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*SIMPLE2000シリーズ Vol.34 THE 恋愛ホラーアドベンチャー 漂流少女 【しんぷるにせんしりーず ぼりゅーむ34 ざ れんあいほらーあどべんちゃー ひょうりゅうしょうじょ】 |ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B00009MDCL)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|D3パブリッシャー|~| |開発元|シエスタ|~| |発売日|2003年7月24日|~| |定価|2,000円(税別)|~| |ポイント|いらないヒロイン''謀殺''|~| |>|>|CENTER:''[[SIMPLEシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/220.html]]''| *概要 D3パブリッシャーによる廉価版ゲームシリーズ『SIMPLE2000シリーズ』の1作。~ 地下に埋没した廃校からの脱出を目指すアドベンチャーゲーム。 *特徴 -主人公は5人の女性キャラの中の1人とペアを組み、校舎内の探索を行う。 --女性キャラは、元気な幼馴染・清楚な巨乳メガネ・''口調がイタいロリ''・強気なお嬢・自殺志願の年上。~ 他に主人公の親友ポジションの男性キャラも1人出てくるが、このキャラと組む事はできない。 --女性キャラは全員フルボイスである。 -主人公と女性陣にはHPが設定されており、1日ごとに一定の食料を与えないと減っていく。 --0になると主人公なら死亡・ゲームオーバーとなる。~ 女性キャラは行動不能となり、翌日にHP1で復活するが、終盤の舞台まで進めていた場合は死亡する。 -特定のイベントではCGの1枚絵が表示される。1度見たCGは別モードで閲覧可能。 -既読文章スキップと、ボイスON・OFF機能はある。また、セーブはいつでも可能。 **人間模様 -主人公達の人間関係がやたらとドロドロ。 --お嬢は親友の男が好き→親友の男はメガネが好き→メガネは主人公が好き。~ 更に、メガネの親友である幼馴染も主人公が好き。ロリと年上は蚊帳の外。~ しかしこの辺の関係は、主人公が5人の誰とでもくっつけるというシステムの都合上序盤で有耶無耶に…。 -各ヒロインの特徴は、以下の通り。 --幼馴染 ---応急手当が得意で、主人公のHPが一定以下になると回復を行ってくれる…のだが、イベントで負傷した時でないと回復してくれない。~ しかも中盤にならないと入手できないアイテムが必要で、その上3回までしか回復できない。 ---パートナー選択画面ではデフォルトでカーソルが合っている事や、キャラ設定などから見てメインヒロインらしいのだが、~ 前述の通り中盤以降にならないとメリットが無い為、初期に組んでも意味は無い。~ また2週目以降も、ダメージを受ける選択肢は変化しない為、いよいよ組む恩恵を受けられる機会は少ない。 ---OPでも最初に登場はするものの、男2人に気にされているメガネ・性格の悪いお嬢・''とにかくウザいロリ''・1人別格扱いの年上と、~ それぞれ目立つ他の面々の前に、どんどん「いるだけキャラ」と化していく。 ---グラフィックも顔と胴体のパースがおかしく、頭がデカい。 ---告白シーンのCGが、''なぜか無表情の顔アップ''。~ キスシーンのCGが、これの「目を閉じたバージョン」(所謂差分)なので、その兼ね合い上だろう。 --メガネ ---賢く要領も良いという設定で、組むと1日の行動回数が若干増える。また、5人の中で1番正確なアドバイスもくれる。~ HPがメンバー1低いが少食なのであまり困らない。~ 唯一、組むと恒常的にメリットに預かれるキャラ。 ---但し顔はアップ絵に限ってデッサンが狂い、両目の間が妙に空いてしまう。~ また巨乳のはずなのだが、''クリア時に披露するビキニ姿では明らかに胸が縮んでいる''。 --ロリ ---''なぜか極端に優遇されている''。彼女と組んだ時のみ入手できる食料がある。~ また悪霊退治方法もこいつが考え出しており、重要アイテム入手にも関わっている。~ 1人で3人分くらい活躍している。キスシーンがあるのも幼馴染と彼女だけ。 ---但し終盤の舞台には食糧自体が存在しないので、完全に用無しに。~ ところが他のキャラと組もうとすると''「寂しいからその前に抱きしめてくれ」と言い出す''。明らかにスタッフに愛されている。~ …しかし、よくよく考えれば上記のイベントを見られるのは、最低でも5日目以降となる。そして、舞台は8月。~ ''つまり相手は真夏に5日間は風呂に入っていないわけで…''。 --お嬢 ---HPが高いだけの役立たず。唯一組むメリットは皆無。~ あるアイテムが有るとランダムで料理を作るイベントが起き、消費した食料が若干戻ってくるのだが、~ ''このイベントは好感度に関係なく発生する''ため組まなくても問題は無い。~ しかもこのアイテムは、''幼馴染の場合と違って強制入手ではない''為、見付けられなければ完全に用無しキャラ。 ---OPでは主人公の親友にベタボレなのだが、本編では急に主人公に対して思わせ振りな事ばかり言い出し、攻略すると親友から主人公に乗り換える。~ これまでの振る舞いも相まって只のビッチにしか見えない。~ 更に、元々主人公に惚れていた幼馴染&メガネ・途中の強制イベントで主人公に助けられるロリ&年上に対し、~ ''こいつだけはなぜ主人公に惚れたのかという説明や描写がまるでない''。 ---悪霊を合わせ鏡で倒す際、こいつのコンパクトを借り、敵をトイレの鏡の前まで誘き出す事になるのだが、~ 主人公が必死で戦っている間''こいつは呑気に化粧を直していた''。~ しかももう1つのコンパクトで。''鏡2つ持ってるならそれで挟み撃ちしろ!!'' --年上 ---唯一、途中から仲間になるキャラ。~ 組んだ場合、2回目と4回目のバトルの際に間違った選択肢を選ぶとフォローをしてくれる…~ というか、その2回の戦闘では全くダメージを受けなくなるという極端なもの。それ以外では組むメリット無し。~ 幼馴染同様、ダメージを受ける選択肢がわかっている再プレイ時には、使い道は無いだろう。 ---自殺志願者のはずなのだが、舞踏会にでも出そうな服装をしていたり、主人公達を見て逃げ回ったりと、どう見ても死ぬ気は無さそうである。 ---なおこいつの3サイズは全てお嬢より1cm上。身長と体重は1ずつ低い。誕生日も10日ずらしただけ。血液型は同じ。手抜きか?~ 5人の中でヒップサイズは1番デカいのだが、尻を強調したCGは無い…''どころかそれはロリに持っていかれた''。 ---両手に白手袋をはめているのだが、グラごとにいい加減で、付けていなかったり不自然な所で切れていたりする。~ ''グラフィッカー仕事しろ''。 **問題点 -メーカーロゴがスキップできない。これだけならば、ありがちな仕様ではあるが。 -何よりもまずタイトルが謎。『漂流教室』のパロディなのだろうが、「漂流」している感は薄い。 --悪霊やモンスターは登場するが、主人公達がまるで恐れずに正面から戦おうとするため、「ホラー」という雰囲気はまるでない。~ むしろRPGでいう「敵キャラ」の様な扱いである。戦闘時のBGMも妙に熱い曲。 --生物室で標本の向きが変わっていたり、被服室で鋏が机に突き刺されていたり、~ 美術室で真っ赤な液体が散乱していたりといかにもホラーっぽいイベントがある…~ のだが、どれもテキストで表示されるだけでBGMも変化せず、しかも例によって主人公達がまるで怖がらないためだから何だという感じである。~ プレイヤーを怖がらせる気が無いのだろうか。 --というわけで、''「恋愛バトルアドベンチャー 生き埋め少女」''とすべきである。 -では恋愛ゲームとしてはどうかというと、なにせ舞台が舞台なのでデートなどできようはずもない。~ 組んだヒロインに応じて、特定の場所に行くと会話イベントが発生するのだが、選択肢は存在せず主人公が勝手に喋っておしまい。~ 基本的に「攻略したいキャラとだけ組んで最後まで行動すればOK」である。 --更に、ロリ以外は''食料をギリギリまで与えず、HP1の状態を維持したままでも攻略できる(=食料は好感度に影響しない)''。 -女キャラはいかにもな萌え絵だが、幽霊や背景はやたらおどろおどろしいため、非常に浮いて見える。~ ''しかし前述の通り誰もまるで怖がらないので…''。 -シナリオが突っ込みどころ満載。 --プロローグは「花火大会の日の夕方に廃校に集まったら、突然大雨が降りだしたので校舎に飛び込んだ。そしたら地震が起きて校舎が埋没した」~ というものなのだが、ゲーム中で「あの日の夜、綺麗な花火を見た」というセリフが何度も出てくる。~ ''夕方に埋没したのに、しかも大雨が降ったのにどうやって「夜、花火を見た」んだろうか''? --''ボロっちい校舎が特に壊れることも無く、体育館ごと地下に陥没する''。 --主人公達の言動が常にのーてんきで、緊迫感がまるで無い。~ ''大穴が空いているはずの体育館でバスケを始める''わ、密閉空間だというのに平気で火は焚くわ、コスプレしてはしゃいでいるわ…。 --廃校になってしばらく経っているはずなのに、校舎内に都合よく色々なものがおいてある。硫酸やらグリセリンやら毛布やら…。 --更衣室に、セーラー服や体操着(上だけ)、''果てはチャイナドレス、ナース服、和服まで置き忘れられている''。 --漢字に誤字が多い。「消火器」→「消化器」、「一旦」→「一端」、「ピアノの音は耳触りが良く…」→「耳障り」。 --台詞回しもおかしい。 ---悪霊を目にしても、「何あの動き! この世のものとは思えない!」と、怖がらずに呆れた口調で評する面々。~ 声優の演技自体は、''ロリ以外は''上手いのだが…。 ---なぜか全員、悪霊を「ゴースト」と英語で呼ぶ。「ゴーストが来たぞ!」「ゴーストが出たらどうするんだ!?」~ でも敵キャラ以外の幽霊は「幽霊」「霊」と日本語で呼ぶ。なぜ敵キャラだけ英語…? --年上は舞台の廃校のOGなのだが、「私が入学したころから校内暴力などの問題が続発して廃校になった」と言ったり~ ''「ごく普通の学校だった」と言ったり''、イベントごとに設定の統一がとれていない。 --太平洋戦争時代の地下研究所に、なぜか蛍光灯が灯っていたり、クマのぬいぐるみが置かれていたりする。~ 更に、地下施設なのになぜか窓がある。~ ''挙句の果てに花まで咲いている。地下なのに''。 -グラフィックとシナリオが噛み合っていないシーンが度々ある。 --「この部屋って、埃をどければ、人が住んでるみたいだな」「生活感を感じるのが、こんなに辛いだなんて…」~ ''どう見てもただの空き部屋なのだが''。 --幼馴染「大きく息を吸ったら、セーラー服の胸のボタンが飛んじゃったぁ…」~ ''キャライラストでは明らかに胸にボタンなど付いていない''。 --悪霊を目撃したメガネ「灰色の塊!?」~ ''グラフィックに灰色なんてまったく使われていない''。 --年上が音楽室でピアノを弾くイベントがあるが、そのイベントCGでは''なぜかピアノを背にして弾いている。一体何を弾いているんだ''? ここまで来ると意図的なバカゲーなのではないかとも思えるが、一応ストーリーはシリアスであり、シナリオは大真面目に書かれている。 #region(以下はエンディング関係の問題点※ネタバレ注意) -ラストバトル時、主人公は3本の剣を地面に刺す事で結界を作る事になるのだが、何度も「2本目の剣を対角線上に刺す」と発言している…~ ''三角形を作る上で対角線''? -そして1番の問題点がこれ。~ クリア時に全員が生き残っていると、攻略したキャラに関係なく「ヒロイン5人が揃っているCG」が表示される。~ 誰も攻略できず、なおかつ死者がいた場合は何も表示されない。 --ヒロイン1人1人の脱出時のCGを入手する為には、そのキャラを攻略した上で''他のキャラを最低1人餓死に追い込んで''クリアしなくてはいけない。~ どこのバトルロワイヤルだ。~ そしてどのヒロインも、脱出CGではこの上ない笑顔を浮かべている。''仲間死んだんだぞ''。 --なお、ヒロインを全員死なせてもゲームオーバーにはならないのだが、イベントで親友の男を殺すと''主人公がその場で自殺してゲームオーバーになる''。 ---ゲームオーバー画面では、主人公の叫び声が入るのだが、それが''「アッーー!」''という声なのは、もしかして狙っているのだろうか? ---ラストバトルでは、主人公は攻略済みのヒロインの事を思い出して「彼女が待ってるんだ。俺は死ねない!!」と叫んで立ちあがるが、~ ''誰も攻略していない場合は親友の男の事を思い出して以下略''。 --年上が死んでいた場合、悪霊に取り憑かれた親友を助ける為に''そいつを抱きしめる''。やっぱり狙っているようだ。~ 因みにメガネとお嬢は''攻略しても抱きしめるシーンすらない''。 #endregion