【とるねこのだいぼうけん ふしぎのだんじょん】
ジャンル | ローグライクRPG | ![]() 裏を見る |
対応機種 | スーパーファミコン | |
メディア | 12MbitROMカートリッジ | |
発売・開発元 | チュンソフト | |
発売日 | 1993年9月19日 | |
定価 | 9,600円 | |
書換 |
ニンテンドウパワー 1997年9月30日/1,000円/F×3・B×4 |
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判定 | 良作 | |
ポイント |
『ドラクエIV』のサブキャラを主人公にしたローグライク ドラクエの世界観とローグライクの戦略性を融合 チュートリアルや店拡張システムなどで遊びやすさを補強 後年の作品と比べるとシンプルだが、充分要素は多い ゲーム機におけるローグライク作品の礎となった |
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ドラゴンクエストシリーズ | ||
不思議のダンジョンシリーズ |
チュンソフトの手掛ける『不思議のダンジョン』シリーズの第1作。
『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』に登場するキャラ、商人トルネコが主人公であり、幻の宝物「しあわせの箱」が眠るという洞窟「不思議のダンジョン」に挑戦する。
入る度にダンジョンの構造が変わるユニークなシステムを持つダンジョン探索RPG『ローグ』をベースとした作品で、日本国内における『ローグライクゲーム』の普及に貢献し、本作と同様のシステムを「不思議のダンジョン系」と統括的に呼称させるほどの知名度の高さを持つ作品となった。(*1)
本作は「主人公がアイテムを駆使してダンジョンを攻略する」という部分に特化した、1人用の俯瞰視点2Dダンジョン探索ゲームである。
ランダム生成ダンジョン
ターン制
食糧と「満腹度」の概念
経験値&レベルアップ制
モンスター
アイテムが重要
本作を含む不思議のダンジョンシリーズは総じて、普通に敵に近付いて考えなしに殴りあう感覚でプレイすると、あっさり力尽きてしまうシビアなゲームバランスに仕上がっている。
そこで生死を分けるのが、ダンジョン内にランダムで落ちているアイテムである。
+ | アイテム紹介 |
視界の概念
倒されたらやり直し
店の拡張
条件 | 冒険への恩恵 | |
第一段階(初期) | ちょっと不思議のダンジョンクリア | 不思議のダンジョンへ行ける |
第二段階 | 500G調達 | |
第三段階 | 1000G調達 | |
第四段階 | 3000G調達 | |
第五段階 | 5000G調達 |
倉庫が新築される アイテム10個保管・ 不思議のダンジョンにアイテム1個持込可能(*5) |
第六段階 | 10000G調達 |
倉庫拡張 アイテム20個保管・アイテム2個持込可能 |
第七段階 | 30000G調達 |
倉庫拡張 アイテム40個保管・アイテム3個持込可能 |
第八段階 | 50000G調達 |
倉庫拡張完了 アイテム60個保管・アイテム4個持込可能 |
第九段階 | しあわせの箱を持ち帰る | もっと不思議のダンジョンへ行ける |
第十段階(最終) | 奇妙な箱を持ち帰る |
ダンジョン構成
公式ガイドブックにある中村光一氏(チュンソフト社長)の談話によると、最初に製作したのは「もっと~」だったが、難易度が高かったという見解から初心者向けに調整を加えた「不思議~」が作られ、さらに入門用として「ちょっと~」が作られた。『作り手としても「もっと~」を一番やってほしいんです』とのこと。(*7)
その他
一般的なRPGに比べると高難度なバランスであるが、本作の発売時期を鑑みて特筆するべきはその取っ付きやすさ・遊びやすさへの配慮である。
設定・演出
グラフィック
音楽
ストイックなゲーム性
不思議のダンジョンのストイックさは、従来のDQシリーズとは一線を画す。
これらの要素のために、クリアには有用な武具やアイテム・食糧を引く「運」だけでなく、「プレイヤーの技量」も要求される。
中毒性の高いゲーム性
荒削りではあるものの、馴染み深い『ドラゴンクエスト』シリーズのキャラクターを使った世界観はローグライクゲームを一般に浸透させることに成功した。
ハードルの高いジャンルに遊びやすくなる様々な要素を盛り込み普及させたという点では、初心者に対する配慮を重視するドラクエシリーズらしいゲームともいえる。
敵味方両面でバランスブレイカーが存在しないため、堅実に進めれば攻略は決して難しくはない。純粋にプレイヤーの腕と多少の運が試される、『不思議のダンジョン』シリーズの原点である。
*1 ローグライクゲームとしては本作が登場する前から「NetHack系」「Angband系(日本では『変愚蛮怒』が人気)」「DungeonCrowl系」等があったが、いずれもパソコン用のフリーゲームであり、家庭用ゲームでは先に発売されたゲームギアの「ドラゴンクリスタル ツラニの迷宮」はこちら程の知名度はなかった。
*2 今作では「レミーラの巻物」、次回作からは「めぐすり草」。
*3 一定ターン間、移動方向と攻撃方向がでたらめになってしまう。
*4 部屋は大きさに関わらず部屋全体が、通路の場合はトルネコの前後1マスが可視範囲になる。
*5 持ち込みアイテムの数にネネがくれる「大きなパン」は含まれていないため、これを預ければ1個多く持ち込める。
*6 他のダンジョンは目標物を取るとそのフロアの階段が昇りに変化する
*7 公式ガイドブック183ページ辺りを参照
*8 公式ガイドブック43ページ辺りを参照
*9 「自キャラ=@」「モンスター=AからZまでのアルファベット」「ダンジョンの壁と通路=|と#」等。例えばドラゴンはDragonと書き巨大な生き物だから大文字のD、犬はDogと書き小さな生き物だから小文字のdと言ったように、英語圏の人ならば直感的に理解しやすい文字が割り当てられている
*10 お金については「冒険終了時の所持金」がハイスコアの集計に使われるため、得点アイテムとしての意義はある。
*11 本作が参考にした『ローグ』にこの種のペナルティが無かったことにも留意
*12 杖の使用回数、剣・盾及びちからの指輪の修正値のいずれかを+3あげる
*13 ローソンで1997年9月30日~2002年8月31日まで、任天堂に郵送で2002年9月1日か〜2007年2月28日まで行われたゲームソフトの書換えサービス。空状態の専用メモリカセットを3,980円購入して別料金で書き換えて入れる必要がある。割高な上に端末の操作がわかりにくくスーパーファミコン自体が既に旧機種だったこともあって普及しなかった。しかもこういった既存タイトル専用タイトルに比べると書換え料が安かったが、当時の中古ゲームショップ販売が合法となった為、書換えサービスの存在意義が薄れた。
*14 「ボンモールの王子を助けたり・・・」という、3章本編での展開を示唆する一文がある。
*15 コミックス20巻コメントより