M1号


「わたしはカモメ、わたしはカモメ」

+ 担当声優
中曽根雅夫
『ウルトラQ』
白川澄子
『ウルトラマンZOFFY』
神代知衣
『ウルトラマングラフィティ』
熊本浩武
『ウルトラゾーン』
飯塚昭三
『ウルトラマンX』

円谷プロの特撮作品『ウルトラシリーズ』に登場する怪獣
別名「人工生命」。身長2m~40m、体重180kg~2万1000t(巨大化後のデータは『Z』登場時)。
初登場は『ウルトラQ』第10話「地底超特急西へ」。
秋山澪二次創作キャラでも量産型アストレイでもない。

大阪大学の遺伝子工学の権威である生物学者・相川教授と助手のチームによって創造された人工生命体
「M」はマンメイド(Man‐Made:人工)の略。
当初はゼリー状で高圧力をかけたボンベで保管されていたが、ボンベ入りの鞄を星川航空で阪大に運ぼうとしたところ、
星川航空の見習いパイロットで本作の三枚目役レギュラーである戸川一平が自分の鞄と間違えて持ち出してしまい、
さらに彼が地底特急「いなずま号」の試乗会に呼ばれてもいないのに勝手に忍び込み、
そこで報道陣によるカメラのフラッシュを浴びた事を鍵刺激として急成長するという、ピタゴラスイッチ的な偶然の連鎖から、
2メートル程のゴリラもしくはオランウータンのような姿に変化した。

急成長により知能も獲得したのだが、如何せんまだ生まれたてのため、
3歳児相当の旺盛な無邪気さと成長で得た怪力が合わさった結果、
好奇心のままいなずま号のシステムを弄繰り回して破壊してしまい、
結果いなずま号は暴走した挙句、終点の九州駅で脱線事故を起こして大爆発。
運転手が現場判断で客車と機関部を切り離していたため乗客の大半は無事だったが、
M1号は機関部に取り残されたイタチ少年(抜け忍に非ず)共々、保管ロッカーごと宇宙に投げ出されてしまった

物語は冒頭の台詞を話した所で終わっており、彼らの生死は定かではなかった
(この台詞は女性初の宇宙飛行士ワレンチナ・テレシコワ氏の通信、及びアントン・チェーホフ氏の戯曲『かもめ』での台詞から)。
……M1号はともかくイタチ少年はウルトラマンでも来ない限り酸欠で死にそうだが。
ちなみにプロットではM1号はいなづま号のエンジンに触っての感電死、決定稿では衝突後の火災での焼死の予定だったらしい。

『Q』登場怪獣の中では映画『ウルトラマンZOFFY』でガッツ石松氏に見間違えられるなど、そこそこ出番はあったが、
カネゴンガラモンなどのメジャー怪獣ほどの知名度は無かった。

ところが、2013年放送の『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』の年末SP『絶対に笑ってはいけない地球防衛軍24時』にて、
科学特捜隊のような防衛隊に扮して笑うたびにケツバットやタイキック等といった罰ゲームを受けるという企画の中で、
同番組でゴリラ扱いされている浜田雅功氏に似ている怪獣としてガラモンと共に登場。
その見た目のあまりのそっくりさん振りから参加者(と視聴者)の爆笑を誘い、
その後の『名探偵24時』や『科学博士24時』など防衛軍と無関係な回でも度々登場して視聴者に大きく印象を残した。

ちなみに柳田理科雄氏の著書『空想非科学大全』において、知能指数の考察において取り上げられており、
氏は高い知能指数の宇宙人を考察した末に「頭のよさとは数値化できるものなのか?」という疑問から、
逆の方向からの考察としてM1号の行いを「空想科学界でも屈指の考えのない行動」として紹介。
上記の支離滅裂な行動から知能指数もさぞかし低いのかと思いきや、「知能指数=精神年齢/生活年齢」であるため
(ただし成長率の問題から18歳以上の生活年齢は18歳固定。逆に精神年齢を100歳と判定されてもボケ老人とかではない)、
産まれてから数分~数時間程度で3歳児並みの知能を有しているM1号の知能指数は
かのメフィラス星人すら上回る驚愕の約90万相当という、凄まじい結論を叩き出してしまった。
これほどの数値でありながら実際にやった事は「考えのない行動」であり、
同記事においては知能指数という指標だけで頭の良さを表現することの反例として取り上げている
(そもそも知能自体は「3歳児相当」でしかないため、三歳児並みの行動を取ってしまったのは当然だと言える)。
氏の著作でも屈指の斜め上に衝撃的な結論であり、後述の『ウルトラマンX』客演時にはこれを思い出したファンもいたことであろう。
この結論から「空想科学世界では知能指数と頭の良さは反比例するかもしれない」とも書かれている

雑誌『ぼくら』に掲載された絵物語版「SOS富士山」では、富士山火山研究所出身という設定で登場。
TV版とは違い丁寧な言葉遣いで喋る他、耳が尖っていたりと姿も若干異なる。
不時着した円盤からジグリ星人を救助し、ゴルゴスが出現するとダイナマイトで爆破を試みるが再生能力により失敗。
ジグリ星人が巨大化して戦っても不利と見るや、ゴルゴスの懐に潜り込んで足や頭を引きちぎって援護する活躍を見せ、
最後はジグリ星人と共にゴルゴスを富士山の噴火に引きずり込んで果てた。
初稿はエド・カーティア氏の描く水星人の影響が強く、『ぼくら』誌上で「M2号」として掲載された。
脳を育てる薬を与えすぎたため、脳が体の外にはみだしてしまい、こんな姿にしてしまった人間を憎んでいるという。

+ 他作品におけるM1号
「共存などと言いながら、都合が悪くなれば平気で排除する!」
「思い知れ!人間は他者と共存など出来ぬ!」
「共存出来ぬものは……滅びゆくだけだ」

上記の『笑ってはいけない』の影響か、本家でも第19話「共に生きる」にて再登場。
かつて自身が地球から放逐され、そのまま見捨てられたという来歴が明かされており、
明言されていないものの『Q』と同一個体である可能性が高い
(正確には地球から放逐されたのは自業自得だが当人が理解・記憶しているかどうかは不明。
 まぁ覚えていた上で遠因となった一平を恨んでいるかもしれないが)。

元々成長ペースが速い生命体だったが、『Q』からさらに年月が経過しているため、人間の言葉も流暢に話すほどの知能を獲得している
生後15分で宇宙に放り出されたのにどうやって学習したんだよと言う意見もあるが、
そもそも原典の時点で「私はカモメ」を知っていたぐらいだから気にするな!
(ボンベの中に居た頃から意識(知能)があって博士達の言葉を学習していたのかもしれない。そうなると知能指数(生活年齢)が変わってくるが)
更にはテレパシー(これで言葉を覚えたのかもしれない)や、相手を任意にテレポートさせることができるなどの超能力を得ている。
直接的な戦闘シーンこそ無かったものの、その能力はもはやウルトラマンすら全く太刀打ちできないレベルに達している
『X』の宇宙はM78バースとは別の宇宙だが、マルチバースを渡る能力も持つのか、何らかの偶然で舞台の宇宙に流れ着いたのかは不明。

劇中では、怪獣との共存を掲げるXioを監視していたらしく
ダークサンダーエナジーによって暴走したゴモラを止めようとしたエックスを謎の空間へとワープさせ、
空間移動が可能なウルトラマンゼロアーマーをも無力化するフラスコの中に閉じ込めてしまう。
そしてゴモラとの友情を主張する大地に対し上記の痛烈な言葉を投げかけ、
ゴモラを必死に説得、静止しようとするアスナの姿を「茶番」と一笑に伏すが……。

第20話「想い、その先に」に登場。
顔見せの『X』と異なり同回のメイン怪獣を担い、初の巨大化、そしてウルトラ戦士との直接対決も実現した。
今作ではイナバ・コジローの娘であるイナバ・ルリが作り出した人工生命体という設定。
国立生物化学研究所の一角で育成されており、細胞にはかなりの万能性がある為、将来的には医療への応用が期待されていた。
しかし、それを狙うスパイの手引きで拉致されてしまい、持ち前の怪力で拉致犯に抵抗し、
追って来たルリを助ける為に暴れて乱闘になり偶然にも配電盤に激突し、その電撃のショックで急成長して巨大化してしまう。

一度はキングジョーストレイジカスタムにより麻酔弾を撃たれて眠るが、
明朝8時に覚醒する見込みの上に3000m付近に市街地があることから、クリヤマ長官から駆除命令が下される。
当初ヘビクラとコジローは駆除命令に従おうとするが、
細胞分裂逆進剤を作ってそれをM1号に投与することで元に戻れるという可能性が生まれたことで、
ルリの懇願とレッドキングやグルジオライデンの一件を乗り越えたハルキの強い訴えにより、
市街地に1000m付近まで接近したら駆除することを条件に、細胞分裂逆進剤の開発までの間、
ストレイジによるM1号の食い止め、そしてヘビクラによる上層部への説得が決行された。
難航するもストレイジの時間稼ぎとルリの尽力によってギリギリのタイミングで細胞分裂逆進剤の準備に成功し、
デルタライズクローのデスシウムクローで動きを止めてる所にキングジョーSCの口の中で待ち構えていたコジローにより、
細胞分裂逆進剤を口の中に撃ち込まれて辛くも元に戻った。
薬は注射より飲むのに限るぜ、M1号さん!

劇中でルリも語っていたが、M1号は巨大化したパニックで暴れただけで悪意はない。
とはいえ、知能こそそのままだったが、元々の怪力は巨大化でさらにパワーアップしており、
ウインダムとキングジョーSC2体掛かり相手になお優勢になる程であり、危険視されるのは致し方ない部分もあった。
そして、この時の「ストレイジは防衛隊の総意よりも自己の判断を優先する、事実上の独立愚連隊状態である」という描写が、
彼らのことを快く思わない者が出る、後の展開の前振りにもなっている


MUGENにおけるM1号

カーベィ氏の製作したキャラが公開中。
『Q』『X』『Z』をミックスしたような技構成をしており、
パンチやドロップキックなどの近接技に加えて移動技の「テレポート」を持つ他、
万能細胞を再現したのか、自動ライフ回復も持っている。
超必殺技はいずれも1ゲージ消費で、「フライングラリアット」「突撃」
地上の相手にのみ当たる「強制転移」の3つ。
AIもデフォルトで搭載されている。
紹介動画


「私はカモメ、空高く飛翔し、思考し続ける…
 私はカモメ……私は………」

出場大会

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最終更新:2024年12月15日 00:39