに耐性があるようだ」と説明される為、Emissionは喰らっても平気だと勘違いして普通に死ぬプレイヤーが続出した。))。野外サバイバルにおいて突発的なアクシデント要素としてユーザからも受け入れられている。 -『SoC』や『CoP』と同じように、本作でも評価の高いユーザーMODが多数リリースされている。ただしSoCやCoPの方が数は多い。 -X-Rayエンジンが1.5にアップデートされ、DirectX10に正式対応。雨天時の濡れた衣服の質感等、雰囲気が大きく向上している。 -日本語化MODの適用に外部exeが必要無くなった。これは特にSteam版において、『SoC』のように散々やり込んでもプレイ時間がカウントされなくて悲しい思いをしたり、グレーゾーンなNoCD版exeをどうにかして調達する必要が無くなったなど、日本のユーザーに大きな恩恵をもたらした。 ----- **賛否両論点 -Zoneに存在する諸勢力が互いに土地を奪い合う「派閥システム」が導入された。 --プレイヤーは初めこそ無所属((正確には「Marcenary(傭兵)」勢力であるという設定。前作で登場した同名の敵対勢力とは関係ない。))だが、各勢力のリーダーに認められることで一員となり活動に従事できるようになる。 ---プレイヤーは勢力参加時、敵対勢力壊滅時に希少な報酬を得られるほか、マップ上の部隊に協力することで小銭も稼げる。 --多くの勢力と仲が良いStalker陣営、逆に武器も貧弱で大敵に囲まれているBandit陣営など肩入れ可能な勢力は個性に豊む。大勢力の一戦闘員として働くもよし、弱小勢力を勝利に導くもよしで雰囲気はバツグン。 --メリットも多い一方で、参加派閥と敵対している派閥の協力は一切得られなくなるという大きな問題点がある。 ---装備品の改造の中には特定勢力のメカニックのみ実行可能なものも多い。彼らと敵対すると当然中途半端なままとなる((よりにもよって、最高級スーツを最大改造できるのは最弱の嫌われ者である山賊集団Bandit勢力のみ。さらに、このスーツを序盤で手に入れるにはライバル勢力でBanditを壊滅させるしかない。))。 ---敵対派閥の部隊が撃ってくるのは勿論のこと、メインタスクでも本来協力すべき仲間と撃ち合いになり難易度激増ということも。 ---派閥は途中で変えられるので、あまり敵対的な活動をしていないならよりを戻すことも可能と言えば可能。 ---ちなみに最大の解決法は重要装備を全改造しストーリーをクリア手前まで進めるまでどの派閥にも入らないこと。その頃には得られる報酬の魅力も薄いが。 --派閥戦に関するバグも多い。例えば各拠点の重要人物が戦闘に巻き込まれ死亡・消滅したり、支援要請がマップから消えない、中立勢力が拠点に入ると挙動がおかしくなるなど。 ---拠点を潰されても勢力が完全に潰えることはなく、時間が経つと奪還する。しかし重要人物が死亡していると蘇らないので拠点機能は失われたも同然。 -Stalker達の資金源・装備品であるアーティファクトに纏わるシステムが改変された。 --種類ごとに複雑だったメリット・デメリットが整理され、全体的に効果が落ちた。 --スーツごとに装備可能なアーティファクトの数が変わるようになった。これによって戦闘向きの防弾型スーツや移動系アーティファクトを付けた運搬用スーツなど新たな個性付けが可能となった。 --アーティファクトの出現位置とその大まかな内容、総量が固定されてしまった。 ---前作までは一度取得したアーティファクトも定期的にポップしたため、それを金策にするプレイヤーも多かった((設定上でもStalkerたちの主な仕事はアーティファクト集めである。))。しかし本作では一度獲ったアーティファクトは二度と復活しないので売却すると取り返しがつかない。 ---湧きスポット一ヶ所につき出現するアーティファクトはランダムで二択。運が悪いと性能で劣るほうばかりを掴まされることも。 --アーティファクトは不可視となり、新設された探知機アイテムを持ち接近して初めて視認できるようになった。 ---プレイヤーは探知機を片手に危険地帯を彷徨うことになる。スリリングではあるが、出現位置は固定なので2周目以降は作業。 --流石に不評だったのか、続編CoPでは時間経過でリポップするうえアーティファクトが危険地帯を縫うように動くことに。 -ファストトラベルが実装され、多少移動のストレスが軽減された。 --実行方法は「マップ上に点在するNPC集団に金を払って連れて行ってもらう」と言うもの。しかし頼み込んだNPC勢力と敵対的な勢力が支配している地域は通れないため頻繁に移動不可能な状況に陥る。そのうえ積極的に敵勢力を排除しても延々湧くのでキリがない。 --値段は移動距離に比して高くなり、マップを跨ぐと馬鹿にならない金額になる。ただでさえ金策が辛い本作では易々頼めるものではなく、結局戦利品を背負いながら延々歩く羽目になることも多い。 ----- **問題点 -シナリオ・ボリュームが薄い。 --時系列の都合上仕方ないが、前作の魅力だった地下施設の探索要素などは大きく削られている。派閥戦に参加することなくゲームを進めると開けた場所での撃ち合いの連続であっという間に終わってしまう。 --主人公Scarは名うての傭兵としてClear Skyや各勢力の依頼をこなすが、言い換えればキャラクタとしての彼が目的を選択したり何かを欲することは殆どない。失った記憶を求める前作主人公、他のStalkerたちと信頼関係を築く次作主人公に比べやや魅力が薄い。 --前作プレイヤーならある程度想像がつくが、第1作から1年前という設定もあるためストーリーの最後で全て解決大団円とはいかない。 --トレーダーからサブタスクを受注するシステムが丸ごとなくなった。金策として使えないだけでなくシリーズの世界観を表現するものでもあっただけに残念((例えば学者にミュータントの変異部位を渡すと報酬とともに胡散臭い学術的解説が聞けた。))。 ---一方で追加されたのがFlash Drive集め。各勢力に渡すと一部の改造が解放されるが、入手手段は金を払ってアイテムのありかを聞き持ってくるだけ。 -敵の手榴弾投擲が正確無比に過ぎる((前作『SoC』用に作られた「ファンメイドの敵の手榴弾MOD」を公式が採用した結果とされる。))。 --プレイヤーのみが手榴弾を扱えた前作と異なり、NPCも積極的に手榴弾を投げてくるようになった。ところがあまりにも投擲距離・精度・頻度が高く、障害物越しに投げ込んでくるために「壁や柵から身を乗り出して撃ち合う」という動きの少ない戦い方が困難になってしまった。 --投げられた手榴弾を直接視認することは難しく、プレイヤーは大抵近くに手榴弾が落ちたことを示すアイコンによって危機に気づく。そのため主人公の足元から直接手榴弾が湧くスクリプトが組まれているのだと本気で語られていた時期すらあった。 --特に後半になってくると敵側も手榴弾を多用し、見えない壁の向こうから複数個投げられると回避は非常に困難。 -マップの大半が既存の使いまわしで、新規マップもほぼ通過点。 --使いまわしといっても時系列の制約で入れない場所もある。一方で何故か前作で無傷だった壁が壊れているなどの矛盾も。 --新規マップのひとつである沼地はサブタスクを除けば殆どストーリーにかかわらない。ClearSkyの拠点に寄る際に通過するためだけのもの。 --逆に新規マップのうち3つは終盤の連続したイベントでのみ使われ自由に立ち入りできない。 ---強制進行のため戻るに戻れず、さらに道程が長いので傷ついた装備は中々修理できない。予備を持って歩くか敵のを拾うしかない。 --人気マップ「Bar」「Pripyat」へは本作では移動不可。 -NPCの挙動にやや難がある。 --NPCに「プレイヤーに進路を譲る」と言う概念が無い為、絶対にどいてくれない((例外として、傍に手榴弾を転がしてやるとみんな蜘蛛の子を散らしたように逃げ去っていく。))。 ---蚤の市など道が狭く入り組んだ施設では非常に邪魔。 ---また、Emissionが発生して周辺のNPCが一斉に拠点に戻ってきた場合など人で溢れて避難地点に入れないという事が頻繁に発生する。 ----- **総評 カルト的人気で高評価を得たシリーズの次回作だけに期待が大きかったが、それを下回ってしまった。~ ストーリーが時系列の都合上主人公が余り活躍しない事や、マップのカット(特にダンジョン的な施設)等スケールダウンしている部分がある。~ 手榴弾の凶悪さや新機軸がうまく消化できていないのと、前作の使いまわしが多かったことにファンの失望も大きかった。~ 前作の不満を元に強化はされており、決して悪い出来ではないが、総評としては『SoC』の公式MODという程度の扱いをされている。~ だが「この作品で加えた新要素が不評だったので前作の要素と混ぜて次回作に登場させたら上手い具合に融合反応を起こしてまとまった」と言う項目がいくつもあるので、マイルストーンとしては十分過ぎる働きをしてくれたのは間違いない。~ このCSでの試行錯誤が無ければCoPは生まれなかっただろう。 ----- **余談 -今作だけSteamでなかなか配信されず(現在は配信中)、パッケージ版は市場に出回っているが投売りが多く、配信されたらされたでセールの時に「SoC&CoPコンボパック(本作のみ無し)」等ということもあった。 --しかし開発元のGSCが解散してしまった現在では3作仲良くセールされるようになり、また「S.T.A.L.K.E.R. Complete Bundle」と言う形で3作まとめたバンドルパックも配信されている。 -2024年3月7日に、本作と『Shadow of Chernobyl((PS4/One版は“Chornobyl“))』『Call Of Pripyat((PS4/One版は“Prypiat“))』をセットにした『S.T.A.L.K.E.R.: Legends of the Zone Trilogy』がPS4/Oneで発売された。DL版は単体でも配信されている。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: