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アーマード・コア2 アナザーエイジ」を以下のとおり復元します。
*ARMORED CORE 2 AnotherAge
【あーまーどこあ つー あなざーえいじ】
|ジャンル|3D戦闘メカアクション|&amazon(B00005OVUR)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売・開発元|フロム・ソフトウェア|~|
|発売日|2001年4月12日|~|
|定価|7,140円|~|
|廉価版|PlayStation2 the Best&br()2002年11月7日/3,150円|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:BGCOLOR(#fed):''[[アーマード・コア シリーズ 作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/307.html]]''|

&br()

**概要
アーマード・コアシリーズの五作目。ACシリーズがPS2にプラットフォームを移してからの二作目となる。~
世界観をAC2と共有しており、いわゆる「地球暦シリーズ」最後の作品となる。通称「AC2AA」。

**ストーリー
 前作の火星における騒乱から5年後----。
 この騒乱の収拾および復興に力を注ぐことを余儀なくされた地球政府は強い指導力を必要とし、軍事力の増強を推し進めた。
 これに対抗し企業もまた秘密裏にその戦力を拡大し、政府と企業体は以前にも増してその関係を悪化させていく。
 
 反面、政府は軍事力の拡大に傾いたことによって地上の復興に消極的にならざるを得ず、その結果、各地の地下都市を中心に小規模な武装蜂起が発生していった。
 地球圏でのレイヴンの需要が途絶えることはない。プレイヤーは地球圏で活躍するレイヴンのひとりとなり、様々な勢力の依頼を受け、戦場に身を投じていく。

-…と書いたものの、実はゲーム内でプレイヤーがストーリーを意識する場面は殆どないと言っていいだろう。&br()AC2AAには追うべきストーリーなどはなく、プレイヤーは''一傭兵として、淡々と任務をこなしていくことでゲームが進行する。''&br()このあたりは、[[初代AC>アーマード・コア]]を意識した仕様となっている。

**システム
システム面はほとんど前作と同じなので、[[こちら>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/616.html]]を参照して欲しい。ここでは、目立った変更点・追加要素について紹介する。&br()

-''オーバードブースト使用時の熱量''
--前作では使用にほとんど制限のなかったオーバードブーストだが、今作ではOB発動時に大きく自機の熱量が増加。これにより安易なOBの連発にリスクが伴うことになり、冷却器であるラジエーターの選択も重要なものとなった。

-''機体速度上限の大きな緩和''
--前作では機体速度に大きな制限がかかっており、軽量二脚が非常に苦しい戦いを強いられていた。しかし今作ではAC全体の速度制限が緩和され、軽量級も他のアセンブルと対等に渡り合えるようになった。

-''リミッター解除時間の短縮''
--前作で対戦バランスの崩壊の一端となっていたリミッター解除。しかし、今作では全コアリミッター解除時間が一律で短縮され、それなりにリスクの伴う行為となった。

-''ロックオンマーカー''
--難易度ノーマル限定で障害物を挟んで敵機をロックした際、ロックオンマーカーの色が緑色になり、障害物の有無が人目でわかるようになった。

-''VSミッション''
--本作独自の要素として、二人で協力・対抗して行えるミッションが存在する。

他にも各パーツなどに微調整が加わっているほか、細かな調整が加えられている。

**特徴 -単独プレイ編-
本作は、数多くのレイヴンたちから''「『4』以前のアーマード・コアでは最高傑作」''と讃えられることが多い。&br()その理由は大きく分けて二つあり、ひとつはミッションにある。

-ミッションはシリーズ中でも特に数が多く、シチュエーションも非常に豊富。
--ACお約束の「小規模テロ組織の壊滅」や、海上でのわずかな足場を駆使しての戦い、護衛任務など…さらには対AC戦から兵器試験など、様々なシチュエーションが揃う。
---いまやシリーズのお約束となった''「騙して悪いが」''((依頼を受けたプレイヤーを騙して罠にはめたり、最初から主人公の抹殺が目的で偽の依頼でプレイヤーをおびき寄せてだまし討ちを仕掛けるミッションの総称。初代ACからいくつかこの手の依頼は存在していたが本作でACの伝統となり、以降のACでもこの手のシチュエーションがお約束のように登場する。))もこの作品でほぼ確立されたと言っていい。
--先ほど紹介したVSミッションもシチュエーション豊富で、様々な形で友人との協力・対決プレイが行える。

-登場レイヴンの個性。
--前述の「騙して悪いが~」で一躍ネタレイヴンとなったランバージャックに、一度は敗北するも「この際プライドは抜きだ」と主人公に対しての執念を見せ再戦を挑んでくるザルトホック。主人公に追い詰められながらも「もう逃げられんな」と腹をくくって立ち向かい、しかもその実力でプレイヤーを苦しめるソウルアーミー、セリフこそないが凄まじい強さを誇るバストロール…他にも、多くの敵レイヴンが登場し、ミッションを盛り上げてくれる。
---搭乗する機体も個性にあふれており、軽量級に大火力の大型ミサイルを装備した変り種から、堅実な構成の相手、そしてACおなじみの公式チート『強化人間』と各種制限解除を併用し、強力な装備に身を固めた反則の塊のようなACもいる。

-そして、なにより''旧作からついてきたファンへのファンサービス''
--本作自体も初代を意識した節があるが、それを引いても本作にはファンサービス要素が多い。
---その最たるものがミッション「正体不明機排除」。
---ミッション内容は「アリーナ((レイヴン同士をACを操縦して戦わせ、それを観戦して楽しんだり、どちらが勝つかに金をかけて楽しむ娯楽的なイベント。今作には存在しないが、ゲーム中では気楽にCPUのACと対戦して小金を稼ぐための、ミッションとは違った戦いの場として用意されるのが慣例となっている。))に乱入した所属不明のACを撃破せよ」という単純なものであるが、そこでプレイヤーを待ち受けるのは、''なんと旧作プレイヤーならその名を知らないものはいないほどの、最強の敵『[[ナインボール>アーマード・コア マスターオブアリーナ]]』。''専用BGMも相まって、レイヴンたちはかつての強敵とのまさかの再会に心震えた。
---ほかにも、多くのファンサービスがある。プレイして確かめてみて欲しい。

-その他、本作独自の特徴としてはストーリーやチュートリアル等が完全に排されている事が挙げられる。
--AC2の追加ディスクと呼ぶには聊か語弊のある豪勢なボリュームだが、ゲームスタートの導入部や演出などは一切なくガレージ画面へと移り、プレイヤーは初期機体と初期資金10万を片手に、最初から世界の一員としてレイヴン稼業に勤しむ事になる。
--また、本作はシリーズ中で唯一''収支はミッション成功時のみ''という特徴があり、失敗した場合でも弾薬費・機体修理費による出費や選択ミッションが消滅してしまうようなデメリットは一切無い。これまでのシリーズに慣れていると若干寂しさもあるが、どのようなミッションでも気兼ねなく挑戦できる分、初見殺しのミッションや高難易度ミッションとの相性は良好と言えるだろう。
---強制ゲームオーバーも存在せず、セーブ&ロードを繰り返す必要も無い。ストレスにならないこの快適さは本作のミッション形式と素晴らしくマッチしている。

**特徴 -対戦プレイ編-
-本作は対戦バランスはトップクラスとも言われている。
--「殆どの武器に活躍の場がある」ことが要因の一つで、ミサイルの誘導性能が良いためミサイルが、当たり判定の大きさからロケットが、と多くの肩武器が活躍でき、腕武器も多くのジャンルが対戦において活躍の場がある。救われない武器は存在するが(詳しくは後述)、他シリーズでは趣味の域を出ない代表的武器であったロケットが脚光を浴びるのは本作ならでは。
--多様で様々な戦術に対応したミサイルの有用性とそれを強力にするミサイル向け高速ロックFCSの存在、対して2シリーズ新登場ながら随一の超高性能を誇る「迎撃ミサイル」。ならば迎撃弾数を超えるミサイルを持ち込もう、いやいや「連動ミサイル」で大量の弾幕を張って対抗しよう…等、一見して凶悪に見える性能に対抗するアセンブリの応酬もとにかくアツい。
--初心者救済の意味合いもあってインチキのような強さを誇る「KARASAWA-MK2」、強武器の弾数を増やしてくれる「両肩弾倉」など使用禁止の常連のようなパーツもあるが、他シリーズと比較すると対戦での使用禁止パーツはかなり少ない。両肩弾倉も後述するエネルギースナイパーライフルとの組み合わせが問題視され、その他は禁止されない場合もある。
--ユーザーから''AA三大武器''と呼ばれるエネルギースナイパーライフル「ZWF-S/NIGHT」、ハンドガン「ZWG-HG-111」、ハンドグレネード「EWG-HC-GN210」は強武器の代表格とされているが、他にもパルスライフル以上の弾数に長射程・弾速を誇るレーザーライフル「EWG-XC213」など優秀な武器はあり、いずれも一つしか持ち込めない右腕装備であると考えれば選択の幅は広い。
--肩武器では前述のミサイルやロケットの他、タンク型の花形であるキャノンも魅力的。シリーズお約束の象徴的グレネードランチャー「EWC-GN44-AC」、軽量で熱量の高いチェインガン「ZWC-CN/500」、シリーズ随一の高速散弾で対軽量機にも有効なリニアガン「ZWC-LNT/250」など対戦に限っただけでも魅力的な武器が沢山。

-脚部カテゴリや重量・軽量の機体重量でも均整が取れており、対戦で「対戦定番の機体」が席巻する、という事態が起こらない。
--ブレードの一撃を狙うことに特化した「剣豪」やミサイル攻撃に特化した「ミサイラー」、機動力を捨て全距離における迎撃に特化した「姫路城アーマー」など多くの実戦向けアセンブルが存在し、多くの機体、多くの戦術が戦場での活躍のチャンスがある。

-逆転が比較的しやすく、白熱したシーソーゲームとなりやすい。
--回避もできるが弾が当たりやすいバランスで、OBによる急接近がしやすい為に他のACシリーズと比べ「やや攻め側有利」なバランスになっている。
--これによりAPが勝っている側が単純に逃げ続けることが困難で、よほど実力に差がない限りはある程度のAPは十分に逆転が可能。

-絶妙に調整されたリミッター解除の存在。
--特定のコマンドを入力することでコア毎に異なる20~35秒間ENが減らない状態(時間中は警告音と表示が出る)になり、経過後はその2倍の時間強制チャージングでエネルギーが0の状態が続くというもの。使った側は常時OB状態でミサイルやEN武器を嵐のように垂れ流してくるので対抗して解除せずに耐え切るのは難しい。
--要はデメリットありで短時間能力強化状態になることができるというもので、ACシリーズでは2系特有の珍しい仕様。感覚的には格ゲーあたりに近い物があるかもしれない。
--APにかなり大きな差が生まれて敗死寸前の絶望的な状況であっても「こちらは後2発で死ぬが相手のAPも減っているのでリミッター解除による爆発的な機動力で一瞬で間合いを詰め、対応する暇を与えず一気に削り殺す」といった芸当が可能。
--勿論相手にもリミッター解除はあり、リミッター解除状態の相手に対し解除せず障害物を使って上手く効果が切れるまで凌ぐ事もできるのでそのあたりの読み合いもアツい。

**欠点
-パーツバランス
--シリーズ最高峰のバランスと書いたものの、やはりというか救われないパーツがないわけではない。
---ハンドガンの強化のため近接戦闘武装としての立場を失ったマシンガン、超優秀な弾速と射程でレーザーライフルに喰われたパルスライフル、全弾当ててようやく他の火器並の火力になるショットガンなど、死に武器は存在する。
---まだミッションでなら実用範囲であるマシンガンやパルスライフルはまだしも、ショットガンだけは本当にどうしようもない。そのエフェクトから『ポップコーン』とまで呼ばれる始末。
---フレームパーツもガチ対戦となると四脚、フロートはかなり厳しい。まったく戦えないわけではないが、他の脚部に拮抗するだけの利点がないのが原因。
//---また、ジェネレータやラジエーターなどはほぼ一択の状況。


-難易度
--他のシリーズに比べて難易度は高い。正直初心者にはおすすめしかねる。
--ゲーム中盤以降は全体的に難易度の高いミッションが多く、この手のゲーム恒例の「初見殺し」も多いため、適切なアセンブル知識とAC操縦の腕をプレイヤーに要求する。
--圧倒的な装甲と火力を誇り、しかもステージを横切るように高速移動するため攻撃チャンスも限られる難敵「グレイクラウド」を相手にタイマンを強いられる「大型兵器撃破」、3機のACを相手に戦う「専属レイヴン消去」などはACシリーズ屈指の難ミッションとして有名。
---だが、後発の『[[サイレントライン>アーマード・コア3 サイレントライン]]』や『[[ラストレイヴン>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/299.html]]』に比べれば「理不尽な難しさ」ではなく、楽しめる難しさではあるという意見が多い。
---ミッション後の査定がないこともストレスを和らげる要因の一つだが、攻略を楽にする・難敵でも致命的弱点となるパーツがきちんと存在しているため、操作の腕だけではなくアセンブリ知識の向上でも十分に突破できる。

-わかりづらいパラメータ
--シリーズ全体の悪癖だが、やはり各パーツ、そしてACのスペックを知るためのパラメータ数が多く把握しづらい。なかには「ダミーパラメータ」と呼ばれる殆ど気にする必要がないパラメータも存在し、初心者はこの凄まじく多いパラメータに振り回されることになる。
//---パラメータ表示がすべて英語表記なのもそれに拍車をかける。これが改善されるまでに、数年後の『[[ネクサス>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/221.html]]』を待たねばならなかった。
//日本語になってパラメータがわかりやすく改善されたかというと… 旧シリーズに慣れていると日本語表記で違和感があったりする場合も。

-アリーナがない。
--手軽な資金稼ぎの場であり、敵ACと一対一で戦えるアリーナがない。初代を意識した仕様なのかもしれないが、やはり寂しいところである。
--基本的には『2』からの引き継ぎを前提としているので実際に資金繰りに困ることはほとんどない。フロム側もそれを見越したとも考えられる。

**総評
本作を「オールドシリーズの最高傑作」と評するレイヴンは少なくなく、現在でも各地で対戦会が開かれるほど息の長いタイトルとなっている。~
ゲーム開始時から機体の構築や攻略に説明も導入もなく、プレイヤーは最初からベテランとして世界に挑まなければならない為、この作品からACを始めることはあまりお勧めできないが、他のタイトル、特に前作『2』をプレイした後に遊ぶならば非常に遊び応えのあるゲームとなってくれるはずである。

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