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デジモンストーリー サイバースルゥース - (2021/08/16 (月) 11:55:32) の編集履歴(バックアップ)


デジモンストーリー サイバースルゥース

【でじもんすとーりー さいばーするぅーす】

ジャンル 育成RPG
対応機種 プレイステーション・ヴィータ
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 メディア・ビジョン
発売日 2015年3月12日
定価 6,640円(税別)
廉価版 Welcome Price!!
2016年12月1日/2,800円(税別)
判定 良作
ポイント 3Dモデルで蘇るデジモンストーリー
大人になったデジモンファンへの最新作
ストーリーの完成度が極めて高い
デジタルモンスターシリーズリンク


概要

  • 『デジモンストーリー』シリーズ5作目にして、前作『超クロスウォーズ』以来4年振りの新作。また、ニンテンドーDSで展開されていたシリーズ初のPSプラットフォーム作品*1
  • キャッチコピーは「電脳(デジタル)と現実(リアル)が交わる時 ぼくらの物語(ストーリー)が進化する」。
  • 『デジモンストーリー』シリーズは伝統的に対象年齢が低めであったが、2015年はデジモンアドベンチャー15周年ということもあり、本作は「大人になったデジモンファンへ」というコンセプトのもと対象年齢がグッと引き上げられている。
  • PSP/3DS『デジモンワールド リ:デジタイズ』から引き続き、ヤスダスズヒトがキャラクターデザインを担当。
    • 本作と『リ:デジタイズ』は一部世界観が重なっており、ゲストキャラも登場する。
  • 初回封入特典として、アグモン(黒)、ガブモン(黒)、オリジナルカスタムテーマ2種、サウンドトラックなどが入手できるプロダクトコードが同封されていた。

ストーリー

近未来の日本。

インターネットに視覚的かつ感覚的にアクセスすることの出来る技術によって、「電脳空間EDEN」が人々のあいだで、もう一つの日常世界となっていた。

セキュリティによって守られていた電脳空間。しかし人々の生活に密着するにつれ、そこで起こる犯罪も多くなってきていた。

特殊なウィルスプログラムを利用し電脳世界に甚大な被害をもたらすハッカーたち。

そのウィルスプログラムはAIをもち、あらゆる情報を吸収、環境に応じて多種多様に進化を遂げる能力をもっていた。

人々は、その特殊なウィルスプログラムを「デジタルモンスター」と呼んだ…

(公式サイトより抜粋)


キャラクター

  • 主人公(男CV:松岡禎丞/女CV:大久保瑠美)
    • このゲームの主人公は男女の選択制。デフォルト名は男性が相羽タクミ、女性が相羽アミ。
    • 男性の場合ゴーグル型、女性の場合髪留め型のデジヴァイスを装着している。
    • 戦闘中の掛け声などを除きゲーム中ではボイス無し。会話デモ中も、テキストでの台詞も含め一言も言葉を発しない。この辺りは『リ:デジタイズ』の踏襲と言える。
    • 主人公はこの世界に暮らす普通の学生であったが、ある日EDEN内でイレギュラーな攻撃を受けてデジタルとリアルが入り混じった「半電脳」存在となってしまい、「電脳探偵(サイバースルゥース)」として活動し始めることとなる。
    • 初期パートナーはテリアモン、パルモン、ハグルモンの三種から選択する。
  • 白峰ノキア(CV:潘めぐみ)
    • 主人公のチャット友達。「なるようになる」がモットーのポジティブな少女。
    • 本作は、彼女がネットで噂の「デジモン」に興味を抱いたことから始まる。
    • いわゆる「ウザ可愛い」系キャラであり、ハイテンションで周囲を振り回しがち。しかし良くも悪くもブレない彼女の純粋な思いは、次第に周囲を動かしていくこととなる。
    • 偶然出会ったアグモン・ガブモンと心を通わせ、後にパートナーとなる。
  • アグモン&ガブモン(CV:坂本千夏/山口眞弓)
    • お馴染み、デジモンの顔役。本作ではノキアのパートナーとなる。
    • CVには『デジモンアドベンチャー』のキャストを起用。個体としては別存在ながら、その再現度は必聴。
    • 両者とも人間世界に来たショックで記憶を一部失っており、その真相は大事件の謎を解く手がかりとなっていく。
  • 真田アラタ(CV:岸尾だいすけ)
    • ノキア同様、主人公とはチャット友達。一見飄々としているが、実は面倒見が良い兄貴分。そして漫画マニア。
    • 非日常的な出来事に惹かれ、主人公と共に電脳空間を巡る事件に迫っていく。元凄腕のハッカーのようだが、過去については多くを語らない。
    • 良くも悪くも格好つけであり、責任や思いを一人で背負ってしまいがち。
    • パートナーはケラモン。ストーリーの進行度に応じて進化していく。
  • 暮海杏子(CV:坂本真綾)
    • 行く当てのなかった主人公を拾った縁で、そのまま主人公を雇うことになる「暮海探偵事務所」の所長。
    • 電脳関係の事件を専門とする腕利きの探偵で、警察にもパイプを持つ。
    • 露出度が高い格好をしているが、それとは裏腹に性格は知的でクール。本人曰く「乙女心はどこかに置いてきた」。
    • 様々な分野の教養を持っているようで、彼女の会話には柳田國男からハインライン*2まで、多様な知識が登場する。
  • 神代悠子(CV:伊藤かな恵)
    • 暮海探偵事務所にとある依頼を頼んでくる依頼者。
    • 彼女の素性は軽微なネタバレに当たるので明記出来ないが、様々な事情により主人公たちに協力することとなる。
    • 見た目に似合わず、かなりの食いしん坊。
  • 御神楽ミレイ(CV:沢城みゆき)
    • デジモンの育成に欠かせない施設「デジラボ」を管理している女性。
    • とある事故により肉体を失っており、電脳空間にのみ意識体として登場する。その為少女の姿をしているが、年齢は不詳。
    • 『リ:デジタイズ』から引き続き登場。本作ではメインストーリーで時折協力をしてくれるが、基本的にはあくまでデジモンの育成管理役。「オーキド博士ポジション」と言えば伝わるだろうか。
  • 四ノ宮リナ(CV:戸松遥)
    • ミレイから旧知の間柄として紹介された「並行世界」の少女。
    • かつてのデジタルワールドの冒険者として協力してくれる…が、残念ながらノキア同様の「ウザカワ系」でウザさ倍増。
      • ただしリナは公式HPでも「ウザ可愛い」ことをアピールされているが、どちらかというと「おバカ&元気」なキャラで、実際は然程ウザくはない。
    • 『リ:デジタイズ デコード』追加キャラクターで、彼女も引き続き登場。
    • パートナーも『デコード』と同じ「ブイブイ」ことブイモンだが、本作では究極体の力を奪われており、これを取り戻すことがストーリーの重要ポイントに。

特徴

  • システム
    • 本作は最大8体のデジモンを連れ歩き、その中から3体を選んでバトルに挑む、というオーソドックスな所謂『ドラゴンクエストモンスターズ』型RPGである。
    • コマンド式・アクティブターンバトル制を採用しており、「素早さ」の値を始めとするバトル中の様々な要素により行動順が決定される。素早さに差があれば、一体のデジモンが連続で行動することもある。
    • デジモンはHP、SP、攻撃力、防御力、知力、素早さ、種族・属性、サポートスキル(SS)を持つ。
    • SP/スキルポイントは、コストとして支払うことで、通常攻撃とは異なる「スキル」の発動、高威力の攻撃や特殊効果の付与を行う。
    • 「知力」は、スキルで発動する「回復」の効果量、「魔法攻撃」のダメージに影響する。高いほど自分の魔法の威力が高くなり、相手から受ける魔法の威力が下がる*3
    • 種族と属性の相性によって、ダメージの増減が発生する。
      • 種族は「ワクチン」「ウィルス」「データ」の三すくみと、それらに含まれない「フリー」の四種類。有利には2倍、不利には0.5倍となる。
      • 属性は「火」「草」「水」と、「電気」「風」「土」の三すくみ二組と、互いが弱点になる「光」と「闇」、それらに含まれない「無」の九種類。有利には1.5倍で、不利でも減算はされない。
      • 種族と属性は重ねがけされる。例えば「ワクチン種・水属性」が攻撃した場合、「ウィルス種(2倍)・火属性(1.5倍)」には3倍、「データ種(0.5倍)・火属性(1.5倍)」なら0.75倍となる。
      • スキルで攻撃する場合は、スキルの属性で判定を行う。上記の「ワクチン種・水属性」でも「風属性スキル」で攻撃した場合、3倍になるのは「ウィルス種・土属性」の組み合わせのみ。
    • デジモンが場に出ている限り、SSによる特殊効果が常時適用される。
      • ターン終了時に自動回復する、攻撃力など特定のステータスを上昇させる、特定の属性のダメージ量を増加させる、特定の状態異常を無効化するなど。
      • 場に出ている3体全てのものが適用・重ねがけが可能なため、バランス良く構築しても、特化して構築しても面白い。
      • ただし、これが後述する「バランス崩壊」の原因にもなっている。
  • 「進化」と「退化」
    • デジモンは通常の経験値によるレベル上昇に加え、固有の条件を満たすと「デジラボ」という施設で「進化」及び「退化」が可能になる。
      • デジモンの世代設定は「幼年期1」「幼年期2」「成長期」「成熟期」「完全体」「究極体」の6段階と、極少数の「超究極体」「アーマー体」が存在。
        基本的には携帯ゲーム機やアニメなどでおなじみの設定。
    • 「進化」及び「退化」するとレベルが1に戻るが、「才能」のパラメータと共にレベル上限が伸びる。
    • デジモンはそれぞれ、種別(●●モン)ごとの基礎ステータス*4と「必殺技」「サポートスキル」、レベルアップで獲得する「スキル(継承技)」が決まっている。
    • 上位種ほど、高い基礎ステータス・強力な必殺技を持つ傾向にあり、継承技は進化しても引き継げる。そのため、基本的には進化した・継承技を多く持つデジモンが強い。しかし、常に進化するのが最善策ではない。
      • デジモンには進化に必要なレベルが定められている。例えば幼年期2「コロモン」は通常レベル上限が3だが、レベル7で成長期「アグモン」に進化する。故に一旦退化で幼年期1「ボタモン」に戻し、その後コロモンとボタモンを往復させ、才能・レベル上限を伸ばすことで、アグモンに進化させることが可能になる。
      • 攻撃力や素早さなど、特定のパラメータが一定値を超える必要のあるデジモンもおり、やはり一定以上レベル上限を引き上げていないと条件を満たせないこともある。
      • 種別ごとに覚える継承技の系統は異なり、能力を補助する技しか覚えないデジモンもいる。進化に際して種族・属性が変化することもあるため、バトル編成の再構築が必要となる状況も考えられる。
      • 究極体は例外なく高い才能レベル=進化と退化を繰り返す必要があり、事前情報無しの初見ではまず不可能。
    • よって、本作の育成は「進化」と「退化」の繰り返しが基本となる。
    • 通常進化に加え、更に厳しい条件を満たすことで2体のデジモンを使用した「ジョグレス進化」も可能に。
      • 一部デジモンではストーリーの一定以上の進行、アイテムの入手を追加条件に求められることがある。
    • 3体のデジモンのみ「モードチェンジ」ができる。
      • インペリアルドラモン:ドラゴンモード⇔ファイターモード
      • ベルフェモン:スリープモード⇔レイジモード
      • ドゥフトモン:ノーマルモード⇔レオパルドモード
    • 3体とも育成難易度の高い究極体デジモンだが、モードチェンジ自体は普通の進化・退化と同じくデジラボで自由に切り替え可能。概ね魔法寄り⇔物理寄りでパラメータが変化する。
      • 「モードチェンジ」という名称ではあるものの、アニメのように戦闘中に行うことはできない。
      • また「モード」であっても、世代設定が異なる「インペリアルドラモン パラディンモード」(本作では超究極体)、「ルーチェモン系」(成長期⇔完全体⇔究極体)はこれに該当しない。
      • ちなみに、ベルフェモンRMとルーチェモンSMは本来究極体だが、ゲーム上では超究極体扱いである。
  • デジコンバート
    • ある敵デジモンと一定回数エンカウントすると、その敵デジモンの解析が進み、そのデータを「デジコンバート」で実体化させることで仲間にすることが出来る。
    • 『ポケモン』等と異なり、アイテムや特定の行動を介さず、ただエンカウントを重ねるだけで自動的に可能になるのが特徴。
      • 成長したデジモンほどコンバートに必要なエンカウント数も多く(成長段階によって一律)、安直なバランスブレイカーにはなっていない。
  • デジファーム
    • パーティに連れ歩かない、待機中のデジモン達を使って様々なことが行える機能。
    • 「特訓」して待機中のデジモンに経験値を与えたり、「開発」でデジモンにアイテムを生成して貰ったりといったことが可能。
    • デジファームの利用には現実における時間がかかり、かかる時間が長い程にメリットが大きくなる。
      • 例えば「特訓」の場合、30分、1時間、1時間半のコースのうち一つを選択することになるが、30分の場合短時間で大量の経験値を得られるものの「友情度」が大きく下がってしまう。1時間半のコースならば友情度減少はなし。
      • この時間はゲームをプレイしている間に限り進む。よって長時間のコースを選択して、ゲームの電源を切るといったことは出来ない。ちなみに、Vitaは長くても30分無操作だと自動でスリープになる。
  • デジライン
    • 主人公のデジヴァイスには時折「デジライン」を通じて着信がある。
    • 着信の内容や相手は様々。現実世界の友人、親といった通常の連絡から、デジモンからの雑談や質問といったものまで多岐に渡る。
    • デジファームの状態なども逐一デジラインで連絡して貰えるので、非常に便利。
    • ちなみにこれを通じてデジモンがクイズを出してくることがあるのだが、その難易度がかなり高い。
      • 出題は「魚へんに春と書いて何と読む?」といった常識クイズ的なものから、「○○(マイナーデジモン)の種族は?」というデジモンマニア向けのものまで様々。
  • 世界観
    • 本作の世界観は近未来が舞台の、サイバーなもの。
    • 日本では「EDEN」と呼ばれるネットワークサービスが発達し、買い物、公共事業、コミュニケーションといった、人間が生きる上で必要不可欠なことの大部分をEDEN内でまかなうことが出来るようになっている。
      • デジモンのメディアミックス作品の中でもネットが極めて発達しており、むしろアニメ映画『サマーウォーズ』*5の世界観が近い。
    • こうした世界観と、元よりサイバーな存在であるデジモンとの親和性は非常に高い。
    • 上記のストーリー解説では、まるでデジモンが悪のウィルスプログラムであるかのように解説されているが、実際はデジタルワールドから電脳世界に迷い込んだデジモン達がハッカーに捕えられ悪さをしている、といった内容。
      • このため、作中でデジモンを扱う人間は大半がハッカーと呼ばれる。テイマーと呼ばれるのは道具のように扱うことを否とする、ノキアの率いるチーム「リベリオンズ」くらいである。
  • 追加シナリオ
    • 無料DLC*6として、サブストーリーが展開される追加シナリオも用意されている。
    • DSソフト・シリーズ第2作『デジモンストーリー サンバースト&ムーンライト』の女主人公・サヨ(CV:前田愛)がゲスト出演*7
      同作でパートナーのディアナモンと共に「七大魔王デジモン」を倒した後、別世界=本作におけるデジタルワールドから現れた七大魔王に敗れてしまい、
      ミレイを通じて七大魔王の討伐と捕らわれたディアナモンの救出を依頼してくる…というもの。
    • 七大魔王には専用ルーチン&能力が設定されており、非常に多彩。適当なものではなく、意味を持たせたものであるため当然強敵である。
      • 例えば、複数の世代を持つルーチェモンやベルフェモンは、撃破するごとに特性をほとんど変化させて形態変化させて襲ってくる。ルーチェモンSMに至っては、プレイヤーの攻撃は全て無効という凶悪仕様*8
      • プレイヤーのディアナモン進化ルート開放や、後述する「デジモンメダル」収集にも関わっており、実質的な裏ボスの立ち位置になっている。

海外版・アップデートについて

  • 海外版は2016年2月2日にPS4/PSVitaマルチタイトルで発売。
    • 「強くてはじめから」「ハードモード」が追加されており、日本国内外とのオンライン対戦も可能。また、日本版にも2月5日からアップデートが実施され、同等の機能を実装した。
    • 更に3月10日、全世界同時配信のデジモン追加アップデートを実施。『セイバーズ』の「バーストモード」4体を含む7体が追加されている。

評価点

  • フル3Dで描かれる240体以上のデジモン
    • 本作の売りは何と言ってもここだろう。幼年期から究極体に至るまでの240体以上のデジモンがフル3Dで描かれており、そのほとんどが固有のモーションを持っている*9
    • 特にアグモンとガブモンの再現度は非常に高い。ガブモンに至っては被っている毛皮と本体の動きに差異が付けられているレベルで、初代「デジモンアドベンチャー」ファン感涙ものの出来である。
    • パーティに設定した3体のデジモンは、電脳空間に限り、主人公の後ろを走って付いてきてくれる。この走るモーションも素晴らしく、「デジモンと一緒に冒険している」という臨場感を作ることに一役買っている。
    • デジモン達の必殺技も迫力満点に描かれる。特にアニメで活躍したデジモンはアニメの演出を意識しており、身体をひっこませてから一気に「チクチクバンバン」を放つトゲモン、正面に手を構えアニメ通りのポーズで「ナイトレイド」を放つヴァンデモン、閉じた口元から溢れる青い光が特徴的な「コキュートスブレス」のメタルガルルモンなどがわかりやすい。
    • 「240体」という数字は『リ:デジタイズ』で登場したデジモン総数を上回っており、あちらに登場したデジモンはほぼ全て引き継ぎつつ追加している。前回不参戦が嘆かれた「ユキダルモン」等もしっかり参戦。
    • 「ロイヤルナイツ」が初の全員集合を果たしたというのも評価点だろう。
      • 2001年のアニメ『テイマーズ』に登場した「デュークモン」の背景設定である「ネットワークを守護する13体の聖騎士型デジモン」として存在が示唆され、度々アニメ・ゲームに登場していたが、10年以上を経てようやく全員集合の機会が訪れた。
      • ただし、12体目の「ガンクゥモン」は2013年のPSPソフト『デジモンアドベンチャー』、13体目の「ジエスモン」は2014年の携帯機ゲーム『デジヴァイス Ver.15th』がそれぞれの初登場であり、まともな登場の機会を始めて得た、という方が正しい。
      • ロイヤルナイツの存在はストーリーにもかなり深く関わってくる。彼らとのイベントを経ないと進化が解禁されないのが難点だが、全員育成可能。
      • ライバルともいえる七大魔王は逆にほとんど関与してこない。ただし、こちらも全員育成でき、かつ特殊な条件が全くないというフリーダム仕様。
  • 無限大の育成プラン
    • 「進化」と「退化」は一方通行ではなく、育成条件を満たしていれば自由に行き来が可能。
    • たとえば究極体「ウォーグレイモン」の場合、完全体「メタルグレイモン」「マメモン」の二体のどちらかを「進化」させる必要がある。
      • 「メタルグレイモンから進化したウォーグレイモン」であっても、他のデジモンがマメモンに進化したことがある場合、ウォーグレイモンの「退化」は、二体のどちらとも選べる
    • これによって、全く違う系統のデジモンへ進化をやり直したり、継承技を延々と引き継ぐことが可能。
      • 前者の例なら、「ウォーグレイモン→マメモン→ティラノモン退化」と一気に遡った後、「ティラノモン→メタルティラノモン→ラストティラノモン進化」のようにやり直せる。
      • 後者の例なら、「プリンスマメモンで回復技を覚えてからマメモンに退化」→「マメモンでウォーグレイモンに進化」して「回復技持ちのウォーグレイモン」を作る、など。
      • レベル上げの手間さえ惜しまなければ、育成プランは無限大に膨れ上がる。
  • 完成度の高いシナリオ
    • サイバーな世界観にデジモンを上手く絡めており、デジモン世代以外の人でも十分楽しめる。
      • 主人公は半電脳体として、ネットワークに「直接」ダイブする特殊能力・コネクトジャンプを使えるようになり、これを使って事件を解決していく。
        調子の悪くなった機械にダイブして、バグの原因になっている内部のデジモンを説得する、端末間のネットワークを泳ぐように移動して、施錠された扉の内側に侵入するなど、まさに「電脳探偵」として独特の活躍を見せる。
    • 既存のアニメ・ゲームのような異世界デジタルワールドでの冒険ではなく、現実世界から電脳世界の事件を調査し解決する、
      現実世界からのアプローチに重きを置いており、デジモンシリーズはむしろ初見の方が違和感なく楽しめるかもしれない。
    • 濃厚な人間ドラマにデジモン達の思惑が重なり、二転三転していくシナリオは必見。特にロイヤルナイツが登場する中盤以降の怒涛の展開は凄まじい。
      • ゲストキャラクターも「デジタルワールドを通じて来た並行世界の住人」として軽く触れられる程度で、違和感無く本作のキャラクターとして活躍している。
    • マップもデジモン同様緻密にモデリングされており、東京都内各所で起こる事件は現実との一体感も高い。
      • 拠点となる探偵事務所が入居する「中野ブロードウェイ」は、4階まであるのにエスカレーターが3階までしかない、エレベーターが入り口(中野駅方面)から見て奥にあるなど、妙に不便なところも含めて再現。また、アーケード版北斗の拳等でおなじみ「中野TRF」も登場。
      • 「新宿」は「ダンジョン」と揶揄される駅地下構内の複雑な構造をそれっぽく再現している上、野良デジモンとエンカウントする正真正銘の「ダンジョン」。ありがた迷惑である。
      • 「渋谷」は「タワーレコード渋谷店」の特徴的な看板が再現されて入店も可能、その他「秋葉原」「浅草」などの有名スポットも登場。
  • 状態異常「液晶化」
    • 状態異常の一つ「液晶化」は、デジモンのスキル使用、クロスヒット等を封じるものである。
    • 「液晶化」したデジモンは玩具版「デジタルモンスター」を意識したドット絵の姿になってしまう。デジモンワールドシリーズではお馴染みの状態異常だがストーリーシリーズでは初である。
    • 「デジタルモンスター」「ペンデュラム」「デジヴァイス」シリーズの玩具を持っていたリアルタイム世代は、この姿に特別な感慨が湧くのではないだろうか。
      • 「アタック」コマンドを選んだときは特有の電子音と共にポーズを取ったり、「眠り」の状態異常を重ねがけすると更に眠りドット絵に書き換わったり芸が細かい。
  • デジモンメダル
    • 本編のストーリーには関わらないが、本作には全500種類の「デジモンメダル」をコレクションするという楽しみがある。
    • 本作に登場しない様々なデジモンが網羅されている他、「アグモン博士」などのマニアックなデジモンまでメダルになっている。
    • レアリティに応じてメダルが色分けされている、レアメダルはホログラムシールのようなエフェクトが追加されているなど、いかにもありそうな感じのデザイン。
  • 音楽
    • ダンガンロンパ』シリーズのBGM作曲、『スマブラ』シリーズ(X3DS/WiiU)の編曲などで知られるクリエイター、高田雅史がBGM作曲を担当。
    • 本作特有のデジモンのサイバー感が強調されたテクノ調、探偵モノらしいミステリアス調、ノキアや野良デジモンの騒動に巻き込まれたときのポップ調など、幅広いジャンルで緩急を付けており、評価は高い。
      • ラスボス戦は「あるクラシックの名曲」をイントロに据えた、メインテーマ「THE CYBER SLEUTH」のアレンジ・マッシュアップ。ストーリー展開にも沿った選曲だが、クラシックの引用は『デジモンアドベンチャー』にも通ずるものを感じさせる。
    • かなり早い段階のプロモーションで作曲者を公表し、先述の通り初回封入のダウンロード特典にサントラも含まれており、メーカーとしてもアピールポイントだったことが伺える。
      • ただし「特選サウンドトラック」ということでラスボス戦も含めて半数以上が未収録*10であり、プレイヤーからは惜しまれた。
      • ゲーム発売から2ヶ月後、完全版サントラCDが発売。デジモンゲームとしてはPSソフト『デジモンワールド デジタルカードバトル』以来15年ぶりのサントラCD発売

賛否両論点

  • 友情度
    • パーティの3体に入れたデジモンは次第に主人公との「友情度」という値が上昇していく。
    • 「友情度」が上昇することで他のデジモンの攻撃を支援したりといった、様々な恩恵が受けられる。
    • 問題なのは、友情度が進化に関係するということ。特にアニメで主要な働きをしたパートナーデジモン達は、友情度をかなり上昇させないと進化できない。
      • 友情度は店売りのアイテムを与えることで上げることも可能なのだが、本作は基本的に金欠気味でやりくりしていく必要があり、アイテムの値段も相まってアイテムで強引に友情度を上げるのはかなり厳しい。よって友情度はパーティに入れて上げるのが正攻法と言える。
    • 結果として、進化に友情度必須のデジモンばかりがパーティに入ることになってしまい、パーティの固定化に繋がっている。
  • 才能
    • 上記したように、本作の育成の基本は進化と退化の繰り返しにより「才能」を上昇させていくことにある。アイテムでも上げられるが、とてもレアなので非常手段にしか使えない。
    • しかし、このシステムは育成の幅を広げている反面、例えばやっとの思いで完全体に進化したにもかかわらず、次の進化条件には「才能」が足りておらず、泣く泣く退化させて育て直し…といった事態もよくある。 特に「一度も退化を経験していないデジモン」は、才能値の計算式の都合上、絶対に究極体に進化できない。一体だけ要求する才能値が低い究極体もいるが、このデジモンは後述の「プラチナヌメモン」。自分のデジモンが初めて究極体に進化した!と感動するか悩ましいデジモンである。
      • 酷いのはジョグレス進化体を退化させなければならない場合。この場合、ジョグレスさせたうちの一体しか戻ってこず、もう一体は用意し直す必要がある*11。主にパイルドラモン→インペリアルドラモンの進化でこの悲劇が起こる場合が多い。
    • つまり一見しては分からないが、作業量、レベリングの手間がとてもかかるのである。これを単純に面倒と感じるか楽しめるかは人と場合による、といったところ。
      • デジモンによっては、あるいはレベルが99近くないと満たせないくらい高いパラメータ条件のものもいる。
      • このレベリングの手間を大幅に下げる手段として、経験値上昇の能力を持つ「プラチナスカモン」等のデジモンが存在する。ただし今度はこれらのデジモンがレベリング用に強力過ぎてパーティが半固定化されるという問題も発生する。しかも経験値上昇効果を持つデジモンは揃いも揃って「汚物系デジモン」ばかりであり、彼らを延々連れ歩きたいというプレイヤーは稀だろう。
      • 一部の究極体デジモンは、ストーリーの最終盤で受けられるサブクエストをクリアして初めて進化できる。 そういう条件の究極体にしか進化できない完全体デジモンもおり、そのデジモンからでしか進化できないということもでも無いため、「ハズレ」扱いを受けやすい。 サブクエスト自体も下記の「問題点」にあるボスの仕様のため、難易度が高い。
  • 初期デジモン
    • 先述の通り、初期パートナーデジモンはテリアモン、パルモン、ハグルモンの三種から選ぶ。「友情度」の概念も相まって、この初期デジモンとはかなり長い付き合いになるのだが…。
    • 正直に言って、選出理由が不明。ワクチン種、データ種、ウイルス種の中からそれぞれ一体選んだのだと思われるが、何故この三体になったのかは謎。
    • パルモンとテリアモンはそれぞれアニメ「初代」と「テイマーズ」でメインキャラクターとして活躍したが、ハグルモンは本当に選出理由が不明。ウィルス種枠ならギルモンという、「テイマーズ」で主人公のパートナーを務めた人気デジモンがいるのだが……。
      • 本作のシナリオにはロイヤルナイツが密接に関わってくるので、ロイヤルナイツに進化するデジモンを意図的に避けていると思われる。ギルモンは究極体でデュークモンになってしまう点を考えれば説明がつく。
      • 他には動物、植物、機械で育成ルートがほとんど被らない、選ぶ楽しみがあることだろうか。しかし、それにしてもやはり取っ付きが弱い。
      • 逆に初期デジモンがメディアミックスの人気デジモンで固まることを良しとしない人からは、ハグルモンの選出は高評価である。
        主人公を一人のキャラとして考えた場合、他のメディアミックスと被らないパートナーデジモンを持つことはステータスにもなり得る。
  • シナリオの難解さ・不可解な点
    • 本作のメインターゲット・プレイヤー層を考えると仕方ない面はあるが、シナリオはやや大人向け・難解な展開が多い。
      • その難解さもストーリー的な深さ・複雑さよりも、単純にセリフ回しに難がある。いずれの登場人物も、普通に話せば簡潔に説明できるような事柄でもあえて回りくどく、また分かりづらい単語を並べているだけ、というのが特徴的である。
      • シナリオ全体が中二病的であり、大人向けというにはやや痛々しく寒々しい、良くも悪くもクサいシナリオになっている。かと言って子ども向けとしては、内容的にも羅列される単語量的にも分かりやすいとは言えない。
      • ストーリー全体の流れは王道的で面白いだけに、なぜわざわざ分かりづらくしているのか、セリフ回し等々シンプルにするだけでもストーリーの面白さがより良く伝わるはずなので非常にもったいない。
    • 「電脳と現実が交差する」というキャッチコピー通り、本作のシナリオは主に「電脳空間」内で起こる事件を追う中で、電脳と現実が交錯してくる内容となっている。
      • さながらSF小説のような内容であり、ネットに関する様々な専門知識は勿論、脳科学や神学、哲学に至るまで多岐にわたる知識がちりばめられている。
    • この為シナリオの完成度は高いのだが、ある程度教養のあるプレイヤーでないと展開に付いていけない。10代はおろか、下手をすると20代以上のプレイヤーすらも振るい落とされてしまいそうな程である。
      • 初代デジモン世代が現在20代前後であることを考えると、ターゲット世代相応の完成度を高く評価する意見がある一方、デジモンらしい「良い意味での子供らしさ」が薄れてしまったとする意見もある。
    • 最後のイベントで黒幕が語る「とある理論」は、ほぼ自分で納得して呟いているだけなのでプレイヤーへの詳細な説明がない。Wikipediaに一応の解釈は載っている。
      • 黒幕の最後の行動はこの理論に関連することなので、分からないといまいち釈然としなくなる可能性もある。
    • DLC・七大魔王についても、これまでの立ち位置に疑問を抱く、デジモンシリーズ全体を巻き込みかねない設定が追加されている。
      • 簡潔に言うと、全ての平行世界の七大魔王は本来の力を等分された状態。過去のゲームなどで散々キャラを苦しめた魔王たちは、全力の1割にも満たないというのである。
      • そして、一つの世界から全ての七大魔王を倒して等分の状態を乱すと*12の怒りを買う。「神に保護された悪の魔王」というわけの分からない状態。光あるところに闇あり、バランスが崩れてしまう故の必要悪ということなのだろうか。
      • 一応、この設定は七大魔王が完全抹殺されずに封印されたりしかされてないことへの説明にはなっている。
  • 難解さを抜きにしてもハードなシナリオ
    • 主人公が電脳探偵である関係上、本作は主にネットに関する事件を解決していく内容となっている。
    • 事件内容の多彩さには目を見張るものがある。「デジモン」という存在を上手く現実世界の問題に繋げることが出来ていると言える。
      + 本作で起きる事件の例。軽度のネタバレ注意。
    • 急にアクセス数が増加したサイトの謎を調べたところ、デジモンの間で話題になっていた。
    • 引きこもりの少年が内緒で誰かと通話をしており、心配だという家族からの調査の依頼。その正体は、人間と仲良くなりたいデジモンだった。
    • ある男性から「携帯電話に撮った覚えのない写真が保存されている」という依頼を受けると、中には女性型デジモンが住み着いており、デジモンが携帯の持ち主へのアピールとして自撮りしまくっていた。
      • デジモンを説得して帰らせた後、そのことを依頼主に伝えるとゲイなので興味がなかったという衝撃のカミングアウト。
    • 昔行方不明になった飼い猫の気配を感じてブロードウェイに現れた老人。その猫は実はある事情で行方不明となり、デジモンと同化してつい最近まで眠りについていた。
      • 無事再会できた二人は共に暮らすと告げ、どこへともなく去っていく。老人の正体さえよもやと思われるが、主人公達は彼らの言葉を尊重しその素性を調べる事はしなかった。
      • 本作にはこうした、デジモンを通じて我々の社会が抱える様々な問題を見ていく事件や、我々の生活に電子機器が密着しているからこそ起きた事件が多数登場する。
  • 問題は、一部とてもブラックな結末を迎える事件があること。耐性の無い人には辛いものがあるだろう。
    + 以下その内容説明、やや重度のネタバレ注意。プレイ予定のある方、心の弱い方は見ないことを推奨します。
    • 「生き人形、死に人間」という事件では、「超スーパーリアルドール」なるフィギュアの謎に迫っていくことになるのだが…。
      • 実はこの事件、デジモンと人間の共謀。全身プリント可能なプリント機に潜んだデジモンが現実の女性からデータを取って作っている為、リアルなのは当然。
      • 問題はここから。フィギュアはエサであり、そのリアルさに嵌まってしまった人は「パーフェクトガールプロジェクト」なるプロジェクトに勧誘される。これは生きて動き、身の回りの世話を全てしてくれる理想の美少女フィギュアを派遣して貰えるが、その代わり派遣して貰った部屋から一生出てはならないというプロジェクト。
      • しかし実際は、このプロジェクトに加入すると知らぬ間に意識をネットに取り込まれてしまう。つまり美少女との生活は全てネット上の幻。そして意識がネット上で覚めない夢を見ている間に、現実世界での肉体はこっそり持ち去られて悲惨な末路に…というのが計画の全貌。杏子曰く、「電脳世界への身投げ」。
    • 事件は主人公がデジモンを排除したことで一応解決されるが、黒幕には逃げられている。そして、デジモンがアドレスデータを落としたことでいよいよ締めに突入する。
      • アドレスの場所に飛んでみるとそこには美少女に囲まれている被害者。固く現実だと信じているため一切聞く耳を持たず説得を断念する。
        そして、最後の賭けとしてログアウトを促すメールを送ったことで、ようやく若干不安になった被害者はログアウトを試みる。しかし、そこに表示されたのは「ログアウト先がありません」…。
      • 最後のメールが届くシーンは被害者がずっと後ろから映されているシーンとなっており、上記の表示を見てどんな様子なのかも分からないままブラックアウトするという、寒気を感じる形で終了となる。
      • この事件に限ってはデジモンが起こしたものではなく、あくまで人間がデジモンを利用して起こした犯罪ということも中々ブラックである。
    • 共犯者のデジモンであるインフェルモン*13は、カタカタとした動きに片言なセリフ、と非常に不気味。その生命らしさを感じない様子はクエストの内容とマッチしすぎていて、ことさら悪質である。
    • お察しの通り、本作最大のトラウマメーカーとしてプレイヤーの間で名をはせることになった。
  • 人を選ぶキャラクター
    • 本作のキャラクターは良く言えば個性的なのだが、悪く言えばアクが強く、好きになれるか否かは人による。
    • 賛否両論の筆頭は白峰ノキア。常にハイテンションで自信過剰、人を振り回すくせに言葉足らず、しかも肝心な所ではヘタレ気味、なのにとある理由で強大な力を手にする…と、人によってはかなり嫌なタイプだろう。
      • 勿論ノキアはこうした性格だからこそ、混沌とした世界の中でも自分の芯をブレさせずに突っ走れたのであり、ノキアが本作に欠かせない魅力を持った人物であることに疑いはない。ただ、好きになれるかは人によって差がある、ということである。
    • こういった点が良くも悪くも人間臭いノキアとは似て非なる、単なるアホの子のリナ。怖いもの知らずの逞しさに磨きがかかり、パートナーの必殺技に混じって「オイスターVソース!」*14などと恥ずかしげも無く叫ぶ。
    • もう一人の友人キャラクター、真田アラタも「面倒見が良い兄貴分。元凄腕のハッカー」という設定であるはずが、本編中では概ねトラブルメーカーであり協調性にも難がある(だがなぜかリーダーシップを取ろうとしてくる)など、これも人によって好みの分かれるタイプだ。
    • また、登場人物の多くは主人公が持つ能力をあてにして、利用しようとしているような節が強い。実際には「頼りにしている」ということなのかもしれないが、セリフ回しや見せ方のせいで「上手く使われている」ように見える。実際、知らないうちに囮役をさせられていたりなど、友人同士の関係性とは思えないような損な役回りが多い。
    • 悪役の一人・ジミィKEN(ジミケン)は悪魔系バンド風のメイクと滅茶苦茶に高いテンションで「wwwww」などとネット用語を連発する、なかなかに癖の強い人物。
    • また、キーパーソン「岸部リエ」の人物造形も賛否両論。岸部リエは要するに「エロいお姉さん」キャラであるが、シリアスな会話の中にもやけに色っぽい喋り方や台詞回しを含ませているため、そうした要素が嫌いな人にはつらいものがあるだろう。若干危うい言い回しも一度だがしている。
      • ゲーム中盤では岸部に取り憑いたある人物が正体を表すのだが、実はこうした岸部の下品さは全て演技という訳でもない。正体であるとある存在は、ある人物と同じように岸部と同化している状態であるため、普段の人格は本人のものに則っていたと考えればそれほど不自然ではない。彼女の言い回しのせいでもともと同一存在だったと勘違いされがちだが、ゲーム終盤の回想シーンでは後から別の存在が同化したことの説明・描写がしっかりされている。
      • なお、岸部に取り憑いた存在のせいで岸部の性格が悪化したのかという訳でもなく、せいぜい正体の性分と同じナルシズムが加わった程度である。 むしろ正体の方こそが岸部リエの強烈なエゴの影響を受けて性格が歪んでいる
      • ちなみに岸部は公式HPで「物腰は柔らかく、おおらかで、どんな人の意見も取り入れるといったような懐の深さを見せる」と紹介されているが、実はそんな場面はゲーム中一度もない*15。その理由は、プレイをすれば察することができる。
  • 主人公の性別でシナリオの変化がない。
    • 性別は男女を選べるが、それによって特に展開に影響はない。逆にいえば、誰とも友人止まりで終わるということである。
    • それはまだ良いのだが明らかにシナリオが男主人公を前提としており、女主人公にしても明らかに男子高校生扱いされてしまいフォローや会話の変化が一切ない。せめてボイスのないシーンぐらいは変化をつけても良かったのではないだろうか。
    • ある男キャラと殴り合いになるシーンすらある。強引に解釈すればお互いそういう事をしてもおかしくはない状況とは言えるが、それでも「年下の少女の顔を本気で殴りにかかる男」という光景になってしまい流石に不自然である。好きなようにやらせろとすら言われるが、こちらの発言者は性差の意識が薄いデジモンということを踏まえればまだ理解は出来る。
  • 周回要素がない(改善済み)
    • クリア後の追加クエストはあるが、2周目を始めることはできず再プレイは再びニューゲームを選ぶしかない。
      • ボリュームがあるので周回による再プレイというのもきついかもしれないが、伏線を把握したうえでストーリーを追うのができないのは少し残念。
      • 前述の通り主人公の性別や最初に選んだデジモンなどで、シナリオに変化はない。次回作「ハッカーズメモリー」に引き継いだ際、登場する今作主人公の外見が変化する程度である。
    • 2016年2月10日配信のパッチ1.03にて「強くてはじめから」が追加され、周回プレイが可能となった。

問題点

  • 参戦デジモンの難
    • 本作には240体以上のデジモンが3Dモデリングで登場しており、スタッフが凄まじい苦労をしたであろうことは想像に難くないのだが、やはり「あのデジモンが登場しない」という登場枠への不満はある。
    • 1000体を越える全てのデジモンを登場させるというのは勿論無理難題ではあるが、それにしてもやや格差を感じる点はある。
    • 携帯機出身の成熟期では唯一アニメ未登場であった「サイクロモン」、マイナーな携帯機『ペンデュラムX』初出の「タイガーヴェスパモン」「ガイオウモン」、
      『デコード』初出でまだまだマイナーな「タイタモン」「ラストティラノモン」など、マイナーデジモンが皆無というわけではない。
      「チョイス」に疑問や不満が残る、という問題。
  • 比較的有名どころとして、「デュークモン クリムゾンモード」の未登場が挙げられる。
    • 後に『セイバーズ』の「バーストモード」がアップデートで追加、同時期出身の「ベルゼブモン ブラストモード」も海外版限定ながら登場しており、アニメ主役格では彼のみ冷遇気味である。
  • ドルモン(アルファモン)系列のデジモンの未登場も挙げられる。「ドルモン→ドルガモン→ドルグレモン→アルファモン」でアニメ『ゼヴォリューション』の進化ルートは整っているのだが……
    • ドルモン系列が初めて登場した携帯ゲーム『ペンデュラムX』では「ドルグレモン→ドルゴラモン」で別の究極体に進化し、こちらのドルゴラモンは未登場。
    • また、同じくペンデュラムXでは「ドルモン→ラプタードラモン→グレイドモン→アルファモン」の進化ルートが設定されているが、こちらもラプター・グレイドの2体が未登場。
      • アニメ・ゲームで進化ルートが統一されておらず、一概にどちらを間違いとも言い切れないので惜しい。ドルゴラモンだけでも登場していれば…。
  • ジョグレス進化体は、オメガモンとオメガモンズワルト(黒)、『02』パートナーの3体(パイルドラモン、シルフィーモン、シャッコウモン)、本作オリジナル・初登場のマスティモン、アップデートで追加されたカオスモンで全7体。
    • 「ジョグレス(合体進化)」という設定がデザインとして認知できるのは実際この程度*16なので、これは仕方ない*17
  • ここまでは「基本は抑えている」という見方なら減点するほどではないのだが、問題はアーマー体。
    • フレイドラモン、マグナモン、ラピッドモン(アーマー体)の3体のみ。ロイヤルナイツのマグナモンは外せないのでついでに出した、とでも言わんばかりで、一握りというにもあまりに少ない。
      • せめてフレイドラモンと対になる「ライドラモン」程度は出せなかっただろうか。デジメンタルによる多彩な進化が魅力のホークモンやアルマジモンが通常進化しか出来ないのも残念。
  • アニメ作品の『フロンティア』『クロスウォーズ』にのみ登場したデジモンやその進化体、アルファモンの同期であり『リ:デジタイズ デコード』にも登場した「X抗体」は皆無。ターゲットをアニメ全盛期の古参ファンに絞った結果だろうか。
  • カメラワークが固定
    • ほぼ遮蔽物の無い電脳空間では気にならないが、現実世界、特に頻繁に行き来する「中野ブロードウェイ」ではカメラワークが固定されていることへの不便さが目立つ。
    • カメラが壁に遮られて全く見えない位置に、重要なアイテムやイベントが存在することもままある。それを逆手に取ったNPCのセリフもあるので、意図的なものと思われる。
  • 雑な難易度調整・崩壊した戦闘バランス
    • 経験値は多めに入る上に、進化・退化は制約はあるものの大部分は自由に行える為、序盤は味方が過度に強くなりがち。
    • 例えば、敵が成長期のデジモンに対して、こちらは既に全員成熟期、といったことも普通に起こる。
    • しかし、後半に入る程加速度的に敵が強くなり、レベル上げの時間が長大化してくる。
      • これにはバトルの理不尽な仕様も関係している。例えば本作のAIはあまり頭が良くない為、NPCデジモンは基本的に燃費を気にせず強力なスキルをバンバン使う。この為だろうが、NPCデジモンはSPが無限に設定されている。しかしこの影響でHP全回復スキル「ファイナルオーラ」なども敵は連打してくるので、特に後半になり敵のスキルが強力になるほど理不尽な敗北が多くなりストレスが溜まる。
      • 加えて、本来は消費量が多めに設定されている全体強化・弱化スキルも多用してくる。本作ではこの手の効果は重複するため、速度強化を多用されると袋叩きにされかねない。
      • バステ成功率が基本的に100%なのも問題。NPC相手では狙って使わないので少々うざい程度だが、オンライン対戦だと速度極振り&バステスキル特化によるリンチのような戦法を使うプレイヤーが出てきている*18
    • 必殺技の格差、「貫通技」の存在
      • 一般的なデジモンの必殺技は、いかにも強そうな演出とは裏腹に、火力はスキルよりちょっと強いくらい。コストも通常スキルと比べてほぼ大差ない為ガンガン打てるが、通常攻撃張りの頻度で何回も放てるためありがたみが存在しない。
      • しかし、技の能力で「貫通」を持つ場合は別。相手の防御力を計算せず、自分の攻撃力だけに依存したダメージを与えるというもので、基本的に難易度が防御力の高さのみで調整されているこのゲームでは、極めて有用。なお、「知力貫通」も存在する。
      • 次ターンのダメージを2倍にするスキル「アクセルブースト」をはじめとするバフと併用すれば、中盤のボス程度なら一撃必殺が射程圏内になってしまうほど。
      • 豆鉄砲にしかならない非貫通技での攻略は苦行同然であり、貫通技を前提とした難易度だったのではないかと、思わず疑ってしまうだろう。
      • 設定上は敵味方問わずいくら強いデジモンでも、必殺技の性能次第では格下扱いである。映画を中心に非常に高い人気を誇る上、ストーリーや設定でも最高クラスの強さを誇る「オメガモン」だが、貫通技を持っている合体前の「ウォーグレイモン」の方が強い。
      • 貫通技持ちデジモンの種族・属性は、相性を一切考慮されておらず、究極体では「ワクチン種1体」「データ種1体」「ウィルス種7体」という有様。
      • 貫通ほどではないが、「割合固定」の必殺技も強力とされる。雑魚戦ではとどめを刺せないので地味だが、本作ではこの技がラスボスにも効いてしまう。
    • 速度の影響
      • 今作の戦闘は先述の通り「アクティブターンバトル」で、順番かつ均等に全てのデジモンに行動順が回ってくる訳ではない。素早さに差があれば連続行動することもあるが。今作では連続行動に制限が存在しない。
      • バフ・デバフは時間制限で消えるものの、確定で発動・重ねがけ出来るため、こちらもバフ・デバフで対抗しなければ四回、五回の連続行動程度の痛い目に遭うことは珍しくない。
    • 地味な通常スキル
      • 上記の通り必殺技が戦闘に置いて大事なのは理解してもらえただろうが、しかし通常スキルも勿論忘れてはならない。回復技の効果は非常に大きいし、バフデバフ技は戦闘に大きく影響する。そして状態異常技もほぼ確定するし、それを回復・防御するためのスキルの重要性も高い。
      • しかし肝心の攻撃スキルが地味、一応属性や相性を突く事でそれなりにダメージは与えられるのだが、上記の説明の通り何十回も通常スキル撃つより貫通必殺技を使う方がよっぽど有効、そうで無くても自前の必殺技で事足る事も多い。
      • それでも雑魚戦は温存の為にも役立つが、しかしボス戦ともなると非常に硬いので(以下略
      • また攻撃技そのものにも性能の差がほぼコンパチなのも難点、属性以外の差だと物理と魔法、単体と全体、後はスキルのレベルしか差異が無く演出以外ほぼ同じである。
  • 「強デジモン」の存在
    • 以上の様々な事情を鑑みて、ゲームバランスを破壊するほどに強力、そもそも設計されたデザインが「間違っている」と言いたくなってしまうようなデジモンが存在する。「SSが3体全て適用される」という影響力が特に大きい。
    • アルフォースブイドラモン(ワクチン種・風属性)
      • 下位種のエアロブイドラモンと共通で持つSS「神速」で、自分がスタメンに入っているとき自分含む3体全てが先制を取る*19。ゲームバランスというより「アクティブターンバトルの概念」を破壊している。
      • 神速抜きでも素早さが高い上に、必殺技「シャイニングVフォース」の「敵全体に必中攻撃+自分の素早さアップ」を重ねれば、自力で連続行動の準備が整ってしまう。
    • メタルガルルモン(データ種・水属性)
      • ガルルモン系の共通SS「野生の鼓動」で、自分が場に出ているとき全員が素早さ15%アップ
      • アルフォースブイドラモンと違って必殺技に特筆すべき点はないが、こちらは最大3体の重ねがけで45%アップの永続効果という点が凶悪。
      • データ種のためウィルス種が弱点だが、ワクチン種のアルフォースブイドラモンと組めば、敵のウィルス種を先制攻撃したり、メタルガルルモンの交代ができる。
        また逆に、先制を取った後で次のターンを待っている敵のアルフォースブイドラモンに有利な攻撃を放てる。
        そのためアルフォースブイドラモン+メタルガルルモン2体のスタメンが本作における最適解の一つとされる。
    • ベルフェモンSM(スリープモード)(ウィルス種・闇属性)
      • SS「怠惰」で、自分が場に出ているとき全員が眠り無効+全員が攻撃時に30%の確率で眠り付与
      • 必殺技「エターナルナイトメア」で、敵全体に知力貫通攻撃+50%の確率で眠り付与
      • RM(レイジモード)とモードチェンジが可能で、世界観の設定ではあちらが上位種だが、本作では敵の行動を制限するこちらの方が圧倒的に強い。
      • メタルガルルモンには強く、アルフォースブイドラモンには弱い、という微妙な立ち位置だが、ターンさえ回ってくれば+相手が状態異常対策をしていなければ、逆にハメ殺し返しも難しくない。
    • この他、高威力貫通攻撃持ちのリリスモンやブラックウォーグレイモン、ベルフェモンSMに次ぐ眠り付与性能を持つプレシオモンなども強力。
    • とはいえ、ロイヤルナイツ・七大魔王といった設定上の強デジモン、本作では進化条件をクリア後までアンロックできないことにほぼ等しいデジモンも含まれる。
      • 種族・属性による相性も影響するため「一強」を一概には決めがたく、オンライン対戦では複雑な戦術・対策も練られており、一応は「世紀末的な壊れたバランスなりに成り立っている」と言える。
  • ビクトリー・ウチダ
    • Chapter5以降、「ビクトリー・ウチダ」*20という人物が登場する期間限定イベントが存在する。
    • ウチダを見つけて話しかけるとアイテムを入手できる。しかしウチダの出現タイミングがかなり限定的な上に、出現場所は完全にノーヒント。ほとんど現実世界にいるのがせめてもの救い。
    • あってもなくても良いものならまだ我慢もできようが、育成を便利に進めるアイテム、「七大魔王」デジモンメダルなど軒並み貴重品ばかりであり、とてもつらい。
      • 前者はやり方さえ分かれば「デジファーム」で大量生産できるが、後者を取り逃すと追加シナリオの七大魔王を直接討伐しなければメダルコンプリート不可となってしまい、難易度が一気に跳ね上がる。
        ルーチェモンシリーズ3枚のメダルをもらえる最終章のイベントに限り、クリア後でも入手可能なのが不幸中の幸い。
      • アップデートで「強くてはじめから」が追加されており、アイテムの引継ぎもできるため、出現タイミングを把握していれば一応フォロー可能。
  • 特典を入手できなかったプレイヤーへの救済策がない(改善済み)
    • 初回特典には「黒いアグモンとガブモン」が入手出来るプロダクトコードが付属しているのだが、この二体及び進化系は通常版ではどう足掻いても入手不可能。
    • 問題なのはこれら黒いアグモンとガブモン及びその進化体が、しっかりと図鑑にナンバリングされており、進化ツリーにも表示されるということ。
      • 幸いデジモン図鑑は完成させる必要はなく、トロフィーも問題なく取得可能。とは言え図鑑に埋められない穴があるというのは、そういったコレクター要素を気にするプレイヤーにとってはかなりの欠点ではある。
      • 本作は評判が広がり人気ソフトとなった為、初回限定版は売り切れが続出。再生産やDLC販売といった救済を求める声が度々上がった。
    • 後に廉価版発売と共に無料DLC配信が実施され、誰でも入手可能になった。
  • 「海外版限定キャラクター」の存在
    • 海外版は2016年2月2日にPS4/PSVitaマルチタイトルで発売。日本の市場を考慮してPS4版を発売しない、というだけならまだ分かる話だが、
      海外版の初回特典DLCには「ベルゼブモン ブラストモード」「ケルビモン(悪・黒)」など、日本版からいくつかのコンテンツ*21が追加されている(海外版PV)。
    • 後のアップデートは全世界同時に配信されたが、この2体だけは日本版では解禁されなかった
      • デジモンシリーズは海外でも人気があり、販売促進のため初回特典を追加しようという思惑があったと思われるが、そのためにアニメ出身の人気デジモンを海外版限定とする判断には首を傾げる。
      • オンラインで対戦することもでき、日本版にもデータ上は存在しているが、この2体が入るであろう図鑑No241&242は欠番になっており、存在を隠蔽する*22という斜め下の対応。
      • 続編『サイバースルゥース ハッカーズメモリー』発売決定に際し、比較として本作の収録デジモン数が公表されているが、欧米版初回特典2体は含まないとして、日本版では登場しないことが決定的になってしまった。
      • 続編の制作自体は喜ばしいことだが、それはそれとして、本作にもDLC販売でも対応が欲しかったところ。
  • トロフィー条件の一部がかなり困難
    • クリアできないほどではないのだが、「デジモンメダルのコンプリート」と「オンライン対戦で一定以上勝利」がかなり面倒。
    • デジモンメダルはガチャ・フィールド上に落ちている・ドロップ・クエストの報酬・ウチダ発見で手に入るのだが、入手方法が限られたものがいくつかある。
      • ガチャとクエストはドロップでも賄えるが、敵として出ないものはガチャ・クエストでしか入手できない。クエストはそのメダルをくれるクエストが出るかがランダムで、ガチャは総数300枚と単純に手間がかかる。
      • フィールド入手は本当にそれでしか入手できないため、見落とすとかなり面倒なのだがアイテムボックスからの入手でなく地面に光っているのでうっかりすると見落としてしまう。
      • ガチャはお金を消費してひたすら回すということしか出来ないために完全に作業になる。
    • オンライン対戦は、完全なるガチ勢が結構いるのでトロフィー目的の人には敷居が高い。
      • なので、過疎対策で設定されているCPUが狙い目となる。無論、チャットなどで会話してわざと負けてもらう方が早いのだが。
      • CPUのチームは番号+大文字のアルファベットという特徴的な名前になっており、分かりやすい。
      • 数も3体だけと比較的勝ちやすいのだが、それでも完全体・究極体を放り込んでいる上にパラメータに補正が入っているので気楽に勝つのは無理。そして、相変わらずSPは無限
      • ただし、CPUは同一チームは複数のプレイヤーと対戦できないらしく、プレイヤーが多い時間帯だと捕まらないのが難点。
      • 容赦ないガチ勢以外にも、通信不良も厄介な敵。途中で通信が途切れると未セーブの勝ちが無駄に終わるので、こまめにセーブすること。
    • このような仕様のせいか、2014年度末に出たこのゲームのプラチナトロフィーの獲得率が丸一年経っても1%未満。良くも悪くも、正にやりこみ要素である。
      • というかメダルフルコンプもオンライン対戦も1%程度と、下手なゲームのプラチナトロフィーよりもよほど低い割合となっている。にもかかわらず、ゴールドどころかシルバートロフィー
      • ちなみに、メダルのトロフィーは収集段階に応じて6つあるが、4段階目(300枚収集)の時点で3%未満。3段階目(200枚収集)でも10%未満なので、プレイヤーたちがどれだけ苦労もしくは挫折しているかが窺える。
  • UIがやや不親切
    • ミニマップには目的地のイベントマーカーなどは設置されておらず、ダンジョンでは迷子になりやすい。

総評

「大人になったデジモンファンへ」というコンセプト通り、随所に古参デジモンファンへの愛が溢れている良作。
特にシナリオ面での評価が高く、デジモン好きでなくとも是非プレイしてもらいたい。
「デジモンストーリーの最新作」としては十二分に期待に応えた古参デジモンファンに向けたファンサービスであると同時に、
デジモンを知らないプレイヤーも本作をきっかけにデジモンファンにする魅力を持っている作品だと言えるだろう。

難易度調整が雑、育成に面倒な要素ありと、システム面にはやや細かい難点が多い。
ただし全体的な出来が良く、長く遊べるだけに細かい粗が目立っているということには注意して頂きたい。

本作から2年半を経て、本作の続編・外伝デジモンストーリー サイバースルゥース ハッカーズメモリーがPS4/PSVitaマルチで発売。
廉価版は3000円ほどで購入できるとはいえ、続編には本作もカップリング収録されている。今から始めるならあちらの方が得だろう。