会津郡黒谷組只見村

陸奥国 会津郡 黒谷組 只見(たたみ)
大日本地誌大系第31巻 143コマ目

府城の西南に当り行程20里。
家数94軒、東西50間・南北23町。
散居す。
東南は只見川に近く南北は山廻れり。
村中に官より令せらるる掟条目の制札あり。

東5町黒沢村の界に至る。その村まで12町。
西18町田子倉村の山界に至る。その村は申(西南西)に当り1里18町。
南6町石伏村の界に至る。その村まで28町。
北10町叶津村の山界に至る。その村まで18町。
また辰巳(南東)の方3町楢戸村の界に至る。その村まで1里。

もと村の辰巳(南東)の方5町20間余に只見新田という端村あり。
今は廃せり。

山川

柴倉山

村の寅(東北東)の方8町にあり。
頂まで9町。
黒沢村と峯を界ふ。
雑木多し。

只見川

村東1町にあり。
石伏村の境内より来り、辰巳(南東)の方にて檜枝岐川に合し、丑寅(北東)の方に流るること1里余、本郡大塩組蒲生村の界に入る。
この川の水源より金山谷を経て牛沢組柳津村に至るまで数十里の間、両岸(そばだ)ち水勢甚だ急なり。只ここのみ少く開けて東西20町・南北3町計の河原あり。

大沼(おほぬま)

村北5町にあり。
周2町40間。

関梁

船渡場

村東2町にて只見川を渡す。府下の通路なり。
寛永中(1624年~1645年)蒲生・加藤両家より渡守宗左衛門という者に与へし文書あり。
その文如左
※略

神社

瀧神社

祭神 罔象女神(みつはのめのかみ)
鎮座 不明
村の戌亥(北西)の方2町20間余にあり。
石鳥居拝殿あり。

神職 赤塚伊勢

その先詳ならず。
元禄中(1688年~1704年)伊豆某という者あり。
今の伊勢尹晴は5世の孫なり。

熊野宮

祭神 熊野宮?
相殿 羽黒神 地主神なり
鎮座 不明
村中にあり。
拝殿あり。赤塚伊勢が司なり。

三石神社

祭神 不明
創設 不明
村の戌(西北西)の方3町巌窟の中にあり。
祭神及び鎮座の初詳ならず。
村民の持なり。

寺院

長福寺

村中にあり。
曹洞宗龍巖山と號す。開基詳ならず。
天正10年(1582年)壽察という僧住してより天寧村天寧寺の末山となる。
本尊釈迦客殿に安ず。

古蹟

館跡

村西6町にあり。
東西1町40間・南北1町10間。
水久保城と云う。
天正中(1573年~1593年)山内氏勝ここに拠て伊達勢を防ぎしと云う。
大沼郡大塩組横田村の条下を併見るべし。