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ダブルダンジョン」を以下のとおり復元します。
*ダブルダンジョン
【だぶるだんじょん】
|ジャンル|3DRPG|~|
|対応機種|PCエンジン|~|
|メディア|4MbitHuカード|~|
|発売元|メサイヤ(日本コンピュータシステム)|~|
//|開発元||~|
|発売日|1989年10月31日|~|
|定価|5,500円|~|
|ポイント|単調でショボい&br()RPGと思って買ったら負け&br()テンポが良く、爽快感あり&br()「RPG要素がある迷路」と割り切れば長く楽しめる|~|
|備考|[[バーチャルコンソール>http://vc-pce.com/jpn/j/title/doubledungeons.html]]:2007年3月6日より配信/600Wiiポイント&br()[[PCエンジンアーカイブス>http://www.hudson.jp/pcea/jpn/title/doubledungeons.html]]:2010年11月17日より配信/600円|~|

**概要
-2人同時プレイができる(疑似)3DRPGというコンセプトで発売された。
-6段階のレベルに分かれた22のシナリオがある。レベルが高くなるほどダンジョンは広くなり、ボスや後半のザコが強くなる。
-レベル1から5の各シナリオをクリアすると、レベル6シナリオをプレイするためのパスワードが1文字ずつ表示され、これらを全部クリアするとレベル6シナリオをプレイすることができる。
-現在はバーチャルコンソールや携帯アプリでも配信されている。

**ゲームの流れ
-プレイ人数、プレイヤーの名前、プレイするシナリオを入力するとプロローグが表示され、ゲームが開始する。
--どのシナリオでもレベルは1から。高レベルのシナリオでも最初はレベル相応の敵が出る。
-戦闘時にできることは「攻撃」「アイテム使用」である。移動すれば逃げたことになる。HP回復はアイテムで行う。モンスターのドロップ、店、宝箱で手に入れる。
--モンスターからのドロップは1/8の確率で、所持アイテムが6個の満たんの状態では絶対にない。
--モンスターは全て決まった位置に配置されていて、移動しない。倒した後は、初期の弱いもののみ時間がたてば復活する。それ以外はパスワードで再スタートした時に復活する(ちなみに宝箱も)。
--ボスを含めて、全ての敵から簡単に逃げることができる。
-魔法は攻撃魔法のみ。MPという概念はない。アイテムを宝箱で拾うか店で買うか(かなり高価)して使用する。一定のダメージを「確実に」与えられる。何回使用してもなくならない。
--高レベルのシナリオの終盤のザコやボスは、かなりの確率で攻撃を回避する。だから魔法を使えると便利で快適。
--なお低レベルのシナリオだとまずアイテムが入手できないし、仮にあっても使う必要性が低い。
--敵が魔法を使ったという表示はないが、敵によってはダメージがかなりばらつくことがある。
-宿屋はあるが、LV20まではレベルアップするとある程度自動回復するし、回復アイテムが入手しやすいのでほとんど使用しなくて済む。
-HP0になったら所持金を全て失って、スタート点に戻される。ゲームオーバーはない。
-ボスを倒すとシナリオクリアとなり、エピローグが表示される。
--ボスの部屋に入るには、宝箱から「ユニコーンキー」を取っておく必要がある。
-2人プレイ時は協力することもできるし、プレイヤー同士で戦って所持金を全部奪うことも可能。
-データ保存手段はパスワードのみで、移動時であればドアの前以外いつでも表示可。

**問題点
-とにかく単調でショボい。
--BGMはオープニング・ダンジョン・店・ボス戦・エピローグの5種類のみ。''どのシナリオを選んでも全て同じ。''それどころか、''モンスター以外の全てのグラフィックも何もかも同じ。''発売時期を考慮しても、22もシナリオがあってこれは手抜きとしか思えない。
---グラフィックの質も、発売時機を考慮しても平均水準よりは下と思われる。
--ダンジョンには一切の仕掛けもないし、1フロアしかない。
--どのシナリオでもやることは、モンスターを倒して経験値と金を稼いで強い装備や回復アイテムを買い、ボスの部屋に入る鍵を探し、ボスを倒すということだけである。
-ストーリーが空気
--どのシナリオにも固有のストーリーが付いているが、ゲーム中で反映されるのは基本的にはボス戦闘前のセリフだけ。他はたまにザコ敵がストーリーにちなんだもの(魔法使いに関係するシナリオであれば魔法使いが多く出るとか)になっているくらい。無論イベントも謎解きも一切ない。
--プロローグ・エピローグは数行の文章のみ。''最終シナリオをクリアしても、数行の文章が出た後(しかもめちゃくちゃ陳腐)一枚絵(誰が見ても嬉しくならないようなもの)が出るだけ。''全シナリオをクリアしても得られるものは何もないに等しい。
--このゲームの世界は2つの月があるらしいが、もちろん世界観なんかもどうでもいいものである。説明書でもそのような扱い。
-単純な操作が売りの1つだが、かえって迷惑な時も
--武器・防具はそれぞれ一つしか持てない。(正確に書くと、初期装備と後で入手したものの2つを持っているのだが)
---店で現在持っているものより安いか(=弱い)同じものを買えないのはいいが、高いものを買ってしまうと、それまで持っていたものが消えてしまう。買う前に売らなければ損をする。
--宝箱から入手するときは、弱いものでも入手できてしまう。もちろんそれまで装備していたものは消える。
---中には意図的に弱い装備を入れている宝箱を置くという、意地悪をしていることさえある。開ける前に何が入っているのか確認はできるが(これは評価できる)。
--パラメーターはHP・攻撃力・防御力・回避力・経験値のみ。このうち表示されるのはHPと経験値のみ。
-色違いの敵どころか「色同じ」の敵まである。名前を確認しておかないとひどい目に遭うことも。
-パスワードに「ひらがな(あ~を、一部抜け有)」「カタカナ(ア~ノ)」「アルファベット大文字(A~Y」「アルファベット小文字(a~y、kqswxの5文字抜け」「数字」「記号(&!?:/等の10文字)」と多くの文字セットを使用
--メモする際「lI1/ノ、i:!、OoQ0、VvUu、Cc等&bold(){似た文字が多く書き分けが困難}」「&bold(){書いたパスワードの文字が判別できない}」「&bold(){そもそも文字がぼやけて何て書いてあるか判別できない}」と後半面になるにしたがって心が折れる仕様。。
-更に色付きのパスワードが理不尽だという意見もある。普通は水色だが、紫の文字がわずかに混じっている。
--紫の文字はきわめて少ないし、書き写す時には○で囲むなりしておけばいいので問題なのか?と思うが。
---「ⓒ」がパスワードに存在する為、確実なのは色違いのペンを用意する事だった。
---そもそも、&bold(){紫の文字が黒地のBGに滲み判別しにくい}、上記文字判別問題も絡みストレスがたまる。
このゲームを「RPG」として見ていると、クソ要素ばかり出てくる。それでも以下の理由より、クソゲーとは言えないと思われる。
**評価点
-テンポが良好で、爽快感がある。
--ダンジョンの移動は、高速でスムーズ。
---迷路は決して単純なものではなく、しかもオートマッピングなんてない。それでもスムーズに移動できるので、特に低レベルシナリオならさほど苦にはならない。
--戦闘は早送りできるし、爽快感がある。
---戦闘時のエフェクトも、簡素ながら爽快感を感じさせるものである。
--ダンジョンのBGMが1種類しかないのはいただけないが、テンポを悪くしない無難な出来である。
-この結果単調・単純であることがむしろ、時間つぶしにレベル1や2のシナリオをプレイしてみようという動機につながりやすい。
-ゲームバランスは敵を倒す順序を間違わない限り、少なくとも1人プレイでは良好。
-プレイしながら覚えておかなければならないことは、「この敵がどのくらいのレベルで倒せるか」くらいである。
-ストーリーの空気さも「RPG要素がある迷路」と割り切れば気にならない。物は見方ということである。
-そのような見方ができる人にとっては、気軽に長く遊べるゲームになりうる。
**まとめ
-このゲームの単調さは、発売時期を考慮しても擁護できるものではない。BGMやグラフィックぐらい複数作っておけと。
-それでも当時の書籍やネット検索をしてみると、クソゲー評価一辺倒でないどころか(明らかなクソ評価というのはまずない)、肯定的に評価する意見も結構見られる。しかも決して「2人同時プレイができる3DRPGだから」という、オリジナリティのみで評価されているというわけではない。
-斬新なシステムとか素晴らしいグラフィック・音楽・ストーリー、そういうものだけが全てというわけではなく、何か輝くものがあればそれなりに受け入れられるゲームにもなりうるという見本ではないかと考える。
-WiiのVCとPS3/PSPのPCEAでも配信されている。こちらでは上記のパスワードで悩まされることはないので、一度挑戦してみてはいかがだろうか。

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