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MARICA ~真実の世界~」を以下のとおり復元します。
*MARICA ~真実の世界~
【まりか しんじつのせかい】
|ジャンル|RPG|&image(marica_front.jpg,width=160)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=1265&file=marica_front.jpg]] [[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=1265&file=marica_back.jpg]]|
|対応機種|セガサターン|~|
|メディア|CD-ROM 1枚|~|
|発売元|ビクターインタラクティブソフトウェア|~|
|開発元|フェイクラフト|~|
|発売日|1997年6月20日|~|
|定価|5,800円|~|
|プレイ人数|1人|~|
|セーブデータ|29ブロック使用(最大4ファイル保存可)|~|
|レーティング|セガ審査:18歳以上推奨|~|

**概要
セガサターンを代表するカルトな人気を持つ怪作RPG。&br()
1997年の日本、突如国家転覆のためにテロ活動を始めたカルト教団・秘密結社Faction of True(通称:Fact機関、F資本)の野望に3人の超能力少女が立ち向かうストーリー。 &br()
キャッチコピーは「1997年日本をテロの嵐が襲う。」

**プレストーリー
「ええ、今思い返してみれば、あの子には人と変わったところがあったかもしれません。はい、まりかのことです。十一、二年前のことですか… まりかが小学校に入る前なんですが、うちの人… ええ、夫の博人です。で、夫が運転する車でドライブに行ったんですよ。伊豆の温泉まで。山道に入ったときですか… 夫がハンドル操作を誤って、あ、刑事さん、わかります?そうなんです、崖下に転落していたかも知れなかったんですよ、ガードレールに思いきり擦りつけて、すごかったんですよ。でも… ガードレールには何の傷もついていなかったんです。ええ、車を止めて、はい、もちろん降りて確認したんですよ。傷が…なかったんですよ。私も夫も驚いて… まりかは笑っていました。よくわかってなかったんでしょうね・ええ、そちらが言う… 超能力ですか?今話したことじゃ、全然関係ありませんよね。車には傷がついていましたし。&br()私たち… 私も、夫も、まりかにそんな力があるなんて…信じられません。今…今思えば… そうですよ、そんな事、誰にだってあるじゃありませんか。思い込めば、思い当たることの一つや二つ… あ?私、今、今って言い過ぎですね… ええ… でも… 未だに信じられないんです。そりゃ、最近のテロ事件だって目茶苦茶ですよ?でも…それは世間のことでしょ?国のことでしょ?信じられないってよりは… 信じたくないのかも知れませんけど…まりかは… まりかは普通の子です。超能力… ですけれど普通の子なんです。学校に通って、最近私たちとも話さなくなって… どこでもいる子ですよ。特別だとすれば、それは私達にとってだけです… まりかは… 私の子供ですから… はい… ごめんなさい…。」神崎永美の調書から抜粋(テープ起こし・内閣特務捜査室)
-(説明書より引用)

**特徴・評価点
-一見すると「ちょっと風変わりなギャルゲーかな?」と思わせる本作のパッケージイラスト。実際、お色気要素もなくはないのだが…''ギャルゲーだと思って軽い気持ちで手を出すと大火傷すること必至''である。
-ストーリーに含まれる容赦ない描写が最大の特徴。かつて『Aランクサンダー』を手掛けた、製作総指揮・遠藤正二朗氏の作風がこれでもかと言うほど詰め込まれており、初っ端から結社の獣人が警官を食らい、その後も次々に秘密結社の手にかかり無関係の人々が残酷な手段で殺されてゆく。全般にわたってシビアな展開が続くため(特に中盤部分は相当にきついものがある)、年齢制限を入れてもよく発売できたなと言わしめるほどのレベル。
--そのため、鬱ゲーとしての側面も強い。
--発売の2年前には地下鉄サリン事件が起こっており、日本でカルト集団がテロを起こすというのは現実味を帯びた内容であった。
--しかしやりすぎた表現もあくまで一つの要素に過ぎず、基本は3人の超能力少女と社会からはじき出された人々で構成される敵組織の描写がメイン。声優陣も実力のある非常に豪華な面々を揃えており、その真剣な演技も相まってストーリーにぐいぐい引き込まれる。
---敵組織『F資本』はやる事なす事悪逆非道を地で行く極悪集団であるが、リーダーである『真実の人(と書いて『トゥルーマン』と読む)』やその他幹部陣は根っこがおバカなのでどこか笑いを誘う言動や行動が頻繁に散見される。また、ネーミングや内容がギャグにしかなっていないような作戦もあるため、それが余計にプレイヤーの笑いを誘う。しかし決して蛇足でもなんでもなく、描写と展開がハード過ぎる本作ではある種の癒しとなっている。
-戦闘シーンでは止め絵を使った迫力のある演出が光る。
--戦闘中でもHPの残量が一定以下になった時や特定の超能力を使った時等に発動するイベントもある。
--また、特定の組み合わせで超能力を発動すると合体超能力が発動する。
-音楽のレベルも非常に高く、サントラが出ていないのが惜しまれるほど。
-「思考」コマンドで次にどこへ行けばいいかを確認できるため、次に行くべき場所が分からなくなる心配はない。 
-装着した装備品の一部には装備から外すと「装着済み」という表示が付く。それらは渋谷や新宿のブルセラショップで高額で売却できるので、この方法を利用すれば資金獲得のための戦闘は必要ない。
--尤も、プレイヤーの良心がそれを許容できるかどうかは別問題ではあるのだが。
-装備品は武器と衣服に関して専用の強化キットを用いて強化することが可能。装備品ごとに初期レベルと強化限界レベルが定められており、弱い装備は基本的に初期レベルは低いが強化限界レベルが高いため、ある程度装備品の差を埋めることはできる。

**賛否両論点
-会話シーンはバストアップのキャラクターがセリフを喋り、''テキストは表示されない''。
--ドラマをしっかり見て欲しいという演出であるが、自動送りでスキップもできず、''一回見損ねたら見直しもできない''(シーンによってはトイレに行かせてレベルの長さもある)。だからといってやり直すにはちとストーリーが長い上、分岐もほぼないので周回プレイを重ねる楽しみも薄く、正直面倒。一度見たイベントシーンを回想できるシステムが欲しかったところ。
-同様に戦闘シーンもキャラクターの一枚絵の切り替えで進む。
--シーン切り替え毎にローディング時間を挟むため、臨場感を出そうとした演出が相殺されている。また、その影響で雑魚戦闘ですらそれなりに時間がかかる。
-東京都内を主な舞台にしており、有名な繁華街がフィールドだが、街並みを再現しているかと言えば、そう見えるかなという程度。
--建物の配置が碁盤の目状なので、それを考慮してマップを整理してみると、有名な場所の再現はされている。
--ちなみに、車道は横断歩道からしか渡ることができず、信号が赤になっている間は横断することはできない((尤も、ストーリーが進むと信号が機能しなくなるが。とはいえ、車道の横断は信号が機能しなくなっても横断歩道からしか渡れないまま。))。
-戦闘に関しては能力向上系の補助系超能力が無制限で重ねがけ可能なので、バランスとしては緩いほう。
--物理属性含む属性防御が100%(完全に無効化)まで補助系超能力で容易に上げられるので、簡単に無双状態になる。

**問題点
-移動画面のグラフィックがMD/PCEレベルで地味。
-合体超能力が多数取り揃えられているが、発動技をプレイヤーが見つけなくてはならず、隠し要素扱い。
--また、合体超能力に関して独自グラフィックが存在するのは1つのみで少々物足りない。
-戦闘シーンでのメッセージ自動送り機能がなく、攻撃時のセリフやエフェクトのスキップもできないため、戦闘のテンポがあまりよろしくない。
-装備品の装備は装備選択後に確認画面を表示し、その後装備の変更確認の問い合わせを行ったうえで装備変更されるシステム。そのため、やや手間がかかる。
-強化キットは強化対象の装備が非装備状態でないと使うことができない。これだけならやや面倒なだけという向きもあるのだが、一部の装備品に「装着済み」の表示が入った場合に弱体化する装備があり、誤って該当する装備を強化前に装備してしまうと強化キットを使おうにも使えない状況に陥ることも((まりか・あきらの最強衣服がこれに該当しているため、知らずに装備して涙目状態になることも。))。
--強化キットは基本的にはロッカー等の探索や敵のドロップアイテムで拾うしか入手手段がないため、思うように強化ができないのも拍車をかけている((一応、隠しショップで強化キットの購入はできる。))。

**総評
一方的な会話進行と戦闘システムの粗が目立つが、「もし特撮ヒーローの悪の組織が現実で破壊活動をしたら」というストーリーは非常に優秀、かつ印象的なので、そこに惹かれるものがあれば遊ぶ価値は十分にある。~
発売当時ノーマークだった本作にリピートがかかったことからも、それがうかがえる。

**余談
-年齢制限は残酷な描写や重いストーリーにかかっており、性的な描写制限に重点が置かれたSSの年齢制限とは一線を画している。
-エンディングでは続編を示唆するような描写があるものの、残念ながら続編は出ていない。しかしながら遠藤正二朗氏のサイトでは本作の続編となる[[小説>http://senka.skr.jp/se/t02/]]が現在連載中である。

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