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不思議のダンジョン 風来のシレン2 鬼襲来!シレン城! - (2020/08/08 (土) 16:19:34) の編集履歴(バックアップ)


不思議のダンジョン 風来のシレン2 鬼襲来!シレン城!

【ふしぎのだんじょん ふうらいのしれんつー おにしゅうらい しれんじょう】

ジャンル ローグライクゲーム
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対応機種 ニンテンドウ64
メディア 256MbitROMカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 チュンソフト
クピド・フェア
クリーチャーズ
アバン
発売日 2000年9月27日
定価 7,140円
判定 良作
風来のシレンシリーズ関連作品リンク


プロローグ

後に風来人として名を残す男・シレンの子ども時代の話。
ある日相棒のコッパと訪れた小さな村・ナタネ村は、海の向こう側にある鬼が島からの鬼の襲撃に悩まされていた。
鬼から村を守るためには立派な城を建てるほかないというが、ひょんなことからシレンが城を作ることに。
かくして、シレンと鬼たちの攻防戦が始まるのであった。

概要

不思議のダンジョン2 風来のシレン』の続編で、シレンシリーズ久しぶりのナンバリングタイトル。
それまで外伝作『風来のシレンGB 月影村の怪物』『同Win版』が出ていたが、正統続編としては約5年ぶりとなる。
64というハードゆえか全体的にまったり感があり、敵役である鬼も悪さをするがどこか愛嬌のある憎めないキャラ達になっている。

特徴

ダンジョン分岐による難易度調整

  • 前作では最初のダンジョン自体が最深部のラスボスまで繋がっているダンジョンであった為、難易度はゲーム開始直後もクリア直前も常に一定となっていたが、本作においてストーリーで潜る事になるダンジョン「シュテン山道」は「初級(全10F)」「中級(全13F)」「上級(全15F)」に分かれている。
    • 最初から「未識別」状態のアイテムばかりで何が何だか分からなかった前作から、今作はダンジョンの難度に応じて未識別状態の要素が増えていくよう調整されている。アイテム別の説明もより詳しく書かれている他、初級では初めて手に入れたアイテムの効果をその場で教えてくれるため、初心者でも安心してプレイ出来る。
    • ただし、「中級」「上級」は一つ下の難度をクリアしなければ出現しないため、正確には難易度選択ではなく「ステージ」という扱いのほうが近い。
  • 初級は5F、中級は6F、上級は8F突破後に「シュテン山中腹」という村で簡易的な補給ができる。村内では壺への出し入れを除いてアイテムを使う事はできないが、常駐している行商人から「カタナ」「巨大なおにぎり」「ほぞんの壺」といった基礎的なアイテムを買えたり、鍛冶屋で武器の強化*1や腕輪の修理、合成印の削除を行える。
    • また、中腹以降の進路を再び選択する事ができる。「前半は『上級』に行ったけど、目的は果たしたから後半は『初級』でサクッと帰ろう」なんて事も可能。逆もできるが、階層とレベルがズレる為やや難しくなる。
  • 1回1回の冒険は軽めの物になっている為、何度も潜る中でアイテムを収集しつつ、「不思議のダンジョン」を学びながらストーリーを進めていくことができる。
    • 前作と違ってアイテムを持ち帰るのが容易なために、装備の強化も行いやすい。RPGのようにキャラが強くなったことを実感しやすいので、これも初心者に受け入れられる要因であった。
  • 中級や上級は良質な「城の材料」が手に入る(下記参照)が、その分クリア難易度も高くなる。中級や上級はボス戦も存在するため、なかなか手ごわい。
  • 城完成後に行けるようになるシナリオ最終ダンジョン、「鬼ヶ島」は堂々の25F。ラスボスの戦闘力も前作とは比べ物にならないほど高いので、一筋縄ではいかない。

シレン城の建築

  • 本作ではストーリーの主たる道として、「ダンジョンに落ちている材料を拾い集めてシレン城を作る」という目標が出来た。
    • 城は「本丸」「二の丸」「内壁」「外壁」「お堀」の5つ、更に各部位自体も4段階に分かれており、全部で20工程に及ぶ。
    • 城の材料は「木」「岩」「土」「砂鉄」「鬼よけ水」の5種類に分かれてダンジョン内に落ちており、プレイヤーは何度もダンジョンに潜って収集する事になる。
  • 各材料自体も「〇〇」「よい〇〇」「最高の〇〇」と別れており、必要材料の半分以上を良い材料で作った「がんじょう」な部品、最高の材料のみで作った「壊れない」部品も存在する。
    • よい材料は「中級と上級の序盤」、最高の材料は「最高の木」を除いて「上級の後半」のみに落ちている。
  • 材料を城作りに利用するためには、ダンジョン最上階まで持ち歩き、シュテン山頂上の村で加工してもらう必要がある。
    • 城の材料は「ほぞんの壺」などの壺に入れることができないため、アイテム欄を圧迫する。さらに最高の材料は1つでアイテム欄を2つ分占領する為、一度に多く持ち歩くのは困難。
  • 城を半分の10工程まで作ると、3回の冒険に1回程度の割合で「鬼襲来」イベントが発生するようになり、シレンが作った城を壊すために鬼達がやってくる。
    • しかし、良質な材料で「がんじょう」な城の部品を作っておけば、このイベントで鬼に壊されにくくなる。最高の材料だけで作った「壊れない」部品なら、鬼に壊されることは絶対にない。より難しいダンジョンへ挑戦して良質な材料で城を作ることが、より良い結果に繋がるようになっている。
  • 城の材料は、ダンジョン内で消費アイテムとして使うこともできる。「鬼よけ水」なら飲めばHPが回復する、「木」は投げ当てると吹き飛ばし+高ダメージなど。
    • どの材料もアイテムとしてそれなりに強力な性能を持っている為、「城を早く完成させるために、多少無理をしてでも城の材料を温存する」か、「生き残ることを優先して、ピンチの時には惜しみなく使う」かといった駆け引きがある。
  • さらに、「最高の材料」だけで作った壊れない部品のみで城を作ると、見た目が豪華な「黄金のシレン城」が完成するというやりこみ要素がある。
    • 通常の城を一度完成させた後(エンディング後)でも挑戦可能。シリーズをやりこんでいるプレイヤーなら是非ともチャレンジしていただきたい。
  • そしてもう一つのエンディング後のやりこみ要素として、「お城の装飾品」がある。
    • 「金のシャチホコ」「お堀のコイ」といった装飾品を飾り、さらにシレン城を華やかにすることが可能。これらの装飾品は難関ダンジョンの深部に落ちていたり、イベントクリア時の報酬として手に入る。

「印」の概念と異種合成の追加

  • 本作では武器と盾の合成に対して「印」という概念が追加された。
    これは各武具に指定された合成回数の制限の様なものであり、他武具へ引き継ぎできる特殊な能力は「印」にハメ込むような形で管理されるようになった。
    • これにより、無軌道に強力な武具を作る事ができなくなったため、より戦略的に合成を行っていく必要がある。
    • 今回は「成仏のカマ」「ドレインバスター」などの特効武器の効果がやや薄れている*2が、特効系の印は数に応じてちょっとずつ効果を上げる事もできる為、尖った性能の武具にする事も可能。
    • 加えて、印の名前や順番を特徴的に揃えると強力な武具に変異する、という錬金術のようなシステムも追加された。最強武器「秘剣カブラステギ」の作り方もコレ。
  • 更に本作では、道具を投げて飲み込ませることでアイテムを合成するマゼルン系のモンスターも登場。合成の壺以外でも合成が可能になり、合成の機会が大幅に増えた。
    • さらに、合成の壺では「武器+武器」「杖+杖」といった同種のアイテムしか合成できないが、マゼルン系では「武器+草」「盾+巻物」といった異種合成が可能。
    • この異種合成でしか得られない強力な印も存在する。異種合成が既存の合成システムの幅を広げ、その後の不思議のダンジョンシリーズに多大な影響を及ぼした。
    • マゼルンは「シュテン山道上級」に出現するのでゲームを始めて早い段階で会える上に、シュテン山中腹の鍛冶屋では印を消す事もできるため、合成の試行錯誤ができるようになっている。
    • マゼルン系はただ合成できるだけの便利なモンスターという訳ではなく、アイテムを与えるごとに攻撃力とHPが大幅にアップする為、強くなったマゼルンにシレンが倒されないように気を付ける必要がある。リスクとリターンが調和したモンスターとして、以後のシリーズに欠かせない存在となった。
    • 前作では地味な回復アイテムだった「弟切草」は、「背中の壺」の削除と異種合成の登場により、本作では攻略に欠かせないほどの性能にパワーアップした。

個性的な仲間達

  • 本作では仲間キャラクターもシレン同様にレベルアップするようになり、しっかりとレベルを上げれば深層のモンスターとも互角に戦えるようになった。
    • 倒した敵の経験値はシレンと旅仲間全員に入るので、経験値の奪い合いになることもない。
  • 後に『風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参!』で主役を張るアスカ、『風来のシレンGB2 砂漠の魔城』で再登場するタンスのマーモなど、個性的な旅仲間も多く登場した。
  • 一方、リクという仲間は極端な弱さから「敵のレベル上げが仕事だ」と言われてしまっている。おそらく旅仲間としてはシリーズ中屈指の弱さであろう…。
    • 他の仲間よりレベルアップに必要な経験値が多く、攻撃力の上り幅も小さい。本人はシレンに憧れるだけのただの子どもなので、設定上無理もないが。
  • 後述の「モンスターの壺」を使う事でほぼ全てのモンスター*3を仲間にすることができ、「もののけ王国」に登録することで以降は自由に連れ出すことができる。モンスターによっては、旅仲間以上に頼もしい強力な味方となる。

評価点

充実したやり込み要素

本作のクリア後の隠しダンジョンは全4(+α)と今までより多く、ダンジョン以外のやり込み要素も充実している。

  • 神社の隠し穴
    • 「モンスターの壺」という捕獲アイテムが頻繁に落ちている。様々なモンスターを仲間として使役し、ダンジョンの深層を目指す。
    • 最初から「モンスターの壺」3個+「持ちかえりの巻物」を持っており、好きなタイミングで村に帰って仲間モンスターを整理する事が可能。
    • 捕まえたモンスターは「もののけ王国」というモンスター動物園に預ける事が可能。全モンスター捕獲を目指そう。
      一度預けたモンスターは自由に連れ出せる他、モンスターやシレンが力尽きてしまっても、自動的に王国に戻ってくれる。*4
    • このモンスターの壺によって、単純なやり込みだけでなく、持込ダンジョンでの行動の幅も恐ろしいほど増えており、多彩な遊び方をする事ができる。
      ただし、モンスターの壺を別のダンジョンに持ち込める事でバランスブレイクの問題も出た為、後続のシリーズではこの要素は縮小される傾向にある。
    • このダンジョンではほとんどの武器や盾は入手できないが、ケンゴウ系を持ち込むことで「こんぼう」と「皮の盾」を入手することが可能。
      そのため、マゼルン系合成で鍛えた「こんぼう+99」と「皮の盾+99」を作って突き進むという変わった攻略法も存在する。
    • 「手に入る装備品の修正値が識別済み」「のりうつりの杖が入手しやすく、マルジロウ系に乗り移ることで、味方マゼルン系で合成したアイテムを取り出せる」
      「マルジロウ系、ケンゴウ系、マゼルン系が入ったモンスターの壺をダンジョンに持ち込める」ことから、装備品の強化が最も行いやすいダンジョンになっている。
      最果てへの道などは装備品の修正値が未識別なので、ケンゴウ系による武器盾の修正値稼ぎは「装備品の呪い」を警戒する必要があり、手軽に強化はできない。
  • 中腹の井戸
    • 敵をワナにかけながら進んでいく「ワナ道」ダンジョン。本作ではワナを拾って持ち運べるようになり、自分で好きな場所に配置できるようになった。
    • その反面、シレン自身の攻撃力がほとんど上がらない、ワナを使わずに敵を倒しても経験値がほとんど手に入らないなど、他のダンジョンと比べて厳しい制約もある。
    • ワナにかからない浮遊系モンスターが出てくる他、せっかく仕掛けた罠を破壊してくる天敵「ピコタン系」も登場。どう対処するかが問われる。
    • 最初は10Fに置かれている「ワナ師の腕輪」を取りに行くことが目的。一度獲得した後も再探索の度に10F以降に腕輪が落ちているが、
      拾った後も最大99Fまで探索が可能。床に置いて拾いなおす事で再度「ダンジョンから脱出するか」確認される為、実質的な持ちかえりの巻物でもある。
  • あかずの間
    • 序盤から情け容赦ないモンスターの猛攻に晒される。1Fから爆発するモンスター「かんにんぶくろ」などの強敵が出てくる為、生半可な装備では太刀打ちできない。
    • その代わり、アイテムを11個まで自由に持ち込むことが可能。鍛え上げた武器と盾を存分に活躍させられる晴れ舞台である。
    • 比較的高額なギタンが落ちている中に「アメンジャ」*5や「ひまガッパ」がいるため、慎重な行動も求められる。
    • シュテン山頂上の囚われてしまった5人の子供を助けるのが目的。全員を救出した後はご褒美が?
  • 最果てへの道
    • シリーズお馴染みの「もっと不思議のダンジョン」。なんと、シレン達が寝泊まりしているうどん屋に入口がある。
      初期アイテムは大きなおにぎり一個のみ、飛び道具や食料以外のあらゆるアイテムが未識別という、裸一貫の状態から99F踏破を目指す最難関ダンジョン。
    • 後述しているが、敵とアイテムとのバランスが変わった本作では、前作の「フェイの最終問題」とは一味違う感覚で挑む事になる。
      図らずも変わってしまったクリアへの方向性には賛否があるものの、歯ごたえは十分な出来になっている。
  • その他にも、武具のグラフィックをより詳しく見られる「装備品かけ」や、上級ダンジョンに隠されたレアアイテムの宝庫「黄金の間」、難関ダンジョンの深部に落ちている「お城の装飾品」集め等、プレイヤーを飽きさせない様々なやり込み要素が用意されている。

細かい評価点

  • 壺のまとめ出し入れができるようになった。後のシリーズのほとんどに採用されている仕様である。
  • iダッシュの追加。自動的に通路を進んだり部屋のアイテムを拾ったりするので、よりテンポがよくなった。
  • 一部のモンスターがレベル4まで実装された。「にぎりみならい」など、レベル1は無能力だがレベル2から特殊能力の本領を発揮してくるタイプも。
  • 未識別の杖を振った回数が表示されるようになり、「あと最低○回は確実に振れる」という事が分かりやすくなった。
    • このシステムが存在しない作品では、「未識別の杖の命名欄に杖を振った回数をメモする」ということをして代用するプレイヤーもいるほど重要なシステムである。
  • ダンジョン内の新しいお店として「行商人」が新登場。彼は店主と違ってダンジョン内を出歩いており、話しかけることで所持している商品を買うことが可能。
    • これによって買い物の機会が増えたが、一方で行商人はダンジョン内に落ちているアイテムを勝手に拾って自分の商品にしてしまうので、うっかりシレンが大事なアイテムを床に置いたりしないように注意が必要。
    • ちなみに上位種の「おしうり」も存在し、あるダンジョンでは押し売りだけがギッシリ詰まった「おしうりハウス」という特殊モンスターハウスも登場する。通常の行商人は1フロアに1人しか発生しないが、おしうりハウスでは10人以上がシレンに押し掛けてくるので中々カオス。
  • 「敵を倒す→敵が消滅する→経験値が表示される」等のメッセージ速度が速くなりテンポの向上。一方で、モーションの進化は64相応の物。
    • コマ撮りすると、簡略化されつつもかなり細かく描かれているのが分かる。テンポを損なわずに多彩な動きを見せてくれるのは嬉しい。
  • 効果音が全体的によくなった。武器「どうたぬき」を振った時の効果音や、モンスターの「シャーガ系」「イダテン系」の攻撃音などは特に人気が高い。
  • コントローラーパックに対応。カートリッジに残せるセーブデータは2つのみだが、外部メモリによって無制限に保存できるようになった。
    • ただし、不思議のダンジョンシリーズの常として、探索中のダンジョン内の状態はコピーできない。*6
    • なお、N64のソフトにはセーブにコントローラーパックが必須という例も目立つのだが、本作ではあくまでカートリッジ内へのセーブが基本で、そのバックアップとして用いる形である。

賛否両論点

装備品やアイテムのバランスが大味

  • 異種合成による印には、入手難度の割に強力なものが多い。特に「弟切草」を盾に合成することで付く「弟印」は、敵からの攻撃を受けた際に自動でシレンのHPを回復する効果があり、事実上ほぼ全てのモンスターから受けるダメージを軽減できるので、強すぎるという声も多い。
    • 盾に弟印を1つ入れれば、敵の攻撃を受ける度にHPを4回復する。例えば5ダメージ受けた場合は、弟印の効果で実質1ダメージに抑えることができる。受けるダメージが3以下なら、攻撃を受ける度に逆にHPが増える事になる。
    • シレンの残りHPが4以下の時に4ダメージ受ければ、弟印の回復効果が発動する前に死ぬので不死身というわけではない。しかし逆に言えば、トドメの一撃以外の全ての攻撃に対して回復効果が発動するわけで、「盾に弟印を1個入れる」ことは「盾を鍛えて防御力を+5ほど上げる」こととほぼ同等の効果があると考えて良い。
    • 弟印を2つ以上入れる(印の重ね掛け)ことで、さらにHPの回復量は増える。弟切草は大半のダンジョンで入手率が高いため、複数集めて合成することも容易。特に「神社の隠し穴」では、弟切草以外の有効な合成素材が全く入手できないので、こんぼう+99(弟弟弟)と皮の盾+99(弟弟弟弟弟)を作るのが最善の攻略法とされている。
    • 盾の弟印の効果はモンスターからの通常攻撃だけでなく、ドラゴン系の炎やオヤジ戦車系の砲撃などの遠距離攻撃によるダメージでも発動する。これらは固定ダメージなので防御力ではダメージを軽減できないが、弟印なら回復効果によって疑似的にダメージを軽減できる。地雷などのワナによるダメージでは発動しないが、それでも非常に汎用性が高い。
    • 弟印は盾だけでなく、武器に合成した場合も似たような回復効果がある(武器の弟印は敵に攻撃した際にシレンのHPが微回復)。武器の弟印は後述の「パコレプキンの腕輪」との相性が抜群であり、こちらもかなり便利。というより、弟印は武器に合成しても同じくらい強いので、盾の印数に余裕がなかったら武器印にするのも普通に有効。
    • ただし、弟切草は飲んでHPを100回復するアイテムとしても重要なので、最果てへの道では大量に合成できるほど確保できないことも多々ある。神社の隠し穴以外のダンジョンなら弟印の他にも強い印は多数存在するので、決して弟印一強というわけではなく、言うほどバランスは悪くない。
  • 「薬草」「弟切草」「命の草」3種を合成する事で完成する特殊合成武器「回復の剣」が非常に強力。武器印の中では「妖刀かまいたち」と並ぶ二強と言える存在。
    • 回復の剣の特殊効果は「敵に攻撃した際のダメージに応じて一定量のHPを回復」というもの。言うなれば武器の「弟印」の強化版で、シレンの攻撃力が高くなるほど回復量も大きくなる。敵との戦いが圧倒的に楽になり、回復の剣さえあれば盾をあまり鍛えなくても深層で殴り合うことも可能。パコレプキンの腕輪とのコンボの有用性は後述するが、これ単体でも十分すぎるほど強い。
    • 最果てへの道では、この回復の剣を作るために「薬草や命の草を無駄にしないように草の識別を慎重に進めた方が良い」と言われるほど。
    • 回復の剣の作り方を知っているかどうかでゲームの難易度が大きく変わるのだが、作り方どころか存在がノーヒント。命の草を武器に合成すると意味深な説明文が付くので、合成の試行錯誤を繰り返す人なら気づく可能性はあるが、本作では攻略本や攻略サイトを頼らないと入手方法が分かりづらいアイテムが非常に多い。
  • 前作と比べて、武器の攻撃力・盾の防御力によるシレンのパラメータ補正の影響が薄くなった。装備が強いに越したことはないが、多少武器盾を強化しただけでは効果があまり実感できなくなっている。
    • 具体的には、前作では「盾の強さ11」で敵から受けるダメージが半分になっていたのに対し、本作で敵から受けるダメージを半分にするには「盾の強さ50」が必要。
      • 序盤では「盾の強さを2上げて敵から受けるダメージが1減る」程度であり、防御力を上げても効果を実感しにくい。「重装の盾」「使い捨ての盾」といった、「デメリットはあるが防御力が高い装備」の価値はかなり落ちてしまった。
      • しかし弟印は前述の通り、実質的に受けるダメージを4も減らす効果があるので、重要視されることになった。弱い盾に合成すれば低めの防御力をカバーでき、強い盾に合成すれば高めの防御力をさらに強化でき、鬼に金棒である。
    • 同様に、武器の強さの影響力も低下している。本作では「武器の強さ2」と「ちから1」で得られる攻撃力が同じであり、ちからを上げることで得られる攻撃力の方が圧倒的に大きい。
      • とはいえ、ちからを上げやすいのは「最果てへの道」だけの話で、「シュテン山道」では草投げの杖・草受けの杖が手に入らないので、ちからを上げにくくなっている。ちからの値はダンジョンから出るとリセットされてしまうのに対し、武器は無事に持ち帰れば次の冒険でも引き続き使えるので、「あかずの間」などでは武器を鍛えておくことも重要である。
    • これらのことから、「象牙の剣」「オオカブトの盾」などの「基本攻撃力・防御力に優れた装備品」を入手した時のありがたみが減ってしまったが、さほど武器・盾を強化しなくてもダンジョンをクリアできるバランスになった、装備品の特殊能力である「印」の重要性が上がったとも言える。
    • 前作では「基本攻撃力・防御力に優れた装備品」を合成のベースにするのが主流だったが、本作では「スパークソード」「トドの盾」といった「基本能力は低いが印数が多い装備」もベースの選択肢に入るようになった。
      • 例えばどうたぬきは「攻撃力12・印数6」、スパークソードは「攻撃力7・印数6」だが、スパークソードは「2回空振りすると次の攻撃が必中会心」という特殊能力が最初から入っているため、実質的に入れられる能力数がどうたぬきより1つ多いという利点がある。
  • その一方で、前作にあった便利アイテムの大半が削除されたため、難易度が上がっている部分もある。「かなしばりの杖」「一時しのぎの杖」「身がわりの杖」「あかりの巻物」「混乱の巻物」「困った時の巻物」「背中の壺」と、強力な危機回避アイテムの大半がリストラされてしまったため、ピンチ時の対処法に悩まされやすい。
    • 他のシレンシリーズには「背中の壺」「回復の壺」のどちらかが必ず出ているのだが、本作にはどちらもない。回復アイテムは事実上「薬草」「弟切草」「復活の草」「鬼よけ水」の4種類のみ。「鬼よけ水」はシナリオダンジョンのシュテン山道限定でしか手に入らず、そもそも復活の草は死んだ時に使うものなので、持ち込み不可ダンジョンではHP管理が追い付かないケースが多い。前述の「回復の剣」や弟印を利用して、戦闘中にHPを回復することが重要視されている。
    • 一時しのぎの杖とあかりの巻物が削除されたため、階段を確実に見つけて即降りする手段がほとんど無い他、かなしばりの杖と困った時の巻物の削除によって、モンスターを金縛り状態にする方法が大幅に減っているのも不便な点。
    • これらに代わって「鈍足の杖」「のりうつりの杖」「からぶりの杖」「炎上の巻物」「ゾワゾワの巻物」「分身の巻物」などが追加されているので、新登場のアイテムをいかに使いこなせるかがカギ。
  • 「モンスターハウスの巻物」「キグニ族の種」のような、致命的な事故を引き起こすマイナスアイテムは軒並み削除されたため、もっと不思議系ダンジョンの草や巻物の使用識別による事故は減少した。
    • 「混乱草」「睡眠草」「拾えずの巻物」「迷子の巻物」といった、直接的に状態異常を引き起こすアイテムも削除されている。
    • しかし巻物には、「聖の巻物」「バクハの巻物」といった「置く」ことで危険な効果を発揮するものが追加。草についても、「回復の剣」を作るために迂闊に飲み識別をしない方が良いバランスになっており、総合的な識別難易度は前作とあまり変わらないと言ったところ。

バランス崩壊級のアイテムコンボ

  • ゲームバランスが崩壊するほど強力なアイテムコンボが存在する。
    • 「モンスターの壺」で捕獲できるモンスターで、群を抜いてバランスブレイカーとされているのが「マルジロウ父」である。
      • マルジロウ系の能力で敵モンスターを転ばせると、必ずアイテムを1個落としていく。つまり、敵1体に会う度にアイテム1個が手に入ることが保証されてしまう。
      • 最果てへの道におけるモンスターの壺は、1F~29Fでの出現率は低く、30F~59Fでの出現率は高い設定になっている。しかもマルジロウ父が発生するのは30F~39F。序盤より中盤の方が強力なアイテムが入手しやすいのは、ゲームバランスの観点から見ると優れているとは言えない。実際、最果てへの道は「序盤は難しいが30F以降は簡単」と評するプレイヤーが多く、難易度にモンスターの壺の出現率が影響していることは間違いない。
      • マルジロウ父以外にも、敵から装備品を入手できる「シハン」や、成長限界が高い上に敵を封印できる「ドシャブリぼうず」など、強力な仲間モンスターは数多くいるが、マルジロウ系以外はバランスブレイカーと言われるほどではなく、適正な能力と言える。
    • 「白紙の巻物」と「水がめ」を利用し、「白紙:聖域」を何度でも回収して再利用するコンボも強力。
      • 「聖域の巻物」は床に置いて使う巻物で、シレンが乗っている間は敵からの直接攻撃を受けなくなる効果がある。通常の聖域の巻物は床に置くと張り付いてしまい、水がめで水をかけて「ぬれた巻物」にしても張り付いたままで回収することはできない。
      • しかし、白紙の巻物に書き込んだ「白紙:聖域」は、ぬれた巻物にすると張り付いた状態が解除されるので、一通り利用した後に回収して次のフロアでまた使うことが可能。水がめの水が続く限り「白紙:聖域」を何度でも使えてしまうのはバランスブレイカーと言わざるを得ない。
    • 「草投げの杖」か「草受けの杖」に「ちからの草」を入れ、「よくきき草」と組み合わせてシレンのちからを大幅に上昇させるコンボ。
      • 本作のシレンの攻撃力は「武器の強さ」より「ちから」の影響の方が大きく、どれだけちからを上げられるかがクリアに直結してくる。上記のアイテムを組み合わせて使うことで、一気にちからを8~14ほど上げることが可能。
      • 草投げの杖及び草受けの杖は入れる草次第で様々な使い道があるのだが、ちからドーピング目的以外ではほとんど使われないほど。
      • 草投げの杖については普通に振るとモンスターに魔法弾が当たってしまうのだが、「大将どん」「エスカルゴン」「店長」といった杖の魔法弾を反射するキャラを利用することで、草受けの杖同様シレンに当てる使い方が可能になる。
    • 「パコレプキンの腕輪」*7と上記の「回復の剣」の組み合わせも反則級に強い。これに「とうしの腕輪」*8も組み合わせればもはや無敵。最果てへの道のタイムアタックは、この3つのアイテムをいかに早い段階で揃えられるかが重要とされている。
      • パコレプキンの腕輪は「通常侵入できない壁の中を動けるようになる」という大きなメリットがあるが、一方で「壁の中にいる間は窒息によってHPが減り続ける」というデメリットでバランスが取られている。
      • しかし、「壁の中にいるシレン」が「壁の外にいるモンスター」を攻撃した際も、回復の剣の回復効果は問題なく発動する。武器の弟印も同様で、盾より武器の弟印が有用となり得る要因はこれである。
      • 「パコレプキンの腕輪によって壁の中で受けるダメージ」と「回復の剣のHP回復量」は大体同じくらい、ちからが高ければ窒息ダメージを上回ることも可能で、パコレプキンの腕輪のデメリットを帳消しにできる。妖刀かまいたちの「三印」で一度に複数の敵を攻撃することで、回復の剣の合計HP吸収量はさらに増える。
      • 基本的に壁の中にいるシレンをモンスターは攻撃できないので、大半のモンスターから反撃をくらわずに倒せてしまう。下記で脅威とされている「ケンゴウ系」も例外ではない。壁の中にさえ逃げ込んでしまえば、得意の装備弾きは使えないので雑魚同然になる。敵の厄介な特技を考慮せずに一方的に倒せるのは強すぎる。
      • 天敵は壁の中にいるシレンを攻撃できるモンスターだが、「パコレプキン系」「ダイレップウ」「アークドラゴン」と、ごく一部しかいない。「ねだやしの巻物」でそいつらを消し去ってしまえば、向かう所敵無しである。本作では「オヤジ戦車系」と「デブータ系」は壁の中にいるシレンを攻撃できない。
      • 欠点を挙げるとすれば、本作の腕輪は攻撃で壊されてしまう可能性があることである。しかし詳しくは後述するが、この2つの腕輪が揃えば壊さずに使うことは容易になる。また、パコレプキンの腕輪は最果てへの道では普通に拾えないレアアイテムではあるが、99Fまで行く間に1個は店で見つかるくらいの出現率はある。
    • これらのコンボは最果てへの道でも通用してしまうため、運良く揃えば難易度は従来作に比べて低くなる。難易度低下の要因として批判されることも少なくない。
      • しかし、「アイテムを組み合わせて有効な使い方をする」という理念に沿っているため、必ずしも否定すべき点とはいえない。持ち物を最大限生かす、運と技術を発揮するという面では筋が通っている。
      • もっと言えば、モンスターの壺や白紙の巻物は必ず識別された状態で手に入るので、入手してもあえて使わない縛りプレイをすることも容易。

厄介なモンスターたち

  • 最果てへの道を始めとする99Fダンジョンでは、1F~20Fの序盤で「タベラレルー」という他のモンスターのLvUPを誘発させるモンスターが登場する。
    • これにより、「どうくつマムル」「ちゅうチンタラ」といった強敵が1Fで発生して成す術なく倒されるケースが増えてしまった一方で、LvUPしたモンスターをうまく倒して序盤から大量の経験値を獲得することでスムーズに進むことも可能、とリスクもリターンもあるバランスになっている。
    • 前作にも似たタイプのモンスターとして「ぼうれい武者」がいたが、「鬼面武者」を倒した後にシレンの近くに発生する都合上、他のモンスターをLvUPされる前に処理したり、狙ったモンスターをわざとLvUPさせる使い方も可能だった。
    • 一方で「タベラレルー」は、シレンから遠い場所に発生して勝手に他のモンスターに倒される都合上、シレンがどう立ち回っても敵のLvUPを防ぐことは難しく、狙った相手をLvUPさせて経験値稼ぎに利用することも難しくなっている。
  • 特に凶悪と言われやすいモンスターは、シレンの装備品を背後に弾き飛ばす特殊能力を持つモンスター「ケンゴウ系」。
    • ケンゴウ系に装備品を弾かれた場合、シレンの背後に何らかのモンスターや仲間がいると、弾かれた装備がそのキャラに当たってダメージを与えた上で装備が消滅してしまう。鍛えに鍛えた業物や貴重品がこうなると、泣くに泣けない。地味ながら本作のマゾさを象徴する点の一つ。
    • 特に仲間キャラクターは常にシレンの後ろを着いてくる都合上、ケンゴウ系の装備ロストの被害に遭いやすい。ただし、「アスカ」だけはケンゴウ系に弾き飛ばされた装備品をキャッチして受け止めてくれるため、ケンゴウ系対策として重宝されている。
    • 前作にも「セルアーマー系」という同じ特殊能力の持ち主はいたが、本作では弾かれた装備が水中に落ちて回収不可になったり、地雷などのワナの上に落ちて消滅する可能性があるため、危険性が増した。前作より仲間キャラクターを連れ歩く機会が増えたというのも大きい。
    • 代表的な対策としては、シレンの背後に壁があり、弾かれても安全な場所で戦うこと。しかし、ケンゴウが初登場する「シュテン山道中級」の「幻影深山」は空中地形が多く壁が極めて少ないマップであり、この対策が通じない嫌らしい構成になっている。
    • もう1つの対策は、ケンゴウが出現する階層はあらかじめ盾を外して探索し、そもそも弾かれないようにすること。ただし、上位種の「イアイ」や「シハン」になると武器や腕輪も弾いてくる上に、戦闘能力も高いのでこの対策はかえって危険になる。
    • 「パコレプキンの腕輪で壁の中から倒す」など他にも対策はあるものの、初見プレイヤーには対処が難しく、公式ファンブックの「嫌いなキャラクター投票」で1位を取るほどの嫌われているモンスターであった。
  • 「アメンジャ」はシュテン山道中級・上級のボスとして3匹1組で出現するモンスターだが、それ以降のダンジョンでは序盤の雑魚モンスターとして1匹ずつ出てくる。
    • しかし元がボスなので、「2倍速行動+水上移動+道具を拾って移動+拾った道具を直線上のシレンに投げる」と、雑魚敵にしてはかなり凶悪な性能になっている。
  • パ王系Lv2モンスター「パオパ王」は、直線上に「鈍足の杖」を振ってくる。魔法を反射できる「やまびこの盾」がないとかなり厄介な相手。
    • 同階層に「ドラゴン」「スカイドラゴン」などの強敵がおり、そいつらと一緒に襲い掛かってきて鈍足状態にされると極めて危険。
    • 鈍足の杖を2回振られた相手は、3ターン動けなくなるマヒ状態になる」という重ねがけ効果が設定されており、2回杖を振られると動けないまま一方的にボコられる。
    • ちなみに同階層には同じく鈍足攻撃を繰り出すモンスター「鬼サソリ」がいるが、こいつの特技は重ね掛けされてもマヒ状態にならない。明らかにパオパ王の方が優遇されている。
  • 前作で最強クラスだった、フロア中を範囲とする炎を吐くモンスター「アークドラゴン」は炎のダメージが35に低下したが、他の作品と比べて出現階層が非常に早い。
    • アークドラゴンは前作のフェイの最終問題では60F~99Fに出現していたが、本作の最果てへの道では30F~59Fに出現。持ち込み不可のもっと不思議系ダンジョンの中ではシリーズ中最速である。
    • 結果として、出現階層に対する相対的な強さは最強クラスのまま。前述の通り回復アイテムが減少しているので、出現階層までに何らかの対策が取れないとかなりの難敵となる。ドラゴン系対策装備の「ドラゴンキラー」と「ドラゴンシールド」が、黄金の間でしか入手できなくなってしまったのも逆風。
    • ちなみにドラゴンの出現階層が22F~27F、スカイドラゴンの出現階層が25F~30Fであり、本作では中盤で強敵のドラゴン系が立て続けに出てくる。22F~29Fが最果てへの道の一番の難所と言われることも少なくない。アークドラゴンは出現率がそこまで高くないのが唯一の救い。
  • 少し論点がズレるが、最果てへの道24F~29Fの間に出現する黄金の間の3F~4Fに、シャーガ系Lv3モンスター「ラシャーガ」が出現するのも凶悪。
    • この「ラシャーガ」、本来は最果てへの道の70~87Fというかなり深層で出現するモンスターであり、ここでは明らかに場違いな強さを誇っている。35~43Fに出現する同系統でレベルが1つ下のモンスター「ナシャーガ」との配置ミスという説がある。
    • 幸いにも黄金の間には高額ギタンがよく落ちているので、ギタン投げを駆使すれば倒すことは難しくないが、ラシャーガの強さを知らずに事前情報なしで挑んでしまうとやられる危険性が高い。理不尽なポイントとして有名。
  • さらにダンジョンが最終盤になると、イダテン系Lv4モンスター「ダイレップウ」が出現。こいつは「3倍速行動+壁抜け移動+水上移動+シレンの位置を常に把握」というシリーズ屈指の機動力を持ち、フロアのあらゆる場所からシレン目掛けて一直線に襲ってくる。
    • 前作の死の使い系Lv3モンスター「死神」の強化版とも言え、パコレプキンの腕輪のコンボが通用しないので、ねだやしの巻物等の対策が欲しいところ。
  • もっとも、アークドラゴン・ラシャーガ・シハン・ダイレップウといった強敵は、エンディング後の高難易度ダンジョン、それも中盤以降にしか出てこない。上級者向けダンジョンに強敵が出てくるのは、ゲームの難易度調整として妥当と言える。
    • これだけ強敵がいても、最果てへの道は「序盤より30F以降の方が簡単」と言われることがあるバランスなので、いかに前述のアイテムコンボが強力であるかが伺える。

難易度が非常に高い装備品かけ

  • 「特定のダンジョンの特定のフロアでのみ出現する可能性のある黄金の間でランダム入手」のように、条件を知らなければまず入手できないアイテムも多い。
    • 単なるやり込み要素なので無視しても良いのだが、問題は一部の装備品がコレクション要素であることを前提にしたレアリティになっているという点。
    • ユニークな新アイテムなのに必要以上に入手困難にされているので、ほとんど活用できない装備も存在する(如意棒、にぎりへんげの剣など)。
    • 「ガマラの盾」など、レアリティが高いくせに実用性が低すぎるアイテムもある。「ハラヘリの腕輪」に至っては、レアな上に武器盾ではないため飾ることすらできないので、存在意義が怪しくなっている。
  • そもそも、そういったレアアイテムの宝庫である「黄金の間」へ続く黄金階段の出現率が低く、黄金の間に入れるかが運に左右されやすい。
    • 「黄金階段が出現するのは〇F~〇Fの間、出現率は〇〇%」とダンジョンによって決められているが、「〇F~〇Fの間に必ず1つ黄金階段が出現する」と保証されているわけではなく、運が悪ければ対象区間のフロアを全て調べても出ない事もある。100%出現する中腹の井戸をのぞけば、黄金階段の出現率はどのダンジョンも20%~30%しかない。2~3フロア連続で黄金階段が出現しないという悲劇も十分あり得る。
    • 「フロアの壁全体の中からたった1マスだけに黄金階段が埋まっている」という仕様の関係上、「大部屋の巻物」以外では黄金階段を見つけることが難しい。「のりうつりの杖でイッテツ戦車に乗り移る」など他の手段もないわけではないが、大部屋の巻物以外ではフロアの壁を全て破壊するのに非常に時間がかかるため、黄金階段が見つからなかった時の徒労感が酷い。「地雷の爆発でちょっと壁を壊したらたまたま出てきた」「パコレプキンの腕輪で壁の中の黄金階段に入れた」などの報告も稀にあるが、相当運が良くないと起こらないのは言うまでもない。
    • 特に道具持ち込みが不可能な最果てへの道では、出現率がそれほど高くない大部屋の巻物を現地調達するしかない。「大部屋の巻物を運良く拾う」「運良く黄金階段が存在するフロアを引き当てる」という、二重の苦難を乗り越えないと黄金の間に入ることはできない。その分、運良く入れた時の喜びは大きいが。
  • 黄金の間以外の例としては、「大三元の剣」と「大三元の盾」の素材「白発白中の腕輪」が極めて入手しにくい。
    • 白発白中の腕輪は特定のダンジョンの「店売り」でしか手に入らないレアアイテムだが、この大三元の剣(盾)を作るには3個必要。剣と盾を両方作るなら合計6個も入手する必要がある。揃えるには「低確率で出現する腕輪専門店で仕入れ直しの巻物を何度も使う」のがほぼ必須。飾り用に作るだけでも多大な根気が必要。
    • この腕輪には「投げた物が当たらなくなる」という効果があり、敵を足下の罠にかけることが可能になる。最果てへの道で白発白中の腕輪が出現する階層は「1F~29Fの店」とやたら限定的であり、入手が難しく実用性が低いのが残念である。
  • 中腹の井戸の深部にある「カラクロイドの盾」の入手難度もかなり高い。
    • 「50~55階の黄金の間の宝箱」という深層でしか入手できない*9。その難易度は「最果てへの道」を差し置いて本作のイメージが覆るほど。
      カラクロイドの盾の効果は「罠を踏まなくなる」という強力かつ汎用的なものだが、もったいなくて合成できないという人が続出した。
    • さらに、中腹の井戸では50F以降限定で城飾りアイテム「お堀のコイ」が落ちている。こちらはカラクロイドの盾とは違い、50F以降まで潜ればほぼ確実に入手できるものではなく出現率も低いので、運が悪いと99Fを何度もループして入手するはめになる。
    • 一応、「ワナこわれずの土偶」を見つければテクニック次第でレベルを大幅に上げることが可能。Lv99まで上げれば最大HPは500程度に増えるので安全度は上がるが、中腹の井戸ではレベルアップしてもシレン本人の攻撃力がほとんど上昇しない為*10、劇的に楽にはならない。罠にかからない浮遊系モンスター(イダテン系Lv3のカミカゼが脅威)も出てくるため、もはやレベルだけでカバーできる領域ではない。
    • ちなみに、続編の『風来のシレンGB2』でもカラクロイドの盾の入手は非常に難しい。シレン2を余裕で上回る入手難易度である。
  • 苦労して装備品かけをコンプリートしたとしても、報酬やイベントは何もなく達成感に欠ける。せめてクリアマークだけでも欲しかったところである。
  • 一方で城の飾りについては純粋なコレクションアイテムなのだが、こちらについてはダンジョン内では換金も含めて何の役にも立たないという問題点がある。

城づくりによるクリアまでの長さ

  • シナリオをクリアするには初心者向けダンジョン「シュテン山道」を何回も往復しなければならず、さっさとクリア後の高難易度ダンジョンを遊びたいベテランプレイヤーにとっては苦痛な場合もある。
    • 城を作るために何度も簡単なダンジョンに入って材料を集めなければならず、単純にダンジョン1つをクリアすれば先に進めるというものではない。順調に城の材料を集めたとしても、城を完成させるまでにシュテン山道の10回以上のクリアは必要。
    • 一般的なRPGと比べればイベントの比重は小さいが、前作では「実力があれば1回目の冒険でエンディングに到達できる」形式だったので、本作で強制される同じダンジョンの往復にダレるプレイヤーも多い。
    • 本作はある程度ストーリー重視のため、所々で挟まれるイベントを槍玉に挙げるプレイヤーもいる。特に前作は、無視しようと思えばOPとED以外に目立ったイベントは起きなかった為、余計にその点が目に付いてしまいやすいのも原因。
  • 無論、この城づくりのおかげでダンジョンを3種の「難易度別」に分ける意味が大きくなり、ストーリーがある事でゲームとしての完成度に箔をつけている事は否定しようがない。
    • イベントもほのぼのあり、シリアスありで飽きさせない。あくまで、コア……というかストイックなファンの批判意見である。

装備中の腕輪が、攻撃を受けることで壊れるようになった

  • 腕輪は装備中にダメージを受けると一定確率で「腕輪にヒビが入った!」と表示され、ヒビの入った状態で何回か攻撃を受けると壊れてしまう。
    • ヒビが入るのはあくまで一定確率なので、運が悪いと装備して1回目のダメージでヒビが入ってしまう事もある。
      • ヒビが入った次の攻撃で即壊れる事はないが、5~15回(ランダムで決まる)攻撃を喰らうと壊れる。
    • 地雷のような爆風ダメージだとヒビが入る確率が高い。そのため、「イッテツ戦車」が前作とは別方向で嫌なモンスターになっている。
      • 厳密には「爆風ではヒビが入りやすいが、爆風でヒビが入った腕輪が壊れることはない」という仕様。しかしヒビ割れは当然、腕輪崩壊へのカウントダウン開始の合図なので厄介。
    • ヒビが入っただけの状態であれば腕輪の能力は失われず、メッキの巻物や鍛冶屋で修理できるが、鍛冶屋はシュテン山道攻略中にしか使えないし、メッキの巻物も頻繁に手に入るアイテムではない。
  • これにより多くの腕輪は使い捨てアイテムとなり、過去作で有用だった「ハラヘラズの腕輪」などの価値が大きく下がってしまった。
    • もっともハラヘラズの腕輪等、壊れない仕様だと性能が壊れ気味の腕輪も存在する。本作で新登場した「超会心の腕輪」等も、壊れなければバランスがおかしな事になる為、壊れることを前提にしたバランス調整とも言える。
      • 超会心の腕輪は装備すると「会心の一撃」より強力な「超会心の一撃」が100%出るようになるが、一撃でも喰らえばヒビすら入らずにすぐに腕輪が壊れるという、いわば事故で壊れる事が前提の性能になっている。
  • しかし特に便利とされる「とうしの腕輪」と「パコレプキンの腕輪」は、攻撃を受ける機会をうんと減らせるため、滅多に壊れることがなく他の腕輪との格差が大きい。
    • 強力な腕輪の濫用を防ぐための仕様のはずが、これらの腕輪はその能力によって破損のリスク自体を低減出来てしまう。つまり効果と仕様が噛み合っていない。
    • とうしの腕輪はモンスターの位置が分かる都合上、敵との戦闘前に腕輪を外すようにすれば、壊さずに使うことは容易。
      • 破損を防ぐために腕輪を着脱する事が必然的に多くなり、ゲームテンポを損ねている。
      • 一方、呪われていると腕輪を外して守れなくなるので、呪いの明確なデメリットが増えた。
    • パコレプキンの腕輪は壁の中に入ることができ、壁の中に入ればほとんどの敵から攻撃を受けなくなるので、こちらは腕輪を外す必要すらない。
      • 通路の出会い頭のモンスターの先制攻撃には気を付ける必要があるが、透視の腕輪と併用すればこの弱点も消える。
  • 「呪われたマイナス効果の腕輪を壊して外せるようになった」「メッキの巻物の使い道が増えた」といった改良点もあるが、腕輪の格差を大きくしたことは否定できない。
  • 腕輪が壊れる仕様自体は後発作品の『GB2』や『アスカ見参』にも存在するが、『シレン2』だけ「壊れない腕輪を作る手段が一切ない」というのも、比較されやすい点。

問題点

神社の隠し穴にて「詰み」が発生する

  • このダンジョンはゴールやクリアの概念がなく、99階から階段を降りても99階にループする構成となっている。
    そのため、99階にはダンジョンを脱出する「持ちかえりの巻物」というアイテムが必ず落ちているのだが、落ちているのは初回の99Fのみ。
    • その為、落とし穴や地雷といったワナで拾い損ねたり、「たまらんガッパ」という敵に投げられて失ったりすると生還不可能となる。
    • せめて99階に辿り着くたびに配置してほしかったところである。
  • 持ちかえりの巻物自体は、入場時に必ず1つ支給される他、10階、20階にも必ず落ちているので、それを温存していれば詰むことはない。
    しかしアイテム枠を圧迫する上、にぎり変化におにぎりにされて失う可能性がある他、ゲイズ系の特技によって読まされてしまい強制送還されるリスク*11もある。
    • しかもこのダンジョンではそれを見越したように、ゲイズやにぎり変化が深層に再出現する。他のダンジョンでは序盤に出てくるだけで深層には出てこない。
    • 深層には上位のハイパーゲイズやにぎり元締も出現するのに下位種を再登場させるあたり、開発スタッフが意図して嫌がらせを行っているように感じる。
  • 生還するこだわりがなければ99階に着いた時点で適当に倒されて帰ってもいいのだが、「ここまで来れたからには生還した記録を残したい」というプレイヤーが多いであろう。最深層に出現するモンスターを新たに捕まえていればなおさらである。
    • 神社の隠し穴の60F以降でしか捕まえられないモンスターがいるのだが、捕まえても生還(所持アイテムを持ち帰る)しなくては意味がなく、持ちかえりの巻物を手に入れるには99Fまで潜らなければならない。
  • あかずの間というダンジョンも同様に99階をループする構成だが、あかずでは99階以外の階層でも持ちかえりの巻物は落ちている他、初回に限らず99階に降りるたびに持ちかえりの巻物が落ちている。何故神社の隠し穴を同様の仕様にしなかったのだろうか。

トルネコの大冒険2?』に存在した「あきらめる」コマンドと再挑戦機能が付いていない

  • 前者は「中断→ナタネ村に戻る」で代用できるが、一旦タイトル画面に戻る手間が掛かる。
    後者は「最果てへの道(もっと不思議)」の入り口は極端に近いので問題にならないが、「中腹の井戸(罠ダンジョン)」の再挑戦が面倒である。
    • 大した問題点ではないと言えばそれまでだが、本作より前に発売されているタイトルで実装されていた機能だけに、こちらに採用されなかった理由は判然としない。

クリア前ダンジョンにのみ、フリーズバグがある

  • 条件を満たすと再現度はほぼ100%の致命的なバグ。詳しくは公式サイトのお知らせを参照されたし。
    • フリーズの条件が限定的であることと、クリア後のダンジョンには関係ないことが不幸中の幸い。

総評

64のゲームの中でも屈指の中毒性とやりこみ度を誇り、『不思議のダンジョン』シリーズの基盤を更に練りこみ強化したゲームとの評価も高い。
シリーズ中でも完成度が高く、初心者向けの『2』・上級者向けの『アスカ見参(外伝)』というファンが多い2強の立場に位置する。

その人気と長く遊べるゲーム性ゆえか、中古市場への出回りはイマイチ良いとは言えず、(特に中古店舗販売の)価格は比較的高い所を推移している。
その完成度は折り紙付きで、ナンバリングタイトルが『5』まで登場した今でも、最新作に勝るとも劣らない遊びごたえを持っており、元は十分取れるだろう。
初心者の間口の広さも安心の為、興味を持ったならプレイしてみる価値は十分ある。


余談

  • 印数システムやマゼルン系のような合成モンスターは以降のシリーズによく登場することになった。
    • 以降の全作品に出るわけではないが、出ない作品に限って評判が悪い。
    • また、マゼルンを更に癖の強いモンスターにアレンジした作品もある。そちらはおおむね好評の様子。
  • 売り上げはシリーズ最大の約284,000本を記録している。N64末期のソフトの為ド派手なヒットとは言えなかったが、本作でシリーズを知ったファンも多かった。
    • 本作の後に発売された『GB2』もGB作品としては評価が高く、久方ぶりの据え置きナンバリングとなった『3』にも多大な期待が寄せられていたのだが……
  • 外伝作品の『ネットサル』を除けば、風来のシレンシリーズで唯一移植やリメイクが成されていない作品。
    シリーズでも屈指の人気を誇る為、VCでの配信が待たれるところだが、本作にはグラフィック強化の為、カセットROMに専用チップが仕込まれていたとの事。
    任天堂純正のメモリ拡張パックが必要なものとは異なり、あくまでチュンソフト独自の仕様である為、ここの再現ができていないのではないかとされている。
  • これも完全な余談だが、物理的なROM操作でデバッグモードを呼び出せる事で有名。
    • 方法は各自検索して頂ければすぐに出るだろう。コツは要るが、特殊なツールを使用せずに、誰でもデバッグモードを呼び出せる、比較的珍しい例。
    • 当然、動作中のソフトを物理的に動かす関係上、データ破損やROM破損が極めて起こりやすい。貴重なソフトが壊れても自己責任。
+ 早解きキャンペーンにおけるバグ利用について
  • シリーズ恒例の早解きキャンペーンが開催されたが、今回はリアルタイムアタックではなくゲーム内に記録されるクリア時間を競う形だった。
    • 記録される時間は1秒が最小単位なので、「セーブデータ選択→行動→リセット」という一連の動作を1秒未満で行えば、実質0秒で行動ができてしまう。
    • 上記は「0秒行動」と呼ばれ、好記録を狙うためにはゲーム自体のテンポが非常に悪くなり、
      また知っているか否かでプレイヤー格差が生じ、プレイアビリティや公平性の面で当時はかなり問題視された。
    • タイム短縮のためにはセーブデータのコピーによるパターン確立も行われたが、これもローグライクの本質を損なう攻略法である。
    • もっとも、隠しキャンペーン*12のほうは従来同様にリアルタイムで応募順に表彰された。