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むちむちポーク! - (2015/04/19 (日) 10:31:33) のソース

*むちむちポーク!
【むちむちぽーく!】
|ジャンル|シューティング|&amazon(B004EWEX0S)|
|対応機種|アーケード|~|
|発売元|AMI|~|
|開発元|ケイブ|~|
|発売日|2007年4月26日|~|
|分類|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|ニッチ過ぎるキャラデザイン+誰得コンセプト&br()バカゲー要素を重視しすぎた販促&br()内容的にはやや癖があるものの高完成度|~|
|>|>|CENTER:''[[ケイブ弾幕系STGリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1112.html]]''|
//「クソゲー扱いされやすい名作・良作」カテゴリ廃止に伴う仕分け議論で移転しました。
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#contents(fromhere)
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**概要
肉付きのよい女子高生と女児が暴走した足漕ぎ式豚型戦闘機にラバースーツでまたがり地球と宇宙を蹂躙する見下ろし型2Dシューティング。~
画面中を派手に弾が埋め尽くすいわゆる「弾幕型」シューティング。 スタイルは「鋳薔薇」に近い。本作独自のシステムとして、ゲージ消費型の「ラードアタック」なる特殊攻撃が用意されている。

いろんな意味で衝撃的なタイトルと斜め上を攻めまくったゲーム設定・ビジュアル面や宣伝手法により、賛否両面で稼動前から注目を浴びたが、蓋を開けてみればシューティングとしては手堅くまとまっており、意外にも高い完成度で評価された。

**基本システム
- 1レバー3ボタン操作。各ボタンの割り当ては以下の通り。
-- Aボタン…押し続けることでオートショット。
-- Bボタン…ラードアタック/貫通ショット。ラードゲージが溜まっている時は稼ぎの要であるラードアタック(後述)が発動する。ラードゲージがなくなると威力の低い貫通ショットとなる。Bボタンを押すと自機とオプションが合体する。
-- Cボタン…ボム。

- ラードゲージは、敵を倒した時に出現する「ブートン(ピンクの豚)」を取得することで回復していく(地上と空中の2種類があるが、どちらも同じ効果)。ちなみにゲージが最大の時に取得すると得点アイテムとなる。

- ラードアタックで空中の敵を倒すと「キントン」という勲章アイテムが出現する。これを取得して成長させるのが本作の稼ぎの要となっている。最大で1個1万点が獲得できる。
-- キントンは落としてしまうと獲得点が下がるが、他のキントンが画面内に残っている間はセーフ。また、Aボタンで合体を解除すると自動回収してくれる。
-- 本作はエブリエクステンド制で、デフォルトでは1000万点でエクステンドするが、一度に出現するキントンの数も多いので慣れればサクサク残機を増やすことができる。

- 全5面の1周エンド。条件を満たすと難易度の上がった2周目が始まる。
-- タイトル画面でコマンドを入力すると、最初から2周目の難易度となる「HARAHARA」モードと大量の撃ち返し弾が発生するが点数を稼ぎやすい「MANPUKU」モードを選択できる。

**問題点
異常なゲーム性・バグ・未完成といったクソゲーにありがちなマイナス要素はない。~
何が問題視されやすいかというと、独特すぎるビジュアルや設定面、そして&bold(){公式が病気}とツッコミを入れざるを得ない宣伝手法である。

- タイトルが問題
-- このタイトルからシューティングゲームというジャンルを想像できた人はそういないだろう。そしてゲーム内容についても。
--- 衝撃的なタイトルが仇になり、アーケードの稼動以前に悪評が定番ネタとして定着した。
--- 衝撃的なタイトルが仇になり、アーケードの稼動以後もプレイヤーが敬遠した。
--- 衝撃的なタイトルが仇になり、オペレーターが敬遠しそもそも入荷されず出回らなかった。

- ヴィジュアルが問題
-- ケイブシューティングは決して硬派なものばかりではなく、意外に軟派なものもある。しかし本作では…
--- ''むちむち体型&ラバースーツ&ケモノ(しかも豚)''というフェティシズムの組み合わせがニッチすぎた。
--- コミカル&エロなテイストが「硬派」を誇るシューティングファンから「軟派」な堕落として批判された。
--- ケイブの独自テイストを肯定的な意味で「斜め上」と称する熱心なファンの''さらに斜め上を攻めた結果、不評を買った。''

- 宣伝手法が問題
-- 「本当に販促になっているのか?」と思わず苦笑せざるを得ない内容のものが多く、見てドン引きしてしまったゲーマーも多かった。
--- キャラクターゲームとしての評価に大きく影響する声優陣がほぼ素人(ケイブ伝統の社員ボイス)。
--- プロモーションムービーで''牧場とコラボレーション''。
--- ゲームショーでは''むちむちした中年男性が汗だくのダンスを披露''。
--- ケイブの誇る万能社員・内藤那津子による販促ソング「むちぽーきゅ!」も迷曲。

**評価点(詳細)
ゲーム外の部分での問題点が燦然と目立っている一方で、ゲームとしての完成度は高く、この世界観が気に入ったプレイヤーからは稼動後の評判も上々だった。

敵の猛攻を避けながらステージ毎のボスを撃破するスタンダードなシューティングゲームとしても楽しめ、さらに特殊ショットによって敵を金塊にする「稼ぎ」要素がプレイヤーの腕に応じてゲームプレイの幅を広げている。また、この「稼ぎ」における金塊の大量発生と自動回収の爽快感はスコアに興味の無いプレイヤーにも魅力的である。

なお、メインプログラマー矢川氏の独自のゲームデザインは賛否両論含めて「YGWゲー」と称されているが、本作においては度々批判される「高度すぎる戦略性」(プレイ内容で変化する難易度を厳密に操作・管理する)がなりを潜め、細やかなオブジェクト動作やプレイ内容に応じて多様に変化するゲーム局面といった常に評価の高い側面が存分に活かされている。これらは怒首領蜂シリーズのメインスタッフであるIKD氏が調整に関与したことが大きいようであるが。

また、グラフィックや音楽の出来もよく、背景のスクロールなど細かなところに力の入った遊びも豊富である。

**バカゲーとして
そのビジュアル自体がバカゲー状態であるが、他にも以下のようなおバカ要素がある。
- 通常のSEとは別に擬音がフキダシ付きで表示される。
-- 例えば、爆発が起こると「ドカアアアアアン」という文字が一文字ずつ表示される。

- 主人公たちに相対するボス勢も曲者ばかり。
-- 例えば、一面ボスは''オネエ言葉でしゃべるオカマの鶏''(型の宇宙人)である。
-- 三面ボスを倒すと''「裸じゃ、恥ずかしいぃぃ~」とボイス付きでしゃべってくれる。''ちなみに声優は前述の内藤那津子女史。プレイしてるこっちが恥ずかしい思いをすることに。
-- 四面ボスは一見まともに見えるが、倒すと「むちむちポーク侮りがたし……''いや、むしろイイッ!!''」と叫ぶ(当然ボイス付き)。
-- ラスボスに至っても倒すと''「我が体に一片の食べられぬとこなし!」''と叫ぶ。世紀末もいいところである。
--- ちなみにこのラスボス、むちむちポークからは「本当においしいの?」「エンリョしときます!」と食われる事に関しては不評である。

- プレイヤーキャラに関しても…
-- 『ピンクスゥイーツ』同様、様々な場面でしゃべりまくってくれる。ラードアタックを撃つと「おっきくなった!?」とか、パワーアップすると「ポーク、ア~ップ!」などなど。
-- ''自機は人力戦闘機である。''ゲーム中の自機をよく見ると必死にペダルを漕いでいるのがわかる。
---正式名称&bold(){ケッタマシィーン}。名古屋弁で「自転車」を意味する「ケッタマシン」が由来。(そのため自機も自転車型)無駄に高性能で、A.I.による自動制御で爆撃しており、主人公たちはただペダルを漕いでいるだけ。
-- 本作のボムは''ロボを召喚する''という独特な演出になっている。画面左上に''「こちらはロボの方となります」''というテロップと一緒に召喚されたロボのビジュアルが映し出される。

-ストーリーもかなりバカげている。
--『豚から進化した知的生命体が住む惑星イベリコから、豚肉消費量日本一のシェアを誇る福多塚(ぶたづか)市、福多塚(ぶたづか)町へやってきた異星人ポークフィレ将軍が、主人公の1人の父親が経営する焼肉店へきたものの、豚肉を扱っていないことに激怒。偶然その場に居合わせた主人公たちが牛肉の追加注文をする姿を見てとうとう堪忍袋の緒を切らし焼肉店ごと主人公達を拉致。地球人総豚化計画の尖兵として強引に豚化させ、ケッタマシーンで街を爆撃させる』というもの。
---ちなみに、公式設定によると豚から進化したイベリコ星人にとって豚を食べることは共食いではなく、むしろ誇り高い行為であるらしい。
--ゲーム中に登場するザコ敵はイベリコ軍ではなく、福多塚町に設置された防衛基地の兵器である(イソガイ製作所作成)。また福多塚町は人口2万人程度の田舎の農村であるが、上記のように日本の軍事施設をも超えるオーバースペック気味の防衛施設を持つ。防衛施設の設置理由については町長の道楽という説と市民の声(メカはリアルで)という説があるが真相は不明。また、防衛基地の兵器が稼動した理由についても、表向きには防衛だが、「こんな機会は2度とない」と実戦がしたかっただけらしい。
--本来ならば味方であるはずのイベリコ将軍たち幹部クラスのキャラはボスとして登場する。これは''主人公たちの乗ったケッタマシィーンが誤作動を起こして暴走、攻撃を仕掛けてきたため。''
--主人公達3人は前述の通り焼肉屋で食事をしていたところポークフィレ将軍の激怒(というかむしろ八つ当たり)に巻き込まれているのだが、中でもむちむちイエローこと『宗黄らふて』はあまりに可哀そうなストーリーである。
---らふては東京に兄を残したまま、両親の都合で福多塚町に引っ越してきたばかり。その上両親も共働きでカギっ子というかなり寂しい家庭環境にある。また、他の2人と違い&bold(){肉は「大嫌い」}。
---ならば「肉が嫌いなのになぜ焼肉屋にいたのか?」という疑問が沸くが、その経緯も涙モノ。&br()新しい土地に馴染めず公園で1人泣いていたらふてを見た一久青は何を思ったか''「肉を食べたら元気になるよ」と無茶苦茶な理屈で慰め、強引に福多苑へ連行したのである。''大嫌いな肉を無理矢理食べさせられた果てに、前述のポークフィレ将軍のとばっちりに遭う。つまりらふては両親の都合、一久青の勝手な解釈、ポークフィレ将軍の激怒、そしてケッタマシィーンの誤作動(しかもよりによってらふてにあてがわれたマシンは、''AIが3機中最も凶暴'')と4重苦に振り回されているという、なんとも哀れな話……。
---更に行く先々ではボスを倒すたびに事実上の鳥肉や牛肉等、大嫌いな肉の臭いを嗅がされる羽目になり、ラスボスに至っては自身を食うように促されてしまう。
---4面ボスはむちむちポークの面子を「そんなむちむちした体格ではワシの『すりむぼでぃ』には敵わないだろう(意訳)」と小馬鹿にするのだが、他の2人はともかく、らふてはどう見ても''肥満体ではない''。せいぜい、歳の割にはお尻が大きいかも?という程度。一緒にしてやらんでくれ…。

**賛否両論とまでいかないものの、好みが分かれそうなところ
-ボタン配置が今までのケイブゲーと違い、左から「ショット・ラードアタック(特殊攻撃)・ボム」となっている。Aの長押しでの低速移動が行えず、ボムの場所も違うので少し慣れが必要。
--尚、低速移動自体はラードアタック長押しで可能。但しラードゲージが切れると1本の細いショットになってしまい非常に地味。
-ボムの取得条件も、「アイテム回収してゲージを貯める」というケイブゲーとしては少し特殊。ここは矢川氏の手掛けた[[バトルガレッガ]]、鋳薔薇等に近いか。
--出現条件が基本的に「地上の敵をラードアタックで撃破」となっており、40個回収でボムが1ストックされる。
--慣れてしまえば1ステージにつき1~2個稼げるものの、慣れるまでは''気付きにくい厄介な仕様''ではある。

このように、''フェチ要素抜きにして''ケイブのSTGと見ても池田氏が手掛ける[[怒首領蜂]]シリーズや[[虫姫さま]]と比べやや癖がある作りとなっており、少しとっつきにくいのが勿体無い。

**総評
マイナージャンルのマイナーゲームとして不遇な扱いを受けている良作。タイトルやヴィジュアルからクソゲー扱いされてしまうことも珍しくない。
しかしながらゲームとしての評判自体は上々で、アレンジモードを加えたXbox360版の移植度・満足度も高い。

バカゲーとして、シューティングとして、HENTAIゲーとして、それぞれ徹底して完成されたゲームでもあるので、そのどれかに「合う」人にはすばらしい作品でもあるだろう。初心者から上級者まで幅広い遊びのスタイルを提供する柔軟で奥深いプレイヤビリティを備えた作品として、より手堅い世界観で幅広くアピールすることもできたのに、そこにあえてこの誰得コンセプトをぶつけてくるセンス、侮りがたし……いや、むしろイイッ!!

**余談
- 通称『むちポ』
- もともとのタイトルは『ぷっちんポーク』だったが、中央の「ち○ポ」の危険性を考慮し変更。
-- だがその努力も虚しく、本作の現タイトルもたまに『ちむポ』と略されてしまう。
- 矢川氏の代表作は弾幕STGの登場を促がすことになった傑作・問題作『バトルガレッガ』。
- 前作にあたる『[[ピンクスゥイーツ ~鋳薔薇それから~]]』のボスが登場するイベント限定バージョンがケイブ祭で稼働した。このバージョンはXbox360版の初回特典DLCとして配布された。
- むちむちしているだけではなく、実はズンドコ戦車大感謝祭ゲーでもある。
- 主人公の抱き枕が存在する。
- 誰得?''俺得。''