ドラゴンクエストヒーローズI・II for Nintendo Switch
【どらごんくえすとひーろーず わん つー ふぉー にんてんどーすいっち】
| ジャンル | 3DアクションRPG |  
 | 
| 対応機種 | Nintendo Switch | 
| メディア | ゲームカード | 
| 発売元 | スクウェア・エニックス | 
| 開発元 | コーエーテクモゲームス | 
| 発売日 | 2017年3月3日 | 
| 定価 | 8,800円(税別) | 
| プレイ人数 | 1~4人 | 
| レーティング | CERO:B(12才以上対象) | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | DQHシリーズ2作カップリング | 
| ドラゴンクエストシリーズ | 
 
概要
DQシリーズキャラが集結して共闘するお祭りゲー『ドラゴンクエストヒーローズ』シリーズ2作を
Nintendo Switch
向けにカップリングし、過去の全DLCと追加要素を収録して移植したソフト。
同ハードのローンチタイトルとして発売された。
各作品の特徴についてはオリジナル版の記事DQH1、DQH2を参照のこと。
追加要素
追加要素はDQH2が主であり、その要素について述べる。
- 
DQ4よりライアン参戦
- 
戦士タイプで、全ての特技がMP0という特徴を持つ。そのため特技を途切れさせることなく連発できる強みを持つが、パッシブスキルでMPを上げないとパーティコンボは使用不可という欠点を併せ持つ。
- 
1人で自身の攻撃力・守備力アップ+怯みづらい、相手の攻撃力ダウン、HP回復技を持つ万能タイプ。
- 
ホイミンは出てこないが代わりにホミロンに懐かれており、特技を出す時にそばによってきたりする。
- 
後半でホミロンを護衛するときにもホミロンを呼べる。ホミロンが2匹同時にいるのはちょっとシュールかも。
 
- 
DQH1で追加されたピサロと違ってストーリーにも絡んでくる。
- 
アリーナ・クリフト加入のあとになるので、最後に仲間入りするキャラとなる。
 
- 
ライアンに関するクエストも追加された。
 
- 
迷宮ボスにDQ2よりシドー追加
- 
竜王と同じく、パワーアップ版のシドー・強とシドー・極も登場する。戦闘内容も竜王と同じく強は純粋な強化版で、極はアトラス・バズズ・ベリアルなどの仲間を加勢させてくる。
- 
その他、進化の迷宮のバトル地点も20ほど追加されている。
 
- 
アクセサリーのしんぴのカードとしんぴのカード改の強化に必要なアイテムが変更された。
- 
エスターク、竜王、シドーを倒すと「○○(魔王の名前)の涙」というアイテムが貰えるので、それを使って強化する。必要個数はいずれかの涙2種類から1個ずつとなっている。
- 
封印システムが追加。入手ごとに変わるランダム効果の候補を減らすことができる。何らかの効果を強化したカードを解体すると、強化した効果の封印の素が入手でき、一定数溜まるとその効果が付与されたカードを入手せずにすむ。もちろん封印の解除も可能。
 
- 
とうぞくのはな追加
- 
自分に対して宝物がどの程度の距離にあるのかをHD振動で知らせてくれるシステム
 
- 
初回特典のシリアルコードで、主人公2人用の『ドラゴンクエストII』の主人公のコスチュームがもらえる。
評価点
- 
全体的なバランス調整
- 
特にDQH1で不評だった点が大幅に修正されている。例を挙げると
- 
必殺技の演出をオプションで短縮可能に
- 
素材を自動取得するようになった
- 
ホイミストーンを一度で全て充填可能になった
- 
錬金アニメーションを見たあとに、会話を終了せずに続けて錬金窯を使えばアニメーションをカットできるようになった。
- 
小さなメダル1枚で交換できる「女神の救済」が追加(バトル敗北時に使用することで、リトライ時の難易度が下がるアイテム)
 
- 
と多岐にわたる。特に素材の自動取得は大きく、大幅に快適になっている。
- 
DQH2においても武器熟練度の緩和など、全体的にオリジナルより遊びやすくチューニングされている。
- 
難易度も防衛対象の被ダメージが減っており、難易度の緩和が図られている。こちらも特にDQH1で顕著。
 
 
- 
HD振動対応
- 
Switchの目玉機能であるHD振動にロンチでありながら対応。メタルスライムを斬った時の硬い感触などが表現されている。
- 
振動するポイントも増加している
- 
ムービー中やルーラで頭をぶつけた時、必殺技使用時などにも振動するようになり、臨場感が高まっている。
 
 
- 
据置機と携帯機のいいとこ取り
- 
本作の、というよりSwitchの特性だが据置機としてでも、携帯機としてでもDQHを遊べるようになった。一作目を携帯できるのは今作のみである。
- 
DQH2ならば、PS4とVITAのセーブデータをPSNにアップロードし、データ共有をすることで同じことができたが、本作ならSwitch1台で可能でより手軽にプレイできる。
 
- 
後述の賛否点にもなるが、グラフィックの質自体は低くなく、それを携帯できるというのも大きい。
賛否両論点
- 
グラフィック面
- 
最上位のPS4版と比較した場合、背景グラフィックなどは大幅に簡素化されている。拠点であるゼビオンなどは明白なレベル。
- 
携帯モードの際はプレイヤーキャラクターの影がカットされるなど、細かいところでもさらにグラフィックを削って処理を軽くしている。
- 
一方でキャラクターモデル自体はPS4版並みにあり、総合的なグラフィックの質はPS4>Switch>PS3>VITAといったところ。
- 
PS4と比較すれば質は劣るが、PS3版、Vita版以上の質の画質を維持しつつ携帯できるというメリットがある。どちらをクローズアップするかで評価が分かれるところである。
 
- 
DQH1に追加要素がほぼない
- 
その分前述したような細かい点がDQH2準拠に改良されて遊びやすさが断然向上している。
- 
従って「DQH2のおまけにDQH1が付いてくる」ような状態であり、DQH1をプレイする意味が薄れている。
- 
片方のクリアセーブデータがあればもう片方の作品に何らかの形で追加要素として反映される要素でもあればプレイするモチベーションが上がったと思うのだが。
 
- 
ライアン参戦について
- 
ただでさえ参加人数の多いDQ4からさらに追加され、ブライ以外は全員参戦という事態に。
- 
他のシリーズから未参加で人気のあるキャラは多いだけに、さらにDQ4からの追加に関しては賛否の声もある。
 
- 
上記の件を踏まえて、1をやる必要性が薄くなってしまっている
- 
追加要素が2に集中している上に、当然ではあるがシステムも2の方がブラッシュアップされており、加えて2で不参加であるアクト、メーア、ビアンカ、フローラ、ヤンガス、ピサロに関しても限定的ではあるがオンラインオフライン問わずプレイアブルキャラクターとして操作出来る。
よほど1のストーリーやシステムの方が気に入ったので無ければわざわざ1をやる必要も無い。
 
- 
価格の高さ
- 
カップリングとはいえ8,800円(税別)は、発売当時で既にPS4版のDQH1・2両方を合わせた中古価格を上回ってしまっていた。
- 
PS版からの追加要素に加えてSwitch独自の追加要素、どこでもプレイできるという本体の特徴もあるので、そこに上乗せされた価格分の魅力を感じるかによって評価は変わるだろう。
 
問題点
- 
フレームレート低下
- 
PS4は上限60fpsだったが、SwitchはPS3版やVita版と同じく上限30fpsになっている。
- 
ただ常時30fpsというわけにはいかず、敵が多く密集した中で大技を使うなどするとfpsが下がり、ガクガクになることもある。
- 
特に携帯モード時は据置モード時以上に安定性が落ちる。
 
- 
ハード性能の割にオブジェクトの数はPS4版並にあり、ハードの研究が不充分な状況においてロンチタイトルとして移植されたため、やや最適化不足の面が目立ってしまったといえる。
- 
現在3度にわたるパッチが配信されており、発売当初よりはfpsが安定する場面は増えている。
 
 
総評
既存作品の再発売であるため、既にオリジナル版を遊びつくすほどやりこんだという人には魅力はあまりないかもしれない。
一方で、単なるベタ移植ではなく細かい部分で更に遊びやすく調整されている他、他機種での追加コンテンツも全て収録済みで、『2』のみではあるが新規要素も追加されている。DQHシリーズをプレイしたことがない、DQHが好きで更にやり込みたいという人には十分おすすめできる。
特に家でも外でも自分のプレイスタイルに合わせて遊べるSwitchの恩恵は大きいため、PS4版などの最上位のクオリティで遊びたいというこだわりが特にないのであれば、こちらを選ぶのもよいだろう。
余談
- 
他のNintendo Switchでパッケージソフトとして売り出されたロンチタイトルが軒並み2016年の頃から存在が明かされていた中、本作はSwitch発売のわずか1ヶ月半前に行なわれた「Nintendo Switch プレゼンテーション」で突然発表された。
- 
詳しい内容はこの日には明かされなかったものの、次の日行われた体験会では実際に試遊することができ、また同時に配信されていた生放送にて追加要素などの説明が行なわれるという、かなり電撃的な発表となった。
- 
この日のプレゼンで新たに発表されたパッケージソフトでのロンチタイトルは、他には任天堂の自社ソフトである『1-2-Switch』だけである。
 
- 
Nintendo switchのゲームカードは必要に応じて8GB、16GB、32GBという容量に応じた種別があるが、下記のFF X/X-2までは32GBカードを採用しているソフトは今作しかなかった。
- 
他のゲームで16GBを越える容量の場合は「ダウンロード専売にする」「パッケージ版だが追加データをダウンロードさせる」という手法が多い。大容量ゲームカードはコストが高いのかもしれない。
- 
なお、Switchのストレージ容量は32GBであるため、ダウンロード版を購入しようとすると別途市販のmicroSDカードの購入が必須である。
- 
本体OSなどにも使われるため、正確な容量は約26GBである。今作のダウンロード版容量は約26.8GBなのでギリギリ入らない。
- 
そもそもSwitch本体内蔵ストレージは主にセーブデータを保存するためのものであり、ゲームデータをインストールするのには向いてない。
 
 
最終更新:2025年08月26日 01:40