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パネルでポン - (2014/03/03 (月) 11:55:36) の編集履歴(バックアップ)



パネルでポン

【ぱねるでぽん】

ジャンル アクションパズル
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対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 インテリジェントシステムズ
任天堂
発売日 1995年10月27日
定価 5,800円
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※VCで付与されたレーティングを記載
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2007年11月27日/800Wiiポイント
【Wii U】2013年5月29日/800円
分類 良作
パネルでポンシリーズリンク

概要

  • 1995年、年末前のゲーム閑散期かつプレステVSサターン間の次世代ゲーム機戦争の最中に突如発売されたアクションパズル。
  • 任天堂は1990年のドクターマリオからファミコンやゲームボーイにパズルゲームをリリースしてきたが、移植を除くと初めてスーパーファミコンに軸足を移し、さらにマリオやヨッシーなど既存のキャラクターに頼らずに「花の妖精リップ」などの新キャラクターを登場させた作品となった。
    • このため、ハード移行に伴う演出の強化やゲームモードの多数追加など相応の向上が図られている。

ルール

  • 本作は落ち物パズルに分類されるが、上から降って来るのは対戦時に登場するおじゃまパネルのみ。パネルは下からせりあがってくる。パネルが上部の天井に触れるとゲームオーバー。
  • プレイヤーが操作するのは横一列2マスのカーソル。ボタンを押す事で左右のパネルを入れ替える事ができる。同色のパネルを3枚以上縦又は横にそろえる事で消滅する。
    • 1回の入れ替え動作で4枚以上のパネルを消すと「同時消し」となる。
    • 消滅したパネルの上部に乗っていたパネルは重力にしたがい落下する。落下後消滅条件が揃っていれば「連鎖」が発生する。
    • 対戦では同時消しをする・連鎖する・攻撃用の「!」パネルを消すことにより相手におじゃまパネルを落下させることができる。
  • おじゃまパネルは画面上部から降って来る。隣接するパネルが消滅すると、何かしらの色パネルに「解凍」される。
    • おじゃまパネルが解凍して誕生したパネルが落ちる前に、真下のパネルをあらかじめ揃えることによってさらに連鎖が作れる。厚いおじゃまパネルの場合には落下と同時に連鎖とおじゃまパネルの解凍が起こり、反撃につなげることができる。これを「おじゃま返し」といい、対戦では非常に重要なテクニックとして扱われる。

長所

  • 大変解りやすいシステム。一方で上級者同士の対戦は駆け引きが熱く、プレイヤーを選ばない。
    • 特に連鎖中、パネルが消えきる前に他のパネルを動かして、連鎖のタネを更に加えて増やす「アクティブ連鎖」をこなすと熱い対戦になること間違いなし。
  • 1人用で全5種と豊富なゲームモード。
    • ひたすら自分の限界までパネルを消し続ける「エンドレス」、2分間で獲得できる得点を測定する「スコアアタック」、規定ラインまでパネルを消す30面+αの「ステージクリア」、規定入れ替え回数ですべてのパネルを消す「パズル」、コンピュータと対戦するストーリーモード「VS」の5つ。
  • ゲームモードによりエンディングが異なり、プレイヤーのやる気を煽る構成。
    • 「エンドレス」「スコアアタック」ではゲームオーバー時の獲得点数で結果発表時およびスタッフロールのBGMが変わる。
      • エンドレスでカウンターストップ(99999点)になった時の専用曲はやたらゴージャスで達成感もひとしお。
    • 「ステージクリア」「パズル」「VS」ではそれぞれBGMやスタッフロールなどの演出が異なるエンディングを見ることができる。さらにVSでは難易度や主人公の勝敗で物語の結末が変わる。
  • 多数の隠しコマンドや裏技が用意されており、それにより解放される要素の数が豊富。
    • 各ゲームのエンディング後には主に難易度上昇を目的とした隠しコマンドが公開される。
      + 非公開の裏技には攻略に役立つものだけでなくお遊び的なものもある。以下その対称例。
      • 1人用のVSデモ、2-8ステージの時にデモをスキップせずX.Yを押し続けると、本来ここでは使えないリップ以外の妖精が使える。腕に自信がないがリップをゲームオーバーにさせずにエンディングを見たい時に使うと便利。
      • 1人用のVSデモでセレクトを押したまま十字キーを押すとデモ画面内の虹や地面を動かせる。こちらは攻略には全く役に立たない。
  • アクションパズルにしては演出面に凝っており、ゲーム画面の背景、BGM、連鎖時のボイス、爆風、おじゃまパネルの柄は原則としてキャラクターごと個別に用意されている。
    • ゲームタイトル通り、パネルは消滅時にポンポンと音を立てるのだが、連鎖が続くにつれて音が変化。さらに爆風も派手になっていく。まとめて消した時の爽快感は相当な物。
    • 特にBGM全般は高評価。前述のエンディングの他、パネルがせり上がったピンチ時にも曲が変わるなど、パズルゲームにしては曲数が多い。
  • 当時のSFCソフトは1万円前後が当たり前だったが、バックアップメモリーを排除することにより良心的な値段に。

賛否両論点

  • 任天堂のゲームとは思えない魔法少女モノ直球路線の登場キャラクター。年頃の男子には恥ずかしいと思わせ、いわゆる「萌えキャラ」に否定的なユーザーからもマイナス評価を受けやすい。
    • スタッフによると女性・子供狙いとマリオファミリー頼みからの脱却を狙いあえてこのキャラクターを採用した、とのこと。
    • 女子には抵抗なく受け入れられたようで、当時放送されたテレビ番組「スーパーマリオスタジアム」にてクリスマスプレゼントに欲しいソフトのアンケートを問題として出した際に「キャラクターがかわいいから」と本作を挙げた女児がいた。
    • ぷよぷよ』や『マジカルドロップ』はキャラクターやストーリーをはじめ作品全体にノリの軽さが漂っていたが、本作のキャラクターの性格は軽くなく、ストーリーもいたって大真面目。ギャグ要員は強いて言えば魔王くらいで、さらに味方キャラクターは全員少女。これも男子がとっつきにくい原因かもしれない。
  • キャラクターによる性能差が無い。単純に好みで選んで欲しいとの理由から。
    任天堂っぽくない?主人公リップ
    …とその仲間たち
+ (ネタバレ注意)ストーリーは「突如現れた魔物が妖精達を洗脳し、唯一無事だった花の妖精リップが妖精達の洗脳を解き、魔物を退治する」と言う物なのだが……
  • 実は魔物達はリップの母親、妖精の女王様(前途の女神)が作り出した物で、新しい世界の妖精女王を決めるという物だった。
  • しかし、魔物戦で敗北した仲間妖精達が復活している様子は無く、魔物戦を全てリップ以外の妖精で戦い抜いても選出される女王はリップという被害多き出来レースエンディング。
    • リップが一度でもコンティニューすると「まだまだ未熟」と女王の座を辞退する。ハードでノーコンクリアだと円満終了。しかしベリーハードでノーコンクリアすると本性(?)が…。

短所

  • 2人対戦では最終的にすべてのキャラクターが選択できるようになるが、エンドレス・スコアタックなど1人用では6人のキャラクターしか選べない。
    • 当時のいわゆる大作ソフトが32Mbit以上なのに対し、本作はたった8Mbitしかないため。
  • おじゃまパネルの処理に不具合があり、後の作品では問題ない方法でもおじゃま返しが途切れたり、解凍中にフリーズを引き起こしたりする。
    • 「フリーズが起きるのは上達の証」と言われたりする。COM戦や初心者同士で戦う分にはまずバグは起こらない。
      • 逆に上級者同士だと、フリーズしないと決着がつかないことも。
  • バッテリーバックアップがないため、パズルとステージクリアの進行状況はパスワードで管理される。再開が若干面倒。ハイスコアも電源を切ると消える。
  • パズルモードはプレイする問題を選択する形式ではなく、決められた順に問題をクリアしていく形式なので、解き方がわからない問題に出くわすとそこでゲーム進行が止まってしまう。ヒントなどの救済措置もない。
  • 他のアクションパズルに見られるオプションモードがない。難易度は各ゲーム開始前に設定できるので特に問題はないが、サウンドテストができないのが惜しいところ。
  • 本気で対戦すると連鎖のために限界までパネルを溜めてプレイするため、常にピンチのBGMが流れて通常BGMの出番がほぼない。

総評

パネルを動かして並べるだけだがテクニックを習得するとハマるアクションパズルとしての出来はもちろんのこと、ファミコン時代の任天堂パズルに見られたパズルさえできればよいという思想から一転し、ゲームモード、隠し要素、エンディング・BGMなどの演出面に至るまで8Mbitの低容量にこれでもかと盛り込んだサービス精神溢れる構成から支持を得た。
任天堂らしくないと賛否を呼んだキャラクターについては「あまり好きではなかったがゲームの上達とともに好きになった」という人も多いようだ。後の他ゲームでネタにされているのも密かな支持を得ていることの裏返しといえよう。

その他

  • 能楽師が鼓を打ち鳴らす というテレビCMからその内容を察するのは至難の業。広告も振るわず、売上的には散々な結果であった。
    • この反省からか、後の作品ではヨッシー(ヨッシーのパネポン)やポケモン(ポケモンでパネポン)など任天堂キャラとのコラボが行われている。
  • 本作は知名度は低いが、主人公であるリップはそれが原因で仕事が無い・腹黒と言ったキャラクター付けがファンになされている。
    • 腹黒はファンが勝手に付けた物だが、本作のエンディングを考えれば納得の行くものである。
    • パネルでポンはこの後もシリーズ化されたが、リップが出る作品は本作と隠しスキン扱いのDS版のみ。
    • 後の任天堂ソフト『キャプテン★レインボー』(Wii)でマイナーキャラの一人として登場。他のキャラはまともな性格をしているのが多い中、腹黒い性格も引き継いでおり、最早公式化すらしている。しかも本作メインスタッフの監修つき。
    • 『スマッシュブラザーズDX』ではリップのステッキとおじゃまパネルが登場し、同XではさらにアレンジBGMが用意されているものの、いずれもリップ本人はフィギュアでさえ出てこないという微妙なネタの使われ方をされてしまった。

その後の展開

  • 本作はWiiのVCで購入可能。
  • 海外ではキャラ差し替え版の『Tetris Attack』として発売された。日本でもサテラビュー用番組『ヨッシーのパネポン』として配信された。
    基本的にはキャラクターをヨッシーアイランドのキャラに置き換えたものなのだが、細かな変更点がある。詳細は次節で後述。
  • GCの『ニンテンドーパズルコレクション?』にもパネポンが収録されている。
    内容もシステム等で論争はあるものの、ストーリーモードでは本作のキャラの子孫が出たり、処理落ちもなくなった快適なプレイと、数多い続編パネポンのなかでもっとも正当な続編と言えるかもしれない。
  • ドクターマリオ&パネルでポン』には本作の一部BGMをGBA音源で再現・アレンジした曲が収録されている。
  • パネルでポンDS』には隠しスキンとしてリップと花の世界が用意されている。
  • 京都精華大学にて、1997年から2007年まで同大学の学園祭中に大会が行われていた(2007年のみ諸事情で開催が翌年の2月末まで遅れた)。

ヨッシーのパネポン

【よっしーのぱねぽん】

ジャンル アクションパズル
対応機種 スーパーファミコン
サテラビュー放送番組
発売元 任天堂
開発元 インテリジェントシステムズ
任天堂
放送開始日 1996年11月3日
プレイ人数 1~2人
分類 良作
マリオシリーズ・関連作品リンク
ヨッシーシリーズリンク
テトリスシリーズリンク

概要

  • パネルでポン海外版『Tetris Attack』を逆輸入しサテラビュー用番組として放送したもの。ところどころに改良が施されており、単なるキャラ変え海外版に留まっていない。
  • 当時の北米や欧州では瞳の大きい少女漫画風のキャラクターが受け入れられなかったため、『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』のキャラクターに総入れ替えした。その結果として同作のスピンオフ作品にもなっている。
  • 同時期にはゲームボーイ版も発売された(→ヨッシーのパネポン (GB) を参照)。
    SFC版はGB版の販促作品として放送されたが、内容は海外SNES版と同等であり、特に機能が制限されているわけではない。

変更された点

  • 登場キャラクターを妖精からヨッシーアイランドのキャラに変更。
    • BGMやステージ背景などの多くはパネルでポンから流用されたが、一部は新規制作された。
    • ヨッシーのテーマ曲はヨッシーアイランドオープニングデモからのアレンジ、背景は新規書き起こし。花の世界のハナちゃんの曲は宝石の妖精ルビーの流用だが、背景は新規書き起こし。
    • リップのテーマ曲はルール説明時の専用曲として残留している。
  • バグ解消、システム変更ほか。
    • パネルでポン最大の難点だったおじゃまパネルのバグが解消されている。おじゃま返しが途切れることもない。
    • COMプレイヤーのアルゴリズムがただ素早くパネルを消去するものから、積極的に連鎖を仕掛けるよう変更されている。
    • 1人用VSモードにもパスワードが導入され、完全クリアが容易になった。
  • オプションモードの追加。
    • これによりサウンドテストや対COMフリー対戦が可能になった。ただしサウンドテストではエンディングの曲を聴くことはできない。このほかメッセージの英語・日本語設定や、キャラクタープロフィールの表示機能もある。
  • 一部の演出が変更または簡略化された。
    • おじゃまパネルの柄が全員同じになる、クッパを除くボス3人の背景とBGMが全員同じなど。

余談

  • 元々の海外SNES版『Tetris Attack』の時点で、既にオプションにてENG(英語)とJPN(日本語)の切り替えができるようになっており、
    日本語に設定するとゲーム中のメッセージテキストが日本語(もちろんヨッシー版仕様)に翻訳されていた。
    そのため日本語版の土台は当時から既に出来ており、SFC版はそこからタイトル画面など細かい部分を日本仕様に変えたものとなっている。