OP相殺とは
OP相殺とは、
「同じ技を何度も使うとその技のダメージが減少するペナルティが課されるシステム」
のこと。直近で当てた9回分の技の中に次に使用する技と同じものが含まれていた場合、OP相殺により下記の計算方法に基づいて
与えるダメージ量やふっとばし力が減少する
。
日本語では OP相殺、ワンパターン相殺、
英語では stale(動詞)、stale-move negation(名詞)、repetition effect(名詞)
といった名称がある。
攻撃同士がぶつかった時の「相殺」とは別の用語。
OP相殺のかかった攻撃のペナルティを軽くしようと他のワザを当てることを「OP回復」などと呼ぶこともある。
OP相殺の計算方法
計算システム
各キャラクターが
過去9回
ヒットさせたワザはそれぞれキュー1、キュー2、・・・、キュー9に記録されている。次に使用するワザと同じワザがいずれかのキューに記録されている場合、OP相殺が発生する。
記録されている各キューの
位置によって補正のかかり具合が異なり
、若いキューに記録されているものほどOP補正によるダメージの減少量が大きい。すなわち、使ってから間もない技ほどOP相殺の影響が大きくなる。
以下の場合は攻撃がキューに記録されない(OP相殺が更新されない)。
- 攻撃が空振りした
- 相手の攻撃と相殺した
- カウンター/反射された
- 当たりあり無敵状態の相手に当たった
- ノーダメージの風・水圧判定部分のみが相手にヒットした
また1回のモーションで複数の相手に攻撃を当てた場合でも、記録は1回分になる。
過去9回にわたって一度も同じ技を使用していなかった場合、OP補正倍率が
1ではなく1.05
として計算される。これはスマブラXから追加された仕様で、俗に
「OPボーナス」
と呼ばれる。
トレーニングモードでは基本的にOP倍率は1だが、設定「ワンパターン相殺」をONにすると大乱闘モードと同様にOP相殺がかかるようになる。ONにする前に攻撃を当てていた場合、その分もカウントされる仕様である。
OP補正の計算式と例
キュー番号 |
補正係数[%] |
S1 |
9.0 |
S2 |
8.545 |
S3 |
7.635 |
S4 |
6.79 |
S5 |
5.945 |
S6 |
5.035 |
S7 |
4.255 |
S8 |
3.345 |
S9 |
2.5 |
Snはn番目のキューのOP補正係数を意味し、100からその総和を引いたものがOP補正倍率[%]となる。
ただし、OP補正が1となるときは前述のとおり
1.05
として計算する。
例えば基礎ダメージが10%の攻撃を2・3・7回前にもヒットさせている場合、次に当てるときのOP補正は以下のようになる。
OP補正 = 100 - (S_2 + S_3 + S_7)
= 100 - (8.545 + 7.635 + 4.255) = 79.565 [%]
したがってOP補正込みの与ダメージは7.9565%となる。
ちなみに、キュー1からキュー9まで全て同じ技で占められている場合のOP補正倍率は0.4695である。
シールドに攻撃を当てたとき
ワザをシールドで防がれた場合も攻撃がOPキューに記録される
が、
補正係数が0.85倍
になる。
リンク・こどもリンク・トゥーンリンクの盾で飛び道具を防いだ場合も同様の処理となる。
例えば基礎ダメージが10%の攻撃を1回前にガードされ、かつ5回前にもヒットさせている場合、OP補正は
OP補正 = 100 - (S_1 *0.85 + S_5)
= 100 - (9.0*0.085 + 5.945) = 86.405 [%]
となる。
for以前では、攻撃をガードされた場合はOP相殺がかからなかった。
ふっとばし力
攻撃のOP相殺がかかっている場合、ふっとばし力計算式のダメージ部分を以下のように置き換える。
ダメージ (OP有) = ダメージ * [1 + 0.3 * (OP相殺倍率 - 1)]
すなわち、ふっとばし力計算にはOP相殺によるダメージ量変化の
0.3倍
しか影響しない。OP相殺による与ダメージ量変化がふっとびに影響しすぎないための措置である。
この仕様はforから実装されており、X以前と比較するとふっとばし力の下がり幅は大きく軽減されている。
OP補正係数について
OP補正係数の数値について、それぞれ差分を取ると次のようになる。
S1 - S2 = 0.455 = 0.065 * 7
S2 - S3 = 0.910 = 0.065 * 14
S3 - S4 = 0.845 = 0.065 * 13
S4 - S5 = 0.845 = 0.065 * 13
S5 - S6 = 0.910 = 0.065 * 14
S6 - S7 = 0.780 = 0.065 * 12
S7 - S8 = 0.910 = 0.065 * 14
S8 - S9 = 0.845 = 0.065 * 13
最後の係数の7,14,...の総和は100になる。S1 - S9 = 6.5としてこれを100等分し、7 : 14 : 13 : ・・・ : 13に配分したものがOP補正係数として設定されているということになる。ちなみにforのOP補正係数はS1 - S9 = 5.8として全く同じ配分をしたもの。
特殊なケース
反射・カウンター
反射・カウンターが成功した場合も、OPのキューには記録されない。
反射・カウンター攻撃のダメージは、取ったワザにかかっていたOPの影響を受ける。
攻撃対象にするとOP相殺のキューに保存されるもの
これらの当たり判定に攻撃をヒットさせた場合、
「OP相殺を考慮したダメージを与える」
上に
「OP相殺も加算・回復する」
。
-
ロゼッタ&チコの「チコ」
-
ステージオブジェクト
:「すま村」「村と街」の風船、「ダックハント」のカモ、「攻城戦」の石像など
-
アイテム
:ファイターが生成したアイテム(メカクッパや爆弾など)も含まれる。
+
|
アイテムに分類されるもの【for】 |
(メカクッパ) (バイク) (バクダン) (炸裂丸)
(みがわり人形・丸太) (ジャイロ) (サッカーボール) (フルーツ・パワーエサ)
|
攻撃対象にしてもOP相殺のキューに保存されないもの
これらの当たり判定に攻撃をヒットさせた場合、
「OP相殺を考慮したダメージを与える」
が
「OP相殺は加算・回復しない」
。
- ピクミン&オリマーの
「ピクミン」
-
ファイターが生成したオブジェクト
:ダックハントの缶、デデデのゴルドー、パックマンの消火栓など。
- 自爆ダメージ(ロックマン横B、ダックハントNB)
+
|
オブジェクトに分類されるもの一覧【for】 |
(盾) (ファントム) (ガーディアンズ)
(ゴルドー) (缶・フリスビー・ガンマン) (木・はにわ・風船) (消火栓)
|
OP相殺の影響を受けない攻撃(常に一定ダメージ)
これらの攻撃は
常にOP相殺を無視したダメージ・ふっとばしを与える。
ちなみに
ほかほか補正も無視される。
OPのキューにも影響しない。forではアイテム生成でOP回復できたが、SPではできなくなっている。
-
アイテム投擲
- 風や水など、ノーダメージの押し出し判定
- アピール(ルイージ、ゲッコウガ)
- 自傷ダメージ
+
|
投擲アイテムに分類されるもの【for】 |
{
(蕪) (メカクッパ) (バイク) (ピーナッツ・バナナ) (バクダン) (炸裂丸)
(魔導書・サンダーソード) (ジャイロ) (木片) (フルーツ) (メタルブレード)
|
注意が必要なもの
すべて「違う種類のワザ」としてカウントされるワザ
- 弱1・2・3・百裂
- 横強1・2・3
- 横スマッシュ1・2
- 空前1・2・3
- リュウの弱攻撃(弱)と弱攻撃(強)など
すべて「同じ種類のワザ」としてカウントされ、「派生するたびにキューに記録される」ワザ
- マルス・ルキナ・ロイ・クロムの横B派生行動(マーベラスコンビネーション)
- カムイの横B派生行動
- クッパJr.の上B(クラウンとハンマー)
- ベヨネッタの空中横B1・2
- ベヨネッタの上B1・2
例えばマーベラスコンビネーションを全段当てると、4段目は直前3回分のOP補正がかかった状態となる。
すべて「同じ種類のワザ」としてカウントされるが、「派生してもキューに記録されない」ワザ
- 百裂攻撃と百裂フィニッシュ
- シュルク・クラウドの上B派生行動
- クラウドの横B派生行動
- ベヨネッタの空N・空上派生行動
- ベヨネッタのバレットアーツ各種
- ベヨネッタの地上横B派生行動
- キングクルールのNB派生行動
これらのワザは、派生して複数回攻撃を当ててもキューに保存されるのは1回のみとなる。
同じワザでキャンセルできるワザ
- ピカチュウ・むらびと・ロゼッタの弱攻撃
- フォックス・ファルコのNB
- リュウの上強(弱)や下強(弱)
途中でキャンセルして始めに戻ることのできるワザは、
キャンセル毎に別々のキューに記録される。
その他
- リュウ・ケンのコマンド有必殺技とコマンド無必殺技は同じワザとしてカウント
- ミュウツーの前投げやフォックスの下投げなど、飛び道具を発射する投げワザは同じワザとしてカウント
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