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SDガンダム Gジェネレーション ZERO - (2015/03/14 (土) 20:15:55) のソース

*SDガンダム Gジェネレーション ZERO
【えすでぃーがんだむ じーじぇねれーしょん ぜろ】
|ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00005OVX6)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|バンダイ|~|
|開発元|トムクリエイト|~|
|発売日|1999年8月12日|~|
|定価|7,140円(税5%込)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[SDガンダム Gジェネレーションシリーズリンク>SDガンダム Gジェネレーションシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
ガンダム作品が集結したGジェネ据置シリーズの2作目。~
参戦作品、機体数の大幅な増加と合わせ、前作のシステムをさらに煮詰めて新システムの搭載、変更が行われ、トムクリエイト系Gジェネの基本システムの大部分が本作で完成した。

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**特徴・評価点
***シナリオ・作品数
-CD-ROM2枚組となったことで収録作品が大幅にパワーアップ。
--シチュエーションモードでは新たに『ガンダム・センチネル』、『ガンダムF91』、『Vガンダム』のストーリーが収録。機体も原作に登場したものはほぼ網羅している。
---特に今まで知る人ぞ知る作品だったセンチネルは、後述のムービーやBGMのカッコよさから一気に知名度が上がった。
--また、前作では1ステージずつの再現だった『第08MS小隊』、『THE BLUE DESTINY』、『0080 ポケットの中の戦争』は、主立ったステージがほぼ再現された。
---なお、初代の途中で挟まる形なのは変わっていない。
-全50話だが、いくつかのマップでは前後半に分かれており、前半で条件を満たすことで後半のマップに進むことができる。そのため、実質的なステージ数は80近くになる。
--第1話からして前後編となっている。ここでは前半がブリティッシュ作戦(ジオン軍によるコロニー落とし)を再現したステージで、''コロニー落とし阻止に失敗することで''後半のガンダム第1話再現ステージに移る。
---無論ゲームを始めたばかりでは阻止できるはずもなく、一種のやり込み要素と言える。
-『Gガンダム』、『ガンダムW』、『ガンダムX』といったアナザーガンダムは1ステージだけキャンペーンマップとして収録された。
--なお、キャンペーンマップでは自軍の出撃ができず、マップに配置されたゲスト部隊だけで攻略することになる。本作ではあくまでゲスト扱いとも言える。

***収録機体
-収録作品が増えたことで機体数もさらに増えた。
--今ではすっかり有名になったHi-νガンダムやナイチンゲールは本作がGジェネ初参戦。
---元々人気の高い機体の上位機に近い扱いのため性能も高く設定され、ファンの間での知名度を大きく向上させた。
--ガンダムF91関連では『ガンダムF90』や『シルエットフォーミュラ』の機体も参戦した。この2作は次回作『F』でシナリオが収録されることになる。
--前作では主人公機だけだった『G』『W』『X』も序盤に登場する機体が一通り収録された。
---逆に前作で存在したゴッドガンダムやガンダムDXといった後継機が削除されてしまった。
--また、純粋なゲストとして∀ガンダムも参戦。
---ただし時期的に放映中だったため、月光蝶など後半で見せた能力がカットされたオーソドックスな機体に仕上がっている。

***ムービー
-前作引き続きハイクオリティな3DCGムービーも収録。
--中でも『センチネル』の山場とも言えるEx-SガンダムとガンダムMk-Vの戦闘を描いた「エアーズの攻防」は本作のムービーの中でも特に秀逸な出来で、現在でも人気が高い。
---このムービ-で使われたBGM「Superior Attack((長らく曲名が不明だったが、家庭版『機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST』への参戦に伴い曲名が判明した。))」は『センチネル』を代表する一曲となり、現在でもSガンダムのテーマ曲として[[ガンダムバトルユニバース]]など他のガンダムゲームでも使われている。
--アナザーガンダムのステージでも各作品ごとに1本はムービーが収録されている。

***ゲームシステムの変更
''機体関連''
-武器のカテゴリとして「必殺技」が追加された。
--パイロットのMPを消費する代わりに威力が高いのが特徴。
-また、ファンネルのようなサイコミュ兵器は射程がパイロットのテンション(後述)で変動するようになった。
--射程は通常は6、最低で4、最長で10になる。
-機体の地形適応が宇宙、空中、地上、水上、水中の5項目になった。
--これにより、ドムのようなホバー走行の機体は水中に沈まなくなり、地上と同じように移動できるようになった。
--また、前作では地上と空中のどちらかの適応しか持たなかったが、本作ではどちらの適応も持つ機体が登場した。
---単独でも飛べるが適応が低いので地上に降ろしたほうが移動力が上がる、といった機体もある。

''ACE登録''
-前作では機体を開発すると自動的に生産リストに登録されたが、本作では開発しただけでは生産リストに登録できない。
--代わりに「ACE登録」として機体をACEまで育てることでリストに登録する形になった。
--自軍だけでなく、ゲストの機体をACEまで育てることでも登録可能。
---そのため、強力なゲスト機体をACEまで育てて登録するか、純粋に自軍の機体を育てるかを選べるようになり、戦略性が増した。

''改造''
-ACEになった機体は、さらに経験値を貯めて改造することで能力の底上げができるようになった。
--思い入れのある機体を好きなだけ強化できるので、コロニーを一撃で撃墜するザクなんてのも作れる。


''ボーナスステップ''
-おそらく本作最大の特徴。
--敵を撃破した場合、行動終了にならずもう一回行動できる。そのため、撃破したら次の敵に攻撃したりヒット&アウェイで母艦に帰還したりと様々な戦術が取れる。
--当然敵に味方を撃破された場合も適用されるので、味方に弱った機体がいるときは注意が必要になる。

''パイロット能力の細分化''
-射撃・格闘・回避といった純粋なパイロットとしての能力以外にもリーダー・艦長としての適性となる指揮、後述のブリッジクルーとしての適性となる通信、操舵、整備、魅力といった能力が設定され、よりキャラの個性が出るようになった。
--また、キャラの成長率にも変化がつけられ、初期能力が高い=最後まで強いとは限らなくなった。

''戦艦関連''
-戦艦には艦長に加え通信士、操舵士、整備士、ゲストの4人までブリッジクルーとして搭乗可能になった。
--クルーにはそれぞれ効果があり、数値の高いキャラを配置することで部隊のサポートを行える。効果は以下の通り。
---艦長:戦艦のパイロットとして扱われるほか、指揮の数値が高いほどグループレベルが上がり指揮範囲が広くなる。
---通信士:通信が高いほど部隊の攻撃命中率が上がる。
---操舵士:操舵が高いほど搭乗している戦艦の回避能力が上がる。
---整備士:整備が高いほど搭載しているユニットの1ターン当たりのHP・EN回復量が増加する。
---ゲスト:魅力が高いほどパイロットの1ターン当たりのMP回復が早くなる。グループレベルにも関係する。
--これにより、アストナージ(整備が高いメカニック向け)やリィナ(魅力が高いゲスト向け)のようなおよそ戦闘向きでないキャラも的確なポジションに配置することで有効に使えるようになった。
-また、戦艦には最大3チームまで編成できるようになった。1チームは最大8機なので、戦艦の最大搭載数は24機にまで増えた。
--もっとも、それだけの搭載数を持つ戦艦はほとんどないが。

''テンションシステム''
-パイロットには通常の能力の他にMPが設定されており、現在のMP/最大MPで普通・強気・弱気の3段階にテンションが変化するようになった。MPはサイコミュ兵器や必殺技を使うことで消費するほか、戦闘の結果やイベントによって細かく上下する。そのため、いかにテンションを高く保つかが戦術のキモの一つになる。
--弱気になると与えるダメージが少なくなり、サイコミュ兵器は射程が4に短縮される。さらに進んでMPが0になると「混乱」となり、反撃や攻撃が一切できなくなる。
--逆に強気になると与えるダメージが高くなり、サイコミュ兵器の射程が8に延長される。さらに進んでMPが満タンになると「超強気」となり、''全ての攻撃がクリティカルになる''。また、サイコミュ兵器の射程は10に達する。
---また、テンションが超強気になると能力や武器が変化する機体が追加された。わかりやすい例はシャイニングガンダムなどMFのスーパーモード。他にはF91の最大稼働モード(通称残像モード)などがある。
-消費したMPは戦艦に搭載すると回復できる。
--MPの基本値はグループレベルで決まり、グループレベルが高いほど基本値も高くなる。
-また、このシステムの搭載に伴い、キャラごとに「性格」が設定された。
--性格によってテンションの弱気・普通・強気の比率が異なる。普通は普通の、強気は強気の比率が高い。
---特殊な例としては普通の比率が高く強気にも弱気にもなりにくい「冷静」、逆に普通の比率が少なく強気と弱気の比率が高い「激情」、激情からさらに普通の比率が減った「強化人間」があり、原作におけるキャラクター性再現の一端を担っている。
-また、テンションによってキャラのフェイスグラフィックが変化するようになった。
--シナリオイベントでも使われており、演出向上の助けとなっている。
-また、ファンネル系のテンション消費武器は、使用と同時にテンションを消費してしまうため、超強気の恩恵を受けることが出来ない。
--ただ、そのせいで敵が強化人間まみれになるZ終盤やZZ終盤の難易度がマシという点も一応ある。

***レンタルキャラクター
-原作キャラは資金を支払うことで1ステージ限りの助っ人キャラとして使用可能になる。
--当然ながらそのキャラがゲストとして登場するステージではレンタル不可。
--また、初代のアムロと逆シャアのアムロのように年代の違う同一人物を重複してレンタルすることも不可となっている。

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**難点
***難易度
-ゲームの難易度そのものはそれほど高くないが、後戻りができないため、計画的に機体を育てていかないと最悪詰む。
--中盤を過ぎる頃からは自軍で支援してやらないとさすがにゲストでもきついので、あまりアテにすることもできない。

***敵フェイズのテンポの悪さ・ロードの遅さ
-終盤にもなると1ステージに登場するユニット数が半端ではないうえ、戦艦が多いと搭載機の出撃などでを行うので、敵フェイズはとにかく時間がかかる。
-CPUの思考時間や戦闘アニメのローディングも長く、ゲームのテンポはかなり悪い。

***ボーナスステップの強さ
-現在のGジェネでも問題視されているが、敵を撃破さえすれば無条件で再行動可能なので、極限まで鍛えた機体を用意し、テンションを超強気に保つと無双プレイになってしまい、作業ゲーと化してしまう。
--通常であればENが切れてしまえば攻撃できなくなるので母艦に帰艦して終了なのだが、''本作のMFはENを一切消費しない''。そのため、鍛えたMFは射程内に敵がいる限り帰艦すらすることなく延々と戦う修羅と化す。
---さすがにまずかったのか、『F』以降はMFもENを消費するようになった。

***図鑑の仕様
-図鑑にバグがあり、一部の機体が登録されないため絶対に100%にならない。
--そのためか、後の『F.IF』には本作の図鑑が100%のセーブデータが収録されている。
-また、本作では生産可能な機体は生産リストに加えないと図鑑に登録されない。
--そのため、捕獲と開発で入手した機体を登録するにはACE登録を利用する必要があり、埋めるのがかなり面倒になっている。
--以降の作品では開発して機体を入手するだけで図鑑登録されるようになった。

***ブリッジクルーの成長システム
-本作では戦艦が敵を撃破しても経験値を得られるのは艦長だけとなっている。
--そのため、元々の能力が高いならともかく、育てようとするなら心許ないパイロット能力で戦闘させる必要がある。
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**総評
前作からさらにボリュームアップし、現在のトムクリエイト製Gジェネの根幹となっているシステムのほとんどを確立した良作。~
さらに『センチネル』といったマイナーな作品にもスポットを当て、知名度を上昇させた功績は大きい。~
この路線は次回作の『F』でさらに強化され、ガンダム図鑑とも呼べる作品へと昇華される。

**余談
本作におけるガンダムローズのローゼスビットはなぜかサイコミュ兵器にカテゴライズされており、パイロットのジョルジュもニュータイプ扱いとなっている。~
以降の作品では修正されており、前作の強化人間ヒイロに並ぶ本作オリジナル設定となっている。