耶麻郡五目組水沢村

陸奥国 耶麻郡 五目組 水沢(みつさわ)
大日本地誌大系第32巻 115コマ目

府城の北に当り行程7里6町。
家数11軒、東西1町・南北2町。
東北は山に倚り西は日中川に傍ひ南に僅かに田圃(たんぼ)あり。

東30町熱塩村宇津野村小田付組入田付村3村の山に界ふ。
西北は共に村際にて日中村に界ひ日中川を限りとす。その村は申(西南西)に当り5町10間余。
南4町46間熱塩村の界に至る。その村まで18町40間余。

この村もと今の地より南3町計にあり。いつの頃にかこの地に移せり。

山川

大滝

村より子丑(北~北北東の間)の方20町余、小檜沢という渓流にあり。
高9丈余・幅5間余。
この所の岩間に石鍾乳(せきしょうにゅう)*1を産す。

鸜鵡石(おうむいし)

村東麓山神社の辺にあり。
高2丈余・幅1丈計。
(せま)く上広し。人この石に向て呼べば必ず応ず。因て名くという。

日中川

日中村の境内より来り、村西20南に流るること4町計熱塩村の界に入る。

関梁

村西日中村の通路にあり。
長8間・幅5尺、日中川に架す。

神社

瀧御前神社

祭神 罔象女神(みずはのめのかみ)
草創 不明
村より寅(東北東)の方50間、山麓にあり。
鳥居あり。上三宮村高村能登これを司る。

十二神社

祭神 十二神?
相殿 総社
草創 不明
村より辰巳(南東)の方1町、山麓にあり。
宮村高村能登が司なり。

麓山神社

祭神 麓山神?
草創 不明
村東8町、山の半腹にあり。
鳥居あり。村民の持なり。

古蹟

山渓寺跡

村東にあり。
この寺は永正6年(1509年)熱塩村示現寺第7世桃渓が開基なり。その後頽顛(たいてん)せしかば、寛文元年(1661年)再興す。享保2年(1717年)越後国蒲原郡鹿瀬組実川村に移す。




最終更新:2020年08月17日 04:49

*1 鍾乳石(しようにゆうせき.)