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*ガンバレット 【がんばれっと】 |ジャンル|バラエティーガンシューティング| |対応機種|アーケード(NB-1)| |発売・開発元|ナムコ| |稼動開始日|1994年10月| |プレイ人数|1~2人| |備考|家庭用移植 PS:1997年8月7日| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ナムコが1994年に発売した、ガンシューティングゲームでも対戦要素やパーティーゲーム的要素に特化した、バラエティーガンシューティングゲーム。~ 『スティールガンナー』『ラッキー&ワイルド』を手がけたスタッフが、「お祭りの射的のようにカジュアルに射撃を楽しめる作品」として開発した。~ 「大量の的を撃ちまくる」「的に素早く撃ち込む」「一発精密射撃」など、バラエティに富んだミニゲーム(以下ゲーム)を最大2人で同時プレイできる。 以下、これらの記述は続編である『ガンバァール』『ガンバリィーナ』『ガンバレットX』にもほぼ共通している要素である。 ---- **基本システム -「練習」(4ステージ)「初級」「上級」「激ムズ」(各16ステージ)の難易度を選択、「○○を制限時間以内に××体撃て」のようなお題付きのゲームをクリアしていく。~ 難易度を選ぶとランダムに4つのゲームが配置され、好きな順番でゲームを選ぶことができる。ゲームの成否にかかわらず、4つのゲームを全て選ぶと次の4ゲームが配置される。 --なお、弾数制限のあるゲームや、難易度設定が上級以上でなければ出現しないゲームもある(「暗闇の犯人を○○人撃て」「ヒレを狙い○○点獲得せよ」など)。 --全ステージをクリアすると、残ライフ数を含むスコアにより、各難易度ごとに異なる5つのランク付けがなされ、ランクインした場合はネームエントリーとなる。 -ライフ制で、クリア条件を達成出来なかったり、爆弾や民間人、相手の色の的といった撃ってはいけない的を撃つとその度に1つ減る。全て無くなるとゲームオーバー。 --ライフ回復は8ゲーム後に入る、「小さな宝箱4つのうち1つを1発で撃ちぬく」ボーナスステージで4/2の当たりを撃ち抜けた場合のみ、1つ回復可能。 ***ミニゲームの例 -戦車からオヤジを守れ --「オヤジを守れ」系ゲーム。画面奥から接近してくる戦車から画面手前で小銃を乱射するオヤジを守るゲーム。戦車は地形の都合上画面に出てくる時間が短いため、正確に撃ち抜く必要がある。 --シチュエーションは様々で、「松明」の場合縛られたオヤジ目掛けて投げられる松明を破壊、「ピラニア」であれば蔦に捕まるオヤジに襲いかかるピラニアを撃つなど。 -1発も外さずマトを○○個撃て --「グルーピング」系ゲーム。設置された射撃用の的を撃つゲームで、1発でも外すとその時点で終了となる。激ムズでは設置された的をすべて撃ち抜く必要がある。 -1から16まで全部撃て --「バラエティー」系ゲーム。1~16までの数字が描かれた的を順番に撃っていくゲーム。難易度によって弾数制限が異なり、上級、激ムズでは弾数が16発となる。 -リンゴを1個撃て --「1発で撃て」系ゲーム。オヤジの頭に乗ったリンゴを一発で撃ち抜く。難易度によってリンゴの大きさが異なる。 -マトを○○個以上撃て --「白黒マト」系ゲーム。白黒マトを一定数撃てばクリア。難易度によってステージ構成やノルマは大きく異なる。稀に爆弾が混ざることがある(一部例外あり)。 -車に○○発ぶち込み破壊せよ --「連打」系ゲーム。タイトル通り制限時間内に車に一定数撃ち込めばクリア。 -犯人を○○人撃て --「犯人を撃て」系ゲーム。武装したギャングを一定数撃てばクリア。物によってステージ構成やノルマは大きく異なる。たまに人質が混じるため、乱射は出来ない。 ---- **評価点 -''全体的にコミカル・バカゲー的な雰囲気で表現された世界観。'' --撃つ対象がガラスのように砕ける鳥だったり、人間(ギャングや忍者など)を撃つゲームでも絵が描かれた標的板として表現されており、暴力規制が強い海外((特に、コンシューマー・アーケード問わずテレビゲームそのものの表現規制が世界的にも極めて厳格なドイツにおいてはガンシューティングゲーム作品自体が発売禁止となっており、そのような中で本作は同市場にて唯一発売許可が下りたガンシュー作品となっている。))でもそのまま輸出された。~ ガンシューティングゲームにありがちな殺伐感をほぼ感じず、かつ1ステージもほぼ必ず1分以内で終わるため、誰でも気軽にプレイできる点などハードルが非常に低い。 ---また、ゲーム中に撃つとヒット扱い=スコアになるものを撃つと、着弾音とともに画面下に「HIT!」と大きくド派手な点滅表示で教えてくれる点も分かりやすい。 --マスコットキャラの『Dr.ドン』『Dr.ダン』の2人は公式愛称が「オヤジ」、外見も「ハゲ頭+チョビヒゲを生やした低頭身の冒険家」と、妙にクセが強くバカゲー的で印象に残る。~ 更に彼らを撃ってもミスにはならず、''「Ouch!」という吹きだしとともに変な叫び声をあげ、ヒット扱いになる。たとえそれが彼らを危険から守らねばならない「オヤジを守れ」系ゲームでも。'' ---これはランク決定場面で中間ランクを獲得した際に「どうやらオヤジなどを撃ってもスコアが入るらしいぞ???」と紹介されており、''公式的にもオヤジへの撃ち込みを推奨している有様。'' -ブローバック機能が付いた銃型コントローラー、通称『ガンコン』を初採用。 --引き金を引くごとに銃のスライドがカチャカチャと動くため、銃の重さも合わせた照準のブレが発生し、カジュアルに本物っぽさやランダム性を感じられる。~ また、照準の精度もパンフレットで「誤差1ドット以内」と公称されたほどに非常に高い。正常に照準調整されている筐体であれば、ストレス無くプレイできる。 ---このガンコンは2003年の『[[タイムクライシス3]]』まで、同社がリリースしたガンシューティングゲームの殆どに搭載されることになる。 ---- **問題点 -難易度が微妙に高い。 --難易度は前述のように最初に選べるのだが、初級、上級では選んだ難易度の1つ上の難易度となる「激ムズ」がたまに混じり、プレイヤーのライフを減らしにかかってくる。~ 爆弾や民間人などの撃ってはいけない的は1つ撃ってしまうごとにライフが1減るため、そのような的が出てくるゲームでかつ難度が「激ムズ」だと、即ゲームオーバーも有り得る。~ 同じナムコの『てんこもりシューティング』と異なり、失敗しても進行上は「クリア」として扱われるため、一応「一切撃たずにライフ減少を最小限に留める」という選択肢もある。 --また、ボーナスステージでのライフ回復もある程度の規則性((「2番目に落下速度が速い宝箱にライフが入っている可能性が高い」とされるが、その速度はパッと見ではすぐ分からないレベル。))はあるが、それでも4/2でなおかつ1発のみの射撃となる為、初心者はほぼライフ回復が不可能。 --2人プレイのシステムは対戦としての用途が強いため、「1つの的を撃ち抜く」ゲームでは必ずどちらかのライフが減り、ボーナスステージではライフ回復の確率も減る。 ---更に、協力プレイとして遊ぼうとすると、ゲーム毎にそれぞれが的を撃つ数を計算しておかないと、片割れがノルマ失敗でライフ減…ということが有り得る。 -登場するゲームは完全ランダムで、アーケード版では好きなゲームを選んでプレイできない。 --単純な腕磨きという意味でも不便だし、後のシリーズ作品では他のナムコキャラの客演といった「見ているだけでも楽しい」といったステージも増えただけに残念なポイント。 ---- **総評 数多く存在するガンシューティングゲームの中でも非常にカジュアルな雰囲気と、協力よりも対戦に特化した内容で一般層にも人気を得た良作。~ 2019年現在でもこのようなガンシューは他には無いことから残存数も比較的多く、銃の照準さえ合っていれば独特の面白さを体感できるだろう。~ シリーズ作の何れも楽しく射撃の腕を磨ける作品となっているので、ガンシューティングゲームに興味のある方の入門作としても非常にお勧め。 ---- *家庭用移植 |対応機種|プレイステーション|&amazon(B000069S9O)|CENTER:&amazon(B00006L8ZP)| |販売・開発元|ナムコ|~|~| |発売日|1997年8月7日|~|~| |価格|6,090円|~|~| |備考|ガンコン対応&br()PS2『ガンバリコレクション プラス タイムクライシス』&br()にもガンコン2のみ対応で収録|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| ---- **概要(PS) 『[[タイムクライシス]]』と共にプレイステーションに移植。専用開発のガンコントローラ「ガンコン」も同時発売され、同梱版も発売された。~ 業務用を完全移植した「アーケードモード」、家庭用ならではの様々なアレンジを施した「アレンジモード」の二つがある。 2002年12月12日に発売されたPS2専用ソフト『ガンバリコレクション プラス タイムクライシス』((「ガンコン2」同梱版は7,329円、ソフト単体は3,990円。))には、この移植版と続編の3作と『タイムクライシス』が収録されている。~ 同作はガンコン2のみの対応となり、ロード時間の僅かな短縮・セーブ&ロードやボタン設定などのシステム関連の表示が変更された点以外はPS1版のベタ移植となっている。 ---- -「アーケードモード」 --業務用と全く同じ内容だが、クレジット数、ライフ数が設定できるようになっている。 -「アレンジモード」 --「トレーニング」 ---好きなゲームを選んで練習できるモード。難易度設定可能。 --「スペシャル」 ---業務用の「ガンバレット」に新ステージを追加したモード。基本はアーケードモードと変わらない。 --「パーティープレイ」 ---最大8人で遊べる対戦モード。ハンディキャップの設定も可能。 -「クエスト」 --詳細は下記参照。 ---- ***クエストモード RPG風の一人用ゲーム。しかしガンシューの1モードとしてはかなり作り込まれており、一つのゲームとしても十分遊べる。 ''ストーリー''~ 世界的にはちょっとマイナーだが、とても有名なオヤジ、Dr.ドンとDr.ダンの二人の探検家がいた。~ ある日二人が仲良く(?)食事をしていると、そこへある人物が現れた。現れたへんてこりんなオヤジは世界的に超メジャーなエクセレントカンパニー「ケチネケチ」のボス、カネモッチー、その人だった。~ 彼曰く、ガンバレットに古くから伝わる伝説のガン「ガンモドキ」を二人に探し出して欲しいとの事。報酬は何と100万ゴールド。胡散臭い話だが、面白そうだったため二人は即座に引き受けることに。~ そして二人は「ガンモドキが5つの欠片になって散らばっている」というガンバレッ島に乗り込んだ。はたして「ガンモドキ」は見つかるのか?そして、二人の運命やいかに? ''概要(クエストモード)''~ -ガンバレッ島を舞台に冒険が繰り広げられ、ガンモドキを手に入れるのが目的。全5章。 --十字キーやスティックを使って操作するのではなく、画面を撃つとそのポイントに向かって主人公が歩くタイプである。従って、ガンコンでもプレイ可能。~ 村では民家で情報収集をしたり道具屋でアイテムを購入したりと、基本は一般的なRPGと同じ。 --登場人物達が妙に個性的…というかカオスで、普通の美少女も居ればバケモノと見紛うようなブスもいたり、カエルが一軒家に暮らしていたり、あのバカ殿が登場したりと、見ていて飽きない。~ 更には同社の『[[ワルキューレの伝説]]』の主人公たち、果てはアメリカの超有名SFミステリードラマ「X○ァイル」の捜査官達や、漫画「[[美味○んぼ>美味しんぼ 究極のメニュー三本勝負]]」の○原雄三のパロディまで登場する始末。 --ストーリーは見た目通りコミカル調だが、人体実験などと言ったシリアスな描写も一部あり、ただの宝探しに留まらないどんでん返しも用意されている。 -ランダムエンカウント方式で、戦闘は全てミニゲーム。一部シンボルエンカウント方式の敵も居る。 --遭遇した敵に応じたミッションが発生する。例えばピラニアに遭えば「ピラニアからオヤジを守れ!」のミニゲームをプレイする事になる。~ そのシステム上、生物のみならず車や射撃用の的まで襲って来るカオスっぷり。しかも全ての敵に遭遇時、勝利、敗北の台詞が個別で用意されている。いずれも敵の特徴に合っていて面白い。 ---遭遇した敵の数に応じて「へんな」「こわい」「凶暴な」「極悪な」と敵の肩書きが変わり、練習~激ムズまでの難易度が決定する。物語が進む毎に難易度が上昇するようになっている。 --遭遇時に「かまう」を選ぶと戦闘になり、勝利すれば経験値と金を入手できる。敗北すると攻撃されHPが減少し、無くなるとゲームオーバー。高難度ほど受けるダメージも大きくなる。~ 「ムシする」ことで逃走も可能だが、失敗すると転んでギックリ腰になり、素早さが半分になる。逆に成功すれば素早さが上がるが、失敗する度に半減するのでなかなか増えにくい。 ---敵によってはダメージを受けるばかりかステータス異常を引き起こすものもいる。ステータスも「太る(腹が出過ぎて民家に入れない)」「汚れる(NPCに拒絶される)」、~ 「小さくなる(NPCに気付かれない)」「下痢(一般的なRPGで言う毒)」などユニークなものとなっており、ステータス異常を利用するギミックも存在する。 --使い捨ての武器アイテムも存在し、戦闘前に使用するか選択できる((使用する武器はミニゲームに応じて自動で判別される。))。マシンガンを使えば銃撃が連射仕様になり、ショットガンを使えば散弾仕様になる。 --エリアの最後に待ち受けるボスとの戦いでは今作オリジナルゲームが用意されている。 ---ここでは武器アイテムは使えない上、負けるとHPに関係無くゲームオーバー((最終エリアのオリジナルゲームはボスではなく任意イベントであり、負けてもペナルティは無い。))。クリアすればトレーニングモードで遊べるようになる。 ---- **その後 その後、続編として1998年に『ガンバァール』、2000年に『ガンバリィーナ』がアーケード・PS1用に発売され、メダルゲーム『ガンバレット フィーバー』も稼動した。~ 更に本作のシステムをベースにグラフィックを3D化した姉妹作『オーバキューン』がライジングにより開発、1999年にアーケード・2000年にPS1用に発売された。 そして2016年、アーケード版としては何と約16年ぶりとなる、旧3作品のリメイク色の強い新作『ガンバレットX』が稼働した。~ 旧3作品と同システムの「ガチモード」に加え、低年齢層向けの「あんしんモード((1プレイにつき成功失敗誤射関係なく4ステージ保障、照準が大きくトリガー引きっぱなしで連射可、ただし全ステージ遊ぶには確実にコンティニュー3~4回必要))」が搭載。反動付きガンコンは『[[タイムクライシス4]]』の小型軽量品に変更された。~ しかし新作ゲームの目新しさが薄い、ゲームバランスが悪化((一部ゲームで必ず発生する処理落ち、旧3作品にあった命中率100%以上だった際のスコアボーナスの削除、初級・上級での基本難度上昇および挿入される「激ムズ」の難度が「最初に選択できる『激ムズ』と同じ最高難度」に統一された点は槍玉に挙げられた。))と、『[[タイムクライシス5]]』と同様に旧作からの改悪が目立ち気味で、ファンの評判もあまり芳しくない。~ **参考動画(ニコニコ動画) #region &nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm4570496) &nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm4571073) #endregion