蒲原郡下條組佐取村

越後国 蒲原郡 下條組 佐取(さとり)
大日本地誌大系第34巻 69コマ目

府城の西に当り行程19里18町。
家数23軒、東西3町41間・南北1町40間。
東南は山に傍ひ西北は揚川に臨む。

新潟に行く径路にて、村中に官より令せらるる掟条目の制札を懸く。

丑寅(北東)の方5町48間石間村に界ひ揚川を限りとす。その村まで8町10間余。
西7町20間、公領本郡馬下村に界ひ鳴沢川を限りとす。
南29町計石間長谷両村の山に界ふ。
北1町48間小松村に界ひ揚川を限りとす。その村は戌亥(北西)に当り3町50間余。

この村の肝煎石井次郎右衛門というもの家に古文書と慶長以来の水帳数冊を蔵む。
古文書如左(※略)

山川

次狩嶽

村南4町計にあり。
頂まで7町計。
西の方馬下村の山に連なる。

鳴沢川(なるさはかわ)

村西7町余にあり。
次狩嶽より流れ出、北に流るること5町計揚川に入る。
広1間計。

揚川

村北1町40間余にあり。
石間村の境内より来り、西に流るること16町計、鳴沢川を得て馬下村の界に入る。
広2町。

水利

村南4町にあり。
周87間。
寛政5年(1793年)に築く。

神社

若宮八幡宮

祭神 若宮八幡?
鎮座 不明
村東にあり。
鳥居幣殿拝殿あり。五十島村渡部奥頭これを司る。

羽黒神社

祭神 羽黒神?
鎮座 不明
村の未申(南西)の方3町余にあり。
鳥居あり。渡部奥頭が司なり。

寺院

長徳寺

村中にあり。
寶珠山と號す。村上長楽寺の末山曹洞宗なり。
開基の年月詳ならず。
天正元年(1573年)村上の産元亀という僧長楽寺より来り中興すという。
本尊観音客殿に安ず。


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    • 咲花地区(佐取)
      • この地は昔下條村(現阿賀町)に属していましたが現在は五条市に入ります。また磐越西線のコジマ山トンネルの西側出口付近より東側は阿賀町で、阿賀野川頭首工より北が阿賀野市になっています(陸の境界はこの辺)。
    • 次狩嶽?
    • 鳴沢川 - 現在の成沢川?(成沢橋の下を流れる川かと)。
      • なお菅名岳(すながだけ)の北に鳴沢峰という山があり、この川の上流の方に位置しています。
    • 若宮八幡宮
    • 羽黒神社 - 不明
    • 長徳寺


余談。
神社明細帳には阿賀町の小石取(この辺りの旧地名)に羽黒神社の登録がありません。
No.63・佐取上にある若宮八幡神社はこの村の若宮八幡宮と同じと見ていいと思います。
No.65・竹ノ口山に広瀬神社があるそうですが、どの辺でしょうか?
寺院明細帳を見ると長徳寺は佐取という地にあります(昔は上佐取と佐取で分れていた?)
最終更新:2020年11月14日 21:37