会津郡黒谷組叶津村

陸奥国 会津郡 黒谷組 叶津(かなふつ)
大日本地誌大系第31巻 142コマ目

府城の西南に当り行程20里18町。
家数10軒、東西3町・南北20間。
東北は川に近く西南は山廻れり。
村中に官より令せらるる掟条目の制札あり。

東1町40間只見村に界ひ只見川を限りとす。
西5里12町越後国魚沼郡堀内(ほりのうち)大白川(おほしらかは)新田村に界ひ、境澤峠の頂を限りとす。
南9町只見村の山界に至る。その村まで18町。
北8町本郡大塩組蒲生村の山界に至る。その村は丑(北北東)に当り18町。

端村

入叶津(いりかなふつ)

本村の西14町にあり。
家数3軒。東西25間・南北7間。
これより西8町40間に家数5軒あり。
東西1町・南北10間。
共に叶津川に傍ひ山間に住す。

山川

朝草山(鬼面山)

また鬼面山(おにがつらやま)ともいう。
村西30町にあり(本郡の条下に詳なり)。

境澤峠(さかひさはとうげ)(八十里越)

一に八十里越ともいう。

只見川

村東2町にあり。
只見村の境内より来り、北に流るること1町40間、蒲生村の界に入る。
広70間。

叶津川(かなふつかわ)

村北50間にあり。
源は境内の山中より出て、高角沢(たかつのさわ)鳥越沢(とりごえさわ)餅井戸沢(もちいとさわ)藤沢(ふちさわ)等の諸渓を得て、東に流るること7里余只見川に入る。
広30間。
鱒・「いはな」・鰥を産す。
この川源遠くしてしばしば洪水あり。
(ゆえ)にかりに丸木橋を架して往来す。

土産

鱒梵割

叶津川に産するをとりて製す。

関梁

叶津口

村中にあり。
木戸門を設け里人これを守り往来を察す。
芦平村にゆく経路なり。

橋3

一は村北50間隣村の通路叶津川に架す。
長13間、丸木橋なり。
一は端村・入叶津の東6町にあり。
一は北にあり。
共に長11間、丸木橋にて越後国に通る経路入叶津川に架す。

神社

熊野宮

祭神 熊野宮?
鎮座 不明
村の辰巳(南東)の方50間にあり。
鳥居拝殿あり只見村赤塚伊勢が司なり。


最終更新:2020年04月02日 00:43