龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii

【りゅうがごとくえいとがいでん ぱいれーついんはわい】

ジャンル アクションアドベンチャー


対応機種 プレイステーション5
プレイステーション4
Xbox Series X/S(ダウンロード専売)
Xbox One(ダウンロード専売)
Windows(Steam/Microsoft Store)
Linux(Steam*1)
メディア BD-ROM 1枚
発売元 セガ
開発元 セガ(龍が如くスタジオ)
発売日 2025年2月21日
定価 通常版: 6,930円
デラックス・エディション: 8,690円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:D(17才以上対象)
判定 良作
ポイント 真島吾朗還暦記念作品
『8』の後日談
シリーズ初の真島単独主人公
シリーズ屈指の爽快アクション
本格的な海賊バトル
船での移動はやや面倒
狂気のロバート秋山劇場
龍が如くシリーズ


概要

龍が如く8』の後日談を描いたサイドストーリー。公式では「真島吾朗還暦記念作品」としている。
記憶喪失の真島吾朗が漂流したハワイでなぜか海賊となる物語で、真島が主人公になるのは『極2』以来、単独主人公は今作が初である。
システムは従来のアクションアドベンチャーであり、『7外伝』と同様に神室町が一切登場しない。


ストーリー

ミレニアムタワーでの桐生との共闘から半年。
かつて最凶の極道と恐れられた真島吾朗は、難破した船の残骸と共に、孤島の砂浜に打ち上げられていたところを島の少年・ノアに救われる。
はじめは自分の名前すら思い出せない真島だったが、やがて身体に刻み込まれている刺青や、傍らに落ちていたドスなどから、うっすらと自分の正体に察しがついてくる。
と、そこへ不意に現れたのは、大航海時代の海賊然としたならず者たち。我が物顔で子ども相手にも容赦なく暴力をふるう彼らを打ち倒し、船を奪い取った真島は、失った記憶を取り戻す手がかりを得るため、そして恩人であるノアの夢を叶えるために、広大な海へ航海に出る。
しかしこの時、無法者たちの楽園・マッドランティスを中心とした周辺の海域は、伝説の財宝の噂で密かに沸き立っていた。宝を巡って悪党どもがにらみ合う一触即発の修羅の世界に、真島たちは飛び込んでいくこととなるのだった――
(公式サイトより)


特徴・新要素

マップ

  • 登場するマップは『8』のホノルルシティやネレ島を含めたハワイの島々であり、日本のマップは存在しない。
    • 新マップとして「マッドランティス」が登場。海賊に身を窶した荒くれ者達が屯する島であり、神室町や蒼天堀、『7外伝』のキャッスルを思わせる繁華街となっている。
    • ホノルルシティでは『8』同様トロリーバスやOKAサーファーでの移動も可能。

バトル

『7外伝』から続投した要素が多い。

バトルスタイル

  • バトルスタイルは「狂犬」および「パイレーツ」の2種類となっている。最初は狂犬しか使えず、少しストーリーが進むとパイレーツが解禁される。
    • 狂犬はドスをメインに使用するおなじみのスタイル。ヒートアクションが豊富でタイマンに向いている。
      • 左上の狂気ゲージがMAXの状態だと春日一番も苦しめられた分身を召喚し、怒涛の猛攻を浴びせられる。
    • パイレーツは両手にカトラスを構えた二刀流。攻撃範囲も広く海賊らしさ満点の戦いができ、多対一の戦闘に向く。
      • ストーリーを進めるとワイヤーフックを入手でき、敵を引き寄せての攻撃が可能。アドベンチャーで高所に登って宝箱やカムロップのおみくじ、収集品である金玉の取得をしたり魚釣りもできる。
      • デビルフラッグスの幹部を倒してお宝「呪神楽器」を入手すると、狂気ゲージがMAXの状態で海の呪神を召喚して敵を一掃できる。
    • アルティメットカウンターも『7外伝』から続投している。

ジャンプ

  • シリーズで初めてバトル中のジャンプが可能になった。攻撃を回避して空中から奇襲したり敵を打ち上げて空中コンボを決めるなど、テクニカルな戦い方ができる。

指輪

  • ハワイ各地で入手でき、装備すると能力がアップする。1つの指に1個、計10個を装備可能。装備画面は実際に装備した真島が指輪を披露する構図になっている。
    • わかりづらいがムービーなどにも反映される。

ゴロー海賊団

海賊船「ゴロー丸」の船長を任された真島。自分だけの海賊団を編成し、海賊王を目指す。

海賊バトル

  • 海上でのエンカウントやパイレーツコロシアムでは敵船とのバトルが楽しめる。
    • まずは砲撃戦で敵船を破壊。主な攻撃方法はダメージが小さいが無制限に撃てる機銃と大ダメージを与えるがリロードが必要な大砲、そして体当たりの3つ。敵の攻撃はブーストで回避しよう。
      • 視点を切り替えれば真島自身がランチャーで攻撃する事も出来る。
      • 攻撃を受けると船員が倒れたり状態異常に陥るので、煙幕を張って救助・修復する必要がある。
    • 敵船破壊後は船上決戦に突入。お互いの突撃部隊同士で戦闘する多人数のチーム戦となる。
      • 船上決戦では支援部隊が所持するサポートスキルを発動可能。敵側もスキルを使ってくるが、敵隊長を倒せば封じることができる。

海賊決闘

  • お互いの船が全ての乗組員を総動員して繰り広げる、シリーズ最大規模の大乱闘。
    • 操作は船上決戦とほぼ変わらず、サポートスキルも使用可能。

船員

  • ハワイ各地にいるキャラに話しかけて条件を達成したり、サブストーリーをクリアすれば船員が増えていく。
    • 各船員はそれぞれ得意分野が異なるので、それぞれのポジションに適したメンバーを配置しなければならない。
    • 船員には士気が設定されており、海戦や逃亡によって下がり宴会や会食、ギフトを渡せば上がる。
  • 船員は海戦を担当する砲撃部隊として副船長を1人、左舷/右舷それぞれの砲手として各4人ずつ、機銃手に2人配置できる。
    • 船上決戦を担当する突撃部隊は支援部隊として最大3人、隊長1人+隊員4人で構成される部隊×最大4部隊を配置できる。

ゴロー丸の強化

  • お金を払うことで体力やブースト使用回数といった基礎能力を上げられるほか、『8』に登場したジュリに資材を渡すことで強力な大砲や機銃を製作してもらえる。

デビルフラッグス海賊団

  • 本作のサイドストーリー。ジェイソンの恩人が凶悪海賊団「デビルフラッグス」に殺害され秘宝を奪われてしまったため、各地で幹部を倒して秘宝を取り返すというストーリー。
    • 敵幹部の海賊船は非常に強敵だがその分見返りも大きく、道中で財宝も手に入る。

財宝集め

  • 各地に眠るお宝を手に入れ、一攫千金を目指せ。お宝は宝島だけでなく、ホノルルシティやマッドランティス、プレイスポットの報酬でも手に入る。怪しい鈎があればワイヤーフックで登ってみよう。

プレイスポット

『8』からは「クレイジーデリバリー」「不審者スナップ」が続投している他、『7外伝』からマスターシステムが再登場。シリーズおなじみとなったカラオケも続投しており、今作ではゴロー丸でも行える。

パイレーツコロシアム

  • マッドランティスで参加できる、従来の闘技場にあたるスポット。海賊プレイのメインコンテンツとなる。
    • 1つの海賊団と戦う「海賊シングルマッチ」、複数の海賊団と船上決戦のみを連戦する「船上バトルラッシュ」、砲撃戦→船上決戦が連戦となる「パイレーツチャンピオンシップ」、そして海賊決闘を行う「海賊決闘ショーダウン」が存在。「海賊決闘ショーダウン」はデビルフラッグスを倒すと解放される。
    • 全てのバトルを制覇すると恒例の亜門戦となる。

バンバンバッティング

  • マッドランティスで遊べる。タルに砲弾を打ち返して爆破し、現れた宝箱の鍵に砲弾を当ててポイントをゲットする。
    • 従来のバッティングセンターより海賊らしくド派手な演出が楽しめる。

ドラゴンカート

  • 7』から復活。受付は『7外伝』に登場したランが担当する。
    • 基本は同じだが、本作のライバル戦は「フィールドで相手のカートを攻撃し、最後まで生き残れば勝ち」という『スーパーマリオカート』等のバトルモードに近い内容になっている。

コーディネート

  • 『7外伝』から続投しているが、本作はブティックではなくリボルバーやゴロー丸のフィッティングルームで変更できるようになった。
    • 上下の服装を別々に変更できるようになり、虎っぽい猫のゴローもコーディネートできる。
    • 狂犬スタイルとパイレーツスタイルで個別に設定が可能で、コーディネートした見た目はストーリー中のムービーにも反映されるのも同様。

ゲームセンター

  • 『バーチャファイター3』『バーチャファイター3tb』『スパイクアウト』『ファイティングバイパーズ2』『SEGA RACING CLASSIC 2』に加えて初移植となる『オーシャンハンター』が収録。『8』で追加されていた『ゲットバス』は残念ながら収録されていない。
    • マッドランティスのUFOキャッチャーにはレイモンドとクイーンのフィギュアがあるなどニヤリとさせる要素も。

セガ・マスターシステム

  • 『7外伝』のゲームは全て収録されており、新たに『ポセイドンウォーズ3D』『スペースハリアー3D』『スタージャッカー』が追加された。
    • ゲームは拾うのではなくホノルルシティの質屋で購入する形となっている。

その他のアクティビティ

偉業チャレンジ

  • 従来の達成目録や、『7外伝』の赤目ネットワークに該当。様々なミッションをクリアして名声ポイントや海賊団のランクが上がっていき、スカウトできるキャラが増えたりと有利になる。
    • 真島の成長には、お金と名声ポイントが必要。

絆チャット

  • 『8』の絆さんぽに該当。ノアはホノルルシティ、それ以外のメンバーは海上で発生する。
    • 絆ビンゴは削除され、絆レベルと統合された。

ゴロー王国

  • 各地で行き場をなくした動物たちを拾い、リッチ島で育てられる。愛情たっぷりに育てられた動物は特別なプレゼントをくれることも。

ゴロゴロキッチン

  • 食材を集めて料理を作るミニゲーム。作った料理は自身の回復や会食・宴会に使える。
    • 火起こし・具材切り・アク取りの3種類をこなし、作る数が多いほど難易度も上がる。
    • 食材は海賊らしくジビエや虫などのゲテモノがメイン。
      • 各地のプランターで栽培することで青果、ワイヤーフックで捕獲することで虫、仕掛け網や泳ぎで魚を入手できる。道中でゴローがくわえて来てくれることもある。

賞金首

  • ハワイ各地に点在する無法者達。倒すと高額の懸賞金が手に入るので、序盤の金策になる。
  • ちなみにこの賞金首の面々の中には『8』で登場した珍妙な見た目をした敵キャラが混じっていることも。

『8』から続投しているもの

  • 『8』からはアロハリンクスとアロハッピーツアーズ、大海原ライセンススクールが続投し海で泳ぐことも可能。
    • アロハッピーツアーズは仕様上アクティビティが削除され、フォトラリーのみとなっている。

評価点

『8』に匹敵する大ボリューム

  • メインストーリーこそ全5章と長くはないものの、シリーズ最大規模のマップであるハワイが舞台だけあって寄り道要素は『8』並に充実。プレイスポットやサブストーリー自体は『8』よりも減っているが、それでもウリである海賊プレイの充実によって大ボリュームを実現している。

シナリオ

「絆」に重きが置かれたロマン溢れるストーリー

  • 基本的に単独で行動していた『7外伝』の桐生とは対照的に、真島は結束を重視するスタイル。ストーリーにおいても友情、親子愛、師弟関係…と様々な「絆」が描かれる。
    • また、ゴロー海賊団は不老不死の宝「エスペランサ」を巡る戦いに巻き込まれる事となる。果たして宝は誰の手に…?

絶妙な真島の描写

  • 本作の真島は記憶を失っているためか、基本的には『龍が如く0 誓いの場所』のような仁義に厚い男という印象ながらも所々で仲間にエンコを詰めさせようとするなど「嶋野の狂犬」らしさを覗かせるのが特徴。

魅力的なキャラクター達

  • 真島の相棒となる少年、ノア・リッチは海に憧れており、呼吸困難になる難病を患いながらも、決して挫けない。
    • 真島を「おじさん」「船長」と呼び慕っており、どことなく桐生と遥の関係を思わせる懐かしさが漂っている。
    • 演じるのは『7外伝』で赤目を演じたファーストサマーウイカ氏。全く違和感のない少年ボイスを披露しており、プレイヤーを驚かせた。
    • 本作の主題歌『旅立ちの歌 -Journey to the new world-』のメイン歌唱も担当しているが、オープニングムービーはなぜかミュージカル風味となっている。誰が呼んだか汚いディズニー
  • ノアの父・ジェイソンは無愛想な頑固者ながらも目的は難病に苦しむノアを救う事で一貫した好人物。元トレジャーハンターとしての経験を活かして真島をサポートする。
  • ジェイソンの旧友であるコック兼用心棒のマサル・フジタは子供に手を出すことは好まないなど情に厚い性格ながらも、海賊らしく少々がめつい一面も併せ持つ人間味あふれる男。
    • 演じるのはお笑いグループ・ロバートの秋山竜次氏。当初の発表時は「秋山が出ると聞いて調べたら旧作の金貸しじゃなくてそっちかよ!」とネタにする声もあった。
    • しかし、実際には大河ドラマ俳優の経験もある秋山氏だけありシリアスなシーンでは凄みを感じさせる一方で、後述のミナト区系女子に代表されるお笑いイベントではプレイヤーの腹筋を崩壊させる凄まじく濃い演技に好評の声が多数上がった。
  • 海賊王レイモンド・ロー率いる敵海賊達は、子供にも平気で刃を向け仲間同士で殺し合うなど、ヤクザとはまた一味違う恐ろしさを見せる。
  • 他にも利害の一致で手を組むこととなる東城会の組員・志垣輝彦はAmazonプライムビデオで配信されたドラマ版で真島を演じた青木崇高氏が担当しており、非常に粋なキャスティングとなっている。
  • 意外どころでは、宝を賭けて真島に敗れた後ゴロー海賊団の一員となる「キャプテン・ビーフ」の声を本シリーズの実況でおなじみの配信者・牛沢氏が担当している。
  • 真島の兄弟分である冴島大河、部下の西田と南も登場。シリーズで初めて真島を操作して冴島とバトルに挑める。
    • 南は『龍が如くONLINE』では西田の後輩という設定になっていたが、本作では同格に変更されている。
+ ネタバレ注意
  • エンディングはなんと故人も含めた登場人物が全員でキレキレのダンスを踊るという異例の演出。
    • シリーズでも類を見ない、非常に爽やかなハッピーエンドだからこそなせる業だろう。

サブストーリー

  • 総数は31個。シェンさんや保田団長のように、『7』『7外伝』『8』から引き続き登場するキャラも。『8』の時点では普通に悪党やひねくれものだったキャラも登場し、半年の間で変化した彼らの心情や様を垣間見れる。
    • メインストーリー同様「絆」を重視したサブストーリーが多く、特に定年の男性がゴロー丸に乗船する「茂田博信65歳」やノアのペットの虎っぽい猫・ゴローと動物語翻訳機でキャバクラができる「ゴローのこころ」が評価が高い。
    • 今のご時世らしい「コンプライアンス」を意識したものだったり、一部の界隈では"色んな意味で有名な"とあるアイドルのツアーを模したものと思われるストーリーが展開されるといった『龍が如く』らしい爆笑ものな話も多い。

バトル

シリーズ屈指の爽快アクション

  • ジャンプが導入されたことで、真島の兄さんらしいよりスピード感と狂気に溢れた動きが可能になった。
    • 本編で散々苦しめられた分身を自身の手で発動できるのは感慨深いものがある。呪神楽器も、音楽家を重んじる海賊らしい必殺技となっており好評。
  • 「マストの上でフェンシング」など、海賊もののツボを押さえた演出にも抜かりはない。

シンプルながらもらしさ溢れる海賊バトル

  • 砲撃戦は一見複雑に見えて各種アクションを覚えれば非常に簡単に操作可能な設計で、その手の海賊ゲームが苦手でも楽しめる。
    • 船上決戦では味方達も積極的に敵を倒してくれるため非常に心強い。
    • 仲間にできる船員は100人以上。悦子や権田原組長といった名脇役、さらには『ジャッジアイズ』のキャラまで登場する。
      • DLCでは桐生や春日はもちろん、なんと嶋野の親父や『0』の佐川と西谷も船員に。さながら幽霊船である。
      • 『8』とは違いサブストーリーで仲間になるキャラは終了後すぐに加入してくれる。

プレイスポット

  • クレイジーデリバリーや不審者スナップなど、『8』のホノルルシティで遊べるミニゲームはほぼ続投。
    • 中でも『オーシャンハンター』の家庭用初移植は歓喜の声が多く見られた。
    • 不審者スナップは基本的なコースは変わらないがノアやジェイソン、マサルも登場しフェイントを仕掛けてきたりするようになった他、新たに最強の不審者「クリスタルパピヨン」が登場。
    • バンバンバッティングはたくさん爆発させられるポイントを効率よく探し当てるパズル要素が加わり、新鮮な気持ちで楽しめる。
    • カジノのイカサマアイテムが復活し、簡単に稼げるようになった。
  • お馴染みとなったカラオケには過去作で真島の兄さんの本気を見せた「GET TO THE TOP!」「幸せならいいや」や、海賊団らしいノリノリの「ゴロー海賊団のテーマ」などが収録。
    • そして有料DLCとなるが、ついに伝説の名曲「真島建設社歌」が実装。残念ながら兄さんが作詞したと思われる建設社歌らしからぬ3番は収録されていないものの、収録自体を喜ぶ声が多い。
  • コーディネートは『7外伝』と比較してもバリエーションが大幅増。過去作の真島の兄さんコスはもちろん、『極』のゴロ美コスも当然完備。ほかにも服や色を組み合わせれば『ジャッジ』シリーズの八神コス杉浦コスも再現できるようになっている。

賛否両論点

ミナト区系女子

  • ある意味本作最大の賛否両論点といえるサブストーリー。「ミナト区系女子」を集めてコンパがしたいというマサルの夢を叶えるために真島が女の子達を集める事になるのだが…。
    • マサルと女の子のデートシーンでは唐突に実写パートとなり、アドリブ満載の狂気に溢れた映像が流れる。
      • その様子はまんまロバート秋山のコントそのものであり、ギャグとしてはかなり笑えるものになってはいるが、本編のマサルの性格・言動とかけ離れすぎた演技になっているため「流石にきつい」という声もあり見事に評価が二分している。
    • サブストーリー扱いなので無視は可能だが、導入自体はメインストーリーに組み込まれている。
    • ちなみに「ミナト区系女子」達のキャストはオーディションで選出されており、実写パートではもちろん彼女たちが直接出演している。
      • 上記イベント後には海賊団の船員として加入するが、全員優秀な能力を持つのでクリアしておいて損はないだろう。

シンプルな砲撃戦

  • この作品はあくまで『龍が如く』なので砲撃戦は複雑な要素を極力削ぎ落としたシンプルなものであり、往年の『ASSASSIN'S CREED』シリーズのような本格的なものを期待すると物足りないかもしれない。
    • とはいえ結果としてそのようなゲームが苦手でも難なく遊べるのも事実であり、むしろその後の海上決戦の方がシリーズの本領発揮と言える。

記憶喪失による影響

  • 仕方がないとはいえ、付き合いの深い冴島や西田、南が淡白な態度を取られるのは寂しいという声も。「絆」をテーマにした本作のストーリーでは尚更である。
    • だが記憶喪失によって『0』の頃のような雰囲気を醸し出せている点は評価されており、3人についても連携ヒートアクションがあったりプレイスポットに呼べたりと決して軽視されているわけではない。また、終盤では非常にエモい展開が待ち受けている。

勧善懲悪の王道ストーリー

  • 一部にヤクザらしい展開はあれど、基本的にはゴロー海賊団が宝を賭けて敵海賊と対立するというシリーズとしては珍しい王道のシナリオ。
    • 敵対する海賊達も良く言えばわかりやすい悪役、悪く言えば小物揃いとなっている。海賊らしいと言えばらしいが。
  • それが災いして「印象に残らなかった」「龍が如くらしくない」という意見もあるが、裏を返せば肩肘張らず楽しめるエンターテインメント作品となっているということであり、そうした見方をすれば十二分に合格点とも言える。

クイーン・ミシェル

  • 敵海賊の一人で、演じるのは『龍が如く5 夢、叶えし者』で朴美麗を演じた朴璐美氏。
    • 彼女もまた真島と因縁の深いキャラであったため「『5』での悲劇を思い出してしまう」と否定的な意見も存在する一方で、「はっきり悪役として描かれているのでさほど気にならない」との声もある。
    • 『5』からは馬場役の大東駿介氏も敵海賊のモーティマー役で出演している。ネタバレは避けるが、こちらも本作での扱いに賛否が分かれるキャラとなっている。

コーディネート

  • 「キャバレー支配人のメイク」として手に入る『0』時代の髭無しフェイスは『0』と比較して剃り跡が目立たなくなっている。
    • 「若々しすぎる」「泥臭い感じがよかった」と感じる人も。

ボイス付きセリフの減少

  • 『7外伝』『8』と比較するとボイス付きのセリフが大幅に減っている。サブストーリーはほぼ皆無でメインストーリーですら一部ボイスがないパートがある。
    • 久々の真島主人公だけに「このセリフはボイス付きで聞きたかった」という不満も見られるが、その分海賊プレイに力を入れたならやむを得ないという意見も。

問題点

バトル

ジャンプを生かしきれていない

  • ジャンプは攻撃の回避や奇襲がメインであり、ジャンプ攻撃があまり強くない。特に敵を打ち上げて空中コンボを決められる狂犬スタイルはともかく、パイレーツスタイルは打ち上げ攻撃をすぐに出せないため使い道が限られてしまう。ジャンプから繰り出せるヒートアクションなどが欲しかった所。
    • また、ダッシュとボタンが同じためダッシュをしようとした時に誤爆しやすいのも難点。設定で常にダッシュさせる事は出来るが、小回りがききづらくなる。

エンカウントの問題点

  • ホノルルシティ・マッドランティス・海上ともにエンカウントがやたらと多い上に、倒しても再度発生する場合がある。エンカウントが発生しづらくなるようなアイテムもない。
    • 特に海上で敗北や逃亡すると船員の士気が下がってしまうため、宴会料理でもなければできる限り戦うことを強いられてしまう。

バトル開始直後のスタイルの固定化

  • 本作では服装とスタイルが紐づいているためか、ホノルルシティではバトル開始直後のスタイルが狂犬で固定、それ以外のマップではパイレーツで固定となっているのに加え、今までと違い戦闘中に変更しても戦闘終了後に必ず戻る。
    • どちらかのスタイルに慣れていると開始直後のスタイルの変更を強要されるため面倒。

一部の敵の面倒さ

  • 本作でも剣や銃を持った雑魚敵は当然ながら登場するのだが、中でも銃を持った敵が非常にうっとおしい。 相手が銃を撃つ時はキュィーンという音が鳴るのだが、戦闘中に咄嗟の回避は難しいし、弾に当たると怯んでこちらの行動がキャンセルされてしまう。
    • これに割を食われやすいのがパイレーツスタイルで、強力な武器を使用する際に多少なりチャージしないといけないのでその最中に銃で撃たれるとその度にチャージし直しになるので非常に煩わしい。
    • 海賊バトルのような乱戦の中でも適格にこちらを狙って来るし、いざ先に始末しようとすると我先にと逃げ出して距離を取るので逃がしてしまうと戦闘に無駄な時間がかかる。
    • そのため本作でのある意味難所は各々のボスではなく、銃持ちの雑魚敵が大量にいてなおかつ真島一人で戦わないといけない戦闘と言われることも。

海賊プレイ

海賊団編成の自由度が低い

  • ステータスに合致した船員を配置する事が求められるため、どうしても自由度は制限されてしまう。
    • 船員以外のカスタマイズは船の見た目変更ぐらいで自由に配置できるオブジェクトなどがないのも痛いポイント。
    • サブストーリーで目立っていて使っていきたいと思うようなキャラでもランクが低いことがあり、最終的にはどうしてもそういったキャラを外して強いキャラを編成しないと勝つのが難しくなるのも悲しい。

海賊船での移動に難がある

  • 海賊船はスピードが遅く、強化でスピードを上げることも不可。加えてファストトラベルを使うには灯台に停泊する必要があり手間がかかる。
    • ブーストで一時的に加速する事はできるが、使うたびにインターバルを挟むため面倒である。

やや単調なパイレーツコロシアム

  • 敵船はステータスが変化するだけでスキルは似たりよったりのものが多く、闘技場の敵のようなモーションなどでの個性もない。
    • 船長の個性も、船上決戦では弱体化してしまうためどうしても発揮しづらい。

UIの問題点

  • ギフトをあげるには船内でわざわざキャラに会う必要があり、メニューなど直接渡すことはできない。
    • 宴会や会食で経験値や士気をまとめて上げられるものの、いちいち料理を作らなければならず面倒。
  • 装備に使う資材をまとめて作成できず、非常に面倒くさい。

プレイスポット

  • 不評の声が多かったマッチングアプリやジャンルがガラッと変わるスジモンバトルはともかく、やはりシリーズ恒例のキャバクラがないのは物足りない。
    • ミナト区系女子がその枠では?と思われていたが、実際は映像を見るだけであり落胆されてしまった。
    • 前述の「ゴローのこころ」もそのオチは……
  • 不審者スナップのクリスタルパピヨン戦は失敗するとコースの最初からやり直しとなってしまう。

その他の問題点

  • マッドランティスはボートで区画を移動できるがマップでのファストトラベルは不可能となっている。
    • 加えて最も頻繁に出入りすることになるゴロー丸が2か所のポイントのほぼ中間にあるため、意外と利用しづらい。
  • リッチ島でやれることがほとんどない。
    • 小さな島なので娯楽がないのは設定上正しいのかもしれないが、サブストーリーすらもないため、行く意味はほとんどない。
    • 何もないならないでそれで良かったのだが、ゴロー王国の動物のなつき度を上げられるのはリッチ島だけなので、実質このためだけにリッチ島に足を運ぶ必要がある。
      動物とのふれあいなどを楽しめるようなものならよかったのだが、やることはエサを与えるくらいなので味気ない。
      • 島間のファストトラベルには船を経由する必要があるのも少々わずらわしいところ。
  • ホノルルシティではパイレーツスタイル、それ以外では狂犬スタイルの衣装では自撮りができない。
  • 装着した指輪を非表示にできないので、人によっては気になるところ。

総評

『7外伝』から一転、本編に匹敵する大ボリュームが魅力となった本作。
魅力的な新キャラクターに加えて真島周辺の人物たちも掘り下げられるなど、真島ファンにとっても非常に満足度の高い1作となっている。
一部の要素は人を選ぶものの、1本のゲームとしては間違いなく良作と言っていいだろう。


余談

  • 本作のチャプタータイトルは海を題材とした文学作品が由来となっている。
    • 1章の「漂流記」は坂口安吾の同名の小説があるが、本作の内容と照らし合わせると「ロビンソン漂流記*2(デフォー)」または「十五少年漂流記(ヴェルヌ)」が由来と思われる。
  • 2026年2月12日の発売が予定されている『3』のリメイクである『龍が如く 極3』と、同時収録される峯義孝が主人公の『龍が如く3外伝 DARK TIES』は、「2つのスタイルを切り替えての戦闘」「主人公の衣装を自由に着せ替え可能」と言った要素があることから、前作『7外伝』と本作をベースにした作品であると思われる。
最終更新:2025年10月09日 06:47

*1 Protonによる互換対応。SteamDeck認証済み。ProtonDB: Platinum判定。

*2 日本では「ロビンソン・クルーソー」の方が通りが良いか。