となりに彼女のいる幸せ Summer Surprise

【となりにかのじょのいるしあわせ さまーさぷらいず】

ジャンル ADV
対応機種 Nintendo Switch
プレイステーション4
発売元 エンターグラム(プレカノ)
開発元 iMel
発売日 2020年5月28日
定価 1,980円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:D(17才以上対象)
判定 なし
ポイント イチャラブが楽しめるように特化した内容
ゲーム性はほぼない
戯画作品


概要

株式会社エンターグラムから派生した、ロープライスブランド「プレカノ」の1作。ヒロインとの2人きりを楽しむコンテンツとなっている。
幼馴染の妹分とふたりっきりで、1学期終了時のひと夏の思い出を楽しむストーリーである。

原作は18禁要素のあるWindowsソフトだが、本項目ではSwitch/PS4版のみを取り扱う。

システム

  • システムは、悟郎視点の物語を読み進める1人称のADVである。
  • 2~3択の選択肢を選ぶ一幕が何回かあるが、いずれも選択肢直後のちょっとした話に影響する程度で、ストーリーの大筋に影響はない。
  • 外山悟朗(主人公)
    • 本作は悟郎の1人称視点で話が進む。母とは死別しており父と二人暮らしの高校生。魚釣りと野菜が好き。スケベではあるもののヒロインの小梅を大切に思っている。
  • 瓜生小梅(ヒロイン)
    • 悟郎と同じアパートで暮らす女子高1年生。クールを装ってはいるが人見知り。夏休みの間は兄貴分として慕う悟郎の部屋に入り浸っている。
    • 両親は甘味処を経営しており、悟郎はそこのウェイターのバイトをしている。

評価点

  • 魅力ある登場人物のキャラ付け
    • クールでどこか気だるげだが、妹・幼馴染属性持ちで甘えてくるときは甘えてくるなど、独自性の強いキャラとなっている。
    • 一見、悟郎を軽くけなしたり嫌がらせをするような一幕もあるが、物語を読み進めていくと、本心では悟郎のことを深く敬愛していることがわかる。
    • ヒロインはフルボイス。セーブやロード、コンフィグを操作している時にもしゃべってくれる。
    • 悟郎は年相応のスケベな高校生男子であるが、わがままを言ってくる小梅をなんだかんだ受け容れたり、彼女が喜ばせるようなサプライズを用意したりと人間味に溢れ好感が持てるキャラになっている。
  • 読みやすさと歯応えを両立させた文章
    • 値段をかんがみればボリューム自体は豊富。ボイスを飛ばさずにゆっくり読めば5時間ぐらいはかかる程度のプレイ時間となる。
    • 内容はイチャイチャがメインながらも、テキストにはさらっと雑学が織り交ぜられており知的なコントラストになっている。それでいてライターの知識をひけらかすような不自然さもない。
    • また全体的に暗い雰囲気になるような場面は見当たらない。
  • 基本的な機能の充実さ
    • スキップ、バックログ確認、クイックセーブ機能は搭載されている。コントローラーのボタンひとつで行使可能で手軽である。
    • Switch版は画面タッチで文章を送ることも可能*1
    • メッセージボックスの透過度、メッセージが出てくるスピードを微調節可能。

賛否両論点

  • 登場人物がかなり少ない
    • ヒロインが人見知りなことも影響してか、外部の人間との交流が乏しい。屋内に引きこもっているストーリーでもないのだが、小梅と悟郎以外の人物はほぼチョイ役でしか登場しない。
    • 多くの人物との交流やサブキャラとの相互作用も見たいようなプレイヤーには物足りないかもしれないが、第三者から邪魔されずに小梅との恋愛劇を楽しめるという事でもあり、ヒロインにのみ注視したい人にとっては理想的な構成であろう。
  • ゲーム性は特に無い
    • バッドエンドがないため気楽にプレイすることは可能。ただしほぼ完全な一本道なためゲームとしての遊戯性の類はほぼない。

問題点

  • 起承転結には乏しい
    • 告白するシーンは一種の「転機」とはなっているものの、終始イチャついているだけのイメージ。中盤で告白を成功させ、中盤以降はより「親密な」イチャラブ交際をするといった程度。これといったお話のオチも期待できない。
    • 物語の起伏を楽しむというよりは、ヒロインのキャラそのものを愉しむのが正しいプレイスタイルなのかもしれない。
    • あくまで夏休みの間に、主人公とヒロインがお互いに思いついたサプライズを互いに実行しているだけではあるので、時間軸的なスケールで言えば小さめの部類の物語である。
  • グラフィック関連
    • ゲームのコンセプト上ヒロインの立ち絵しかなく表情のパターンも特筆して多いというほどではない。イベントスチルが12枚も少なめである。
+ ネタバレ注意
  • 告白シーンが若干くどい
    • ヒロインが喜び反芻するために、悟郎に何度も同じような告白を要求してくるくだりがある。ヒロインが悟郎を深く深く愛していたことを説明するシーンとしては機能しているだろうが、テンポや展開を求めるとダレてしまうこと請け合い。

総評

夏休みを甘々に、時々さわやかにすごす2人の男女の恋愛劇ADV。
選択肢を特に気にする必要がなく気楽に読み進められるゲームシステムとなっている。
お話に起承転結は特になく、幼馴染・妹キャラとのイチャラブに終始している。
向き不向きの大きい作風であるが、完成度自体は充分なため合う人はとことん楽しめるだろう。

販売終了

  • 戯画の活動終了に伴い「プレカノ」のアダルトゲームもダウンロード販売が終了した。
  • 2025年9月30日にはコンシューマー版も販売終了した。
    • よって、ダウンロード専売のSwitch版は新規プレイ不可能。PC原作とPS4版は中古パッケージが必要となる。
最終更新:2025年10月01日 00:17

*1 バックログやセーブロードはさすがに不可能だが。