概要
「転倒」 (Trip, Tripping, Prat falling)とは、
ファイターが転んでしばらくのあいだ身動きできなくなるアクションのこと。
転倒属性が設定されている攻撃判定がヒットした場合だけでなく、条件が揃えば多くのワザで転倒が発生する。
一度転倒してから60Fが経過するまでは再度転倒しない。ただし、転倒属性の攻撃判定(バナナのかわなど)はこの制限を無視できる。
転倒とヒットストップ
ワザが敵ファイターにヒットして転倒すると、敵ファイターはヒットストップの1F目から転倒モーションに移行する。
その後、ヒットストップを経たのち転倒モーションの2F目以降を消費することとなる。
ただし、ピチューの横強攻撃では、敵ファイターはヒットストップを無視して転倒モーションを開始する。
これにより、ピチューがヒットストップしているあいだに敵ファイターは転倒モーションを消費することとなるため、ピチュー側が得られる有利フレームは最小でわずか3Fしかない。
転倒起きあがり
転倒中に行える行動は、その場起きあがり/前方起きあがり/後方起きあがり/攻撃起きあがりの4つ。
基本的にたおれ・ダウン状態中と変わらないが、モーションの都合上転倒状態の方が攻撃を受けやすい他、以下の3点で異なる。
- つかみ判定がヒットする。
- たおれ・ダウン状態の相手にヒットしない攻撃判定がヒットする。
- 埋め属性のワザ
- ミュウツーの下必殺ワザ(かなしばり部分)
- ロックマンの横必殺ワザ(付着判定部分)
- リドリーの下必殺ワザ(本当て部分)
- カービィ/デデデ/キングクルールの通常必殺ワザなど、一部の風判定
- 倒れアイテム食べを行えない。
各起きあがりモーションの全体フレーム・無敵フレームは全ファイターで統一されており、以下の通り。
なお、転倒してから240Fの間何も入力しなかった場合は、自動でその場起きあがりになる。
アクション |
無敵フレーム |
全体フレーム |
その場起きあがり |
1-16F |
21F |
前方起きあがり |
1-9F |
28F |
後方起きあがり |
1-9F |
28F |
攻撃起きあがり |
1-7F |
49F |
転倒(小)と転倒(大)
転倒には、「転倒(小)」と「転倒(大)」の2種類が存在する。
転倒(小)は、0.0%の攻撃判定で転倒した際に生じる。
地面に落ちているバナナを踏んだときが転倒(小)で、その他の場合はすべて転倒(大)。
各転倒モーションの全体フレーム・無敵フレームは全ファイターで統一されており、以下の通り。
なお、転倒モーションの1F目はヒットストップ中に消費される。
したがって、例えば転倒(大)時の転倒側の不利フレームは、38 - 攻撃側の後隙 [F]となる。
アクション |
無敵フレーム |
全体フレーム |
転倒(小) |
1-5F |
29F |
転倒(大) |
1-5F |
39F |
転倒率
転倒率(Trip rate, Trip chance)とは、攻撃判定に設定されている特性の1つ。
転倒率が高い値に設定されているほど、
攻撃判定がヒットした際に相手を転倒させやすくなる。
一部のワザでは、設定されているベクトルが高すぎて、転倒率が設定されているにも関わらず転倒させる手段が存在しないということもある。
例えば、マリオの下強攻撃は転倒率が0.4 (40%)に設定されているが、ベクトルが80°であるため転倒させることができない。
追加転倒率
敵にワザをヒットさせて55以上のふっとばし力を与えると、その攻撃判定には7.0%の転倒率が付与される。
このときに付与される
7.0%の転倒率のことを
「追加転倒率」と呼ぶ。
追加転倒率はすべての攻撃判定に生じうるが、実際に転倒させるためには必ず後述の転倒条件を満たす必要がある。
なお、forでは攻撃判定に設定されている転倒率が0でないワザは、55以上のふっとばしでなくとも常に追加転倒率が追加されていた。SPでは未確認。
追加転倒率は次のように計算されている。
追加転倒率 = (0.12 + 0.02) / 2 = 0.07 = 7.0 (%)
0.12と0.02は、それぞれslip_damage_rate_max, slip_damage_rate_minという名前でラベリングされている。
一般的な状況では、これらを平均した7.0%が追加転倒率として扱われることが確認されている。
ただし、何らかの状況では最小2.0%から最大12.0%まで変動することがあるかもしれない。
転倒率が0でない361°ワザ一覧
ベクトルが361°に設定されているワザは、ふっとばし力が60を超えると相手を転倒させることができなくなる(後述)。
通常のガチ対戦では必ずふっとばし力が60を超えてしまい、実質的に転倒させることができないワザも含むため注意。
ファイター |
ワザ |
判定の種類 |
実質転倒率 |
 |
横強攻撃 下強攻撃 下必殺ワザ |
下シフト - 空中, Hit 2 |
22% 47% 27% |
 |
下強攻撃 |
先端 |
37% |
 |
下強攻撃 |
先端 根本 |
42% 37% |
 |
下スマッシュ攻撃 |
根本 |
42% |
 |
下強攻撃 |
- |
37% |
 |
前空中攻撃 |
持続 |
27% |
 |
下強攻撃 |
Hit 1(根本1, 根本2) Hit 2 |
37% |
 |
下スマッシュ攻撃 |
Hit 1(根本) Hit 2(根本) |
27% |
 |
横強攻撃 |
- |
100%
|
 |
下スマッシュ攻撃 |
根本 |
47%
|
 |
下強攻撃 |
- |
32% |
 |
下必殺ワザ |
溜めなし |
100%
|
 |
下スマッシュ攻撃 |
根本 |
47%
|
 |
横必殺ワザ |
キック 攻撃, 打撃 ジャンプ, 打撃 |
37% |
 |
下強攻撃 |
- |
27% |
 |
下強攻撃 通常空中攻撃 |
- |
57%
37% |
 |
下強攻撃 |
- |
47%
|
転倒条件
相手を転倒させるための大前提は、「攻撃ヒット後の敵ファイターが地上にいる」こと。
なお、ノーリアクション(風判定)のワザでは転倒させることができない。
通常の攻撃判定が上記の大前提を満たすには、後述のいずれかの条件を満たす必要がある。
なお、地面は完全に平坦なものを仮定しており、地面が傾斜している場合は考慮していない。
また、前述した通り転倒率が0.0でない値に設定されているワザは、ふっとばし力が55以上である必要はない。
ベクトルが361度に設定されているワザ
361°ワザのふっとび角度はふっとばし力が60未満のときに0°になるため、相手を転倒させやすい。
よって、55以上60未満のふっとばし力を与えると、付加転倒率により7.0%の確率で敵を転倒させることができる。
ベクトルが180 ~ 360°に設定されているワザ
ベクトルが180 ~ 360°に設定されているワザで80未満のふっとばし力を与えると、敵ファイターは地面をバウンドせず地上でのけぞる。
よって、55以上80未満のふっとばし力を与えると、付加転倒率により7.0%の確率で敵を転倒させることができる。
前作では、ベクトルが0°または180°のワザで80以上のふっとばし力を与えても倒れふっとびにならなかった。
これにより、55以上のふっとばしであればどれだけ強いふっとばし力でも転倒させることが可能だった。
転倒属性
転倒属性を持つ攻撃判定による転倒は、通常ワザによる転倒とは以下の点で異なる。
なお、
アーマー状態のファイターには効果がない。
- 攻撃判定の転倒率が0.0に設定されていても、必ず転倒させることができる。
- 与えるダメージが0.0%の場合でも、常に転倒(大)モーションを発生させる。
- 転倒後60Fのあいだは再度転倒しない仕様を無視できる。
転倒属性を持つ攻撃判定は以下の通り。
ファイター |
ワザ |
 |
下必殺ワザ (バナナのかわ) |
バナナのかわ バナナガン |
- |
マーイーカ |
ひっくりかえす |
リキ |
コロベも |
スピリッツギミック |
「ステージ全体に地震が発生」 |
傾斜のある地面上での転倒
ファイターが接地している地面が平坦でない場合、攻撃ヒット後の敵ファイターが地上にいるための条件が変わるため、転倒の条件も変化する。
例えば左側に下がっている地面の上で敵ファイターに0°のふっとび角度を与えた時、むかって右側にふっとばした際は転倒が可能だが、左側にふっとばした際は転倒させることができない。
後者の場合は、攻撃ヒット後の敵ファイターが空中と判定されるためである。
極端な例を挙げれば、ステージ「ヨースター島」では40°のベクトルの攻撃判定でも転倒させることが可能。
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最終更新:2022年01月02日 09:31