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GUNDAM 0079 The War For Earth - (2020/10/08 (木) 23:50:29) のソース

*GUNDAM 0079 The War For Earth
【がんだむ だぶるおーせぶんてぃーないん ざ うぉー ふぉー あーす】
//Warの最初の発音は子音です
|ジャンル|アドベンチャー|CENTER:&amazon(B000069S0L,image=https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/31JPWUtFuhL.SL160.jpg)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|メディア|CD-ROM 2枚|~|
|発売元|バンダイ|~|
|開発元|Presto Studios|~|
|発売日|1997年5月2日|~|
|定価|7,800円(税抜)|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|CENTER:&image(gfs_12114_3_1.jpg,width=160,https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=2767&file=gfs_12114_3_1.jpg,title=ガンダムの生首)何でガンダムすぐ壊れてしまうん?|
|ポイント|すぐに死ぬガンダム&br;原作崩壊レベルのミスキャスト&br;テストプレイしたのかすら疑わしい内容&br;ガルマ編までで終了という呆気なさ&br;見る分には笑えるが、やる方は苦痛&br;CGの出来だけはいい|~|
|>|>|CENTER:''[[ガンダムゲームリンク>ガンダムシリーズ]]''|

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#contents(fromhere)
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**概要
元はかの世界一売れなかったハード・ピピンアットマーク用ソフトとして1996年に発売されたもの。((ちなみにWindows/Mac両対応版も同時期に発売されている。))~
TVアニメ『機動戦士ガンダム』(第1作)を原作としたゲームで、グラフィックはCGと実写映像からなる。

パッケージ裏には、ゲームの内容に関する記述がまったくない。~
それもそのはず、このソフトは''どこをどう紹介しようと良い宣伝にはならない''からだ。~
因みに、本作はガンダムゲーでは珍しく、日本国外のスタジオが開発している作品なので、それを売りにしても良かったのではないだろうか…

**問題点
***ミスキャストな実写
メカは主にCGで描かれており、レベルは高い。一方人間は外国人の俳優が演じているのだが…
-リュウ・ホセイはファンキーな性格の大柄黒人。カイ・シデンはポニーテールの気の良い小柄な日系人。そしてガルマは''金髪でオールバック''…。
--ちなみに原作の監督・富野氏のインタビューによれば、企画当初リュウは黒人だったが、自主規制で設定を変更したとのこと。ボツ設定が妙なところで日の目を見たものである。

-ブライト艦長に関しては、服がブカブカでやや不格好だが、体格や髪型は一応似ているためマシな部類。しかし、何故か場面によって髪型がよく変わる。

-そしてただでさえ異彩を放ってるキャストの中でも一際目立つのはシャア・アズナブル。ただの''ケツ顎の太ったおじさん''。%%ドレンではない。%%「''ケツ顎シャア''」と呼称しているレビューサイトも多い。ニコニコ動画では「シャア・''アゴ''ナブル」「ムッチリ割れ顎シャア」「キャスバル・&bold(){アゴ}・ダイコン」「''アゴ''い彗星」などと呼ばれ、しかも大百科に[[記事>http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%82%A2%E3%82%B4%E3%81%84%E5%BD%97%E6%98%9F%E3%81%AE%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%82%A2]]が出来ている。
--ガルマ編で大画面ドアップでそのケツアゴ顔が映るのだからプレイヤー側はたまったものではない。もはや笑わせに来ているとしか思えない。
--なおスタッフはシャア役の俳優について「オーディション時は痩せてて格好良かった」と弁明している。それが事実だとしても、オーディションから撮影に入るまでの期間で''急激に太り過ぎである''。%%そもそも体形維持できない時点で役者としては失格。%%
--実はゲーム終盤では少し痩せている。上記のブライトの髪型と言い、撮影期間が長かったのだろうか?だとしても管理が適当すぎだろう。ファンからは「そんな俳優失格な奴を起用するな」と批判されてる。%%つかほぼ別物だし誰だお前。%%
一部からはブライト役かガルマ役の俳優がシャアを演じたら良かったのではと言われる事も…。

-セイラが登場せず、オリジナルのサラ・ホリンという女性に変更されてしまっている。更に、レビル将軍の代わりにハニ・アサナという''太った黒人のおばさん''が登場する((ただしセイラと違いレビルは存在している設定で、アサナ自身が「レビル将軍旗下の機動部隊と合流し…」と言う台詞を話す。もしかしたらマチルダの代わりなのかもしれない。))。
--見た目全然違うので名乗られても困るが、そうなると先に述べたメンバーは…。
--ちなみにアサナの最初の台詞は「&font(#ff0000){あなたは誰です?}」。%%こっちが言いたい。%%

-原作主人公であるアムロ・レイの役割はプレイヤー自身で、ガンタンクの搭乗者はリュウ一人という設定のため、アムロ、ハヤト、フラウ、ミライ、カツ、レツ、キッカなど登場しないキャラも多い。このゲームの無残な状況を見れば登場しない方がむしろラッキーだが。
--因みに主人公に名前が設定されていないので''主人公自身が「ガンダム」と呼ばれるシーンもある''((リュウが撃墜されるシーンで「カイ!ガンダム!」と叫んだ。なお他にもガンダムと呼ばれるシーンはあるが、状況的に不自然さは無い(前述のシーンは「カイ」と同列扱いだったのが問題)。))。
--なお、冒頭でガンダムを目の前に''瓦礫に押しつぶされて死んでいるパイロットらしき人物が存在する''が、直後の通信で聞こえる「応えてくれドーティ少尉」と言う台詞から、アムロではないと思われる((件の人物がガンダムの正規パイロット(予定)だと考えれば正しいシチュエーションではある。実際、アムロもパイロット不在のガンダムに勝手に乗りこんでいるのは言うまでもない。))。一方の主人公は避難時に''(道が渋滞しているからと)勝手に軍事施設に侵入した''民間人である。
---アムロは民間人でありながら軍の最新兵器を勝手に動かした事で、連邦軍の本拠地にたどり着いた後に軍上層部から「軍人にならないならスパイとして処罰する」と脅された結果、正規に軍人となった。一方、本作主人公はドーティ少尉に呼びかけていた軍人から「誰でもいい。ガンダムでサイド7を守ってくれ」と言われた事でガンダムに乗り込み、後にブライトの「ガンダムの正規パイロットになって共に戦って欲しい」という頼みを受けて軍人となる流れとなっている。

-なお、声優だけはしっかり原作アニメと同じ。「謀ったな、シャア!」と言った有名な台詞も%%中途半端に%%収録。
// 実写のキャストは説明書にも載っているし、ゲームのクレジットでも確認できますよ。ゲームの方は読み辛いですが
--一方、リュウの「''ラッキーボーイだぜい''」など、本作独自の台詞も存在する。担当声優の飯塚昭三氏は洋画では黒人俳優の吹き替えをすることが多い為''違和感は逆にない''。

***超死にゲー
ゲームは物語に合わせてムービーが流れ、要所要所でボタン入力による「行動選択」が求められるという、LDゲームと同様のもの。~
しかし間違った行動を選択すると''即ゲームオーバー''となる。また入力には時間制限もあり、それを過ぎるとやはりゲームオーバーに。''つまり[[即死ゲー>シャドウゲイト]]である''。
-どう行動すれば良いかというヒントはまるで無いため、''選択肢総当り''となる。しかもゲームオーバーになると、直前ではなく決まったところからのやり直し。
--尤も、直前からやり直せると1時間かからずに終わってしまう''ムービーゲーム''だが。

-''行動選択肢が「攻撃」「移動(4方向)」「防御」「操作」の基本7択''。それに加えて武装が5種類あり、正しい武装で攻撃しないといけない。
--言ってしまえば、10以上の手がある勝ちしか許されないジャンケンを連続で迫られるようなものである。
--やり直しポイントも少なく、最終パートでは失敗するたびにケツ顎シャアとアニメとは似ても似つかないガルマの「君の生まれの不幸を呪うがいい」のやり取りを聞かされるハメになる。
--ちなみに、全ムービーを通して行動を要求される箇所は約65箇所ある。そのうち間違えても問題ないのは''5箇所''ほど。

-画面にはガンダムの耐久度の表示もあるのだが、「選択失敗=即死」なのだから何の意味もない。機能するのは精々、デニム戦でヒートホークをシールドで防ぐシーン程度((ビームサーベルを使う=デニム撃破。シールドを使う=耐久度が減って選び直し。耐久度が尽きるorサーベルとシールド以外を選ぶ=死亡。))。
--ちなみにPC及びMac版には「大気圏でのシャアとの対決前」「ソア・キャノン到達時」にシューティングゲーム風のミニゲームが挟まれるのでそこでは一応機能している。((その為、PC及びMac版では後述するビームライフルやガンダムタンクも一応活躍した事にはなっている))

-冒頭のガンダム乗り込み直後がかなりの鬼門。学習コンピューターの同調と称して全てのボタンを一端一つずつ押させるのだが、1つ間違えただけで最初のシーンに逆戻り。いくら出来がいいとは言え、何度も同じムービーを見せられてはかなりやる気が失せる。
--「同調」とは「コンピュータの指示通りに操作しろ」という意味なので、実はこの場面だけは答えが画面内の(ガンダムの)コンソールに表示されている。''それも小さく英語で''。
--そもそも、ガンダムは主人公の目の前で''最初から立っている''(壁にケーブルなどでつながっている、所謂ホワイトベース内での待機状態)。アニメやゲームでお馴染みの「大地に立つ」演出は''無い''((原作ではガンダムは、ホワイトベースに搭載するためにと、トラックに載せられた状態で公道上にあった。))。
--一度でも間違えると、ジーンのザクに即座に破壊される。ちなみに最初のセリフが終わった後すぐに行動しないと、''乗り込む前に''ガンダムが破壊される。

-ゲームオーバー画面では''ガンダムの生首がゴロンと転がる''。上記の通り非常にゲームオーバーになりやすいため、本作のガンダムは''『[[スペランカー]]』並みに弱い''とネタにされている。ジオンもこんな弱い奴を倒そうと躍起にならなくても…。
--こういった演出もあり、本作のガンダムは''「ガンダム大地に立てず」「起動せんしヤんなる」「こいつ…動かないぞ!」「見せてもらおうか、連邦のモビルスーツ(笑)の性能とやらを」「連邦のモビルスーツは安物か」「連邦の白い棺桶」「白い方が負けるわ」''等と、プレイヤーからはケツ顎シャア以上に散々な言われようとなっている。
//「ヨワ・チタニウム合金」「ハリボテガンダム」「お台場からそのままパクってきたガンダム」「ガンダムの装甲は戦車より弱かったの?」「新兵器ではなく巨大な食玩」「凄い、五倍以下のエネルギーゲインがある」「す、すごい!0.5倍のエネルギーゲインが!」
--別のネタとしては、「''[[これはニュータイプ専用ゲームだ>マインドシーカー]]''」というのもある。ゲームの性質上、一度答えを覚えればそれまでだが、もしも事前情報無しの初見でノーミスクリアなど出来ようものなら、ニュータイプの素質があるとすら思って良い位である。
--途中ブライト艦長が「民間人は降りてもいいが、一緒に戦ってくれるとうれしい。戦ってくれるならこのバッジを受け取ってくれ」というシーンがある。すぐに受け取らないと''バッジをチラ見せ''されたのちに、断ったと解釈されて艦を降りるように促される。そして''戦闘もしていないのに''破壊されたガンダム生首が出てゲームオーバー。
---単にゲームオーバー画面が1種類しかないからこうなっただけだが、あんまりな演出に。ブライトさんもあまりにも気が短過ぎる。できれば戦いに巻き込みたくないという気遣いと民間人に配慮している心憎い演出と言えるかもしれないが…。
---ちなみに入力受付時間はまさかの''1秒未満''。それもバッジを差し出す''直前に''不意打ち的に入力受付があるため、ニュータイプでもなければまず反応できない。

-一方で笑えるゲームオーバーもある。笑えるというか、''笑うしかない''。
--冒頭のガンダム乗り込みシーンでしくじると、''ザクマシンガンの一掃射でガンダム大破''。原作ではいくら食らってもヘッチャラだったのに…ルナ・チタニウムの装甲はどうした((原作においてはザクマシンガンを至近距離で直射されてもものともせず、実際にルナ・チタニウム合金の装甲の驚異的な防御力を目の当たりにしたシャアは、名言の一つである「連邦のモビルスーツは化け物か!」と漏らした程。))。
---操作を間違えた途端、何度でも見せられる''「ドンドンドン(ザクマシンガンの砲声)→カンカンカン(被弾音)→ボーン(ガンダムの爆発音)」''そしてゲームオーバーの陰鬱なジングルとガンダムの生首の流れはコントとしか思えなくなってしまうほど。
---このシーンでは至近距離かつ頭部も撃たれているため、当たり所が悪かったと考えられなくもないが、いくらなんでも脆すぎである。そして以後のシーンでも脆さは変わらないので、そんな言い訳すら出来なくなっていく。
--デニムのザクとの戦闘で格闘攻撃を繰り出すと''見事に空振りし、そのまま背中からヒートホークの餌食に''。最早ギャグ。
---そのザクをビームサーベルで撃破するも、ここでシールドを構えないと''ザクの爆発に巻き込まれて死亡''と原作改変。ガンダム世界では核融合炉(熱核反応炉)を破壊すれば大爆発を起こすので爆発自体は原作再現だが((ただし現実の理論では核融合炉は原子炉のように暴走や臨界状態を簡単に起こすことはなく(原子炉が「勝手に温まって沸騰する圧力釜」なら、核融合炉は「外から熱を与えないと凍ってしまう保温鍋」)、簡単には爆発もしないとされている。))ダメージが段違い((尚、原作でも本作同様コロニーの壁に穴が開いたが、ガンダム自身は無傷だった。))。
--シャアとの初戦ではマシンガンをシールドで防ぐと言った戦い方が出来るが、コマンドに失敗すると何故か''自分から防御を解いて''銃弾を浴び、''バンザイのようなポーズ''で爆散。
--シャアザクと組み合っていたら''力負けし、自分のビームサーベルを押し付けられて死亡''という、設定上考えられないものすらある。ガンダムは5倍以上のエネルギーゲインがあった((第1話の台詞より。何と比較しての5倍以上なのかは不明だが、いずれにせよガンダムがザクに力負けする描写は作中には無い。)) はずでは…?
---シャアザクに組み付かれた際にすぐに解かないと、''ベアハッグの要領で粉砕される''。シャアとの決戦後半で失敗するとシャアザクに''顔面パンチ一発''で沈められるなど、笑わせに来てるとしか思えないやられ様も。
--ホワイトベースへと特攻するガウにとどめを刺さないで飛び降りたためにガウの特攻は見事成功、ガルマとともにホワイトベース隊全滅。''それでもガンダムは生首に''。
---または特攻するガウから飛び降りなかったために全員で爆死したり、特攻してくるガウを撃墜しようとした''ホワイトベースの攻撃がガンダムに直撃''したり、と妙にバリエーションが豊富。~
この際にカイが「(ガウの)コックピットを狙え!」と叫ぶが、そこでコマンドを間違えるとホワイトベースに殺されるので、「ガウではなくガンダムのコックピットの事を言っていた」とネタにされる事も。%%確かにガウなら「ブリッジ」と言った方が正しいのでやっぱり…。%%
--ホワイトベースの艦橋に飛び乗ったシャアの挑発に乗り、バズーカを撃ったら艦橋を直撃、ブリッジクルー全滅。''もちろんガンダムは生首に''。
---また、ここで不正解になると''ホワイトベースの艦橋の上からマシンガンで殺される''。或いは勇ましく向かって行った所を''ヒートホークで返り討ちに''。
--地雷原突破のパートは、迷路状になっている町を目的地まで進むというものだが、一度でも道を間違えるとザクに撃たれる・銃座に撃たれる・地雷を踏むのいずれかで即死する。手にバズーカを持ってはいるが''撃つ暇も無く蜂の巣にされる''。「このエリアは砂嵐が酷く、ビームライフルでは不利だ」という理由でバズーカを装備したはずだが…。
---特に銃座に発見された際のガンダムは''ただオロオロするだけ''で何もできないまま爆散。滑稽にも程がある。
--敵の要塞に''突撃しつつ、バルカンのみで複数の砲台を壊さなければならない''シーンがある。なぜ突撃しながら撃たなければならないのか。相手は動けないのだから砲台を全て壊してから突撃すれば良いはず。
---勿論、一発でもバルカンを討つタイミングを逃がしたり、(飛び道具以外は仕方ないとしても)バズーカを使おうとすると死亡。「ガンダムが恰好良く降り立つ→要塞に向かって前進→コマンド失敗→ガンダム、砲撃を喰らって歩きながら爆散」の流れは完全にコント。
--そもそも、このゲームでビームライフルとハイパー・バズーカが役立つ事は一度も無い。一応、それぞれ正解のシーンはあるのだが、全て避けられてしまう。しかもバズーカは敵のものを奪った(奪い返した)状況であり、自前のバズーカは正真正銘一度も使えない。
---ムービーとしてはもう1つ、奪い返したバズーカを使うシーンが用意されているが、それは上記の「誤射でゲームオーバー」のシーン。
---役立つのは格闘(投げ)かビームサーベルか頭部バルカン砲(本来は牽制用)((一応原作でも至近距離(密着状態)ならザクを破壊できる威力はある。…が、本作では少し距離が離れたジーンのザクをバルカンだけで破壊し、ガウ戦でもザクを容易く迎撃(撃破)している。))であり、しかも半数以上でバルカンが使われる為「''ガンダムの最強武器はバルカン''」とまで言われる始末。%%映像を制作する労力が少ないからと多用したのだろうか。%%
---ビームライフルに至っては、正解のシーンでバルカンを選んでも正解となる為、下手をすると一度も撃たずに終わってしまう。やっぱりバルカンが万能武器じゃないか…。
---ビームライフルもバズーカも出撃前にブライトさんが説明してくれる為、いかにも直後の戦いで役に立ちそうだが実際はこの体たらくである。

-ガンダムの足が破損した際、替わりにガンタンクの下半身を接続(通称:''ガンダムタンク'')して出撃するという展開があり、よくネタにされる。しかも任務は先述の''地雷原の突破''。どう見てもキャタピラには向いていない。なぜガンキャノンの下半身を使わないのか?(一応ガンキャノンもかなり遅いがガンタンクよりはまだ早いし小回りが利くので地雷突破ならガンキャノンの方が使いやすい)
--元々、ガンダムのコアブロックシステムはこうしたキャノン・タンクとの上下半身の交換の為に設けられた玩具向けのギミックではある。ただし、原作劇中では第7話でガルマからシャアへ設定が説明されるのみで、実際に使用されることは無かった((仮に前述のガンダムタンクを実行した所で鈍足の動く的にしかならない上に旋回にも困り、更にタンク状態時に使いやすい装備も少ない(ガンタンクには大口径のキャノン砲がある)ので当然なのだが))。
--ちなみに地雷原を突破した直後に、修理した下半身を輸送機で届けられて以後普通のガンダムで戦える。修理終わるまで待って輸送機で移動した方が早かったんじゃないかと・・・。上記の通り地雷原では敵に遭遇したら即ゲームオーバーな為、敵を避けながら進んだ(=1機も倒していない)としても、である。
---更に言うと、ホワイトベースを出撃して間も無く(地雷原に辿り着く前に)カイから「ガンダムの下半身の修理が終わりそうだ」という知らせを受ける。どう考えても修理が終わるまで待っていた方が賢明であった。修理にしては速すぎるという点もツッコミ所である。

***その他問題点
-''ムービーはスキップ不可''。しかも前述したようにコンティニューポイントが少ないので、死ぬ度に何度も何度も長いムービーを観る羽目に。
--1分を超える待ち時間などザラ。最終パートのシャアとの決戦に至っては実に''5~6分''。しかもコマンドの密集地帯である。近年の即死QTE満載のゲームなどこれに比べれば可愛いものである。

-ムービーで容量を食っているため''CD2枚組''。しかもセーブ機能は無く''[[パスワード式>北斗の拳 (SS/PS)]]''。
--一応パスワードの文字はPSコントローラー右側の○×△□だけだが、''パスワードによるコンティニューポイントは全部で6か所''。はっきり言って足りなさ過ぎる。
---ちなみにオプションでは、そのパスワードがあるのだが、そのオプションが''バグっている''。右にメニューがあるのだがそれがずれている。
--裏技としてゲームが自動進行するパスワードがある。だが、そうなると苦労して本ゲームをクリアする必要性は…。
---ちなみにこの自動進行中、途中で同じシーンが繰り返される場面があり、上記の「''ラッキーボーイだぜぃ''」というセリフを2度聞かされる羽目になる。
--余談だがWindows/Mac版は任意箇所でのセーブが可能なので、PS版に比べればまだマシだと言えよう。

-物語はガルマのガウを倒した後、シャア専用ザクを撤退させたところで終了となる。この最終パートでは、シャアが異常な説明口調でひたすら喋りまくる。そしていかにも続きそうな終わり方をするが、''続編のソフトは出ていない''。
--当然ながら良い幕引きとは言えず、すっきりしない。

-苦難の末に辿り着いたエンディングでは一枚絵と短い英文が表示されてタイトル画面に戻るだけで、スタッフロールなどは一切無し。ファミコン時代のゲームじゃあるまいし…。

**賛否両論点
-ほとんどの人物は実写だが、前述の通り声優はアニメ版と同じ。
--先述した''ケツアゴのシャアは当然の権利のように池田秀一ボイスで喋る''。物凄くシュール。
---聞き比べてみるとハッキリ分かるのだが、''実は原作・他のガンダムゲーのシャアよりも全体的に声のトーンが低い。''「ケツアゴのおっさん」というビジュアルに合わせるため、''&color(#F54738){池田氏が意図して抑え気味の演技}''をしたと思われる。
---[[どんな>ノットトレジャーハンター]][[作品>SIMPLE1500シリーズ Vol.56 THE スナイパー]]に出ても一切の妥協をしない池田氏のプロ精神には、畏敬の念を禁じ得ない。
--原作で言えばガルマが戦死する10話頃までである為、11話までほぼ出番の無いギレンはエンディング((原作12話にあたるガルマの国葬シーン。))で声のみの出演なのだが、ここもしっかり原作通りの銀河万丈氏が演じている。
--しかし、ジーンの声がなぜかカイ役の古川登志夫氏が兼役など腑に落ちない起用も。劇場版でジーンを演じた若本規夫氏を呼ぶことは出来なかったのだろうか?

**評価点
-''実質ムービーだけ''なだけあってグラフィックは綺麗である。
--ただ、解答直後でも油断できないため、ニュータイプか出題タイミングとその解答を知っていない限りはじっくり映像を楽しんでいる余裕はない。

**総評
ミスキャストの実写、すぐ壊れるポンコツガンダムと、ネタにしかならない内容である。~
そのくせやり直す度にスキップ不可の長いムービーを何度も見せられて、快適性は最悪。~
ゲーム内容も決まりきったコマンドを入れるだけと言う単純極まりない割には、テストプレイしたのかも疑わしいほどバランスもガタガタ。~
極めつけにストーリーは尻切れトンボと、数あるガンダムゲーはおろかムービーゲーの中でも最底辺に位置すると言っても過言ではないクソゲーである。完全にクソゲー愛好家向けの作品といっても過言ではない。~
ムービーのクオリティが高い、ネタとしては笑えるなど、楽しめる要素も少しはあるが、問題が多すぎてそれらの点を楽しむことすら難しいだろう。他のガンダムゲーをプレイしたほうが時間的にも精神的にも遥かにいいのは言うまでもない。

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**その後の展開・余談
-ピピンアットマーク及びWindows、Macintosh版においては「大気圏でのシャアとの対決前」「ソア・キャノン到達時」にシューティング、「大気圏突入時」にエネルギー調節のミニゲームが入る。
--PS1版においてはそのミニゲームがカットされており必ず大気圏突入は成功するので、&bold(){大気圏突入時に失敗して手足をジタバタさせながら爆散するガンダム}はこのバージョンでしか見られないレアな死亡シーンとなっている。
--シューティングゲーム風のミニゲームのおかげでPS1版では役立たずに終わったビームライフルとハイパーバズーカも一応活躍はする。%%ハッキリ言うとPS1版は劣化移植だったのではなかろうか%%

-PS1ゲームには少なくないが、CDプレイヤーなどで再生するとオリジナル曲が収録されている(disc1,disc2ともに同じ曲)。

-本作のガンダムはザクに力負けしたりザクマシンガンであっさり破壊されるほどに弱く、''ここまで弱くて脆いガンダムを見ることができるのは、恐らく本作のみ''((接触ダメージ判定のある2Dアクションゲームの様なゲーム上の都合は除く。))。
--上記の通りグラフィックは綺麗なので、ガンダムの情けないやられ様を美麗ムービーで堪能できる…と言うより、否応なしに見せ付けられる。
---ネタとして見れば笑えないこともないが、どちらかと言うと「プレイ中にありえないキャスティングを見せられ、ありえないやられ方をして''笑うしかない''」と言ったほうが良いか。
---フォローしておくと、コマンド入力に成功すればちゃんと活躍するガンダムが見られる。前述の通り、''主兵装がバルカン''であることには目を瞑る必要があるが…。
--下記の参考動画のように、''ただ観る分には''笑えて楽しい。しかし実際にプレイする方は''ガンダムが嫌いになってもおかしくない''。

-ストーリーがアレンジされている為、原作より早くグフとの戦闘があり、このグフはなぜか青ではなく''銀色''である。パイロットもランバ・ラルではなく、名も無いオリジナルキャラで顔は出ないが声はある。
--勘違いされやすいが、グフが青色というのは元々ラルのパーソナルカラーとしてグフの試作機に塗装されたものであり、その後の量産機に関してもラルの色が元になった(つまり量産体制に入ってようやく色が決まった)という原作設定がある。その為このグフの色は試作機のもの・パイロットのパーソナルカラー・制式カラーが決まる前の機体・塗装する余裕が無かったなどの理由が考えられ、(設定ミスな気もするが)地味に青色ではない方が自然だったりする。

-ガンタンクがシャア専用ザクに撃たれて破壊されるシーンが存在するが、ガンダムのように一掃射ではなく''複数回撃たれてやっと爆散している''。しかもパイロットのリュウは負傷するものの生還している。このゲームのガンダムは''ガンタンクより脆いらしい。''%%それともリュウがラッキーボーイだったという事か?%%

-「好評なら続編も作る」とスタッフは言っていたが、流石に続編が作れるような評価は得られなかったようだ。
--''エンディングでは最後にパスワードが表示される''((前述の裏技として挙げたのがこのパスワードであり、入力するとオプションのPLAYBACKで全ムービーの閲覧が可能になる。))が、本気で続編を作るつもりだったのだろうか?
--最初の商業ガンダムゲームでもあるラポート製AVGといい、ガンダムのAVGは鬼門なのかもしれない。尤もラポート版の打ち切り理由は版権問題らしいが((ラポート社が『ガンダムロマンアルバム』シリーズを出版していたのを良い事に、ゲーム版を無許可で作ったらしい。))。

-こんなゲームであるにもかかわらず、''攻略本が2種類も出ている''。(→[[参考1>https://www.amazon.co.jp/dp/4871888681]]、[[参考2>http://dogabooks.ocnk.net/product/2336]])
--原作と異なる描写に関して突っ込もうとしながらも、適当にお茶を濁しているあたりに出版社の苦労が感じられる。

-後に実写版ガンダムとして『[[G-SAVIOUR]]』が制作され、こちらもゲーム化された。しかしこちらも本作同様、''公式黒歴史に片足を踏みこんでいる''。

-後述のビルドダイバーズの前々作の『ガンダムビルドファイターズ』にて、ある意味今作の象徴の一つであるガンダムタンクがEDに一瞬だけだが登場している。

-散々ネタにされたケツアゴシャアだが、今作発売から約20年経った2018年に放送されたアニメ「ガンダム ビルドダイバーズ」に、本当に''ケツアゴのシャアが登場してしまった''事で一部で話題となった。
--オンラインゲームの世界が舞台ということもあり、設定上はケツアゴシャア本人ではなく「ケツアゴシャアのアバターを使用しているダイバー(ゲームプレイヤー)」である。
//((ちなみにこの回は他にも仮面やマスクをつけたガンダムキャラのアバターが上位ランクのチーム「鉄仮面ズ」のメンバーとして登場しているのだが、シャアだけではなくブシドーも太り気味(言わずもがな本物はスマート)、クルーゼは茶髪(本物は金髪)でハリーはボサボサ髪(本物はおかっぱ髪)など、原作アニメとは微妙に異なるデザインとなっている。カロッゾは一見原作通りの見た目だが、こちらは使用ガンプラが「ショットランサーとバグ型のシールドを装備したラフレシアカラー(真紅)のガンダムF91」というぶっ飛んだデザインで、鉄仮面ズのメンバーと共に視聴者を驚きと笑いの渦に包み込んだ。))
--ちなみにこのケツアゴシャアのダイバーは「シャア専用リック・ドム」という微妙にマイナーな%%上に今作と全く関連のない%%ガンプラを使用している((ゲルググもジオングも存在しない小説版『機動戦士ガンダム』おけるシャアの最終乗機、なので本作に登場しないのは時系列的に当然ともいえる。なおガンプラは実在しており、『ギレンの野望』シリーズのプレイヤーにとってはキャスバル編での最初の愛機として有名。))。 

-後に発売された『新・ギレンの野望』のアムロシナリオでは、「勝手にガンダムを動かした罪で軍法裁判にかけられたくなければ連邦軍へと入れ」と選択をさせられるが、ここでその申し入れを拒否すると「軍事機密を盗んだ犯罪者として刑務所に収容、そのまま戦争は終わった。」という前述の下船エンドを思わせるバッドエンドとなる。

-本作のデベロッパーであるPresto Studiosだが、後に2001年にリリースされたポイント&クリックADVの名作『MYST』の3作目である『[[MYST III: EXILE]]』を手がけており、こちらはシリーズの名を汚すことのない良作として仕上がっている。しかし、その翌年の『Whacked! ギリヤバ!乱闘パーティテレビ!』を最後にスタジオを閉鎖した((ちなみに『Whacked!』の日本版が出たのはPresto Studiosのスタジオ閉鎖の翌年のことである。))。

**参考動画
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|#nicovideo2(sm182253)|
//参考動画のみ別項目として一番下に移動しました。
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