WiiUプロコン型のコントローラーを改造してみた

(19/5/7) 項目整理、全体の構成を大幅に変更。

改造のきっかけ

私は、スマブラに最適なコントローラーはWiiUプロコンだと信じている。
何といってもRスティックの位置が完璧だ。
親指一本でSJ空上が簡単に出せるし、人差し指を沿えれば上下左右の全方向を素早く入力できる。

Switchでは誠に遺憾ながらWiiUプロコンが使えないが、その代わり、非常によく似た形状の海外製コントローラーが販売されている。
Amazonでの名称はDinofireコントローラー。
正式な型番は、
  • 有線:TNS-901
  • 無線:TNS-1724
である。

性能面もサードパーティ製にしてはなかなか良い。
有線版の入力応答はGCコン比で+0.3~0.4Fで、Switchプロコン無線と同程度(スマブラforにて、WiiUプロコンはGCコン比+0.6F程度の遅延があった)。
無線版の応答は有線版に劣るが、それと引き換えにWiiUプロコンにはついに搭載されなかったジャイロ機能を完備している。

そんなわけで個人的にはかなり気に入っているコントローラーなのだが、使っているうちに スティック斜め入力がやや入りづらい ことに気付いた。
純正コントローラーでは斜め上入力できる傾け方でも、このコントローラーでは真上入力になってしまうケースがある。
コントローラー補正画面でスティックを動かしてみると、スティック中央部の"遊び"が広いことがわかる。
他にも振動やボタンの硬さなど、不満点がないわけではない。

ところでこのコントローラー、ケースおよびボタンの形状がWiiUプロコンに本当にそっくりである。
そこでWiiUプロコンのパーツを流用すれば自分好みにコントローラーを改造できるのではないかと考え、色々試してみることにした。


改造の結果

現在、Lスティックを交換したTNS-901を2つ所持している。
Lスティックパーツは、互換性のあるものから自由に選べる。
ボタンやゴムをWiiUプロコンのものと交換しても良い。

<コントローラーA>
  • スティック:Switchプロコン互換品
  • デバイス:RKJXV1224005
  • 工作内容:コントローラーケース スティック周りを少し削る(削り幅 約0.75 mm)
  • 注意:Switch本体「スティックの補正」の「初期設定に戻す」で正常に使えるようになる。

<コントローラーB>
  • スティック:XboxOneコントローラー互換品
  • デバイス:OEM品(可動域がSwitchプロコンと同じで広い)
  • 工作内容:コントローラーケース スティック周りをかなり削る(削り幅 約2.0 mm)
基板をコントローラーCに移植したため、現在使用していない。

<コントローラーC>
  • スティック:SwithプロコンおよびDUALSHOCK4互換品
  • デバイス:OEM品(可動域がSwitchプロコンと同じで広い)
  • 改造内容:スティックをOEM品スティックの軸を削る、コントローラーケース内側を削る、穴に詰め物をしてスティック高さ調整(DS4のみ)
スティックはどちらでも使える。


改造内容

スティックデバイスの移植

スティック基板にはんだ付けされているスティックデバイスを交換し、Lスティックニュートラルポジション付近に遊びが無いデバイスを装着する。
TNS-901はスティック可動域が不足しがちなので、スティック入力値の幅が大きいOEM品デバイスを移植するのがよい。
デバイスの詳細は Switchプロコンのスティックデバイス を参照。

まず、はんだ吸い取り線ではんだを除去し、コントローラー基板に付いているスティックデバイスを剥がす。
その後、新しいスティックデバイスをはんだ付けする。

L3/R3スイッチ用の4つの足は微妙に位置が違うので、導線で無理矢理接続する(下図)。
↑足の比較。

↑導線はんだ付け。
↑接続したところ。

ALPS製のスティックデバイスは裏面に突起がある。
WiiU・Switchプロコンではスティック基板上に突起をはめ込む穴があるが、TNS-901には穴が無い。
高さを確保したければ、突起はそのままでよい。一方安定性が欲しければ、突起はペンチ・やすり等で取り去ってしまうとよい。



パーツの物理的調整(削りなど)

OEMデバイスを装着しても スティックの入力値が最大に達さない ことがある。
この場合、スティック軸を削るもしくはケース軸まわりを削って、スティックの物理的な可動域を広げる必要がある。

1-a.スティック軸を削る
やすりでスティック軸を削り、軸を細くする。
スティック替えパーツは単価が安く失敗のリスクが小さいので、ケースを削るよりもオススメ。
スティック軸はSwitchプロコン・DS4ともに、↓のような構造をしている。
↑スティックの断面図。
二重円の形状で、内側の軸を外側の軸が覆う格好になっている。
今回の工作では、Switchプロコン・DS4の両方とも、外側の軸を削り切ると丁度良い可動域になった。


1-b.ケースの軸まわりを削る
コントローラーケースのスティック周りをやすりで削る。
削る時には補正画面をよく見て、可動域を広げるべき場所をこまめにチェックした。
また、ケースを閉じるとスティック基板の角度が変わり、スティックの物理的中心位置が少しずれてしまう。
補正画面でのチェックは、 必ずケースを閉じてから 行うべきである。
TNS-901の場合、 コントローラーを繋ぎなおすたび、およびSwitchをスリープにするたびにスティック補正をやり直す必要がある ことにも注意。


2.ケース内部を削る
スティックが大きく傾くようになると、スティックの傘部分がケース内部と擦れてしまうことがある。
これを避けるため、ケース内部で干渉している部分をやすりで削った。
削る箇所は
  1. スティック傘部分にグリス等を塗りたくる
  2. 組み立てて動かし、ケース内部に擦らせる
  3. 分解してグリスが付着している部分を削る
のようにして決めた。
スティック傘部分を削っても良いが、ゴミが内部に入りやすくなる、見た目が不格好になるといったデメリットから今回は避けた。


3.その他
  • DS4のスティックは背が低いので、中にビニールテープを少量詰めて高さを確保した。
  • ケースのネジを閉めた時にLスティック基板が右に傾きがちだったため、コントローラーケースの一部にビニールテープを貼って補正した。


切れたケーブルの修繕

作業中にフレキシブルケーブルを切ってしまったときは、導線のはんだ付けで対処した。
(写真準備中…)



スティック基板の交換(失敗)

スティック基板をWiiU Proコントローラーのものに置き換える。
最初に浮かんだアイデアだったが、色々試して全て失敗した挙句、上述のもっと簡単な方法で用が済んでしまった。
この方法で実用までこぎ着けたコントローラーは無いが、念のために作業記録を残しておく。

手順は次の通り。
  1. スティック基板と本体基板を繋ぐフレキシブルケーブルを取り外す。
  2. 必要があれば、スティック基板のパターンカット&再配線を行う(後述)。
  3. スティック基板を交換し、ケーブルで繋ぎなおす。

フレキシブルケーブルの取り外しでは、本体基板側の作業が難関。
高温ではんだを融かそうとするあまり、基板を傷めてしまうことが多い。
特に、任天堂製品は融点の高い鉛フリーはんだを使用しているため厄介である。
ある程度はんだを除去したら、錐などで穴を空けてしまう方がよいと思う。

再接続の手段は、
  • 取り外したフレキシブルケーブルを再利用
  • 導線で直接繋ぐ
  • コネクタを自作する
などがある。


コネクタ自作について
↑コネクタ完成例。

作り方そのものに関しては「コネクタ 自作」などで検索していただきたい。
Dinofireの基板では、スティック基板にはんだ付けするのはサイド型のポストで確定。
メイン基板側に付けるポストは悩み所である。トップ型だと回転する振動端子と、サイド型だと基板を固定するためのネジ穴と干渉する。
個人的にはトップ型のポストを削るのが良いと思うが、実用化できていないのでなんとも言えない。


パターンカット
WiiUプロコンとTNS-901は、スティック基板の配線パターンが微妙に異なる。
その結果、普通にスティック基板を交換すると Y軸の入力のみ上限が反転してしまう。
この問題に対する対処法の一つがパターンカット&再配線である。

まず、Y軸のピンからVCC・GNDに伸びている配線パターンをそれぞれ見つける。
それらを棒やすりやマイナスドライバーなどの先端で削り(パターンカット)、導線でVCCとGNDを逆に繋ぐ。

↑パターンカット例。左がパターンカットしたWiiUプロコン基板、右が参考用のTNS-901基板。

基板本体と繋がっている5本のケーブルは、裏面で見た時に左から
Y / VCC / X / GND / 3
の順である(Lスティック・Rスティック共通)。
TNS-901のスティック基板にはこれらが印字されている。



使ったもの一覧

工具
  • 導線
    • 0.51mmのものを使用した。
    • 工作のしやすい単線タイプを推奨。
  • ワイヤーストリッパー
  • はんだごて
    • 基板はデリケートなので、温度調節機能付きのものが良い。
  • はんだ線
  • はんだ吸い取り線
  • 棒やすり


スティック


  • WiiU Proコントローラーのスティック基板
WiiUゲームパッドのスティック基板・コネクタケーブルは、
基板形状やピンの幅が異なるために使えない ことに注意。
↑WiiUゲームパッド。


コネクタ自作
  • 精密圧着ペンチ
  • PHコネクタ
    • ピンの間隔(ピッチ)が2mm。ちなみにWiiUゲームパッドのケーブルは、ピッチ1.5mmのZHコネクタ。
    • ピン数が5個の部品を使った。
    • コネクタ用の部品は以下の3つ。
      • コンタクト(SPH-002T-P0.5S):導線の先に圧着する金属部品
      • ハウジング(PHR-5):導線をまとめるオス端子
      • ポスト:基板にはんだ付けするメス端子。トップ型(B5B-PH-KL)、サイド型(S5B-PH-KL)の2種類がある



参考



コメント

  • 私もWiiUプロコンがスマブラに最適なコントローラーだと思っています。 -- 熱湯5分 (2019-09-14 15:11:44)
  • でもなぜかスマブラSPのコントローラー談義には一切上がってきませんね。不思議 -- 熱湯5分 (2019-09-14 15:12:37)
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