跳ね戻りとは
倒されたコントローラースティックが中央に戻るとき、勢い余って逆方向の入力が入ってしまうことがある。
この現象は「
スティックの跳ね戻り
」と呼ばれている。
倒したのと逆側に指を置いてスティックを離すと、指にスティックがぶつかって跳ね戻りを物理的に体感できる。
↑ Switchのスティック補正画面(スロー再生)。
右にスティックをはじいた後、左に跳ね戻りが発生している。
跳ね戻りによる反対側への入力は一瞬である。
物理的に跳ね戻りが起きていても、60回/秒のサンプリングレートでは検知されないこともある。
跳ね戻りが検知される場合も、その入力値はサンプリングのタイミング次第でバラつく。
跳ね戻りの起きやすさはコントローラーごとに異なる。
この差の主な要因は、搭載されているスティックデバイスの
レバーの硬さ
および
レバー復帰精度
である。
また、
スティックから素早く指を離すとスティックに勢いがついて跳ね戻りしやすい。
スティックの跳ね戻りは、ゲームプレイ中の意図しない操作を引き起こす。
スマブラforでは、いわゆる"TANIステ"の後に振り向きが出てしまうことが多くあった。
スマブラSPにおいては
- 前ジャンプしてすぐにNBを入力したら、反転NBが出た。
- 連続してステップをしたら、入力と反対方向にステップが出た。
などの誤爆が起こりうる。
とはいえ跳ね戻りの逆入力はわずか1Fであるため、発生しても全く支障が無い状況の方が多い。
跳ね戻り率検証
方法
跳ね戻りが起きる確率をコントローラーごとに検証した。
検証はPC上で、Lスティックの入力値(範囲は[-1,1])を1フレームごとに検出するプログラムを使って行う。
Lスティックを右に倒し、少し間を置いてから離す
という操作をして、逆方向に0.2以上の入力が入ったら跳ね戻りが起きたとみなす。
(スマブラSPではLスティックの0.2未満の入力は切り捨てられる。)
200~500回を目安に測定し、
跳ね戻りの発生確率
および
跳ね戻り時入力値の平均値・最大値
を計算した。
GCコンについて
使ったGCコンは、スマブラX時代に販売されていたもの(白・マークなし。通称"白コン")。
PCへの接続には
3 in 1 Magic Joy Box
を使用した。
ところが、接続したGCコンのLスティックをいっぱいまで傾けても入力値が最大まで到達しなかった。
そのままでは検証ができないため、検証前にMagicJoyBoxドライバの補正機能を使って最大値を取るように設定した。
その他のコントローラー
- SwitchプロコンはBluetoothで接続した。ニュートラル位置が不安定だったが、特に補正などはしなかった。
- HORIGCは既製品のほかに、デバイスを
Switchプロコン用デバイスのOEM品
に交換したものも検証した。
結果
		| コントローラー | 跳ね戻り確率 | 跳ね戻り/全体 | 跳ね戻り値平均 | 跳ね戻り値最大 | 
		| GCコン(白) | 0% | 0/185 | - | - | 
		| Switchプロコン | 37% | 106/290 | 0.352 | 0.433 | 
		| HORIコン(GC型) | 44% | 192/435 | 0.767 | 1.0 | 
		| PDP(GC型) | 44% | 207/469 | 0.409 | 0.543 | 
		| PowerA有線(GC型) | 31% | 65/210 | 0.411 | 0.598 | 
		| Cyberライト | 40% | 183/458 | 0.8 | 1.0 | 
		| HORIGC デバイス交換
 | 29% | 133/454 | 0.415 | 0.598 | 
スティックの離し方や検出率のランダム性が原因で、発生確率には数%の誤差が含まれる。
白GCコンは1回も跳ね戻りが起きなかった。
スマブラSPで使っても跳ね戻りは全く見られない。
しかし、最新のGCコン(SPスマブラコン)では跳ね戻りが発生するという報告が多くある。
HORIコン(デフォルト)・Cyberライトは、跳ね戻り値の平均・最大値が大きい。
これは、両者に搭載されている
金属軸デバイスのスティック精度が低い
ことが原因だと考えられる。
跳ね戻りの対策
スティックの跳ね戻り対策として、
デバイスの可動部分付近にグリスを塗る
という方法が知られている。
グリスの粘性でレバーが動きにくくなり、跳ね戻りが減るという理屈である。
一般的に推奨されているのは
ちょう度2号のグリス
。
効果が実感できるかどうかは人によってまちまちの様子。
コントローラーの元からの個体差にも依存するのは間違いない。
コメント
-  Twitter見ると多分この記事を読んで考えなしに塗ってる人が多い。前にグリスを塗ったのにスティックの調子悪いなーって声も散見される。当たり前だけどグリスは経年劣化でどんどん硬くなっていくし、軸内部の古いグリスを除去するのも難しいから最悪買い換えるハメになる。  -- 名無しさん  (2020-09-21 23:09:22)
最終更新:2020年09月21日 23:09